登録販売者試験の試験科目の「主な医薬品とその作用(医薬品)」の勉強方法を述べるページ。独学者向け内容。直近試験の傾向や基本方針のほか、医薬品の勉強のコツを3つ述べる。数字対策や上級者向けリンクのほか、語呂合わせ・まとめ記事へのリンクも併せて掲載。
登録販売者の試験勉強の中で、最難関が「医薬品」です。
800個強あるカタカナ成分と、約85個の漢方処方製剤と、約105個の生薬の効能等を、これでもかというほど、憶えることになります。
試験勉強では、当該「医薬品」を率先して消化していかねばなりません。
「後回し」にすると、必ず、試験日に間に合わなくなります。
当該「医薬品」を最優先してください。
ぶっちゃけ言うと、「医薬品」で点が取れたら合格します。32点で確定、28点で安心、24点で合格圏ってな感じです。
以下は、「医薬品」のうち、「カタカナ成分」の勉強方法を述べていきます。
漢方処方製剤と生薬は、長くなったので、別ページにまとめています。
「生薬の独学」
…を、参考にしてください。
近年の「医薬品」の傾向で最たるものは、「そのすべてが出る」となっています。
おおむね、各薬は、前文・総論部分、配合成分、副作用、相互作用、受診勧奨などの論点で構成されています。
以前は、カタカナ成分の配合成分の出題が大半でしたが、現在では、先に挙げたすべての論点から出題されています。
私的には、未出題の記述を意図的に出題してる感が強いです。
んで、選択肢の埋め草なのか、「注記」からの出題も、多々あります。
テキストの「医薬品」の全記述が出題対象です。そのすべてを、遺漏なく見ておくべきです。
ハエや蚊や配偶者といった衛生害虫とかも、「関西広域連合 R6 第59問」のように、ふつうに突っ込んだ出題があります。
んで、相変わらず、マイナー成分が出題されています。「卵黄油」やら「イオウ」、「尿素」がふつうに出てます。
抗真菌成分も、「千葉県 R6 第91問」のように、正面から問われてます。
んで、その他とかに分類されているビタミン成分も、出まくってます。
もう、「医薬品」は、以前のような「出るところは出るが出ないところが出ない」という出題ではないです。全部が出ます!
(なお、定番問題や頻出問題が一切出なくなったというわけじゃないです。相変わらず、出るものは出てます。ゆめゆめ過去問演習を怠らないでください。)
特に、注意してほしいのが、健康被害系の記述です。
代表的なものが副作用です。
副作用は、すべて出ると想定してください。
すべて出るので、「注記」も出ます。
たとえば、「かぜ薬」の重篤な副作用の「注記」の…、
・肝機能障害を生じることがある主な成分:アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン、葛根湯、 小柴胡湯、柴胡桂枝湯、 小青竜湯、麦門冬湯
・ 偽アルドステロン症を生じることがある主な成分:グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、カンゾウ
・腎障害、無菌性髄膜炎を生じることがある主な成分:イブプロフェン
・眠気や口渇が現れることがある主な成分:抗ヒスタミン成分(眠気については、鎮静成分でも現れることがある。)
・便秘が現れることがある主な成分:コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩
・排尿困難が現れることがある主な成分:抗コリン成分(べラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド)、抗ヒスタミン成分、マオウ
…も、出ます。
また、注意喚起的なものも出るようになっています。
たとえば、生薬ですが、アリストロキア酸によって腎障害の起きる「サイシン」、糖尿病の数字に影響を及ぼす「セネガ」、「オンジ」とかです。
健康被害系な記述に遭遇したら、付箋を貼るなどして、意識して見ておきましょう。(登録販売者の実務を考えると、至極穏当な出題だと思います。)
解熱鎮痛成分の「プロスタグランジン」が定番問題と化しています。ほぼ全国で出ています。
「福島県 R4 第23問」とか「東京都 R4 第63問」とかの問題です。
上記の択一式のほか、「愛知県 R4 第24問」のように、穴埋め問題でも出題されています。
小難しい記述だからこそ、出題されているように思われます。細かいところまで、押えておきましょう。
個人的には、手軽に難問が作れるから出してんじゃないの?と思ってます。
これまた、全国的な傾向なのですが、医薬品・医薬部外品の別が問われるようになっています。
出題の代表例としては、「広島県 R6 第91問」や「」があります。
医薬品・医薬部外品という語句に遭遇したら、チェックしておきましょう。
「医薬品」の勉強方法ですが、序盤・中盤では、「問題演習中心」です。
ざっくりテキストを読んだら、読んだところの問題をドンドコ解いていってください。わからなくても・解けなくてもいいです。テキストを見ながらでいいです。
「問題を解きながら憶える」方が効率がいいです。
何回も解くことで記憶が強固になります。とりあえず、問題を解きましょう。
んで、問題がそこそこ解けるようになる中盤以降は、「テキストの精読」を行ってください。
テキスト精読ですが、別に難しくはなく、ゆっくり読む・丁寧に読む・端折らないで読むくらいの作業です。
本試験では、総論部分や前文からの出題も増えているので、腰を据えて、テキストを読んでいってください。
こんな次第で、ベーシックな「問題演習→テキスト精読→問題演習→テキスト精読」のループが、遠回りに見えて一番効率がいいかと思います。
終盤でも、「テキストの精読」で、知識の整理や記憶の確認をしてください。
まずは、最終的には、過去問題集の問題を、「3回以上」解きましょう。わたしは、できない問題などは、「5回」くらい解いてました。
「医薬品」ですが、ボリュームが巨大なので、ちょっとずつやればいいです。
最初のうちは、成分名と名称の暗記だけでいいです。
効能とか副作用とか禁忌(使用しない・相談する)とかは、とても重要なのですが、名前すら満足に憶えてない段階で、それらを憶えようとしても無理です。
序盤は、たとえば、「メチルエフェドリン塩酸塩・・・アドレナリン作動成分」とか、「リゾチーム塩酸塩・・・抗炎症成分」といった感じで、ひたすらひたすら成分名と名称を憶えていきましょう。
どうせ、5回くらいやるんだし、最初の方は、ざっくりでいいですよ。
そして、ざっくりでいいのは、試験勉強の放棄を防ぐ意味もあります。
すべての記述を、一気に憶えようとすると、あまりに面倒さに、配偶者並みの嫌気が差します。
無理が高じると、勉強が嫌になります。最悪、勉強をやめてしまいます。
一番かったるいのが「医薬品」です。そして、一番シンドイのが序盤です。無理をせず、根を詰めずにやっていってください。
こういうとアレですが、配偶者と同じで、「接触回数」の問題です。人間はどんなことにも慣れます。
最初は、チンプンカンプンで、(マジでこんなん憶えられるの?)と不安になりますが、何回も接していくうちに、大体のものは、憶えられます。
結論から言うと、ボリュームの少ないところからやる、ってな次第です。
ひとえに、試験勉強の放棄や挫折を避けるためです。
多くの方は、「医薬品」の勉強を始めると、まず「精神神経に作用する薬」の「かぜ薬」から、手を付けます。
しかし、当該「かぜ薬」から、勉強を始めなければならない理由は、まったく「ない」です。
実は、「かぜ薬」は、「医薬品」のなかで最もボリュームの多い論点で、挫折率の高いところとなっています。
「医薬品」の勉強ですが、目次に目を通して、「ボリュームの少ないところから、始めることを勧めます。
というのも、ボリュームが大のところは、憶えることがあまりに多いため、実にシンドイからです。
勉強に慣れない時分は、“厄介なことを避ける”のが「肝」です。
ボリュームのある「かぜ薬」や「解熱鎮痛薬」は、「後回し」としましょう。
「医薬品」ですが、ほんの数ページで終わる単元がそこそこあります。
たとえば、「婦人薬」や「喫煙補助剤」、「一般用検査薬」などです。
参考: 婦人薬
参考:禁煙補助剤
参考:一般用検査薬
しかも、です。
これら“ほんの数ページのもの”でも、「1点」の配点があるので、費用対効果が高いのです。
まずは、量の多い「かぜ薬」を避けて、量の少ない「婦人薬」等から、「医薬品」の制覇を狙いましょう。
んで、これらが終わったら、目次を見て、量の少ないものに、たとえば、「鼻に用いる薬」や「眼科用薬」などに、手を付けていくってな塩梅です。
一概には言えませんが、章の後半の方に、ボリュームの少ない薬が多いです。
こんな次第で、ボリュームの小さいものから消化していって、論点の大半を消化したら、「かぜ薬」などのボリュームの大きなものに着手する、ってな塩梅です。
大を避け、小を狙い撃ちにする方が、得点効率がいいし、何よりも、“終わっていく感”があるので、精神的にも楽です。
巨大なボリュームの「かぜ薬」などは、ラスボス戦のような感じで臨んでください。
「医薬品」の勉強の際は、家にある薬箱を、傍に置いておきましょう。
薬箱の薬のほとんどは、「一般用医薬品」のはずなので、「実地」で勉強する、ってな塩梅です。
少し面倒ですが、勉強している成分の1つ1つを、家の薬と照らし合わせていくと、(あーこの成分が入っているナァ)的になって、かなり記憶に残ります。
わたしのケースですが、ステロイド性抗炎症成分の「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」を、即、憶えることができました。
イエダニ用に買ってあった「ムヒアルファEX」に、配合されていたからです。
(あーこれかー)的な感じで、即、頭に入ったってな次第です。
配偶者のようになじみのないカタカナ成分は、テキストの「紙」の上だけの勉強では、なかなか記憶に残りません。
「医薬品」の勉強は、身近な薬を最大に活用して、憶えこみましょう。
痔の薬(止血成分など)や水虫の薬(抗真菌成分とか)は、配偶者のを借りるといいでしょう。
ところで、“大”推奨はできないですが、ドラッグストア等で実際に薬を手にして憶えるのも一手です。意外に勉強になります。
んで、授業料として、“セール”の洗剤かティッシュくらいを買って帰りましょう。
「医薬品」で勉強することは、日常生活で“馴染みのない”名称が多く、たとえば、「ポリエンホスファチジルコリン」などは、なかなかに頭に入って行きません。
んなもんで、わたしは、少しでも記憶に残すため、「問題集や過去問を解いて、成分名のところにマーカーを引き、そして、テキストの該当ページをメモする」ようにしておきました。
下の画像は、わたしが当時使っていた過去問題集ですが、こんな風に…、
…メモしていきました。
こうしておくと、テキストを調べる時間が“大幅に”短縮されるので、試験勉強の効率が格段に上がります。
「医薬品」でも、数字が問われます。
「医薬品」に出てきた数字だけを、以下に、まとめています。復習や知識の確認等に、細切れ時間で活用してください。
「医薬品」の過去問を、「全ブロック 試験問題 科目別 インデックス」にまとめています。
ドンドコ問題演習をしたい人は、活用してください。
なお、全国の過去問は、「登録販売者 都道府県別 過去問+解説」にあります。受験予定地のPDF過去問を解く際に、活用ください。
「医薬品」の個別論点攻略ページへのリンクです。
鎮暈薬の抗ヒスタミン成分‐メクリジン塩酸塩・プロメタジンテオクル酸塩・ジメンヒドリナートの語呂合わせ
みずむしの抗真菌成分(イミダゾール系の抗真菌成分、アモロルフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩)の語呂合わせ
みずむしの抗真菌成分(シクロピロクスオラミン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、ピロールニトリン、トルナフタート、エキサラミド)の憶え方
サルファ剤(スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフイソキサゾール)、バシトラシン、硫酸フラジオマイシン、クロラムフェニコールの憶え方とまとめ
駆虫薬の回虫・蟯虫の憶え方と語呂合わせ‐カイニン酸・サントニン・ピペラジンリン酸塩・パモ酸ピルビニウム
ビタミン成分の語呂合わせ・憶え方‐ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンC
ビタミン成分の別名の語呂合わせ・憶え方‐ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12
【ハイレベル】その他系のビタミン成分
【ハイレベル】ショック(アナフィラキシー)の副作用のまとめ
【ハイレベル】アナフィラキシーの副作用のまとめ
【ハイレベル】「日本薬局方」のある成分のまとめ‐グリセリン,ヒマシ油,クレゾール石鹸液
【ハイレベル】散瞳と縮瞳のまとめ
登録販売者 生薬の語呂あわせ:興奮・緊張の緩和(鎮静)‐チョウトウコウ・チャボトケイソウ・カノコソウ・ホップ・サンソウニン
苦味の健胃成分‐ゲンチアナ・オウバク・オウレン・センブリ・リュウタン・ユウタン
香りの健胃成分の語呂合わせ‐オウゴン・ショウキョウ・コウボク・チョウジ・ウイキョウ・ソウジュツ・ビャクジュツ・ケイヒ・チンピ
利尿作用のある生薬の語呂合わせ‐ソウハクヒ・キササゲ・モクツウ・ブクリョウ・カゴソウ・サンキライ
【ハイレベル】「日本薬局方」のある生薬のまとめ
【ハイレベル】「注意事項」のある生薬のまとめ
【ハイレベル】「その他の記載」のある生薬のまとめ
【ハイレベル】手引きにない漢方処方製剤のまとめ‐大建中湯,五苓散
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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