はじめての登録販売者試験‐初心者向けガイダンス

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 はじめて登録販売者試験を受験する初心者向けガイダンス。知っておくべき試験情報のまとめ。試験科目と配点、合格点(合格基準点)と目標得点、各科目の目標得点、難問や奇問の対処法のほか、午前試験と午後試験について述べる。実施は都道府県だが、大元は国で、受験料も「差」あり。併願受験は可、理想受験は不可。リンク集も、併せて掲載。

インデックス

  1. 試験科目と配点
  2. 合格点(合格基準点)と目標得点
  3. 「基本知識」の目標得点
  4. 「人体」の目標得点
  5. 「医薬品」の目標得点
  6. 「法規」の目標得点
  7. 「適正使用」の目標得点
  8. 難問や奇問について
  9. 午前試験と午後試験
  10. 実施は都道府県。大元は国。
  11. 受験料も「差」あり。
  12. 併願受験は可
  13. 理想受験は不可
  14. 独学向け教材
  15. 登録販売者試験 リンク集

試験科目と配点

 登録販売者の試験科目は、「5つ」あります。

 「基本知識」「人体」「医薬品」「法規」「適正使用」の5つです。

 一番厄介なのは、「医薬品」。

 次いで、「適正使用」「人体」「法規」が難しく、一番気楽なのは、「基本知識」となります。

 本試験での出題数ですが、「医薬品」が「40問」出題で、残りの4科目は、「20問」です。

 んなもんで、総計で「120問」出題となります。

 配点は、そのまんまですが、1問1点で、「120点満点」となります。

 なお、独学方法や勉強方法などは、「登録販売者の独学」を、参考にしてください。

合格点と目標得点

 登録販売者試験の合格点(合格基準点)は、全国一律で「7割正解の84点」です。

 足切点は、3.5割か4割かで、各県ごとに異なっていますが、合格点は、全国同じです。

 よって、7割正解を念頭に、試験勉強をしていくことになります。

 しかし、ギリギリの7割を狙うのは、あまりに余裕を欠きます。

 ですから、安全圏である「7.5~8割正解の90~96点」前後を目指すことになります。

「基本知識」の目標得点

 まずもって、「基本知識」ですが、ここは、比較的、カンタンな科目です。

 出題されることはほぼ決まっていますし、難問が出ることも、そうないです。

 よって、「基本知識」では、「18~20点(18~20問正解)」を目指すことになります。

 満点の「20点」は、試験問題に拠ります。

 難問や奇問の類が出題されたら、その分だけ点数が減ります。

 たとえば、「福岡県 R2 第3問」のような問題が出たら、まず解けないので、マイナス1点と相なる、ってな次第です。

 逆を言えば、先のような難問がなければ、過去問を2~3回解いて、テキストを精読しておけば、満点近く点数が取れます。

 試験戦術的なことを言うと、「基本知識」は、手ごわい「医薬品」や「適正使用」の失点を補う重要な科目です。

 カンタンだからと言って甘く見てはいけません。「基本知識」で点数が取れるほど、他の科目の失点をカバーできます。

 「基本知識」は、合格の「保険」と思って、臨んでください。

「人体」の目標得点

 「人体」ですが、「15~18点(15~18問正解)」くらいを目指します。

 最近では、「人体」がそこそこ難化しています。

 各器官の定義やカタカナ語句が執拗に出題されたり、副作用の“すべて”が出題範囲になったりするなど、手ごわくなっています。

 テキストや過去問を3回くらいしていても、2~5点くらいの失点は免れないと思います。

 しかし、です。逆を言えば、2~5問くらいは間違っても仕方がない、といった塩梅です。

 「人体」は、憶えることが多く、費用対効果があまりよくないです。ある程度まで取れるようになったら、深追いせず、「医薬品」に時間を割くといいでしょう。

「医薬品」の目標得点

 「医薬品」ですが、全部で40問出題されます。

 目標点数の「24~30点」の6~7.5割くらいは、確実に取れるようになっておくべきです。

 しかし、あまりにボリュームが多いので、優先して「医薬品」を勉強するにしても、そこまで到達するには、かなりの時間がかかります。

 ですから、第1目標として、「医薬品」では、6割前後の正解を目指します。

 6割正解の「24点」ですが、まあ、最低限、合格戦線に残れる点数です。

 こうした次第で、まずは、6割を目指します。

 んで、過去問等で、だいたい6割くらいならコンスタントに取れるようになれば、「法規」や「適正使用」に時間を割き、両科目で安定得点を確保すべく、個々の論点を消化していきます。

 んで、「法規」や「適正使用」に、目途が付いたら、第2段階として、再び「医薬品」に戻って、点数の底上げを狙っていくのがベストかと思います。

 「医薬品」は、他の科目と違い、一気に実力は、伸びない科目です。

 つまり、一夜漬けが効かない科目なので、中間目標を設けて、勉強していくといいでしょう。

 ところで、合格者からの意見を強く言うと、「医薬品」の知識は、合格後の実務や日常生活でも、“異様に”役に立つので、「32~36点」の8~9割近く取りたいところです。

 試験的には、8~9割をガチで目指さなくてもいいですが、合格者の実感からすると、滅茶苦茶に、勉強し過ぎるほど勉強しても、まったく損はありません。

 わたしは、いくつか資格を持っていますが、勉強したことは、綺麗サッパリ忘れ、ほとんど役に立ってないのが現状です。

 しかし、登録販売者試験の「医薬品」で勉強したことは、かなり役に立っています。

 試験戦術的に言うと、「医薬品」では、主として失点を抑えるのを第一にして、点数は、他の取りやすい科目で稼ぐのが効率がいいです。

 ただ、「医薬品」で憶えることは、本当に、実生活で役に立つので、勉強しないのは、少しもったいないと、つくづく思います!

 こういうとアレですが、わたしが受験生の時は、「漢方処方製剤」の大半を捨てていましたが、今振り返ると、もったいないことをしたと思っています。(合格後に、勉強し直しました。)

「法規」の目標得点

 「法規」は、「15~18点」を目指します。

 「法規」ですが、高得点を取るのは厳しい科目です。

 条文や注記からの難問・奇問の出題率が高いため、点数的には、かなり厳しいと言えます。

 しかし、「逆」に、そこそこの点数を取るのは、容易な科目なのです。

 「法規」を苦手とする人が多いかもしれませんが、一口で言うと、「過去問演習」の5文字に尽きます。

 過去問演習の「」が増えるほど、「法規」で安定して点数を確保できます。

 「教材レビュー」で述べた過去問題集や、受験予定地のPDF過去問(登録販売者 公式過去問+解説)のほか、「全ブロック 試験問題 科目別 インデックス」にて、「法規」の過去問演習を徹底すれば、ほぼ8割は、取れるようになります。

 念押ししておきますが、「過去問演習」ですよ。テキストの読み込みじゃないので、注意してください。

 「法規」は、テキスト精読も大事ですが、過去問演習の方が即効で点数が上がります。

「適正使用」の目標得点

 「適正使用」は、「12~15点」くらいを目指しましょう。

 「適正使用」だけ、点数が低いのは、受験生泣かせのガチ科目である、いわゆる「医薬品的な問題」が出題されるためです。

 当該医薬品的な問題の出題数によって、最終得点は、かなり異なってきます。

 かつての東京都のように、「11問」も出題されたら、かなり点数は落ち込むはずです。

 現在では、全国的に、「6~8問」くらいの出題に落ち着いていますが、今後どうなるか、わかったものではありません。

 「適正使用」は、出題動向によっては、足切点を免れたらそれでOKくらいになる可能性があります。

 まずもって、「適正使用」では、過去問演習をして、定番問題や頻出論点をガチで押さえて、点数を確保してください。

 そして、「医薬品的な問題」は、「適正使用対策」でも述べているように、まだ押えやすい「使用しない」から着手し、極力失点を抑えるようにしましょう。

 「適正使用」は、こうした次第なので、「6割の12点は最低でも確保する、7割以上が取れたら御の字」くらいに認識しておきましょう。

難問や奇問について

 登録販売者の本試験には、難問や奇問の類も出ます。

 たとえば、H28の大阪府の「法規」では、「第99問‐監督処分:平成28年度 大阪」です。

 これは、独特の「ひっかけ」で、わたしも間違えました。

 次に、H29の東京都の「医薬品」では、「第106問‐服用しない:平成29年度 東京都」という奇問が出ました。

 ただでさえ難しい「漢方」なのに、「使用を避ける」となれば、解ける受験生は、ほとんどいないでしょう。

 んで、奇問といえば、「大阪府 H30 第88問」の「化粧品の効能効果の範囲」です。

 巻末資料からの出題で、わかるわけがありません。

 んで、R1の福岡県の「福岡県 R1 第120問 監督処分」は、ぶっ飛んでます。これは、わからんです。

 最後に、R2の関西広域連合の「関西 R2 第109問」です。巻末資料からの出題で、わからんですわ。

 こんな風に、難問や奇問が出ることにはでます。

 しかしながら、難問・奇問の類は極めて“少数”で、合否には直接影響しません。

 よって、「無視」して構いません。

 他の問題で、合格基準を“じゅうぶんに”満たせます。『難問・奇問は相手にせず』です。

 ただ、余裕が出てきたら、過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、直前期あたりに、チェックしておきましょう。

 問題(選択肢)の使い回しは、そこそこあるからです!

 参考:チェック問題 過去問リスト

午前試験と午後試験

 登録販売者試験は、「午前試験」と「午後試験」の2回に分けて行なわれます。

 それぞれ、「60問」が出題され、全体(午前・午後)で「120問」を解くことになります。

 当該「午前試験」と「午後試験」ですが、試験科目の振り分けは、「都道府県」によって異なります。

 ある県では、午前に「基礎知識」と「医薬品」が問われるのですが、その他の県では、午前に「基本知識」「人体」「法令」になったりします。

 注意して欲しいのは、「医薬品」が、午前か午後のどっちにあるか、です。

 本試験は、本当に「医薬品」が厄介なので、当該科目が午前か午後のどちらにあるかを、正確に把握しておかねばなりません。

 一番の負担となる「医薬品」が、午前にあるか午後にあるかで、精神的な“きつさ”が違います。

 各自、受験予定地の「午前と午後」を、確認しておいてください。

 なお、試験時間は、午前試験・午後試験ともに、「120分」です。まあ、実際は、ほぼ余ります。

実施は都道府県。大元は国。

 登録販売者試験の試験問題は、厚生労働省が公開している「試験問題作成に関する手引き」から作られます。

 「厚生労働省 登録販売者」などで検索すれば、該当ページに辿り着けます。

 んで、各都道府県の試験担当者は、当該手引きを参考に、試験問題を作成することになります。

 このように、「大元」が一緒なので、試験問題は、都道府県によって多少は異なりますが、それでも、全体的なレベルは、“平均化”されているように思われます。

 一時期、ブロックごとに試験問題が“かなり”異なることもありましたが、現在では、おおむね同じようなレベルとなっています。

 しかし、合格者をたくさん出した翌年などは、合格者の調整のため、試験が難しくなる傾向もあります。

 なお、本試験の主催者は、「都道府県」です。

 都道府県によっては、試験の実施方法や試験時の注意事項などが、絶妙に異なることがあるので、注意してください。

 たとえば、静岡県では、R3やR4の試験にて、「不織布マスクを着用すること」といった感じで、マスク指定がありました。

 本試験の1週間前になったら、公式を確認してください。

受験料も「差」あり。

 登録販売者の受験料は、おおむね「13,000円」強です。

 しかし、都道府県によって、受験料は異なります。

 わたしの受けた大阪府では「13,000円」でしたが、北海道では「18,100円」となっています。

 いざ申込というときに戸惑わないように、受験予定地の都道府県のホームページで、金額を確認しておいてください。

 なお、受験の願書はPDFでダウンロードできますが、申込は簡易速達等で送ることになるので、その分の切手代を見ておかねばなりません。

 また、受験料の支払いは、都道府県の“証紙”で支払います。

 証紙の購入が結構手間なので、受験の申し込みは、“早め早め”が賢明です。

併願受験は可

 登録販売者試験は、先に見たように、「都道府県」ごとに実施されます。

 本試験は、おおむね「8月から12月」にかけて行われます。

 そして、登録販売者試験は、受験資格に「居住地」や「住所地」の縛りがないので、どこの県の試験でも受けることができます。

 つまり、「併願受験」は、可能というわけです。

 たとえば、「北海道」と「福岡」の両県に申し込んで、受験することは可能、といった寸法です。

 このような「越境受験」を踏まえれば、1年でいくつも試験が受けられる、という塩梅です。(日程上、10箇所くらい受けられます。)

 仕事の関係で、どうしても登録販売者の資格が必要な人は、当該併願受験で試験に臨むとよいでしょう。

 なお、本試験の日時は、“例年同じ時期”なので、情報は古いですが、「資料:平成29年度(2017年度) 登録販売者 都道府県別試験日」を参考に、受験計画を練ってみてください。

理想受験は不可

 さて、「併願受験」は可能ですが、しかしながら、「受験生にとって理想の受験」は、不可能です。

 受験料が無駄ならないのは「ある県を受験して不合格なら、他県の試験に申し込んで、再度受験する」ことですが、これは、不可能となっています。

 というのも、「合格発表の前に、試験の申し込みが締め切られる」ためです。

 一番早く試験が行われるのは、北海道・東北圏の「8月」です。そして、一番遅いのが九州圏の「12月」です。

 しかし、北海道・東北圏の合格発表は「10月初旬」なのですが、一足先に、九州圏では「9月の中旬」に申し込みが締め切られるのです。

 こうした日程上の“調整”のため、「理想的な受験」は不可、という塩梅です。

 こんな次第で、「ダメだったら別の県を受ければいいや」ができなくなっています。

独学向け教材

 独学向きの教材は、「登録販売者 教材レビュー」で詳細に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」と…、

 「 超重要!登録販売者過去問題集 '23年版 (2023年版) 」の…、

 …2つを使えば、支障は無いはずです。

 わたしもこれらを使いました。コスパは、一番いいと思います。

登録販売者試験を理解するページ

 登録販売者試験については、以下のリンク先も参考にしてください。

 ・登録販売者の独学…メインぺージ。

 ・登録販売者の合格率

 ・登録販売者の難易度

 ・登録販売者の勉強時間

 ・登録販売者 合格体験記

 ・登録販売者 合格証書

 ・登録販売者 資格ガイド

 試験について、最低限度の試験情報は集まると思います。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

みんなとシェアする