登録販売者の「医薬品」で出題される「抗ヒスタミン」成分の憶え方の原則と例外。原則的には、「ミン」の有無で判別する。これで大半を攻略できるが、例外なものもあるので注意する。他のものは、「語呂合わせ」で憶えれば、暗記の負担は減る。語呂合わせページへのリンクあり。
登録販売者が取り扱う第2類医薬品と第3類医薬品ですが、当該医薬品の成分でド頻出なのが、「抗ヒスタミン」成分です。
当該「抗ヒスタミン」成分は、風邪薬から鼻炎用点鼻薬まで配合されるため、試験に出ないことがありません。
本ページでは、当該「抗ヒスタミン」成分の憶え方を見て行きます。
結論から言うと、「抗ヒスタ“ミン”」成分とは、名称に「“ミン”」が入っているもの、と憶えます。
代表的な「抗ヒスタミン」成分を見てみます。
「ジフェンヒドラ“ミン”塩酸塩」・・・“ミン”あり。
「クロルフェニラ“ミン”マレイン酸塩」・・・“ミン”あり。
「カルビノキサ“ミン”マレイン酸塩」・・・“ミン”あり。
…もう、おわかりですね。
原則として、“ミン”が入っている成分は、「抗ヒスタミン成分」と判別する、ってな次第です。
たとえば、本試験で「抗ヒスタミン成分はどれか?」という典型的な問題で、次のような選択肢が出題されたとします。
1.コデインリン酸塩
2.カルボシステイン
3.カルビノキサミンマレイン酸塩
…もう、おわかりですね。
1と2の「コデインリン酸塩」と「カルボシステイン」には、“ミン”がないので、「抗ヒスタミン」成分ではない、といった次第です。
んで、3の「カルビノキサ“ミン”マレイン酸塩」には、“ミン”があるので、「抗ヒスタミン」成分と判別する、ってな塩梅です。
こんな感じで、まずは、“ミン”の有無で、「抗ヒスタミン」成分を憶えれば、暗記の負担が減るという手合いです。
しかし、これは、「原則として」の憶え方です。原則があれば、「例外」があります。
例外的に、成分名に「ミン」はないけど、「抗ヒスタミン」成分のものがいくつかあります。
まず憶えるべきは、「クレマスチンフマル酸塩」です。
当該「クレマスチンフマル酸塩」は、「呼吸器官に作用する薬」に配合される「抗ヒスタミン」成分です。
見ての通り、「クレマスチンフマル酸塩」には、暗記のキーワード「ミン」がないので、独自で憶える必要があります。
・・・くだらない覚え方ですが、「呼吸器官に作用する薬」に配合される「抗ヒスタミン」成分には、先の「クレマスチンフマル酸塩」のほかに、「カルビノキサミンマレイン酸塩」があります。
んで、2つの成分の頭文字を取って、「カルビくれ」と憶えました。
…一応、説明すると、「カルビくれ」の「カルビ」は「“カルビ”ノキサミンマレイン酸塩」で、「くれ」は「“クレ”マスチンフマル酸塩」に当たります。
この「カルビくれ」で、例外の「クレマスチンフマル酸塩」を憶えましょう。
個人的には、好きな語呂の1つです。
先の“ミン”はないが「抗ヒスタミン」の「クレマスチンフマル酸塩」以外にも、例外はあります。
たとえば、「プロメタジンテオクル酸」や「メクリジン塩酸塩」、「ケトチフェン」「メキタジン」「アゼラスチン」などですが、これらは、個別に憶えるより、「語呂合わせ」でまとめて憶える方が楽です。
「語呂合わせ」で憶えるべきは、「鎮暈薬(乗り物酔い防止薬)」と「内服アレルギー用薬」の「抗ヒスタミン」です。
当該語呂合わせは、別ページで説述しています。
「鎮暈薬の抗ヒスタミン成分の語呂合わせ」と「内服アレルギー用薬の抗ヒスタミン成分の語呂合わせ」を参考にしてみてください。
さて、例外中の例外を述べておきます。
タイトルにあるように、成分名に「ミン」はあっても、抗ヒスタミン成分ではないものがあります。
まずは、「呼吸器官に作用する薬」に配合される「アドレナリン作動」成分の「メトキシフェナミン塩酸塩」です。
見ての通り、「メトキシフェナ“ミン”塩酸塩」と、“ミン”があるため、間違えやすくなっています。
当該「メトキシフェナミン塩酸塩」は、例外中の例外なので、意図的に、「メトキシフェナミン塩酸塩は、アドレナリン」と、憶えこんでください。
次に、「鎮暈薬」に配合される「抗コリン成分」の「スコポラミン臭化水素酸塩」です。
当該「スコポラ“ミン”臭化水素酸塩」も、“ミン”があるけれども、抗ヒスタミン成分ではないものです。
先と同様に、「スコポラミン臭化水素酸塩は、抗コリン」と、意識して憶えてこんでください。
「皮膚に用いる薬」の「外皮用薬」にも、抗ヒスタミン成分が配合されています。
んで、当該「外皮用薬」には、「ジフェニルイミダゾール」と「イソチペンジル塩酸塩」という抗ヒスタミン成分が新たに登場します。
しかし、当該「ジフェニルイミダゾール」と「イソチペンジル塩酸塩」の2つは、よほど余裕がない限りは、「捨て問」です。
というのも、試験での出題実績はほとんどないからで、そのうえ、配合された市販薬もあまりないため、実務でも比重が低いからです。
加えて、両成分は、外皮用薬のみにしか出ないため、費用対効果も少ないのです。
試験で頻出の抗ヒスタミン成分ですが、当該「ジフェニルイミダゾール」と「イソチペンジル塩酸塩」の2つは、「後回し」か「捨て問」で大丈夫かと思います。
参考:ジフェニルイミダゾール
参考:イソチペンジル塩酸塩
以上、抗ヒスタミン成分の憶え方でした。
まずは、原則的に、「ミン」の有無で判別してください。
で、例外的に、「ミン」はないが抗ヒスタミン成分である「クレマスチンフマル酸」を憶えます。
ほいで、残りの「ミン」はないが抗ヒスタミン成分は、「語呂合わせ」で憶える、ってな寸法です。
語呂合わせは、長くなったので、別ページにまとめています。リンクを再掲すると、「鎮暈薬の抗ヒスタミン成分の語呂合わせ」と「内服アレルギー用薬の抗ヒスタミン成分の語呂合わせ」です。
んで、例外中の例外が「メトキシフェナミン塩酸塩‐アドレナリン作動成分」と「スコポラミン臭化水素酸‐抗コリン成分」です。区別して憶えてください。
ところで、大元のところですが、「抗ヒスタミン」成分の作用・特徴もしっかり憶えてください。
風邪薬の抗ヒスタミン成分は、「くしゃみや鼻汁を抑える」です。
本試験では、「気管や気管支を拡げる」などと、しれっと出題されます。(言うまでもないですが、気管支拡張はアドレナリン作動成分です。)
次に、鎮暈薬の抗ヒスタミン成分は、「延髄にある嘔吐中枢への刺激や、内耳の前庭における自律神経反射を抑える」です。
本試験では、「脊髄にある嘔吐中枢への刺激や、内耳の蝸牛における自律神経反射を抑える」などと、しれっと出題されます。(言うまでもないですが、延髄と前庭です。)
「呼吸器官に作用する薬」の抗ヒスタミン成分は、「鎮咳成分、気管支拡張成分、抗炎症成分の働きを助ける」です。
名称ばかりに目が行きがちですが、このあたりも、ガッツリ出題されるので、テキストを何度も精読して憶えていきましょう。
なお、勉強方法等は「登録販売者の独学」を、独学向け教材については「登録販売者 教材レビュー」を、参考ください。
2017年10月28日 1:12 PM
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