登録販売者試験の試験科目の「主な医薬品とその作用(医薬品)」の勉強方法を述べるページ。独学者向け内容。直近試験の傾向や基本方針、勉強方法等を述べる。数字対策や上級者向けリンクのほか、語呂合わせ・まとめ記事へのリンクも併せて掲載。
登録販売者の試験勉強の中で、最難関が「医薬品」です。
800個強あるカタカナ成分と、約85個の漢方処方製剤と、約105個の生薬の効能等を、これでもかというほど、憶えることになります。
試験勉強では、当該「医薬品」を率先して消化していかねばなりません。
「後回し」にすると、必ず、試験日に間に合わなくなります。
ドンドコ、頭にカタカナ成分を叩き込んでいってください。
以下に、「医薬品」の「カタカナ成分」の勉強方法を述べるので、参考にしてください。
なお、漢方処方製剤と生薬の勉強方法は、別ページにまとめています。「漢方処方製剤の独学」と「生薬の独学」を、参考にしてください。
んで、独学全般については、メインページたる「登録販売者の独学」を一読願います。
近年の「医薬品」ですが、本当に、マイナー成分の出題が増えています。
たとえば、痔の薬の「収斂保護止血成分」の「卵黄油」やら、皮膚の薬の「角質軟化成分」の「イオウ」、保湿成分「尿素」といった成分です。
かつての試験では、ほとんど全くでなかった成分で、余裕で「捨て問」にできていたのですが、近年は、こうしたマイナー成分が正面から出題されています。
主要な成分を押さえたら、徐々に、マイナーなものも、押えていってください。
次に、これまた、一種のマイナー成分なのですが、各薬の「その他」などに分類される「ビタミン成分」が、選択肢に登場しています。
試験の終盤あたりで、「医薬品 その他系のビタミン成分」で、横断的に押えてください。
「医薬品」ですが、近年では、「解熱鎮痛薬」の「解熱鎮痛成分」の「プロスタグランジン」について、問われるのが目立ちます。
「福島県 R4 第23問」とか「東京都 R4 第63問」とかの問題です。
ウダウダした記述で押さえにくいですが、ポンと1問丸ごとで出るので、チェックしておきましょう。
なお、当該プロスタグランジンがテキストに載ってない方は、「こちらのテキストデータ」を参考にしてください。
「医薬品」の勉強ですが、カタカナ成分をメインに据えてください。
つまりは、漢方処方製剤と生薬は、「後回し」にしてください。
というのも、漢方処方製剤・生薬をフルマークできても、カタカナ成分ができてないと、試験には受からないからです。
「逆」を言えば、漢方処方製剤・生薬がほとんどできなくても、カタカナ成分ができていれば、試験に通る可能性が「高い」のです。
漢方処方製剤・生薬は、カタカナ成分をある程度消化してから、着手していってください。
「医薬品」の勉強方法ですが、「登録販売者の独学」でも述べているように、「問題演習中心」です。
ざっくりテキストを読んだら、読んだところの問題をドンドコ解いていってください。わからなくても・解けなくてもいいです。
「問題を解きながら憶える」方が効率がいいです。
まずは、テキストや過去問題集の問題を、「3回以上」解きましょう。わたしは、できない問題などは、「5回」くらい解いてました。
何回も解くことで記憶が強固になります。
んで、ある程度、カタカナ成分の諸々が頭に入ってきたら、「テキストの精読」を行って、知識の整理や記憶の確認をしていってください。
テキスト精読ですが、別に難しくはなく、ゆっくり読む・丁寧に読む・端折らないで読むくらいの作業です。
本試験では、総論部分や前文からの出題も増えているので、腰を据えて、テキストを読んでいってください。
こんな次第で、ベーシックな「問題演習→テキスト精読→問題演習→テキスト精読」のループが、遠回りに見えて一番効率がいいかと思います。
「医薬品」の勉強ですが、いきなりテキストの記述のすべてを押さえようとすると、頭がパンクします。
んなもんで、「3段階」を踏んで、勉強していきましょう。
んで、第1段階の勉強は、「成分名と名称の暗記」です。
たとえば、「メチルエフェドリン塩酸塩・・・アドレナリン作動成分」とか、「リゾチーム塩酸塩・・・抗炎症成分」といった感じで、ひたすらひたすら成分名と名称を憶えていきます。
こんなんでええの?と思われるかもしれませんが、本試験では、本当に単なる「名称‐成分名」の問題がそこそこ出るのです。
一番カンタンに点が取れるので、まずは、「成分名と名称の暗記」からやっていきましょう。効能等を憶える土台にもなります。
ちなみに、成分名に付いてくる「塩酸塩」とかは、憶えなくていいです。
注意事項です。
第1段階では、「成分名と名称の暗記」を行います。
んなもんで、成分名と名称以外のことは、ざっくり目を通すだけにしてください。
つまり、第1段階では、効能等は、憶えなくていいです。
その訳は、無理をしないためです。
成分のすべての記述を、一気に憶えようとすると、あまりに面倒さに、すさまじい嫌気が差します。
無理が高じると、勉強が嫌になります。最悪、試験放棄に至りかねません。
一番かったるいのが「医薬品」です。そして、一番シンドイのが「第1段階」のときです。無理をせず、根を詰めずにやっていってください。
こういうとアレですが、配偶者と同じで、「接触回数」の問題です。人間はどんなことにも慣れます。
最初は、チンプンカンプンで、(マジでこんなん憶えられるの?)と不安になりますが、何回も接していくうちに、大体のものは、憶えられます。
第2段階では、成分の特徴や性質を押えていきます。
たとえば、「アドレナリン作動成分」だと、「気管支拡張」や「血管収縮」といった記述を押さえていく、ってな塩梅です。
たとえば、「抗ヒスタミン成分」なら「肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す成分」といった記述を…、
「抗コリン成分」なら「副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げることで、胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)を鎮めること(鎮痛鎮痙)のほか、胃酸過多や胸やけに対する効果も期待して用いられる」といった記述を…、
たとえば、「抗炎症成分」なら、「炎症を和らげる」といった記述を、押えていくってな次第です。
そして、成分によっては、固有な記述(固有事項)もあります。
たとえば、「エテンザミド」だと…、
「(エテンザミドは)痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いため、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。」
「例えば、アセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドの組合せは、それぞれの頭文字から「ACE処方」と呼ばれる。」
…といった記述です。
そのほかの例で言えば、「イブプロフェン」だと…、
「まれに重篤な副作用として、肝機能障害、腎障害、無菌性髄膜炎を生じることがある。」
「イブプロフェンは、全身性エリテマトーデス又は混合性結合組織病のある人において無菌性髄膜炎を生じやすい」
…といった記述です。
これらの記述が選択肢の1つとして、そのままが出題されたり、一部改変(成分名が他のものになったり)されて出題されます。
本試験では、ことのほか、固有事項が問われる傾向にあります。代表的な成分のそれは、ガチで憶えていきましょう。
さて、最後に、第1段階と第2段階の勉強ができていれば、6~7割くらいは取れるようになります。
まずは、第1段階と第2段階の突破を目指しましょう!
第3段階の勉強は、個々の成分の「禁忌(使用を避ける・相談する)」を、押えていきます。
「医薬品」の成分の中には、「使用しない・使用を避ける・相談する」といった禁忌があります。
たとえば、「イブプロフェン」だと…、
「イブプロフェンは、全身性エリテマトーデス又は混合性結合組織病のある人において無菌性髄膜炎を生じやすいため、」
「使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するなどの対応が必要である」
…といった記述です。
まず、当該禁忌ですが、本当に一概には言えないのですが、「医薬品」での出題は、少なくなっているように見受けられます。
というのも、「適正使用」の「医薬品的な問題」でも、禁忌が出題されるからで、「医薬品」の禁忌が「適正使用」のそれに、移行しているような“感じ”があります。
しかし、全く出なくなっているわけではなく、「医薬品」でも、問われることは問われるので、七面倒なのです。
受験生の処し方ですが、禁忌については、完璧を期さず、過去問に出たところを中心に、できる範囲で押さえていけばいいでしょう。
禁忌は、「適正使用」の方でも勉強するので、「医薬品」では、“そこそこ”でよいかと思います。
過去問に出たものだけを、「使い回し」に備えて、解けるようになっていれば、OKかと思います。
最近の試験では、「注記」からも、出題されています。
たとえば、「かぜ薬」の重篤な副作用の記述の注記の…、
・肝機能障害を生じることがある主な成分:アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン、葛根湯、 小柴胡湯、柴胡桂枝湯、 小青竜湯、麦門冬湯
…などです。
こういうのも、選択肢の1つに、出題されています。
すべての「注記」を憶えろとは言いませんが、過去問に出てきたものは、精読しておきましょう。
なお、先の「注記」には、まだまだ続きがあり…、
・ 偽アルドステロン症を生じることがある主な成分:グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、カンゾウ
・腎障害、無菌性髄膜炎を生じることがある主な成分:イブプロフェン
・眠気や口渇が現れることがある主な成分:抗ヒスタミン成分(眠気については、鎮静成分でも現れることがある。)
・便秘が現れることがある主な成分:コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩
・排尿困難が現れることがある主な成分:抗コリン成分(べラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド)、抗ヒスタミン成分、マオウ
…と、続きます。これらも、出そうです。
終盤あたりで、これら「注記」にも、じっくりと目を通しておきましょう。
結論から言うと、ボリュームの少ないところからやる、ってな次第です。
ひとえに、試験勉強の放棄や挫折を避けるためです。
多くの方は、「医薬品」の勉強を始めると、まず「精神神経に作用する薬」の「かぜ薬」から、手を付けます。
しかし、当該「かぜ薬」から、勉強を始めなければならない理由は、まったく「ない」です。
実は、「かぜ薬」は、「医薬品」のなかで最もボリュームの多い論点で、挫折率の高いところとなっています。
「医薬品」の勉強ですが、目次に目を通して、「ボリュームの少ないところから、始めることを勧めます。
というのも、ボリュームが大のところは、憶えることがあまりに多いため、実にシンドイからです。
勉強に慣れない時分は、“厄介なことを避ける”のが「肝」です。
ボリュームのある「かぜ薬」や「解熱鎮痛薬」は、「後回し」としましょう。
「医薬品」ですが、ほんの数ページで終わる単元がそこそこあります。
たとえば、「婦人薬」や「喫煙補助剤」、「一般用検査薬」などです。
参考: 婦人薬
参考:禁煙補助剤
参考:一般用検査薬
しかも、です。
これら“ほんの数ページのもの”でも、「1点」の配点があるので、費用対効果が高いのです。
まずは、量の多い「かぜ薬」を避けて、量の少ない「婦人薬」等から、「医薬品」の制覇を狙いましょう。
んで、これらが終わったら、目次を見て、量の少ないものに、たとえば、「鼻に用いる薬」や「眼科用薬」などに、手を付けていくってな塩梅です。
一概には言えませんが、章の後半の方に、ボリュームの少ない薬が多いです。
こんな次第で、ボリュームの小さいものから消化していって、論点の大半を消化したら、「かぜ薬」などのボリュームの大きなものに着手する、ってな塩梅です。
大を避け、小を狙い撃ちにする方が、得点効率がいいし、何よりも、“終わっていく感”があるので、精神的にも楽です。
巨大なボリュームの「かぜ薬」などは、ラスボス戦のような感じで臨んでください。
「医薬品」の勉強の際は、家にある薬箱を、傍に置いておきましょう。
薬箱の薬のほとんどは、「一般用医薬品」のはずなので、「実地」で勉強する、ってな塩梅です。
少し面倒ですが、勉強している成分の1つ1つを、家の薬と照らし合わせていくと、(あーこの成分が入っているナァ)的になって、かなり記憶に残ります。
わたしのケースですが、ステロイド性抗炎症成分の「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」を、即、憶えることができました。
イエダニ用に買ってあった「ムヒアルファEX」に、配合されていたからです。
(あーこれかー)的な感じで、即、頭に入ったってな次第です。
配偶者のようになじみのないカタカナ成分は、テキストの「紙」の上だけの勉強では、なかなか記憶に残りません。
「医薬品」の勉強は、身近な薬を最大に活用して、憶えこみましょう。
痔の薬(止血成分など)や水虫の薬(抗真菌成分とか)は、配偶者のを借りるといいでしょう。
ところで、“大”推奨はできないですが、ドラッグストア等で実際に薬を手にして憶えるのも一手です。意外に勉強になります。
んで、授業料として、“セール”の洗剤かティッシュくらいを買って帰りましょう。
「医薬品」で勉強することは、日常生活で“馴染みのない”名称が多く、たとえば、「ポリエンホスファチジルコリン」などは、なかなかに頭に入って行きません。
んなもんで、わたしは、少しでも記憶に残すため、「問題集や過去問を解いて、成分名のところにマーカーを引き、そして、テキストの該当ページをメモする」ようにしておきました。
下の画像は、わたしが当時使っていた過去問題集ですが、こんな風に…、
…メモしていきました。
こうしておくと、テキストを調べる時間が“大幅に”短縮されるので、試験勉強の効率が格段に上がります。
「医薬品」でも、数字が問われます。
「医薬品」に出てきた数字だけを、以下に、まとめています。復習や知識の確認等に、細切れ時間で活用してください。
なお、「人体」など、他の科目の数字は、「数字対策」を、参考にしてください。
試験によく出る定番論点の解説記事です。ぜひ、活用してください。1点に最も近いです。
ド頻出とは言えませんが、最近の傾向から、見ておきたいブログ記事です。
細切れ時間で、消化してみてください。
カンタンなブログ記事です。
以下、薬別の記事です。使えるものがあったら、活用してください。
・鎮暈薬の抗ヒスタミン成分‐メクリジン塩酸塩・プロメタジンテオクル酸塩・ジメンヒドリナートの語呂合わせ
・内服アレルギー用薬の抗ヒスタミン成分‐登録販売者 医薬品の語呂合わせ
・胃腸鎮痛鎮痙薬の抗コリン成分‐登録販売者 医薬品の語呂合わせ
・駆虫薬の回虫・蟯虫の憶え方と語呂合わせ‐カイニン酸・サントニン・ピペラジンリン酸塩・パモ酸ピルビニウム
・みずむしの抗真菌成分(イミダゾール系の抗真菌成分、アモロルフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩)の憶え方
・みずむしの抗真菌成分(シクロピロクスオラミン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、ピロールニトリン、トルナフタート、エキサラミド)の憶え方
・サルファ剤(スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフイソキサゾール)、バシトラシン、硫酸フラジオマイシン、クロラムフェニコールの憶え方とまとめ
上級者用のハイレベル記事です。余裕がない人(第1段階・第2段階すら終わってない人)は、読まなくて結構です。
時々にしか出ない論点ですが、出題実績あります。
最終得点をさらに底上げしたい人は、活用してください。
・「日本薬局方」のある成分のまとめ‐グリセリン,ヒマシ油,クレゾール石鹸液
・医薬品 アナフィラキシーの副作用のまとめ‐ピレンゼピン塩酸塩,クロモグリク酸ナトリウム,ケトプロフェン
「医薬品」の過去問を、「全ブロック 試験問題 科目別 インデックス」にまとめています。
ドンドコ問題演習をしたい人は、活用してください。
そのほか、癖のある過去問を、「登録販売者 チェック問題 過去問リスト」にまとめています。
試験終盤あたりで、解いてみてください。
最後に、公式のPDF過去問に解説を付与したものは、「登録販売者 都道府県別 過去問+解説」です。
受験予定地の過去問を解く際に、参考にしてください。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
★みんなとシェアする