登録販売者に落ちた人向けの再受験の手引き(不合格対策)。「やってはいけない」ことや「チェックポイント」を列挙し、不合格の原因調査を行う。また、再受験時の教材の買い替えや、科目別対策(医薬品、適正使用、人体、法規、基本知識)を述べる。本試験日前後の注意事項や、語呂合わせやまとめ等のリンクを併せて掲載している。
登録販売者ですが、基本的に、ちゃんと勉強すれば受かる試験です。
逆を言えば、「不合格」とは、ちゃんとやれてないだけの話です。
以下に述べる注意事項やチェックポイントを元に、次こそは、リベンジを果たしてください。
なお、独学全般については、メインページたる「登録販売者の独学」の方も、一読願います。
以上のように、このページは、“そこそこ”長いです。
「お気に入り」に入れておいて、試験勉強の息抜きに、ぼちぼちと見てってください。
メインページの「登録販売者の独学」にも述べていますが、追加的に、不合格になる「ダメ勉強」を見ていきます。
まずもって、「合格基準を理解していない勉強」です。
登録販売者には、科目ごとに4割(3.5割)の足切り点があることを失念している人が、やっぱり、おられます。
「適正使用」や「法規」が難化している昨今、絶対に、足切り点の存在を、意識せねばなりません。
次に、「テキスト偏重」です。
テキストばかり読んでいても、実力は伸びません。
問題演習の方が頭に残るし、実戦力も付きます。
ご飯→おかずといった感じに、「テキスト→問題集→テキスト→問題集」と、両教材をバランスよくやることが大事です。
なお、テキストを100%憶えてから問題集に進む、のではありません。
ざっくりテキストを読んだら、果敢に問題集に臨んでください。
最後に、最もダメなのが「あやふや・あいまい・中途半端な勉強」で、最たる不合格原因です。
あやふやでボンヤリした10の知識より、正確な1つの知識のほうが、“断然”点数が取れます。
後述する語呂あわせなどを活用して、正確に憶えて行きましょう。
自己採点できる方は、まずもって、どの科目ができなかったかを明らかにしましょう。
自己採点できない方は、どの科目が解けなかったかを、思い出してください。
登録販売者試験は、基本的に、「暗記と記憶」の試験であり、やることは、試験科目で大きな違いがありません。
よって、医薬品だろうが法規だろうが、やればやるほど、憶えれば憶えるほど、点が伸びます。
どの科目も、テキストと過去問を「5回」繰り返せば、必ず、そこそこの点数は取れます。
再受験の際は、その科目に、1~2ヶ月間は、集中して取り組みましょう。
対して、できた科目・点数の取れた科目は、うっちゃっておいて構いません。
できる科目は、やっぱりできるので、後からいくらでも挽回可能です。
再勉強は、「苦手科目」の徹底攻略から、です。
次に、不合格の最大の原因である「勉強不足」です。
登録販売者は、40~50%の合格率があるとはいえ、やることをやらないと、もはや、まぐれでも、受からなくなっています。
泥縄式に勉強しないで、まず、「学習計画」を立てましょう。
緻密なものでなくていいです。
配偶者の献立のように、てきとーなものでいいので、“いつまでに、なにを、済ませるか”を、あらかじめ決めた上で、勉強していくようにしましょう。
そこそこ長い試験勉強です。
中間目標は、励みとなり、張り合いとなり、中だるみを防ぎます。
再受験は、「学習計画」を立てることから、手を付けてください。
再勉強の際は、「傾向」を重視して、やるべきところを明確にしてください。
東京都・関西広域連合・福岡県の過去問を分析すると、以下のような傾向が窺えます。
まずもって、「適正使用の難化」です。
「使用を避ける」「相談すること」の出題数が如実に増加しており、「R1 東京都試験」では、20問中11問が出題されました。
参考:R1 東京都試験 医薬品の適正使用と安全対策 インデックス
「適正使用」は、相応の対策をしてないと、得点が厳しい状況です。
皆さんの受験予定地が東京都のような出題にならなければいいのですが、不安のある人は、「適正使用対策」などで、個別に攻略をしておきましょう。
次に、「医薬品全般から出題」です。
「医薬品」ですが、これまでの試験では、出るところ・出ないところの“線引き”が、明白でした。
よって、受験生は、当該出るところに、尽力すればよかったのです。
しかし、昨今では、これまで問われなかった項目の出題が目立ちます。
たとえば、外皮用薬の保湿成分などは、ほとんど出題されてなかったのですが、この数年は、ストレートに出題されるようになっています。
また、各章の症状についての知識問題でも、これまで出てなかったところの出題が、散見されるようになっています。
こんな風に、昨今の試験では、テキストのすべての論点が“狙われている”ことが散見されるのです。
よって、頻出事項のみならず、これまでの試験で“出てないところ”も、保険的な意味で押さえておくべきです。
PDF過去問を解くに当たっては、「何が出ているか」と「何が出ていないか」に注目して、問題に当たってください。
んで、「まだ出てない」ものは、テキストで精読しておきましょう。
次に、「人体の副作用の難化」が挙げられます。
人体の副作用は、ほぼ全部の副作用が問われるようになっています。
以前のように、頻出の副作用のみが問われるという傾向ではなくなってきているので要注意です。
副作用の単元は、そのすべてを押えてください。
もちろん、ド定番の副作用は、これまでどおり出題されているので、ガチで押えなくてはいけません。
最後に、「PDF過去問」です。
皆さんの受験予定の県のHPには、PDF形式の過去問が公開されています。
当該PDF過去問は、必ず、過去3年分は解かねばなりません。
登録販売者試験は、都道府県ごとに傾向が“そこそこ”異なるので、受験予定の県の傾向を、つかんでおく必要があります。
ホント、この県では、この論点がよく出るなーとか、この府では、この論点は一切出ないなーといった傾向の相違があるので、PDF過去問を解いて、追い込み時の「参考資料」としてください。
「登録販売者 教材レビュー」でも述べていますが、テキストは、どの出版社のものでも、そう大差はありません。
余程に相性が悪いとか、使いにくいとかでない限り、テキストの買い替えは、無用です。
また、「過去問」も、買い換えなくていいです。
買い換えるくらいなら、「登録販売者 過去問+解説 総インデックス」に挙げている都道府県の過去問で、問題演習すればよいと思います。(オススメは東京都です。)
なお、個人的に推奨するのが、PDF過去問用のタブレットです。
ノートPCやスマホでやれないことはないのですが、勝手がとても悪いです。
タブレットは、受験後にも使えるので、1台あって損はありません。個人的には、コスパのよい「Fire HD」を推奨します。
最難関の「医薬品」から、科目別対策を見ていきましょう。
全般的なことは、「登録販売者の独学」に述べてあるので、ここを一読ください。
さて、当該「医薬品」だけは、勉強しないと受かりません。
「暗記と記憶」ばかりで、しかも、分量が多くてうんざりでしょうが、「回数」を前提にやっていきます。
テキストや問題集の問題は、「5回」は、繰り返します。
他の科目は1~2回で十分ですが、事が「医薬品」だと、その倍は解くべきです。
わたしも、往時は、3~5回くらいは繰り返しました。
暗記が苦手な人も、問題演習なら、できると思います。
問題演習を通じて、憶えていってください。
なお、「医薬品」も難化しているので、「漢方処方製剤」のうち、「婦人薬」や「疳の薬」、「漢方処方製剤・生薬」の章で出たものは、やっておくべきです。
「生薬」は、まだやりやすいので、やっておくべきです。
また、「適正使用」にて、「使用を避ける・相談すること」の出題が増えています。
当然、その論点は、「医薬品」でも問われるので、「○○の人は使用をしない」等は、費用対効果が高いです。
キッチリ、押えて行きましょう。
最後に、勉強のコツですが、「いっぺんに全部、まとめてやらない」です。
いっぺんに全部を憶えようとしても、まずもって、無理で、疲れるだけです。1つ1つ押えていくようにしてください。
「適正使用」ですが、いわゆる「医薬品的な問題」の出題が増えてからは、「医薬品」に次ぐ難科目となりました。
しかし、当該「医薬品的な問題」は、「医薬品」と被るので、一石二鳥となり、費用対効果が高いです。
めんどうですが、やればやった分、確実に点数に反映されるので、少しずつ、やっていきましょう。
先にリンクを挙げましたが、寝る前などの空き時間に、「適正使用対策」を利用してみてください。
さて、先の「医薬品的な問題」以外の論点は、到って普通で、過去問演習とテキスト精読といったふつうの勉強で、凌げると思います。
「人体の働きと医薬品」ですが、「人体」の方は、従来どおりの出題です。
キッチリ、テキストと問題集とを、消化して行きましょう。学生時分の生物の知識も、フル活用しましょう。
また、「人体」は、そこそこ数字が問われるところなので、「数字対策(数字ピックアップ)」を参考に、暗記しましょう。
さて、「人体の働きと医薬品」の「副作用」ですが、これが、昨今では、大きな変化があります。
以前は、『特定の副作用』が事細かに問われていたのですが、最近では、『すべての副作用』が問われるようになっています。
以前のように、頻出の4~5個の副作用だけ押えるといった手法では、点が取れなくなっているので、当該傾向変化を念頭に、テキスト・問題集に当たってください。
「副作用」ですが、“自分や家族”にも関係のあるところなので、勉強を度外視して、興味を持って見ていくべきです。
おそらく、1つや2つは、身に憶えのある副作用を見出すはず。
ちなみに、わたしは、薬の用量を間違えたため、手引きで言う「精神神経系に現れる副作用‐その他」の「浮動感」が出たことがあったので、明日は我が身と、副作用のページを実に興味深く読んだ記憶があります。
「法規」ですが、当該科目は、大きな変化はありません。
苦手な人は、問題を解きまくってください。
何回も解くうちに、そこそこ点が取れるようになるはずです。
なお、「法規」ですが、費用対効果の悪い論点が多々あります。
「リスク区分に応じた情報提供」や「薬局又は店舗における掲示」といった、出ることには出るが、費用対効果が悪い論点は、「捨てる」ようにしましょう。
また、先の2つの論点以外にも、メンドウだなーと思ったなら、いっそのこと、捨てましょう。
登録販売者試験は、満点を取る必要はありません。
わたしも、当時は、そこそこ捨ててました。
「基本知識」ですが、あまり変化のない科目です。
当該科目は、満点の「20点」が狙える科目です。
問題集を3回、テキストを3回読んでいれば、満点に近い得点となるはずです。
ここで満点取ると、他の科目の失点をたくさんカバーできるので、手を抜かずに、やるべきです。
本試験前・本試験当日の注意事項です。
まずもって、「体調管理を徹底」してください。
特に、8月・9月に試験がある都道府県は、通常の倍は、気をつけるべきです。
暑さの厳しいときなので、バテないようにしてください。
また、体調管理の一環として、本試験の3週間前から、飲酒、暴飲暴食、過度のカフェイン摂取は、控えるようにすべきです。
なお、夏の試験ですが、特に、空調には気をつけてください。
ガチで寒い会場があるので、保険の意味で、タオル・長袖を持っていくことを勧めます。
秋・冬に試験がある方は、「風邪」を引かないよう、手洗い・うがいを徹底してください。
根を詰めても、多寡が知れてます。体調が悪いなと思ったら、配偶者を遠ざけ、すぐさま床に就きましょう。
さて、本試験当日ですが、「トイレ確保 2~3箇所」です。
登録販売者は、受験生が多いです。当然、トイレも込みます。大丈夫と思っていても、いざトイレに行くと満室なので、トイレは、2~3箇所を確保しておくべきです。
また、大きなお世話ですが、前もって、駅等のトイレで済ませておくのもよいかと思います。
最後に、「前日に、全部の準備をする」です。
寝る前に、受験票、筆記用具、スマホ、タオル、長袖、飲み物、甘い物(キャンデーやチョコレート、ビスケット、キャラメル、カリントウなど)、テキスト、問題集を、カバンや雑嚢に入れてから、就寝しましょう。
試験当日に準備をすると、何かと忘れ物があります。
本試験当日の忘れ物は、意外にメンタルに来るので、無駄な動揺を避ける意味でも、前日準備が効果的です。
以上、登録販売者の不合格対策を見てきました。
ツラツラと述べてきてアレですが、不合格となる人は、「医薬品の勉強不足」が目立ちます。
逆を言うと、「医薬品」ができるなら、残りの科目が少々アレでも、何とか合格できてしまうのです。
知り合いに、仕事が忙しくてあまり勉強できなかった人がいたのですが、持病や介護等で、「医薬品」の知識が豊富にあったので、本当にギリギリで合格できた、と言っていました。
さもありなん、と思います。
時間に余裕のない人は、全部が全部に、時間を割かないでください。
まずもって、「医薬品」に尽力してください。
「医薬品」ができていると、合格の可能性は、格段にアップしますが、その逆はなくて、他の科目ができても「医薬品」ができてないと、落ちています。
「医薬品」の知識は、合格後の実務でも必要となるので、とにかく、「医薬品」をがんばってください。
本ページで挙げたリンクのうち、試験勉強に直に役立つのをまとめます。
医薬品のポイント集+○×問題は、「医薬品の独学」と「生薬の独学」です。
暗記等に有用なのが、「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」です。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」も、時間があれば、一読願います。
これらのページを最大限に利用すると、格段に、暗記の手間が減るはずです。
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