登録販売者試験の「医薬品」から、まれに重篤な副作用として、「ショック(アナフィラキシー)」の生じる成分のまとめ。試験の中盤から後半にかけて押さえておきたい。横断学習にも。手引き該当部分も、記載している。
登録販売者の試験科目の「医薬品」から、まれに重篤な副作用として、「ショック(アナフィラキシー)」の生じるものを、まとめました。
選択肢の1つとして登場するので、まとめて憶えてしまいましょう。
なお、手引きにて、「アナフィラキシー」とだけ表記されるものは、「登録販売者 医薬品 アナフィラキシーの副作用のまとめ」にまとめています。こちらも、一読願います。
(※令和4年度改正により、「リゾチーム塩酸塩」が削除されたので、本ページでも、削除しました。)
先に結論から言うと、リスト化したものは…、
・かぜ薬や解熱鎮痛薬の解熱鎮痛成分
・口腔咽喉薬や含嗽薬のリゾチーム塩酸塩
・口腔咽喉薬や含嗽薬のヨウ素系殺菌消毒成分(ポビドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素)
・皮膚に用いる薬のヨウ素系殺菌消毒成分(ポピドンヨード、ヨードチンキ)
・口腔咽喉薬や含嗽薬のクロルヘキシジングルコン酸塩
・歯や口中に用いる薬の歯槽膿漏薬のクロルヘキシジングルコン酸塩
・腸の薬のタンニン酸アルブミン
・腸の薬のロペラミド塩酸塩
・胃腸鎮痛鎮痙薬のブチルスコポラミン臭化物
・浣腸薬の炭酸水素ナトリウム
・外用痔疾用薬のリドカイン、リドカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル又はジブカイン塩酸塩
・内服アレルギー用薬のメキタジン
・眼科用薬の点眼薬のリゾチーム塩酸塩
…となっています。
駅で遠目に配偶者を見つけたときのように、一見でウンザリですが、重複している成分もあったりで、憶えるのは、そう面倒ではありません。
以下に、憶え方やチェックポイント、手引きの抜粋を述べておきます。
なお、〇〇薬や××の薬のところは、憶えなくていいです。テキストを参照する際の“目印”なので、ガチ暗記は無用です。
解熱鎮痛成分は、こういうとアレですが、試験問題として出し難いため、あまり出ないというのが実情です。
出題されるにしても、たとえば、「解熱鎮痛成分の配合された医薬品は、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)が生じる。」くらいが関の山かと思います。
ただ、応用的な問題として、アスピリン等の代表的な解熱鎮痛成分を持ってきて、「〇〇××は、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)が生じる」といった出題は、重々考えられます。
まあ、実務も関係してくるので、「解熱鎮痛成分…ショック(アナフィラキシー)」と、押えておきましょう。
手引きを抜粋しておきます。
「化学的に合成された解熱鎮痛成分に共通して、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死融解症、喘息を生じることがある。」
リゾチーム塩酸塩ですが、これは、口腔咽喉薬や含嗽薬、眼科用薬の「抗炎症成分」です。
リゾチーム塩酸塩は、定番論点の「鶏卵アレルギー」があるので、これと併せて憶えるといいでしょう。
こういうとアレですが、「卵売り切れ!ショック!」くらいに、押えておきましょう。
なお、「鶏卵アレルギー」については、「食べ物アレルギー系(鶏卵アレルギー・牛乳アレルギー・ゼラチン)のまとめ‐登録販売者」を、一読願います。
手引きを抜粋しておきます。
「リゾチーム塩酸塩については、口腔咽喉薬や含嗽薬の配合成分として使用された場合であっても、ショック(アナフィラキシー)や皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症のような重篤な副作用を生じることがあり、また、鶏卵アレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要がある。」
「リゾチーム塩酸塩については、点眼薬の配合成分として使用された場合であっても、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重大な副作用を生じることがある。リゾチーム塩酸塩が配合された医薬品や鶏卵によるアレルギー症状を起こしたことがある人では、使用を避ける必要がある。」
ヨウ素系殺菌消毒成分は、口腔咽喉薬や含嗽薬、皮膚に用いる薬に、「殺菌消毒成分」として、配合されています。
口腔咽喉薬のヨウ素系殺菌消毒成分には、「ポビドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素」があります。
そして、外皮用薬のヨウ素系殺菌消毒成分には、「ポビドンヨード、ヨードチンキ」が該当します。
手引きには…、
「ヨウ素系殺菌消毒成分又はクロルヘキシジングルコン酸塩が配合されたものでは、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。これらの成分に対するアレルギーの既往歴がある人では、使用を避ける必要がある。」
「ヨウ素系殺菌消毒成分は、外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人では、使用を避ける必要がある。」
…とあります。
上記リストでは、一番よく試験に出ているように思います。シッカリと、押えておきましょう。
なお、本当にくだらない憶え方ですが、ヨウ素系の殺菌消毒成分は、「ショックな予想(ヨ素ウ)」くらいに、憶えてしまいましょう。
「ヨウ素」をいじって「ヨ素ウ」です。
クロルヘキシジングルコン酸塩は、口腔咽喉薬や含嗽薬、歯槽膿漏薬に、「殺菌消毒成分」として、配合されています。
手引きには、口腔咽喉薬や含嗽薬のところには…、
「クロルヘキシジングルコン酸塩が配合されたものでは、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。これらの成分に対するアレルギーの既往歴がある人では、使用を避ける必要がある。」
…とあります。
そして、歯槽膿漏薬のところには…、
「クロルヘキシジングルコン酸塩が口腔内に適用される場合、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。」
…とあります。
先の手引きの記述がそのまんま選択肢で出題されるので、押えておきましょう。
なお、くだらない憶え方ですが、「ショック!頭グルグル」くらいに、憶えてしまいましょう。「グルグル」は、「クロルヘキシジン“グル”コン」のグルです。
ところで、クロルヘキシジングルコン酸塩は、外皮用薬などにも配合されていますが、それらには、ショックの記述がありません。
あくまで、「口腔内に」の場合に、ショックの副作用があるので、頭の片隅に置いておきましょう。
「タンニン酸アルブミン」は、腸の薬の「止瀉成分の収斂成分」です。
これは、食べ物アレルギーの禁忌のある成分です。
参考:食べ物アレルギー系(鶏卵アレルギー・牛乳アレルギー・ゼラチン)のまとめ‐登録販売者
よって、「食べ物アレルギー系→ショックあり」くらいに、憶えるといいでしょう。
手引きの該当部分の抜粋です。
「タンニン酸アルブミンについては、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。」
ロペラミド塩酸塩は、腸の薬の「止瀉成分」です。
当該成分は、禁忌がたくさんあるので、一緒に憶えてしまいましょう。
くだらないですが、「オペラを見てショック!」くらいに、押えてしまってください。
手引きの該当部分の抜粋です。
「(ロペラミド塩酸塩は、)このほか重篤な副作用として、まれにショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症を生じることがある。」
ブチルスコポラミン臭化物は、胃腸鎮痛鎮痙薬の「抗コリン成分」です。
抗コリン成分が要注意な成分のため、しばしば、試験に問われています。
これは、自信がある憶え方ですが、「ズボンのボタンが“ブチッ”と取れた、ショック!」です。
手引きの該当部分の抜粋です。
「ブチルスコポラミン臭化物については、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることが知られている。」
炭酸水素ナトリウムは、浣腸薬の坐剤の成分です。
くだらない憶え方ですが、「ダンナに座薬を見られた、ショック!」です。
「ダンナ」の「ダン」は、炭酸水素ナトリウムの「たん」と掛かっています。
なお、炭酸水素ナトリウムですが、制酸成分等では、ショックの記載が“ない”です。まあ、この辺りは、深く追及しなくていいでしょう。
手引きの該当部分の抜粋です。
「炭酸水素ナトリウムは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。炭酸水素ナトリウムを主薬とする坐剤では、まれに重篤な副作用としてショックを生じることがある。」
リドカイン、リドカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル又はジブカイン塩酸塩は、外用痔疾用薬の「局所麻酔成分」です。
これらの成分は、痔の薬以外の薬にも配合されていますが、「ショック(アナフィラキシー)」の記載があるのは、外用痔疾用薬のみとなっています。
深く追及する必要はありませんが、頭の片隅に置いておきましょう。
これは、いい憶え方がないので、各自で工夫してください。まあ、「アミでカイカイ」くらいで憶えましょう。
手引きの該当部分の抜粋です。
「リドカイン、リドカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル又はジブカイン塩酸塩が配合された坐剤及び注入軟膏では、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。」
メキタジンは、内服アレルギー用薬の抗ヒスタミン成分です。
くだらないですが、「目に来たショック」くらいに憶えてしまいましょう。
「目」と「来た」が「“メキタ”」です。
手引きの該当部分の抜粋です。
「メキタジンについては、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがある。 」
まれに重篤な副作用として、「ショック(アナフィラキシー)」の生じるものは、ざっと、かくの如しです。
どれも、頻出成分なので、頻出論点と併せて、憶えてしまってください。
なお、以下に、各成分のポイントページを挙げておきます。個々の成分に不安のある人は、確認しておきましょう。
・口腔咽喉薬:抗炎症成分‐リゾチーム塩酸塩
・眼科用薬:抗炎症成分‐リゾチーム塩酸塩
・口腔咽喉薬:殺菌消毒成分‐ポビドンヨード
・口腔咽喉薬:殺菌消毒成分‐ヨウ化カリウム
・口腔咽喉薬:殺菌消毒成分‐ヨウ素
・皮膚の薬:殺菌消毒成分‐ポビドンヨード
・皮膚の薬:殺菌消毒成分‐ヨードチンキ
・口腔咽喉薬:殺菌消毒成分‐クロルヘキシジングルコン酸塩
・歯槽膿漏薬:殺菌消毒成分‐クロルヘキシジングルコン酸塩
・止瀉成分(収斂成分)‐タンニン酸アルブミン
・止瀉成分‐ロペラミド塩酸塩
・胃腸鎮痛鎮痙薬‐ブチルスコポラミン臭化物
・浣腸薬‐炭酸水素ナトリウム
・局所麻酔成分‐リドカイン・リドカイン塩酸塩
・内服アレルギー用薬:抗ヒスタミン成分‐メキタジン
なお、独学の仕方や勉強方法等は、「登録販売者の独学」を参考にしてください。
2021年12月4日 10:57 AM
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