はじめて登録販売者試験を受験する初心者向けガイダンス。知っておくべき試験情報のまとめ。試験科目と配点、合格点(合格基準点)と目標得点、各科目の目標得点、難問や奇問の対処法のほか、午前試験と午後試験について述べる。実施は都道府県だが、大元は国で、受験料も「差」あり。併願受験は可、理想受験は不可。リンク集も、併せて掲載。
登録販売者の試験科目は、「5つ」あります。
「基本知識」「人体」「医薬品」「法規」「適正使用」の5つです。
一番厄介なのは、「医薬品」。
次いで、「適正使用」「人体」「法規」が難しく、一番気楽なのは、「基本知識」となります。
本試験での出題数ですが、「医薬品」が「40問」出題で、残りの4科目は、「20問」です。
んなもんで、総計で「120問」出題となります。
配点は、そのまんまですが、1問1点で、「120点満点」となります。
なお、独学方法や勉強方法などは、「登録販売者の独学」を、参考にしてください。
登録販売者試験の合格点(合格基準点)は、全国一律で「7割正解の84点」です。
足切点は、3.5割か4割かで、各県ごとに異なっていますが、合格点は、全国同じです。
よって、7割正解を念頭に、試験勉強をしていくことになります。
しかし、ギリギリの7割を狙うのは、あまりに余裕を欠きます。
ですから、安全圏である「7.5~8割正解の90~96点」前後を目指すことになります。
まずもって、「基本知識」ですが、ここは、比較的、カンタンな科目です。
出題されることはほぼ決まっていますし、難問が出ることも、そうないです。
よって、「基本知識」では、「18~20点(18~20問正解)」を目指すことになります。
満点の「20点」は、試験問題に拠ります。
難問や奇問の類が出題されたら、その分だけ点数が減ります。
たとえば、「福岡県 R2 第3問」のような問題が出たら、まず解けないので、マイナス1点と相なる、ってな次第です。
逆を言えば、先のような難問がなければ、過去問を2~3回解いて、テキストを精読しておけば、満点近く点数が取れます。
試験戦術的なことを言うと、「基本知識」は、手ごわい「医薬品」や「適正使用」の失点を補う重要な科目です。
カンタンだからと言って甘く見てはいけません。「基本知識」で点数が取れるほど、他の科目の失点をカバーできます。
「基本知識」は、合格の「保険」と思って、臨んでください。
「人体」ですが、「15~18点(15~18問正解)」くらいを目指します。
最近では、「人体」がそこそこ難化しています。
各器官の定義やカタカナ語句が執拗に出題されたり、副作用の“すべて”が出題範囲になったりするなど、手ごわくなっています。
テキストや過去問を3回くらいしていても、2~5点くらいの失点は免れないと思います。
しかし、です。逆を言えば、2~5問くらいは間違っても仕方がない、といった塩梅です。
「人体」は、憶えることが多く、費用対効果があまりよくないです。ある程度まで取れるようになったら、深追いせず、「医薬品」に時間を割くといいでしょう。
「医薬品」ですが、全部で40問出題されます。
目標点数の「24~30点」の6~7.5割くらいは、確実に取れるようになっておくべきです。
しかし、あまりにボリュームが多いので、優先して「医薬品」を勉強するにしても、そこまで到達するには、かなりの時間がかかります。
ですから、第1目標として、「医薬品」では、6割前後の正解を目指します。
6割正解の「24点」ですが、まあ、最低限、合格戦線に残れる点数です。
こうした次第で、まずは、6割を目指します。
んで、過去問等で、だいたい6割くらいならコンスタントに取れるようになれば、「法規」や「適正使用」に時間を割き、両科目で安定得点を確保すべく、個々の論点を消化していきます。
んで、「法規」や「適正使用」に、目途が付いたら、第2段階として、再び「医薬品」に戻って、点数の底上げを狙っていくのがベストかと思います。
「医薬品」は、他の科目と違い、一気に実力は、伸びない科目です。
つまり、一夜漬けが効かない科目なので、中間目標を設けて、勉強していくといいでしょう。
ところで、合格者からの意見を強く言うと、「医薬品」の知識は、合格後の実務や日常生活でも、“異様に”役に立つので、「32~36点」の8~9割近く取りたいところです。
試験的には、8~9割をガチで目指さなくてもいいですが、合格者の実感からすると、滅茶苦茶に、勉強し過ぎるほど勉強しても、まったく損はありません。
わたしは、いくつか資格を持っていますが、勉強したことは、綺麗サッパリ忘れ、ほとんど役に立ってないのが現状です。
しかし、登録販売者試験の「医薬品」で勉強したことは、かなり役に立っています。
試験戦術的に言うと、「医薬品」では、主として失点を抑えるのを第一にして、点数は、他の取りやすい科目で稼ぐのが効率がいいです。
ただ、「医薬品」で憶えることは、本当に、実生活で役に立つので、勉強しないのは、少しもったいないと、つくづく思います!
こういうとアレですが、わたしが受験生の時は、「漢方処方製剤」の大半を捨てていましたが、今振り返ると、もったいないことをしたと思っています。(合格後に、勉強し直しました。)
「法規」は、「15~18点」を目指します。
「法規」ですが、高得点を取るのは厳しい科目です。
条文や注記からの難問・奇問の出題率が高いため、点数的には、かなり厳しいと言えます。
しかし、「逆」に、そこそこの点数を取るのは、容易な科目なのです。
「法規」を苦手とする人が多いかもしれませんが、一口で言うと、「過去問演習」の5文字に尽きます。
過去問演習の「数」が増えるほど、「法規」で安定して点数を確保できます。
「教材レビュー」で述べた過去問題集や、受験予定地のPDF過去問(登録販売者 公式過去問+解説)のほか、「全ブロック 試験問題 科目別 インデックス」にて、「法規」の過去問演習を徹底すれば、ほぼ8割は、取れるようになります。
念押ししておきますが、「過去問演習」ですよ。テキストの読み込みじゃないので、注意してください。
「法規」は、テキスト精読も大事ですが、過去問演習の方が即効で点数が上がります。
「適正使用」は、「12~15点」くらいを目指しましょう。
「適正使用」だけ、点数が低いのは、受験生泣かせのガチ科目である、いわゆる「医薬品的な問題」が出題されるためです。
当該医薬品的な問題の出題数によって、最終得点は、かなり異なってきます。
かつての東京都のように、「11問」も出題されたら、かなり点数は落ち込むはずです。
現在では、全国的に、「6~8問」くらいの出題に落ち着いていますが、今後どうなるか、わかったものではありません。
「適正使用」は、出題動向によっては、足切点を免れたらそれでOKくらいになる可能性があります。
まずもって、「適正使用」では、過去問演習をして、定番問題や頻出論点をガチで押さえて、点数を確保してください。
そして、「医薬品的な問題」は、「適正使用対策」でも述べているように、まだ押えやすい「使用しない」から着手し、極力失点を抑えるようにしましょう。
「適正使用」は、こうした次第なので、「6割の12点は最低でも確保する、7割以上が取れたら御の字」くらいに認識しておきましょう。
登録販売者の本試験には、難問や奇問の類も出ます。
たとえば、H28の大阪府の「法規」では、「第99問‐監督処分:平成28年度 大阪」です。
これは、独特の「ひっかけ」で、わたしも間違えました。
次に、H29の東京都の「医薬品」では、「第106問‐服用しない:平成29年度 東京都」という奇問が出ました。
ただでさえ難しい「漢方」なのに、「使用を避ける」となれば、解ける受験生は、ほとんどいないでしょう。
んで、奇問といえば、「大阪府 H30 第88問」の「化粧品の効能効果の範囲」です。
巻末資料からの出題で、わかるわけがありません。
んで、R1の福岡県の「福岡県 R1 第120問 監督処分」は、ぶっ飛んでます。これは、わからんです。
最後に、R2の関西広域連合の「関西 R2 第109問」です。巻末資料からの出題で、わからんですわ。
こんな風に、難問や奇問が出ることにはでます。
しかしながら、難問・奇問の類は極めて“少数”で、合否には直接影響しません。
よって、「無視」して構いません。
他の問題で、合格基準を“じゅうぶんに”満たせます。『難問・奇問は相手にせず』です。
ただ、余裕が出てきたら、過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、直前期あたりに、チェックしておきましょう。
問題(選択肢)の使い回しは、そこそこあるからです!
登録販売者試験は、「午前試験」と「午後試験」の2回に分けて行なわれます。
それぞれ、「60問」が出題され、全体(午前・午後)で「120問」を解くことになります。
当該「午前試験」と「午後試験」ですが、試験科目の振り分けは、「都道府県」によって異なります。
ある県では、午前に「基礎知識」と「医薬品」が問われるのですが、その他の県では、午前に「基本知識」「人体」「法令」になったりします。
注意して欲しいのは、「医薬品」が、午前か午後のどっちにあるか、です。
本試験は、本当に「医薬品」が厄介なので、当該科目が午前か午後のどちらにあるかを、正確に把握しておかねばなりません。
一番の負担となる「医薬品」が、午前にあるか午後にあるかで、精神的な“きつさ”が違います。
各自、受験予定地の「午前と午後」を、確認しておいてください。
なお、試験時間は、午前試験・午後試験ともに、「120分」です。まあ、実際は、ほぼ余ります。
登録販売者試験の試験問題は、厚生労働省が公開している「試験問題作成に関する手引き」から作られます。
「厚生労働省 登録販売者」などで検索すれば、該当ページに辿り着けます。
んで、各都道府県の試験担当者は、当該手引きを参考に、試験問題を作成することになります。
このように、「大元」が一緒なので、試験問題は、都道府県によって多少は異なりますが、それでも、全体的なレベルは、“平均化”されているように思われます。
一時期、ブロックごとに試験問題が“かなり”異なることもありましたが、現在では、おおむね同じようなレベルとなっています。
しかし、合格者をたくさん出した翌年などは、合格者の調整のため、試験が難しくなる傾向もあります。
なお、本試験の主催者は、「都道府県」です。
都道府県によっては、試験の実施方法や試験時の注意事項などが、絶妙に異なることがあるので、注意してください。
たとえば、静岡県では、R3やR4の試験にて、「不織布マスクを着用すること」といった感じで、マスク指定がありました。
本試験の1週間前になったら、公式を確認してください。
登録販売者の受験料は、おおむね「13,000円」強です。
しかし、都道府県によって、受験料は異なります。
わたしの受けた大阪府では「13,000円」でしたが、北海道では「18,100円」となっています。
いざ申込というときに戸惑わないように、受験予定地の都道府県のホームページで、金額を確認しておいてください。
なお、受験の願書はPDFでダウンロードできますが、申込は簡易速達等で送ることになるので、その分の切手代を見ておかねばなりません。
また、受験料の支払いは、都道府県の“証紙”で支払います。
証紙の購入が結構手間なので、受験の申し込みは、“早め早め”が賢明です。
登録販売者試験は、先に見たように、「都道府県」ごとに実施されます。
本試験は、おおむね「8月から12月」にかけて行われます。
そして、登録販売者試験は、受験資格に「居住地」や「住所地」の縛りがないので、どこの県の試験でも受けることができます。
つまり、「併願受験」は、可能というわけです。
たとえば、「北海道」と「福岡」の両県に申し込んで、受験することは可能、といった寸法です。
このような「越境受験」を踏まえれば、1年でいくつも試験が受けられる、という塩梅です。(日程上、10箇所くらい受けられます。)
仕事の関係で、どうしても登録販売者の資格が必要な人は、当該併願受験で試験に臨むとよいでしょう。
なお、本試験の日時は、“例年同じ時期”なので、情報は古いですが、「資料:平成29年度(2017年度) 登録販売者 都道府県別試験日」を参考に、受験計画を練ってみてください。
さて、「併願受験」は可能ですが、しかしながら、「受験生にとって理想の受験」は、不可能です。
受験料が無駄ならないのは「ある県を受験して不合格なら、他県の試験に申し込んで、再度受験する」ことですが、これは、不可能となっています。
というのも、「合格発表の前に、試験の申し込みが締め切られる」ためです。
一番早く試験が行われるのは、北海道・東北圏の「8月」です。そして、一番遅いのが九州圏の「12月」です。
しかし、北海道・東北圏の合格発表は「10月初旬」なのですが、一足先に、九州圏では「9月の中旬」に申し込みが締め切られるのです。
こうした日程上の“調整”のため、「理想的な受験」は不可、という塩梅です。
こんな次第で、「ダメだったら別の県を受ければいいや」ができなくなっています。
独学向きの教材は、「登録販売者 教材レビュー」で詳細に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」と…、
「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」の…、
…2つを使えば、支障は無いはずです。
わたしもこれらを使いました。コスパは、一番いいと思います。
登録販売者試験については、以下のリンク先も参考にしてください。
・登録販売者の独学…メインぺージ。
試験について、最低限度の試験情報は集まると思います。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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