カルプロニウム塩化物は、「皮膚に用いる薬」の「頭皮・毛根用薬」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「カルプロニウム塩化物」
「末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、」
「頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。」
「アセチルコリンと異なり、コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされる。」
「副作用として、コリン作用による局所又は全身性の発汗、それに伴う寒気、震え、吐きけが現れることがある」
…と、相なります。
ご存じのように、「カルプロニウム塩化物」は、「皮膚に用いる薬」の「頭皮・毛根用薬」に登場します。
市販薬には、「 【第3類医薬品】NFカロヤンガッシュ 240mL 」などがあります。
「頭皮・毛根用薬」は、そこそこ試験に登場します。
「福岡県 R3 第94問」や「福岡県 H29 第91問」などです。
当該成分は、「頭皮・毛根用薬」が出題されたときには、間違いなく出題される成分です。優先順位は「高い」です。
当該成分は…、
① カルプロニウム塩化物は、末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示すが、アセチルコリンと異なり、コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされている。
② カルプロニウム塩化物は頭皮の血管を拡張し、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。
③ カルプロニウム塩化物は、末梢組織において抗コリン作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果が期待される。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「カルプロニウム塩化物は、末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示すが、アセチルコリンと異なり、コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされている。」ですが、正しい記述です。
「問題文をよく読んで解答」する問題です。
まず、前半部分の「カルプロニウム塩化物は、末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示す」ですが、正しいです。
「コリン作用」なので、注意してください。“抗”コリン作用じゃないです。
次に、後半部分の「コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされている」ですが、これも正しいです。
前半・後半ともに正しいです。よって、①は、「○」となります。
本成分は、「コリン作用」やら「コリンエステラーゼ」やらの、カタカナ語句があるので、「入れ替え」問題多発地帯です。
テキストの精読は必須です。
②の「カルプロニウム塩化物は頭皮の血管を拡張し、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる」ですが、正しい記述です。
そのとおりの記述です。こういうストレートな出題にも、対応できるようになっておきましょう。
よって、②は、「○」となります。
③の「カルプロニウム塩化物は、末梢組織において抗コリン作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果が期待される」ですが、誤った記述です。
典型的な「ひっかけ」問題です。
間違っているのは、「抗コリン作用」のところです。
正しくは、「コリン作用」です。
「奈良県 R4 第89問」などで、実際の試験問題に当たっておいてください。
よって、③は、「×」となります。
「頭皮・毛根用薬」は、薬局やドラッグストアの主力製品であるためか、試験にはよく出るところです。
成分は2個、生薬は3つしかないので、実に、費用対効果の高いところです。積極的に勉強して、1点を確保してください。
なお、カルプロニウム塩化物には、コリン作用に伴う副作用があります。(繰り返しますが、“抗コリン”作用じゃないので注意してください。)
「局所または全身性の発汗、寒気、震え、吐き気が現れる」ときがあります。出題実績があるので、憶えておくとよいでしょう。
基本的に、「生薬」は後回しで構いません。
しかしながら、当該「頭皮・毛根用薬」では、事情が異なります。
「頭皮・毛根用薬」の問題では、生薬が直球で問われる傾向があるので、押さえておくべきなのです。
カシュウは、タデ科のツルドクダミの塊根を基原とし、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられます。
チクセツニンジンは、ウコギ科のトチバニンジンの根茎を、通例、湯と押ししたものを基原とし、血行促進・抗炎症などの作用が期待されます。
ヒノキチオールは、ヒノキ科のタイワンヒノキ、ヒバ等から得られた精油成分で、抗菌、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられます。
先に挙げた市販薬では、この「ヒノキチオール」が配合されています。
最も出題率の高い生薬です。これらの生薬は、ガチで押えておきましょう。また、生薬解説ページも、参考にしてください。
参考:カシュウ
参考:チクセツニンジン
参考:ヒノキチオール
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「【第3類医薬品】NFカロヤンガッシュ 240mL 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「外皮用薬」の「頭皮・毛根用薬」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
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