登録販売者 医薬品 その他系のビタミン成分

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の高コレステロール改善薬,貧血用薬(鉄製剤),外用痔疾用薬,内用痔疾用薬,婦人薬,内服アレルギー用薬,眼科用薬歯槽膿漏薬のビタミン成分をまとめたページ。各単元のビタミン成分が選択肢の1つとして本試験に出題されるようになっている。何かと押さえにくいので、ここで横断的に一覧化した。試験の終盤あたりで活用するのを推奨。

その他系のビタミン成分 インデックス

はじめに‐ビタミン横断

 「第13節:滋養強壮保健薬」以外に出てくる、「その他」等に分類される「ビタミン成分」を、以下にまとめています。

 当該マイナーな「ビタミン成分」は、これまで、ほとんど試験に出なかったのですが、最近になって、選択肢の1つとして、しばしば姿を現わしています。

 以下の記述は、ガチ暗記は無用で、精読するくらいでいいです。(こういうのあったなー)くらいの把握ができれば、上々です。

 このページを「お気に入り」に入れておいて、ヒマなときに目を通してください。

 なお、「高コレステロール改善薬」と「内服アレルギー用薬」、「眼科用薬」は、独自の記述のあるため、要注意です。

 ふつうのビタミンの知識では解けないため、試験によく出ています。

 時間に余裕のない人は、上記薬から押さえていくとよいでしょう。

かぜ薬

 「1 かぜ薬」の「(k) その他:ビタミン成分等」で出てくるビタミン成分を、手引きから抜粋すると…、

 「かぜの時に消耗しやすいビタミン又はビタミン様物質を補給することを目的として、」

 「粘膜の健康維持・回復に重要な…、

 「ビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等)、」

 「ビタミンB2(リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム等)、」

 「ヘスペリジンや、」

 「疲労回復の作用のある…、」

 「ビタミンB1(チアミン硝化物、フルスルチアミン塩酸塩、ビスイブチアミン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、ビスベンチアミン等)、」

 「アミノエチルスルホン酸(タウリン)等が配合されている場合がある。」

 …となっています。

 ビタミン名とその別称が把握できていれば、OKです。ざっくり読んでおきましょう。

 なお、手引きには、続きがあって…、

 「また、強壮作用等を期待してニンジンやチクセツニンジン等の生薬成分等が配合されている場合もある。」

 …と、生薬の記述もあります。これも出そうなので、要チェックです。

 生薬については、「ニンジン」と「チクセツニンジン」を、参考にしてください。

解熱鎮痛薬

 「2 解熱鎮痛薬」の「(f) ビタミン成分」を、手引きから抜粋すると…、

 「発熱等によって消耗されやすいビタミンの補給を目的として、」

 「ビタミンB1(チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジベンゾイルチアミン、チアミンジスルフィド、ビスベンチアミン、ジセチアミン塩酸塩等)、」

 「ビタミンB2(リボフラビン、リボフラビンリン酸エステルナトリウム等)、」

 「ビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等)等が配合されている場合がある。」

 …となっています。

 ここも、ビタミン名とその別称が把握できていれば、問題を解くには十分です。精読しておきましょう。

眠気を防ぐ薬

 「4 眠気を防ぐ薬」のビタミン成分を、手引きから抜粋すると…、

 「なお、眠気を抑える成分ではないが、眠気による倦怠感を和らげる補助成分として」

 「ビタミンB1(チアミン硝化物、チアミン塩化物塩酸塩等)、」

 「ビタミンB2(リボフラビンリン酸エステルナトリウム等)、」

 「パントテン酸カルシウム等、」

 「ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩等)、」

 「ビタミンB12(シアノコバラミン等)、」

 「ニコチン酸アミド、アミノエチルスルホン酸(タウリン)等が配合されている場合がある。」

 …となっています。

 試験でよく見るのは、「ニコチン酸アミド、アミノエチルスルホン酸(タウリン)」です。ここは、直前期あたりに、意識して、見ておきましょう。

 ビタミン1・2・6・12などは、ざっくりと“こういうのもある”くらいに把握しておけばいいでしょう。突っ込んだ出題は、「ない」と思います。

 なお、「ひっかけ」問題で、「眠気を“眠気を抑える”成分として」などと出たことがあるので、注意してください。

 繰り返しますが、当該ビタミン成分は、「眠気を抑える成分ではないが、眠気による倦怠感を和らげる補助成分」なので、チェックしておきましょう。

鎮暈薬(乗物酔い防止薬)

 「5 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)」の「(g) その他」にあるビタミン成分を、手引きから抜粋すると…、

 「吐きけの防止に働くことを期待して、」

 「ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミド、リボフラビン等のビタミン成分が補助的に配合されている場合がある。」

 …となっています。

 上記記述が、そのまんまで、選択肢に出そうです。ざっくり読んでおけばいいでしょう。

 仮に、です。

 突っ込んだ出題があったら、たとえば、「吐きけの防止に働くことを期待して、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミド、“アミノエチルスルホン酸(タウリン)”等のビタミン成分が補助的に配合」といった問題が出たら、諦めましょう。誰も解けないです。

 取るに足らないビタミン成分を、ここまで深く追及しなくていいでしょう。

 わたしが受験生なら、潔く諦めます。

高コレステロール改善薬

 「IV 心臓などの器官や血液に作用する薬」の「2 高コレステロール改善薬」の「(b) ビタミン成分」には、「2つ」のビタミン成分が出てきます。

 「ビタミンB2」と「ビタミンE」です。

ビタミンB2

 「ビタミンB2」を、手引きから抜粋すると…、

 「① ビタミンB2(リボフラビン酪酸エステル等)

 「血漿中に過剰に存在するコレステロールは、過酸化脂質となって種々の障害の原因となることが知られている。

 「リボフラビンは酵素により、フラビンモノヌクレオチド(FMN)さらにフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)へと活性化され、フラビン酵素の補酵素として細胞内の酸化還元系やミトコンドリアにおける電子伝達系に働き、糖質、脂質の生体内代謝に広く関与する。」

 「コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用を有すると言われている。」

 「リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用等の異常ではない。」

 …となっています。

 「生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用」は、よく出題されています。

 また、副作用の「尿が黄色くなる・・・異常じゃない」も、出ています。

 当該ビタミンB2は、「高コレステロール改善薬」で頻出論点なので、最優先して押えましょう。

 なお、小難しい「フラビンモノヌクレオチド(FMN)」ウンヌンの記述は、余裕があれば、押えるくらいでいいと思います。

ビタミンE

 「ビタミンE」を、手引きから抜粋すると…、

 「② ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)

 「ビタミンEは、コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされ、」

 「血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和等を目的として用いられる。」

 「同様の作用を期待して、ガンマ-オリザノールが配合されている場合もある。」

 …となっています。

 当該論点は、要は、「血行が良くなる」なので、ふつうのビタミンEの知識で解けるかと思います。

 ただ、固有の「コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑える」と、「ガンマ-オリザノール」のところは、チェックしておきましょう。

貧血用薬(鉄製剤)

 「3 貧血用薬(鉄製剤)」の「(c) ビタミン成分」に出てくるものを、手引きから抜粋すると…、

 「貧血を改善するため、ヘモグロビン産生に必要なビタミンB6や、」

 「正常な赤血球の形成に働くビタミンB12や葉酸などが配合されている場合がある。」

 「ビタミンC(アスコルビン酸等)は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる」

 …となっています。

 太文字部分は、シッカリと見ておきましょう。

 補足ですが、「ヘモグロビン」は、タンパク質の一種なので、「タンパク質の代謝に関与」している「ビタミンB6」ってな感じで、憶えましょう。

 んで、「ビタミンB12」は、別称では「“コバ”ラミン」です。

 「貧血用薬」の成分の「“コバ”ルト」も、「骨髄での造血機能を高める目的」なので、「コバつながり」で憶えるといいでしょう。

 最後の「ビタミンC」の「鉄が吸収されやすい状態に保つ」は、自力で憶えてください。

 個人的には、(ビタミンCは、粘膜・肌ばかりかと思いきや、造血にも、有効だったのかー)と、勉強になったところでです。

外用痔疾用薬

 「外用痔疾用薬」の「(h) その他:ビタミン成分」に出てくるものを、手引きから抜粋すると…、

 「肛門周囲の末梢血管の血行を改善する作用を期待してビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)、」

 「傷の治りを促す作用を期待してビタミンA油等が配合されている場合がある。」

 …となっています。

 ビタミンEは、ふつうの知識で解けるかと思います。

 ビタミンAは、自力で憶えましょう。

内用痔疾用薬

 「内用痔疾用薬」の「(c) その他:ビタミン成分」に出てくるものを、手引きから抜粋すると…、

 「肛門周囲の末梢血管の血行を促して、うっ血を改善する効果を期待して、」

 「ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル等)が配合されている場合がある」

 …となっています。

 ふつうのビタミンEの知識で解けるかと思います。

婦人薬

 「VI 婦人薬」の(c) ビタミン成分」に出てくるものですが…、

 「疲労時に消耗しがちなビタミンの補給を目的として、」

 「ビタミンB1(チアミン硝化物、チアミン塩化物塩酸塩等)、」

 「ビタミンB2(リボフラビン、リボフラビンリン酸エステルナトリウム等)、」

 「ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩等)、」

 「ビタミンB12(シアノコバラミン)、」

 「ビタミンC(アスコルビン酸等)が配合されている場合がある。」

 「また、血行を促進する作用を目的として、ビタミンE(トコフェロールコハク酸エステル等)が配合されている場合がある」

 …となっています。

 固有事項もないので、問題ないかと思います。何回か目を通しておけば十分です。

 ただ、ビタミンの別称には注意してください。

 別称の方で、出る可能性があります。たとえば、「ビタミンB2」が「リボフラビンリン酸エステルナトリウム」だけの表記で選択肢に登場したりします。

内服アレルギー用薬

 「VII 内服アレルギー用薬」の「(e) ビタミン成分」に出てくるものを挙げると…、

 「皮膚や粘膜の健康維持・回復に重要なビタミンを補給することを目的として、」

 「ビタミンB6(ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキシン塩酸塩)、」

 「ビタミンB2(リボフラビンリン酸エステルナトリウム等)、」

 「パンテノール、パントテン酸カルシウム等、」

 「ビタミンC(アスコルビン酸等)、」

 「ニコチン酸アミド等が配合されている場合がある」

 …となっています。

 保険の意味で、試験の直前期あたりで、押えればいいでしょう。

 突っ込まれた問題が出たら、諦めましょう。

 たとえば、「皮膚や粘膜の健康維持・回復に重要なビタミンを補給することを目的として、“ビタミンB1”、ビタミンB2などが配合」といった問題なぞ、誰も解けんですよ。

眼科用薬

 「IX 眼科用薬」の「6)その他の配合成分(無機塩類、ビタミン類、アミノ酸)と配合目的」の「(b) ビタミン成分」に出てくるものは、「6つ」ほどあります。

 固有事項が多く、1問丸ごとで出題されたことがあります。

 当該論点は、意識して押えることを推奨します。

ビタミンA

 手引きには…、

 「① ビタミンA(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)

 「ビタミンAは、視細胞が光を感受する反応に関与していることから、視力調整等の反応を改善する効果を期待して用いられる。」

 …とあります。

 「ビタミンA」と言えば、「鳥目(夜盲症)」なので、ここから押えるといいでしょう。

ビタミンB2

 手引きには…、

 「② ビタミンB2(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等)

 「リボフラビンの活性体であるフラビンアデニンジヌクレオチドは、角膜の酸素消費能を増加させ組織呼吸を亢進し、ビタミンB2欠乏が関与する角膜炎に対して改善効果を期待して用いる。」

 …とあります。

 小難しい記述です。

 しかし、試験に出るにしたら、当該記述が丸ごと選択肢に出るくらいです。

 面倒でも、何回も目を通しておきましょう。

パンテノール、パントテン酸カルシウム

 手引きには…、

 「③ パンテノール、パントテン酸カルシウム等

 「パンテノール、パントテン酸カルシウム等は、自律神経系の伝達物質の産生に重要な成分であり、目の調節機能の回復を促す効果を期待して用いられる。」

 …とあります。

 これまた、小難しい記述です。

 直前期あたりに、ぼちぼち押さえていきましょう。

ビタミンB6

 手引きには…、

 「④ ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩等)

 「ビタミンB6は、アミノ酸の代謝や神経伝達物質の合成に関与していることから、目の疲れ等の症状を改善する効果を期待して用いられる。」

 …とあります。

 無理せず、直前期あたりに、押さえましょう。

ビタミンB12

 手引きには…、

 「⑤ ビタミンB12(シアノコバラミン等)

 「目の調節機能を助ける作用を期待して用いられる。」

 …とあります。

 これも、直前期あたりに、押さえましょう。

ビタミンE

 手引きには…、

 「⑥ ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル等)

 「末梢の微小循環を促進させることにより、結膜充血、疲れ目等の症状を改善する効果を期待して用いられる。」

 …となっています。

 ビタミンEの「血行促進」から見ていけば、何とか頭に残るかと思います。

歯槽膿漏薬

 「歯槽膿漏薬」の「(b) 内服薬」の「④ ビタミン成分」を挙げていくと…、

 「コラーゲン代謝を改善して炎症を起こした歯周組織の修復を助け、また、毛細血管を強化して炎症による腫れや出血を抑える効果を期待して、」

 「ビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等)が配合されている場合がある。」

 「歯周組織の血行を促す効果を期待して、」

 「ビタミンE(トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、トコフェロール酢酸エステル等)が配合されている場合がある」

 …となっています。

 ふつうのビタミンCとEの知識で解けるかと思います。

最後に

 「その他系のビタミン成分」は、以上です。

 繰り返しますが、ガチ暗記は無用です。

 このページを「お気に入り」に入れておいて、細切れ時間で、何回も目を通しておけば、(おかしいなー)くらいに判断がつくかと思います。

 なお、先にも述べましたが、当該論点は、試験の序盤や中盤に、やるものではありません。

 試験の直前期あたりで、ボチボチと押さえていくとよいでしょう。

補足:滋養強壮保健薬リンク

 「滋養強壮保健薬」の「ビタミン成分」のリンクを張っておきます。

 上記記述で不明なビタミン成分があれば、以下のリンク先で、復習してください。

滋養強壮保健薬

 総論とかまとめ

主たる配合成分

 ビタミンA

 ビタミンD

 ビタミンE

 ビタミンB1

 ビタミンB2

 ビタミンB6

 ビタミンB12

 ビタミンC

 ビタミンB3

 ビタミンB5

 ナイアシン(ニコチン酸アミド、ニコチン酸)、パントテン酸カルシウム、ビオチン

 カルシウム

 システイン

 アミノエチルスルホン酸(タウリン)

 アスパラギン酸ナトリウム

その他の成分

 ヘスペリジン

 コンドロイチン硫酸

 グルクロノラクトン

 ガンマ‐オリザノール

 カルニチン塩化物

こまごましたもの

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