登録販売者の「医薬品」で出題される「アドレナリン作動」成分の憶え方の原則と例外。原則的には、「リン」の有無で判別する。これで大半を攻略できるが、例外の成分が3つあるので、ここだけは、注意する。
登録販売者が扱う第2類医薬品と第3類医薬品ですが、当該医薬品の成分で、ド頻出なのが、「アドレナリン作動」成分です。
当該「アドレナリン作動」成分は、風邪薬から鼻炎用点鼻薬まで配合されるため、試験に出ないことがありません。
本ページでは、当該「アドレナリン作動」成分の憶え方を見て行きます。
結論から言うと、「アドレナ“リン”作動」成分とは、名称に「“リン”」が入っているもの、と憶えます。
代表的な「アドレナリン作動」成分を見てみます。
「メチルエフェド“リン”塩酸塩」・・・“リン”あり。
「メチルエフェドリンサッカ“リン”塩」・・・“リン”あり。
「プソイドエフェド“リン”塩酸塩」・・・“リン”あり。
「テトラヒドロゾ“リン”塩酸塩」・・・“リン”あり。
「エフェド“リン”塩酸塩」・・・“リン”あり。
「ナファゾ“リン”塩酸塩」・・・“リン”あり。
…もう、おわかりですね。
原則として、“リン”が入っている成分は、「アドレナリン作動」成分と判別する、ってな次第です。
たとえば、本試験でよく出る形式の問題ですが、「アドレナリン作動成分はどれか?」という問題で、次のような選択肢が出題されたとします。
1.カルバゾクロム
2.ナファゾリン塩酸塩
3.ジフェンヒドラミン
…もう、おわかりですね。
1の「カルバゾクロム」と、3の「ジフェンヒドラミン」には、“リン”がないので、「アドレナリン作動」成分ではない、といった次第です。
んで、2の「ナファゾ“リン”塩酸塩」には、“リン”があるので、「アドレナリン作動」成分と判別する、ってな塩梅です。
こんな感じで、まずは、“リン”の有無で、「アドレナリン作動」成分を憶えれば、負担が減るという手合いです。そこそこ、選択肢を裁けるはずです。
しかし、これは、「原則として」の憶え方です。原則があれば、「例外」があります。
例外的に、成分名に「リン」はないけど、「アドレナリン作動」成分のものがいくつかあります。
ここで憶えるべきは、「トリメトキノール塩酸塩」と「メトキシフェナミン塩酸塩」です。
当該「トリメトキノール塩酸塩」と「メトキシフェナミン塩酸塩」は、「呼吸器官に作用する薬」に配合される「アドレナリン作動」成分です。
この2つの成分には、暗記のキーワードである「リン」がありません。
ですから、個別的に、「アドレナリン作動」成分として、憶える必要があります。
通勤・通学の細切れ時間で、「トリメトキノールとメトキシフェナミンは、アドレナリン」と、何度もつぶやいて、憶え込んでください。
特に、「メトキシフェナミン塩酸塩」は、名前に「ミン」が入っているので、「抗ヒスタミン」成分と間違えやすいです。
「メトキシフェナミン塩酸塩」は、意図的に、「アドレナリン作動成分」だと、憶えこんでください。
「リン」の有無で「アドレナリン作動」成分を憶える場合、例外である「ジメモルファンリン酸塩」の存在を、必ず頭に叩き込んでください。
当該「ジメモルファンリン酸塩」は、名称に「リン」がありますが、「アドレナリン作動」成分ではありません。
「ジメモルファリン酸塩」は、「鎮咳去痰薬」に配合される「非麻酔性の鎮咳成分」です。
たとえば、本試験にて、先と同様に「アドレナリン作動成分はどれか?」という問題で、選択肢に「ジメモルファン“リン”酸塩」があっても、「リン」があるからアドレナリン作動成分だ!という感じで選んではいけません。
また、「非麻酔性鎮咳成分はどれか?」という問題で、選択肢に「ジメモルファン“リン”酸塩」があったときに、「リン」があるからこれはアドレナリン作動成分だ!違う!などと判断してはいけません。
「“リン”があればアドレナ“リン”」は、実によい憶え方なのですが、当該「ジメモルファンリン酸塩」には当てはまらないので、絶対に注意してください。わたしは間違えました。
以上、アドレナリン作動成分の憶え方でした。
まずは、原則的に、「リン」の有無で判別してください。
ほとんどのアドレナリン作動成分は、当該「リン」の有無で判別可能です。
しかし、「トリメトキノール塩酸塩」と「メトキシフェナミン塩酸塩」は、「リン」がなくても、「アドレナリン作動」成分です。
そして、例外的に、「ジメモルファンリン酸塩」は、「リン」があるけれども、「鎮咳去痰薬」の「非麻酔性の鎮咳成分」なので、間違えないでください。
このあたりは、丁寧に、整理して憶えてください。
ところで、さて、大元のところですが、「アドレナリン作動」成分の作用・特徴もしっかり憶えてください。
風邪薬のアドレナリン作動は、「鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる」です。
次に、鎮咳去痰薬のアドレナリン作動成分は、「気管支を拡張して、呼吸を楽にして、咳や喘息を鎮める」です。
本試験では、「気管や気管支を狭める」などと、しれっと出題されます。(言うまでもないですが、気管支拡張です。)
そして、外用痔疾用薬のアドレナリン作動は、「血管収縮作用による止血が期待できる」です。
本試験では、「血管を拡張させ、止血する」などと、しれっと出題されます。(言うまでもないですが、血管収縮作用です。血管は収縮、気管支は拡張です。)
んで、内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)のアドレナリン作動成分は、「交感神経系を刺激して、鼻粘膜の血管を収縮させ、充血や腫れを和らげる」です。
本試験では、「鼻粘膜の血管を拡張させ、充血を和らげる」などと、しれっと出題されます。(言うまでもないですが、血管収縮作用です。血管は収縮、気管支は拡張です。)
なお、鼻粘膜へのアドレナリン作動成分ですが、「過度に使用すると、鼻粘膜の血管が反応しなくなり、反対に、血管が拡張して2次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなる」がド頻出です。併せて、憶えておきましょう。
名称ばかりに目が行きがちですが、このあたりも、ガッツリ出題されるので、テキストを何度も精読してください。
なお、勉強方法等は「登録販売者の独学」を、独学向け教材については「登録販売者 教材レビュー」を、参考ください。
2017年10月30日 2:54 PM
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