登録販売者の難易度

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 登録販売者試験の難易度を、過去問をサンプルに挙げて、試験問題の特徴とともに、わかりやすく説明します。登録販売者試験は、「テキストの内容がそのまま」で、「常識的に考える」ものもあり、「テキスト以外はあまり出ない」ため、「難しくはないが、カンタンには受からない」試験。受験生が気になる「難化傾向」についても併せて説述。

インデックス

  1. ひとくち難易度
  2. 試験問題の特徴
  3. テキストの内容がそのまま
  4. 常識的に考えると…
  5. テキスト以外は滅多に出ない
  6. 難化傾向について

ひとくち難易度

 登録販売者の難易度ですが、一口で言えば、「1問1問は難しくはないが、量が多いため、実にメンドクサイ」です。

 試験問題にて、「難しい」ものは、稀です。

 問題の1つ1つは、テキストの内容が直に“そのまんま”問われています。

 問題のレベルは、危険物取扱者の乙4の法令のようなレベルで、勉強すれば(憶えさえすれば)、解ける問題がほとんどです。

 しかし、「量」が、殊更に面倒なのです。

 登録販売者の本試験の出題数は、午前試験の「60問」、午後試験の「60問」で、合計「120問」です。

 あの宅建が「50問」で、危険物取扱者が「35問」なことを踏まえれば、段違いの出題数であり、そっくりそのまま、「憶えることが多い」ことになります。

 しかも、です。

 登録販売者試験では、試験科目ごとに『足切り点』が設けられているのです。

 よって、苦手科目を丸ごと捨てるようなこともできず、試験範囲を満遍なく勉強する必要があります。

 そのうえ、です。

 試験勉強のほとんどは、「登録販売者の独学」で述べているように、ほとんど「暗記と記憶」です。

 憶える内容も、「硫酸フラジオマイシン」とか「クロラムフェニコール」などなど、見聞きしないカタカナばかりで、実に骨が折れます。

 ちなみに、「医薬品」では、これらカタカナ成分を、都合「500個」強を、憶えることになります。

 登録販売者の合格率は、おおむね「40%台」で推移していますが、合格者の皆が皆、こうした“面倒な勉強”をしていることは、肝に銘じておきましょう。

 参考:登録販売者の合格率

試験問題の特徴

 登録販売者の試験問題の特徴ですが、これは3つあって…、

  1. テキストの内容が、そのまま問題になる。
  2. 常識的に考えると、選択肢を絞れる。
  3. テキスト以外からの出題はあまり出ない。

 …といった寸法です。以下、細かく見ていきます。

テキストの内容がそのまま

 1つ目の「テキストの内容が、そのまま問題になる。」ですが、試験問題は、本当に、テキストそのまんま、なのです。

 たとえば、テキストに、こんな記述があれば…、

 

 本試験では、こんな風に…、

 

 …問われる、ってな次第です。

 んなもんで、テキストの記述をシッカリ押えておけば、穏当に点が取れます。

常識的に考えると…

 次に、登録販売者試験では、常識的に考えれば解ける問題も、かなり目にします。

 たとえば…、

 

 …という問題は、常識を働かせれば、知識ゼロでも、正解できる、ってな次第です。

 そのほか、『極端な表現』が使われる選択肢も散見されます。

 たとえば、「一般用医薬品は、医療用医薬品と異なり、一般人が使用することを想定しているので、副作用は“一切”ない。」といった感じで、(おかしいなー)という判断を付けることができます。

 こういう出題もあるので、言ってしまえば、勉強不足でも、多少は点が取れてしまう、といった次第です。

テキスト以外は滅多に出ない

 最後の「テキスト以外からの出題は滅多に出ない」ですが、文言そのままです。

 問題内容のほとんどは、「テキスト」からとなっており、テキスト以外から出ることは、ほとんどありません。

 んなもんで、試験勉強では、参考書や資料集、用語集といったサブ教材が一切「無用」です。

 とはいえ、ごく稀に、テキスト以外のところからも、出題されることがあります。

 

 たとえば、「H29年 福岡県 第108問:栄養機能食品」などです。

 本問のように、試験問題の元ネタである「手引き」の巻末資料から、出題されることがあります。(当該巻末資料は、あまりに瑣事なので、テキストからは除かれているのがほとんどです。)

 ただ、こうしたテキスト以外の問題が出ても、受験生の大半は解けないので、点差は開きません。

 よって、難問・奇問は、合否に深刻な影響を及ぼさないので、気にする必要は、ありません。

 さて、「テキスト以外のこと」ですが、試験に出たものをブログの…、

 「登録販売者試験の「ブラフ(はったり)」のまとめ‐保管期限・消費期限など

 「手引きにない漢方処方製剤のまとめ‐大建中湯,五苓散

 …に、まとめています。

 気になる人は、チェックしてください。

特徴のまとめ

 登録販売者の試験問題の特徴は、ざっと斯くの如しです。

 繰り返しますが、1問1問は、難しくないのです。よって、「試験問題はカンタン」なのです。

 しかし、出題数が「120問」と、ボリュームが凄いので、幅広く勉強しなくてはならない「面倒な試験」になる、といった次第です。

 「登録販売者?カンタンだよ」と耳にしたら、注意してください。

 確かに、1問1問は、カンタンに解けるものが多いです。しかし、あまりの暗記量に、地獄を見ます。

難化傾向について

 バッサリ言うと、登録販売者は、「難化傾向」にあります。

 「登録販売者の合格率」でも述べているように、年々、合格率は下がっています。

 しかしながら、過去問を分析すると、「昔がカンタンすぎたので、普通に戻った」といった状況と言えます。

 かつての試験問題は、すっきり解ける問題が多かったのです。選択肢の正誤がはっきりしていたので、最終解答を、自信を持って選べていました。

 そして、シンプルな知識問題が多かったです。即、解答を選べた問題がかなりありました。

 しかし、今では、選択肢を絞りきるのが難しい問題が増えています。最後の最後で、最終解答に迷う問題が増加しているのです。

 このため、底の浅い勉強だと、得点しにくくなっています。

 また、従来の難問・奇問や、重箱の隅を突く配偶者のようにいやらしい問題の出題も、相変わらず続いており、とりわけ「法規」で、しばしば顔を出すようになっています。

 こういった試験事情を鑑みると、試験が「難化」しているのは、間違いありません。

 とはいえ、です。

 「普通に勉強していれば受かる」という、最も根本的なところは、変わっていません。

 最終解答に悩むことは悩みますが、やることさえやっていれば、運で正解して、十分に合格点は確保できるのです。

 「難化」とは、あんまり勉強しない“不良受験生”を駆逐する措置です。

 登録販売者は、「難化」しているし「合格率も下がり気味」ですが、それは、不良受験生を駆逐しているだけです。よって、独学合格は、十分に可能です。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

みんなとシェアする