ポビドンヨード‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 ポビドンヨードは、「皮膚に用いる薬」の「殺菌消毒成分」の「きず口等の殺菌消毒成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

インデックス

  1. おさらい‐手引き抜粋
  2. 傾向と対策、優先順位
  3. 過去問○×問題
  4. 解説
  5. 試験ポイント
  6. 他のページ

おさらい‐手引き抜粋

 復習用に、手引きを抜粋すると…、

 「ヨウ素系殺菌消毒成分」は…、

 「ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。

 「ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下するため、石けん等と併用する場合には、石けん分をよく洗い落としてから使用するべきである。」

 「外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。」

 「ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人(※)では、使用を避ける必要がある。」

 「※ 注記:医療用の造影剤などにもヨウ素が含まれているものが多いことから、造影剤によるアレルギーがある場合にもヨウ素を含むものの使用は避けることを考慮すべきである。」

 …となっています。

 次に、「ポビドンヨード」は…、

 「ヨウ素をポリビニルピロリドン(PVP)と呼ばれる担体に結合させて水溶性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すように工夫されたもの。」

 「口腔咽喉薬や含嗽薬として用いられる場合より高濃度で配合されているため、誤って原液を口腔粘膜に適用しないよう注意する必要がある。」

 …と、相なります。

 最近では、「注記」も、選択肢の1つに出るようになっています。

 「医療用の造影剤などにもヨウ素が含まれているものが多い」ウンヌンのところも、目を通しておきましょう。

傾向と対策、優先順位

 ご存じのように、「ポビドンヨード」は、「皮膚に用いる薬」の「殺菌消毒成分」に登場します。

 市販薬には、「アプリスワブ 1本入×50袋 [指定医薬部外品] 」などがあります。

 当該成分は、頻繁に試験に顔を見せます。また、「うがい薬」でも頻出なので、優先順位は「高い」です。

過去問○×問題

 ポビドンヨードは…、

 ① ポビドンヨードは、ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。

 ② 外皮用薬として用いられるポビドンヨードは、口腔咽喉薬や含嗽薬として用いられる場合より高濃度で配合されているため、誤って原液を口腔粘膜に適用しないよう注意する必要がある。

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

解説①

 先の○×問題の解説です。

 ①の「ポビドンヨードは、ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す」ですが、正しい記述です。

 ちょっとした「応用問題」です。

 選択肢の言う「ヨウ素による酸化作用により」ウンヌンは、「ヨウ素系殺菌消毒成分」の記述です。

 んで、当該ポビドンヨードは、「ヨウ素系殺菌消毒成分」なので、正しい、と相なります。

 「ヨウ素系殺菌消毒成分」のポビドンヨードとヨードチンキは、数少ない真菌類、結核菌、ウイルスに効く成分なので、ガチ暗記してください。

 よって、①は、「○」となります。

解説②

 ②の「外皮用薬として用いられるポビドンヨードは、口腔咽喉薬や含嗽薬として用いられる場合より高濃度で配合されているため、誤って原液を口腔粘膜に適用しないよう注意する必要がある。」ですが、正しい記述です。

 「茨城県 R3 第93問」で出た問題です。

 選択肢の言う通り、ポビドンヨードの原液は、口腔粘膜に使わないようにします。

 「使用上の注意」は、頻出論点なので、必ず、テキストを精読しておきましょう。

試験ポイント

 ポビドンヨードは、先述したように、「ヨウ素系の殺菌消毒成分」です。

 一般細菌類、真菌類、結核菌、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示します。

 「ヨウ素系は全部効く」くらいに憶えるとよいでしょう。試験に一番出るのは“効き目”です。

 んで、次によく出るのは、おなじみの「使用上の注意」で、「アルカリ性になると殺菌力が低下するので、石けん分をよく洗い流して使用する」となっています。

 試験では、「ポビドンヨードを使用する場合に、石鹸と併用するときは、石鹸分をよく洗い落としてから使用するべきである」などと出題されています。「○」です。

 本当に当該石鹸の論点は、よく出るので、テキストを精読しておきましょう。

補足1‐ショック(アナフィラキシー)

 ポビドンヨードですが、「ショック(アナフィラキシー)」の生じる成分なので、押えておきましょう。

 手引きには…、

 「ヨウ素系殺菌消毒成分は、外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人では、使用を避ける必要がある。」

 …とあります。

 最近では、「ショック(アナフィラキシー)」が正面から問われるようになっているので、該当する成分を、「登録販売者 医薬品 ショック(アナフィラキシー)の副作用のまとめ」で、横断的に押えておきましょう。

補足2‐ひっかけ

 当該成分は、ひっかけ問題の温床でもあります。

 「ひっかけ」の例としては…、

 「ヨウ素の殺菌力は酸性になると低下するため、石鹸と併用する場合には、石鹸分をよく洗い落としてから使用するべきである」とか…、

 「ヨウ素の殺菌力は、アルカリ性になることで増強する」

 …といった出題例があります。

 両方とも「×」です。

 殺菌力が低下するのは、「アルカリ性」になったときです。

 ヨウ素の殺菌力は、「アルカリ性」になると、低下します。

 このあたり、実に問題にしやすいので、注意してください。

補足3‐新傾向

 最近の試験では、効能以外のところが問われるようになっています。

 「福岡県 R4 第90問」などです。

 当該ポビドンヨードは、「ヨウ素をポリビニルピロリドン(PVP)と呼ばれる担体に結合させて水溶性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すように工夫されたもの」です。

 「ポリビニルピロリドン」の最初の「ポ」と最後の「ドン」で、「“ポ”ビ“ドン”」くらいに把握するといいでしょう。

 似たような記述に、同じ成分の「ヨードチンキ」があります。

 当該は、「ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもの」です。

 過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、整理して押えておきましょう。

「適正使用」対策

 「ポビドンヨード(ポビドンヨードが配合された含嗽薬、口腔咽喉薬、殺菌消毒薬)」ですが、「使用(服用)しない」論点があります。

 本剤を使用して、「アレルギー症状を起こしたことがある人」は…、

 「ショック(アナフィラキシー)皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群)等の重篤なアレルギー性の副作用を生じる危険性が高まるため」…、

 「使用(服用)しない」となっています。

 出題可能性があるので、押さえておくべきです。

 参考:適正使用対策‐使用(服用)しない:アレルギー症状

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「アプリスワブ 1本入×50袋 [指定医薬部外品] 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「殺菌消毒成分」の他の成分へのリンクです。

 アクリノール

 オキシドール

 ポビドンヨード

 ヨードチンキ

 ベンザルコニウム塩化物

 ベンゼトニウム塩化物

 セチルピリジニウム塩化物

 セトリミド

 クロルヘキシジングルコン酸塩

 クロルヘキシジン塩酸塩

 マーキュロクロム

 エタノール(消毒用エタノール)

 イソプロピルメチルフェノール

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 フェノール(液状フェノール)

 レゾルシン

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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