ケトプロフェン‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 ケトプロフェンは、「皮膚に用いる薬」の「痒み、腫れ、痛み等を抑える配合成分」の「非ステロイド性抗炎症成分」の「筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫等による鎮痛等を目的として用いられる成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

インデックス

  1. おさらい‐手引き抜粋
  2. 傾向と対策、優先順位
  3. 過去問○×問題
  4. 解説
  5. 試験ポイント
  6. 他のページ

おさらい‐手引き抜粋

 復習用に、手引きを抜粋すると、まずは…、

 「筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫等による鎮痛等を目的として用いられる成分

 「非ステロイド性抗炎症成分のうち、インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウムについては、」

 「皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑える作用を示し、」

 「筋肉痛、関節痛、肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、腱鞘炎、肘の痛み(テニス肘等)、打撲、捻挫に用いられる。」

 「これらは過度に使用しても鎮痛効果が増すことはなく、また、その場合の安全性は確認されていないため、」

 「塗り薬又はエアゾール剤については1週間あたり 50g(又は 50mL)を超えての使用、貼付剤については連続して2週間以上の使用は避けることとされている製品が多い。」

 「いずれも長期連用を避ける必要があり、医薬品の販売等に従事する専門家においては、まとめ買いや頻回に購入する者に対して、注意を促していくことが重要である。」

 「また、殺菌作用はないため、皮膚感染症に対しては効果がなく、痛みや腫れを鎮めることでかえって皮膚感染が自覚されにくくなる(不顕性化する)おそれがあるため、みずむし、たむし等又は化膿している患部への使用は避ける必要がある。」

 「内服で用いられる解熱鎮痛成分と同様、喘息の副作用を引き起こす可能性があるため、喘息を起こしたことがある人では、使用を避ける必要がある。」

 「また、吸収された成分の一部が循環血液中に入る可能性があり、妊婦又は妊娠していると思われる女性では、胎児への影響(※)を考慮して、使用を避けるべきである。」

 「小児への使用については有効性・安全性が確認されておらず、インドメタシンを主薬とする外皮用薬では、11歳未満の小児(インドメタシン含量1%の貼付剤では15歳未満の小児)、その他の成分を主薬とする外用鎮痛薬では、15歳未満の小児向けの製品はない。」

 「※ 注記:インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム等を、妊娠末期のラットに経口投与した実験において、胎児に高度~中 等度の動脈管の収縮が見られたとの報告がある。」

 …と、相なります。

 「注記」部分も、精読しておいてください。

 以上が成分全体の記述です。

ケトプロフェン

 んで、当該「ケトプロフェン」固有の記述は…、

 「チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート(いずれも 医療用医薬品の有効成分※1)又はオキシベンゾン、オクトクリレン(化粧品や医薬部外品に紫外線吸収剤として配合される化合物)のような物質でアレルギー感作(※2)された人は、」

 「それらと分子の化学構造が類似しているケトプロフェンでもアレルギーを起こすおそれが大きいことから、」

 「これらの成分でアレルギー症状(発疹・発赤、痒み、かぶれ等)を起こしたことがある人については、使用を避けることとされている。」

 「まれに重篤な副作用として、アナフィラキシー、接触皮膚炎、光線過敏症を生じることがある。

 「紫外線により、使用中又は使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症が現れることがあるため、」

 「ケトプロフェンが配合された外皮用薬を使用している間及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当たるのを避ける必要がある。」

 「ただし、ラップフィルム等の通気性の悪いもので覆うことは適当でない。」

 「その他の副作用として、腫れ、刺激感、水疱・ただれ、色素沈着、皮膚乾燥が現れることがある。」

 「※1 注記:チアプロフェン酸は内服薬として用いられる非ステロイド性抗炎症成分、スプロフェンは外用薬として用いられる非ステロイド系抗炎症成分、フェノフィブラートは脂質異常症用薬(内服)の成分である。」

 「※2 注記: その物質をアレルゲンとして免疫機構が認識するようになること。」

 …と、相なります。

 注記が2つあります。そのまんまが選択肢の1つに出そうです。

 ガチ暗記は無用ですが、目を通しておいてください。

傾向と対策、優先順位

 ご存じのように、「ケトプロフェン」は、「皮膚に用いる薬」の「痒み、腫れ、痛み等を抑える配合成分」に登場します。

 市販薬には、「【指定第2類医薬品】オムニードケトプロフェンパップ 18枚 」などがあります。

 当該成分は、要注意成分なので、よくよく出題されます。

 「適正使用」の「使用(服用)しない」の論点があります。

 優先順位は「とても、高い」です。

過去問○×問題

 当該成分は…、

 ① まれに重篤な副作用として、光線過敏症が現れることがあるため、ケトプロフェンが配合された外皮用薬を使用している間だけでなく、使用後も紫外線に当たるのを避ける必要がある。

 ② ケトプロフェンの使用中は、天候にかかわらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も本剤の塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当てない。なお、塗布後も当分の間、同様の注意をしなくてはいけない。

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

解説①

 先の○×問題の解説です。

 ①の「まれに重篤な副作用として、光線過敏症が現れることがあるため、ケトプロフェンが配合された外皮用薬を使用している間だけでなく、使用後も紫外線に当たるのを避ける必要がある。」ですが、正しい記述です。

 ケトプロフェンの固有論点に、「光線過敏症」があり、問題文のように、「ケトプロフェンが配合された外皮用薬を使用している間だけでなく、使用後も紫外線に当たるのを避ける」必要があります。

 使用中・使用後も、紫外線を避ける必要があります。

 変な問題で、「使用中は紫外線を避けねばならないが、使用後は気にする必要はない」といった出題がありました。

 テキストを精読しておきましょう。

 よって、①は、「○」となります。

解説②

 ②の「ケトプロフェンの使用中は、天候にかかわらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も本剤の塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当てない。なお、塗布後も当分の間、同様の注意をしなくてはいけない。」ですが、正しい記述です。

 当該論点は、「医薬品」でも出ますし、「適正使用」でも、定番問題と化しています。

 「サポーター」が出てくるのは、当該ケトプロフェンのみなので、ガチで押えておきましょう。選択肢判別のキーワードです。

 「福岡県 R2 第57問」の選択肢「3」にて、類題が出題されています。

 今後とも、超チェックの論点です。

 よって、「○」となります。

試験ポイント1

 ケトプロフェンは、まれに重篤な副作用として、アナフィラキシー様症状、接触皮膚炎、光線過敏症が生じます。

 先の固有論点と一緒に押えておきましょう。

 そして、当該ケトプロフェンの特徴として、“小難しいカタカナ語が出る”のです。

 先の手引き抜粋で見たように…、

 「医療用医薬品成分である、“チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィビラート”の使用でアレルギーを起こした人は使用を避ける」

 「化粧品や医薬部外品に使用される“オキシベンゾンやオクトクレリン”によってアレルギーが生じた人は使用を避ける」

 …という、小難しいカタカナ語です。

 当該論点は問題に出しやすいのか…、

 「岐阜県 R4 第48問

 「岡山県 R2 第94問

 「東京都 R2 第88問

 「茨城県 R3 第115問

 …などで、出題されています。

 個々のカタカナ語のガチ暗記は無用です。

 このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、(ケトプロフェンには、カタカナ語のヤヤコシイ成分があったなー)くらいに、チェックしてください。

試験ポイント2‐光線過敏症

 「ケトプロフェン」は、重篤な光線過敏症が現れることがあります。

 んで、お友達の「ピロキシカム」も、光線過敏症が現れることがあります。

 「光線過敏症」が副作用なのは、「ケトプロフェンとピロキシカム」のみといった寸法です。

 参考:ピロキシカム

 当該光線過敏症の副作用は、試験で実によく出ます。

 くだらない憶え方ですが、「ピーと鳴って光るケトル」があります。

 「ピー」は、「“ピ”ロキシカムのピ」です。

 「光る」は、「“光”線過敏症」のところです。

 「ケトル」は、「“ケト”プロフェンのケト」です。

 我ながら、くだらないと思いますが、そこそこ記憶に残ると思います。

 なお、「ケトル」とは、「やかん」のことです。

 amazon参考:ケトル

試験ポイント3

 インドメタシン・ケトプロフェン・フェルビナク・ピロキシカム・ジクロフェナクナトリウムなどの鎮痛成分(筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫等による鎮痛等を目的として用いられる成分)には、使用上の注意がたくさんあります。

 実務上の理由もあり、試験では、ピンポイントに問われることがあるので、しっかり押えておきましょう。

 まず、「長期連用は避ける」が頻出です。

 まとめ買いをする人・頻繁に買う人には、注意喚起をします。

 鎮痛成分は、喘息の副作用を引き起こす可能性があるので、喘息を起こしたことがある人は使用を避けます。

 鎮痛するため、皮膚感染を自覚されにくくなることがあります。

 みずむし・たむし、化膿しているところへの使用を避けます。

 妊婦は、胎児への影響を考慮して、使用を避けます。成分の一部が循環血液中に入る可能性があるからです。

 外用鎮痛薬では、15歳未満の小児向けの製品はありません。

試験ポイント4‐数字

 鎮痛成分(筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫等による鎮痛等を目的として用いられる成分)には、数字もあります。

 ・1週間あたり 50g(又は 50mL)を超えての使用、貼付剤については連続して2週間以上の使用は避ける。

 ・小児への使用については有効性・安全性が確認されておらず、インドメタシンを主薬とする外皮用薬では、11歳未満の小児(インドメタシン含量1%の貼付剤では15歳未満の小児)その他の成分を主薬とする外用鎮痛薬では、15歳未満の小児向けの製品はない

 数字は、常に狙われています。上記数字は、余裕があれば、押えておきましょう。

 参考:医薬品の数字9

「適正使用」対策

 先のポイントと被ってますが、「適正使用」向けにまとめ直します。

 「ケトプロフェン」ですが、「使用(服用)しない」論点があります。

 そこそこ数がありますが、全部を押えておきましょう。

アレルギー1

 本剤を使用して、「アレルギー症状を起こしたことがある人」は…、

 「ショック(アナフィラキシー)皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群)等の重篤なアレルギー性の副作用を生じる危険性が高まるため」…、

 「使用(服用)しない」となっています。

 ケトプロフェンのほか、「インドメタシン」「フェルビナク」「ピロキシカム」も、同様です。

 出題可能性があるので、押さえておくべきです。

 参考:適正使用対策‐使用(服用)しない:アレルギー症状

アレルギー2

 ケトプロフェンですが、他の外用鎮痛薬にはない、独自の「使用しない」があるので、必ず押えておきましょう。

 それは…、

 「次の医薬品によるアレルギー症状(発疹し・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人・・・チアプロフェン酸を含有する解熱鎮痛薬、スプロフェンを含有する外用鎮痛消炎薬、フェノフィブラートを含有する高脂血症治療薬」

 「次の添加物によるアレルギー症状(発疹しん・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人・・・オキシベンゾン、オクトクリレンを含有する製品(日焼け止め、香水等)」

 …です。

 難しそうなカタカナ成分まで、憶える必要はないですが、趣旨だけは、押えておきましょう。

 「理由」は、「接触皮膚炎、光線過敏症を誘発するおそれがあるため。」です。

 キーワードの「接触皮膚炎」と「光線過敏症」は、ガチ暗記です。

 参考:適正使用対策‐使用(服用)しない:アレルギーの既往歴

【重要】固有事項

 ケトプロフェンですが、他の外用鎮痛薬にはない、独自の「使用しない」が、もう1つあるので、必ず押えておきましょう。

 それは…、

 「本剤の使用中は、天候にかかわらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も本剤の塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当てないこと。なお、塗布後も当分の間、同様の注意をすること」です。

 「理由」は、「使用中又は使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症が現れることがあるため」です。

 出題実績のあるところです。。

 ケトプロフェンの「プロ」と、キーワードで憶えやすい「サポーター」を合わせて、「プロのサポーター」と、憶えましょう。

 ケトプロフェンの独自事項は、それが問われたら即解けるので、押さえておくべきです。

 参考:特徴系+その他

ぜんそくを起こしたことがある人

 「ケトプロフェン」は、「ぜんそくを起こしたことがある人」には、「使用しない」です。

 「理由」は、「喘息発作を誘発するおそれがあるため。」です。

 「ぜんそく」といえば、「ケトプロフェン」なので、ガチで憶えましょう。

 ケトプロフェンのほか、「インドメタシン」「フェルビナク」「ピロキシカム」も、同様です。

 参考:使用(服用)しない:アレルギーの既往歴

「患部が化膿している人」「次の部位には使用しないこと:水痘(水ぼうそう)、みずむし・たむし等又は化膿している患部」

 タイトルそのまんまですが、「ケトプロフェン」は、「患部が化膿している人」と「次の部位には使用しないこと:水痘(水ぼうそう)、みずむし・たむし等又は化膿している患部」には、「使用しない」となっています。

 「医薬品」の論点ですが、「適正使用」でも出る可能性があるので、再度、押えておきましょう。

 ケトプロフェンのほか、「インドメタシン」「フェルビナク」「ピロキシカム」も、同様です。

 参考:使用(服用)しない:次の症状がある人

長期連用しない

 「ケトプロフェン」といえば、「長期連用しない」です。

 ケトプロフェンのほか、「インドメタシン」「フェルビナク」「ピロキシカム」も、同様です。

 参考:使用(服用)しない:長期連用しない1

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「【指定第2類医薬品】オムニードケトプロフェンパップ 18枚 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「痒み、腫れ、痛み等を抑える配合成分」の「鎮痛成分」へのリンクです。

 インドメタシン

 ケトプロフェン

 フェルビナク

 ピロキシカム

 ジクロフェナクナトリウム

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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