はじめて登録販売者試験を受験する初心者向けガイダンス。知っておくべき試験情報のまとめ。やってはいけないこと、憶えなくていいもの、独学向け教材など。登録販売者試験を理解するリンクも、併せて掲載。
登録販売者の独学で「やってはいけない」ダメ勉強は…、
…です。これらを、“やらないだけ”で、合格が近づきます。
まず、やってはいけない筆頭は、御年配のお姐様に多い「テキストを丸々写す勉強」です。
絶対にやらないでください。
試験勉強は、写経ではありません。テキストを書き写しても、頭に入りません。
壮大な手間なのに、効果は薄いので、そんな時間があるなら、そっくり問題演習に充てましょう。
次に、「ノートづくり」ですが、テキストは、既にまとまっています。ノート作りは、時間の無駄。ノートを作るくらいなら、テキストを精読しましょう。
わたしが作ったのは、暗記メモくらいです。また、読み返したいページ・表があるのなら、写真に撮った方が早いです。
最後に「アルコール」ですが、飲みながらの勉強は厳禁です。飲みながら勉強するのは、勉強した気がするだけで、実力の付かない最低作業です。
アルコールは、忘却剤です。飲んでたら勉強したところから忘れます。アルコールと勉強は、配偶者のように全く合わないので、試験勉強期間は、禁酒してください。
飲みたいのなら、勉強から完全に離れましょう。教材を視界から除きましょう。飲むときは飲む。お酒だけを楽しんでください。
登録販売者の独学に当たって、さいしょに、“憶えなくていいもの”を挙げておきます。
まず、年号・年月日です。
細かい年号・年月日は、99%問われないので、憶えなくていいです。
たとえば、薬害訴訟の記述に…
「サリドマイド製剤は、1957年に西ドイツ(当時)で販売が開始され、日本では1958年1月から販売されていた。1961年11月、西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、西ドイツでは製品が回収されるに至った。」
…あるような年号・年月日です。
登録販売者は、歴史の試験でないので、年号・年月日を憶えなくていいです。
次に、試験と関係のない数字も、憶えなくていいです。
例を挙げると、「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項(平成29年6月8日付け薬生安発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知別添)」とかです。
登録販売者が書類の番号を憶えても仕方ないですよね。
また、「法規」の条文番号も、憶えなくていいです。
たとえば、「法第27条」とか「規則第159条の8第1項」とか「法第41条第1項の規定に基づいて」といった表記です。一切憶えなくていいです。
こんな次第で、憶えなくていいものはスルーして、点数になるものだけを憶えるようにしてください。
なお、これ以外の数字は、試験に出る定番論点と化しています。「数字対策(数字ピックアップ)」を参考に、確実に押えていってください。
最後に、「愛知県 R5 午後第60問」で、「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」の「6月20日」が問われたことがありますが、こんな難問は、基本無視です。無理。
登録販売者の試験科目は、以下の…、
「医薬品に共通する特性と基本的な知識(基本知識)」
「人体の働きと医薬品(人体)」
「主な医薬品とその作用(医薬品)」
「薬事に関する法規と制度(法規)」
「医薬品の適正使用と安全対策(適正使用)」
…の「5つ」です。ちなみに、括弧書きは、通称です。
出題数は、「医薬品」が「40問」で、残りの4科目が「20問」で、合計「120問」です。
配点は、1問1点で、「120点満点」となります。
合格点(合格基準点)は、全国一律で「7割正解の84点」です。
足切点は、「科目ごとに3.5割または4割の正解」で、割合は都道府県ごとに異なっています。
なお、足切り点は、ふつうの受験生なら気にする必要はないです。不安な人は、「登録販売者試験の足切り点の考え方」を一読願います。
最初に指摘しておきたいのは、登録販売者は、競争試験ではないです。
よって、合格点さえ取れば、皆、合格です。この点、宅建とかのように合格点がコロコロ変わらないので、気が楽です。
次に、登録販売者は、ガチの「文系」試験です。
計算問題や化学式等は、一切、出ません。文系の人は胸をなでおろしてください。
登録販売者は、「医薬品」を扱うので、「理系資格」かと思いきや、実際は、ガチの「文系資格」です。
最後に、本試験は、完全なペーパー試験です。
実技試験・実務試験等は、一切ないです。
登録販売者の試験問題には、典型的な出題パターンが3つあります。
パターンを把握しておくと、注意すべき記述・文言に、鼻が利くようになります。
以下に述べる、「逆問題」、「入れ替え問題」、「漢字違い」を知っておくと、テキスト精読時・問題演習時に、力になるかと思います。
まず、1番目の「逆問題」ですが、手引きの記述を「逆」にした問題です。
たとえば、「抗炎症成分」の「トラネキサム酸」には、「体内での起炎物質の産生を“抑制する”ことで炎症の発生を抑え、腫れを和らげる。」効能があります。
「逆問題」では、「体内での起炎物質の産生を“促進する”ことで炎症の発生を抑え、腫れを和らげる。」などと変えられるのです。
例題のような「抑制‐促進」のほか、「増加‐減少」、「多い‐少ない」、「狭い‐広い」、「細い‐太い」、「短い‐長い」、「酸性‐アルカリ性」、「直接‐間接」といった感じに、対義語のあるものが狙われます。
当該逆問題は、登録販売者の定番問題で、かなり出ます!!!対義語のある語句は、意識して見ておきましょう。
2番目の「入れ替え問題」ですが、そのケースとしては…、
・ある語句の説明を、他の語句のものと入れ替える。
・説明文の前と後とを入れ替える。
…パターンがあります。
前者の「ある語句の説明を他の語句のものと入れ替える」だと、典型的なのが、配偶者でおなじみの「痔」です。
テキストには、「痔」について…、
「痔核は、肛門に存在する細かい血管群が部分的に拡張し、肛門内にいぼ状の腫れが生じたもので、一般に「いぼ痔」と呼ばれる。」
「裂肛は、肛門の出口からやや内側の上皮に傷が生じた状態であり、一般に、「切れ痔」(又は「裂け痔」)と呼ばれる。」
…と、記載されています。
こういう記述が、「“裂肛”は、肛門に存在する細かい血管群が部分的に拡張し、肛門内にいぼ状の腫れが生じたもので、一般に「いぼ痔」と呼ばれる。」といった感じに、裂肛の説明が、痔核の説明に入れ替えられる、といった次第です。
当該入れ替えパターンは、本当にバラエティに富んでいて、そこかしこに見ると思います。
次に、「説明文の前と後とを入れ替える」は、「医薬品」でよく見るパターンです。
たとえば、「アセトアミノフェン」には、以下のような…、
「主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。」
「その分、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる製品もあるが、食後の服用が推奨されている。」
…と説明がなされているのです。
これが、試験だと…、
「アセトアミノフェンは、主として末梢における抗炎症作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、中枢作用は期待できない。」とか…、
「アセトアミノフェンは、胃腸障害は少なく、食後に服用できる製品もあるが、空腹時の服用が推奨されている。」
…などと、文章の前後が入れ替えられるのです。
テキストの読み込みが浅いと、当該入れ替え問題を落とすので、注意してください。
最後に、「漢字違い」ですが、これは、似た漢字に変えてくるパターンです。
典型的なのが、「人体」の「副腎“皮”質と、副腎“髄”質」です。
テキストの正しい記述は、「副腎“髄”質では、自律神経系に作用するアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌される。」です。
これが、「副腎“皮”質では、自律神経系に作用するアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌される。」と変えられます。
そのほか、「中枢神経系は脳と“脊髄”から構成される。」が、「中枢神経系は脳と“延髄”から構成される。」に変えられます。
「交感神経」が「“副”交感神経」に変えられます。この逆のまた然りで、「“副”交感神経」が「交感神経」に変えられてたりします。(アドレナリン作動成分や抗コリン成分で出題されることが多いです。)
当該「漢字違い」は、最初は引っかかって悔しい思いをしますが、試験に出る漢字は、だいたい決まっているので、過去問演習をシッカリしていれば、対応できるようになります。
以上、典型的な試験問題のパターンでした。
登録販売者の独学で重要となる、選択肢判別のコツを以下に述べておきます。選択肢の判別が、格段に速くなると思います。
まず、一番カンタンで有効なコツが「すべて・のみ・必ずは、間違っていることが多い」です。
当該「すべて・のみ・必ず」が使われると、例外が認められなくなるので、ほぼほぼ「×」となります。
詳細は、当方のブログの「「すべて」と「のみ」と「必ず」のある選択肢に注意する‐登録販売者」に述べています。注意すべき例外(必ずで正しくなるもの)も、載せてあるので、参考にしてください。
あと、「いつも・常に」も、“かなり怪しい”です。要注意キーワードとして、追加的に、押えておいてください。
次のコツですが、「慎重な姿勢のものは、正しいことが多い」です。
「症状が明確でないときは、医薬品の摂取を控えるのがよい」とか、「販売を差し控える必要がある」とか、「医療機関の受診を勧めるべき」といった慎重な内容の選択肢は、大概、正しいです。
逆に、積極的な記述は、間違っていることが多いです。「大いに薬を飲んだ方がいい」とか「予防的に飲むのがよい」とかは、完全に間違っています。判別の一助に。
次に、「常識的におかしいと感じるものは、大概、誤り」です。
たとえば、「効き目を感じないときは、用法用量を超えて飲むとよい」とか「一般用医薬品のみで治療するのがよい」とか「別段、医療機関を受診する必要はない」とかは、常識的に間違っているので、「×」となります。
問題文を一読して、(常識的におかしくない?!)となった選択肢は、大概、「×」となります。
最後に、「教科書的なものは、正しいことが多い」です。
選択肢を一読して、(その通りですよねー)という、教科書的な読後感のものは、大概、正しいです。
どこが間違っているのか突っ込めないものは、突っ込めるところが「ない」というわけで、間違いがない=正しい、といった寸法です。
以上、選択肢の判別に、参考にしてください。結構、役に立つと思います。
登録販売者の本試験には、難問や奇問の類も出ます。
たとえば、H28の大阪府の「法規」では、「第99問‐監督処分:平成28年度 大阪」です。
これは、独特の「ひっかけ」で、わたしも間違えました。
次に、H29の東京都の「医薬品」では、「第106問‐服用しない:平成29年度 東京都」という奇問が出ました。
ただでさえ難しい「漢方」なのに、「使用を避ける」となれば、解ける受験生は、ほとんどいないでしょう。
んで、奇問といえば、「大阪府 H30 第88問」の「化粧品の効能効果の範囲」です。
巻末資料からの出題で、わかるわけがありません。
んで、R1の福岡県の「福岡県 R1 第120問 監督処分」は、ぶっ飛んでます。これは、わからんです。
最後に、R2の関西広域連合の「関西 R2 第109問」です。巻末資料からの出題で、わからんですわ。
こんな風に、難問や奇問が出ることにはでます。
しかしながら、難問・奇問の類は極めて“少数”で、合否には直接影響しません。
よって、「無視」して構いません。
他の問題で、合格基準を“じゅうぶんに”満たせます。『難問・奇問は相手にせず』です。
ただ、余裕が出てきたら、過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、直前期あたりに、チェックしておきましょう。
過去問の「使い回し」がそこそこあるからです!
テキストの読み方ですが、実にとても大事なことが「憶えようとしない」です。
「読む」行為と、「憶える行為」は、違います。
憶えようとして読むと、ものすごく疲れるので、やめてください。
本当に脳が疲れて、勉強に嫌気が差します。しかも、あんまり憶えないです。
テキストを読むときは、内容の把握ができたらOKです。
重々言っておきますが、読むときは、「憶えようとしない」でください。
「公式過去問+解説」の解説では、よく「テキストを精読しておきましょう」とコメントしています。
当該テキストの精読ですが、テキストの1つ1つの文言や語句を、読み飛ばすことなく、丁寧に目を通していく読み方です。
有体に言えば、恋人からの手紙を読むような感じです。じっくり読む、ゆっくり読むです。
テキストを精読しておくと、試験問題に、だいぶ「鼻」が利くようになります。
たとえば、「人体」には、「脾臓とは握りこぶし大のスポンジ状の臓器」といった記述があります。
これが、本試験では、「脾臓とは、握りこぶし大の袋状の臓器」などと出題されるのです。
テキストを精読しておくと、(あれ、こんなんだっけ?)的に、怪しさを見抜くことができるようになります。
また、出題者は、テキストに「載ってない」語句を、選択肢に繰り出すことがあります。たとえば、使用期限ならぬ保管期限とかです。
こういう出題者のハッタリ(フェイク)にも、テキストの精読が功を奏すってな次第で、(保管期限・・・こんなんテキストにあったけー?)的に、「鼻」が利きます。
テキストを精読をしておくと、選択肢の選別が格段にうまくなります。テキスト精読をお勧めします。
なお、テキストの精読は、知識の整理や再記憶に、絶大な威力を発揮するので、復習の意味でも、一級の勉強です。
先に見た「テキストの精読」と違う読み方が、「テキストの通読」です。
この読み方は、ざっと読むという意味です。配偶者のメモを読むような感じです。
ざざざーとテキストの記述に目を通していく読み方で、何があるかくらいを把握する目的があります。
また、実力が付いてくると、テキストの通読、つまり、ざっと読むだけで、記憶が新たになるので、再記憶や確認に、実に功を奏す読み方です。
テキストは、何が何でも精読しなければならないものではないです。
よく知ってる・わかってるところは、テキストの通読でザクザクと読んでいって、ページを消化してください。
過去問題集やPDF過去問の問題を解くときは、すべての選択肢に理由を付して、正誤の判断をしてください。
手前味噌ながら、当方の過去問の解説、たとえば、「茨城県 R5 第81問」のように、なぜこの選択肢が正しくなるのか、なぜ間違っているのか、間違っているのなら、正しいのは何なのかを、明らかにしてください。
正解不正解だけの問題演習は、実力が全く伸びないです。正直、時間の無駄です。
選択肢の1つ1つに、きちんと理由付けをすることで、確固たる実力が身に付きます。
正直、メンドクサクて時間もかかりますが、「理由付け」こそ、一番実力の付く問題演習だと断言しておきます。
なお、過去問題集ですが、繰り返し使うので、ヒントや答えを書かないようにしてください。書くと勉強にならないです。
過去問題集のみならず、PDF過去問にも当てはまるのが「過去問に出たことは、甘く見てはいけない」です。
登録販売者は、過去問の「使い回し」がかなり多いです。
特に、難問奇問の類が、定番問題・頻出問題と化すことが多いです。
問題演習をしていると、なんじゃこら?となる問題に、多数遭遇すると思います。
しかし、過去問に出た以上、見ておく価値があります。こんなんやっとれんなーという問題でも、問いと答えを憶えて、解けるようになっておきましょう。
登録販売者の試験勉強は、「暗記と記憶」がほとんどです。
40代以降の人は、たった「1つの成分」を憶えるのに、一苦労するはずです。
しかし、何度も何度も、何回も何回も、5回・10回・20回は見直す感じで、気長にやってください。焦らないことが大事です。
わたしは、駆虫薬成分の「ピペラジンリン酸塩」が、本当に頭に入らず、30回以上は見直しました。
「暗記と記憶」の作業は、「細切れ時間」が一番向いています。
正直言うと、机の前でウンウン唸る1時間より、通勤・通学の15分のほうが効率がいいです。15分もあれば、1~2個、頭に刻むことができます。
電車やバスの中で、リビングに配偶者しかいないときに、暗記事項をブツブツ唱えて、周りから白い目で見られてください。
暗記メモを作るなり、スマホでテキストの記述や表を撮るなりして、通勤・通学等の「細切れ時間」を、十分に活用して憶えていきましょう。
独学向きの教材は、「登録販売者 教材レビュー」で詳細に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」と…、
「 超重要!登録販売者過去問題集 '25年版 (2025年版) 」の…、
…2つを使えば、支障は無いはずです。
わたしもこれらを使いました。コスパは、一番いいと思います。
登録販売者試験については、以下のリンク先も参考にしてください。
・合格率
・難易度
・勉強時間
時間のあるときや、試験勉強の合間でいいです。最低限度の試験情報は集まると思います。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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