カルプロニウム塩化物‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 カルプロニウム塩化物は、「皮膚に用いる薬」の「頭皮・毛根用薬」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

インデックス

  1. おさらい‐手引き抜粋
  2. 傾向と対策、優先順位
  3. 過去問○×問題
  4. 解説
  5. 試験ポイント
  6. 他のページ

おさらい‐手引き抜粋

 復習用に、手引きを抜粋すると…、

 「カルプロニウム塩化物

 「末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、」

 「頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。」

 「アセチルコリンと異なり、コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされる。」

 「副作用として、コリン作用による局所又は全身性の発汗、それに伴う寒気、震え、吐きけが現れることがある

 …と、相なります。

傾向と対策、優先順位

 ご存じのように、「カルプロニウム塩化物」は、「皮膚に用いる薬」の「頭皮・毛根用薬」に登場します。

 市販薬には、「 【第3類医薬品】NFカロヤンガッシュ 240mL 」などがあります。

 「頭皮・毛根用薬」は、そこそこ試験に登場します。

 「福岡県 R3 第94問」や「福岡県 H29 第91問」などです。

 当該成分は、「頭皮・毛根用薬」が出題されたときには、間違いなく出題される成分です。優先順位は「高い」です。

過去問○×問題

 当該成分は…、

 ① カルプロニウム塩化物は、末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示すが、アセチルコリンと異なり、コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされている。

 ② カルプロニウム塩化物は頭皮の血管を拡張し、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。

 ③ カルプロニウム塩化物は、末梢組織において抗コリン作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果が期待される。

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

 ③の正誤はこちらです。

解説

 先の○×問題の解説です。

 ①の「カルプロニウム塩化物は、末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示すが、アセチルコリンと異なり、コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされている。」ですが、正しい記述です。

 「問題文をよく読んで解答」する問題です。

 まず、前半部分の「カルプロニウム塩化物は、末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示す」ですが、正しいです。

 「コリン作用」なので、注意してください。“抗”コリン作用じゃないです。

 次に、後半部分の「コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされている」ですが、これも正しいです。

 前半・後半ともに正しいです。よって、①は、「○」となります。

 本成分は、「コリン作用」やら「コリンエステラーゼ」やらの、カタカナ語句があるので、「入れ替え」問題多発地帯です。

 テキストの精読は必須です。

②は基本

 ②の「カルプロニウム塩化物は頭皮の血管を拡張し、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる」ですが、正しい記述です。

 そのとおりの記述です。こういうストレートな出題にも、対応できるようになっておきましょう。

 よって、②は、「○」となります。

③はひっかけ

 ③の「カルプロニウム塩化物は、末梢組織において抗コリン作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果が期待される」ですが、誤った記述です。

 典型的な「ひっかけ」問題です。

 間違っているのは、「抗コリン作用」のところです。

 正しくは、「コリン作用」です。

 「奈良県 R4 第89問」などで、実際の試験問題に当たっておいてください。

 よって、③は、「×」となります。

試験ポイント

 「頭皮・毛根用薬」は、薬局やドラッグストアの主力製品であるためか、試験にはよく出るところです。

 成分は2個、生薬は3つしかないので、実に、費用対効果の高いところです。積極的に勉強して、1点を確保してください。

 なお、カルプロニウム塩化物には、コリン作用に伴う副作用があります。(繰り返しますが、“抗コリン”作用じゃないので注意してください。)

 「局所または全身性の発汗、寒気、震え、吐き気が現れる」ときがあります。出題実績があるので、憶えておくとよいでしょう。

生薬

 基本的に、「生薬」は後回しで構いません。

 しかしながら、当該「頭皮・毛根用薬」では、事情が異なります。

 「頭皮・毛根用薬」の問題では、生薬が直球で問われる傾向があるので、押さえておくべきなのです。

 カシュウは、タデ科のツルドクダミの塊根を基原とし、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられます。

 チクセツニンジンは、ウコギ科のトチバニンジンの根茎を、通例、湯と押ししたものを基原とし、血行促進・抗炎症などの作用が期待されます。

 ヒノキチオールは、ヒノキ科のタイワンヒノキ、ヒバ等から得られた精油成分で、抗菌、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられます。

 先に挙げた市販薬では、この「ヒノキチオール」が配合されています。

 最も出題率の高い生薬です。これらの生薬は、ガチで押えておきましょう。また、生薬解説ページも、参考にしてください。

 参考:カシュウ

 参考:チクセツニンジン

 参考:ヒノキチオール

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「【第3類医薬品】NFカロヤンガッシュ 240mL 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「外皮用薬」の「頭皮・毛根用薬」へのリンクです。

 カルプロニウム塩化物

 エストラジオール安息香酸エステル

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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