ヨードチンキは、「皮膚に用いる薬」の「殺菌消毒成分」の「きず口等の殺菌消毒成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「ヨウ素系殺菌消毒成分」は…、
「ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。」
「ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下するため、石けん等と併用する場合には、石けん分をよく洗い落としてから使用するべきである。」
「外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。」
「ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人(※)では、使用を避ける必要がある。」
「※ 注記:医療用の造影剤などにもヨウ素が含まれているものが多いことから、造影剤によるアレルギーがある場合にもヨウ素を含むものの使用は避けることを考慮すべきである。」
…となっています。
次に、「ヨードチンキ」は…、
「ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、」
「皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある。」
「また、化膿している部位では、かえって症状を悪化させるおそれがある。」
…と、相なります。
最近では、「注記」も、選択肢の1つに出るようになっています。
「医療用の造影剤などにもヨウ素が含まれているものが多い」ウンヌンのところも、目を通しておきましょう。
ご存じのように、「ヨードチンキ」は、「皮膚に用いる薬」の「殺菌消毒成分」に登場します。
市販薬には、「【第3類医薬品】日本薬局方 希ヨードチンキ 100mL 」などがあります。
当該成分は、本試験にて頻繁に顔を見せます。
「適正使用」の「使用(服用)しない」の論点があります。
優先順位は「高い」です。
当該成分は…、
① ヨードチンキは、皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある。
② ヨードチンキは、ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、化膿している部位の消毒に用いる。
③ ヨードチンキは、ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、皮膚刺激性が弱く、粘膜や目の周りの消毒に用いることができる。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「ヨードチンキは、皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある」ですが、正しいです。
ヨードチンキは、身近にあるもののためか、使用上の注意がよく出ます。
ヨードチンキは、皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要があります。
よって、①は、「○」となります。
②の「ヨードチンキは、ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、化膿している部位の消毒に用いる」ですが、誤りです。
化膿している部位には、症状を悪化させるおそれがあるので、使用を避けます。
よって、②は、「×」となります。
後述するように、ヨードチンキは、一般細菌類、真菌類、結核菌、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す、言うなれば、“きつい”成分です。
ですから、化膿しているところには、使わないほうがよいと、常識で判断もできます。
③の「ヨードチンキは、ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、皮膚刺激性が弱く、粘膜や目の周りの消毒に用いることができる」ですが、誤りです。
ヨードチンキは、皮膚刺激性が“強く”、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避けます。
よって、③は、「×」となります。
なお、前半部分の「ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもの」は、正しいです。
ここは、突っ込んだ出題はないと思いますが、当該記述がそのまま選択肢に出たことがあります。
たとえば、「ヨードチンキとは、ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたものである」といった感じです。こういうシンプルな問いに戸惑うことがあるので、内容だけは、押えておきましょう。
なお、「福岡県 R4 第90問」にて、「ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたものである」の記述が出題されています。
チェックしておきましょう。
蛇足ですが、「チンキ」という言葉は、「チンキ剤とは、生薬やハーブの成分をエタノール、またはエタノールと精製水の混合液に浸すことで作られる液状のもの」となっています。
ユーカリチンキとかがあります。
ヨードチンキは、「ヨウ素系の殺菌消毒成分」で、一般細菌類、真菌類、結核菌、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示します。
「ヨウ素系は全部効く」くらいに憶えるとよいでしょう。
そして、ヨードチンキは、先の「使用上の注意」がよく出るので注意です。
ヨードチンキの固有論点のマーキュロクロムですが、令和4年度の改正により削除されました。
以下は、試験に出ないので、注意してください。
ヨードチンキの固有論点として、「マーキュロクロム液と同時に使わない」があります。
参考:マーキュロクロム
不溶性沈殿が生じて殺菌作用が低下するためです。
この注意事項は、ヨードチンキの問題ではあんまり出ませんが、マーキュロクロムの問題で実によく問われる論点です。
先に挙げた市販薬にも、「2.本剤を使用している間は、次の医薬品を使用しないでください --- マーキュロクロム液」という注意書きがあります。確認しておきましょう。
ヨードチンキですが、「ショック(アナフィラキシー)」の生じる成分なので、押えておきましょう。
手引きには…、
「ヨウ素系殺菌消毒成分は、外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人では、使用を避ける必要がある。」
…とあります。
最近では、「ショック(アナフィラキシー)」が正面から問われるようになっているので、該当する成分を、「登録販売者 医薬品 ショック(アナフィラキシー)の副作用のまとめ」で、横断的に押えておきましょう。
「ヨードチンキ」ですが、「使用(服用)しない」論点があります。
本剤を使用して、「アレルギー症状を起こしたことがある人」は…、
「ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群)等の重篤なアレルギー性の副作用を生じる危険性が高まるため」…、
「使用(服用)しない」となっています。
出題可能性があるので、押さえておくべきです。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「【第3類医薬品】日本薬局方 希ヨードチンキ 100mL 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「殺菌消毒成分」の他の成分へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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