登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の「漢方処方製剤」の対策ページ。独学者向け。基本方針や費用対効果の高いところ、勉強方法、「ひっかけ」対策、「適正使用」対策の他に、上級者用のハイレベルコンテンツや数字対策も、併せて紹介する。
登録販売者試験の「医薬品」の「漢方処方製剤」の攻略ページです。
まずもって、「漢方処方製剤」の勉強では、「合格」だけを考えてください。
理想を言えば、「漢方処方製剤」の全部を勉強すべきです。
まず、面白いです。わたしは、合格後、本を数冊読んだくらいです。実際、学んだことをもとに、漢方の薬を飲んだり、人に勧めたりしています。
しかし、試験勉強では、試験突破を至上命題とし、「点を取ること」のみを、シビアに追及してください。
というのも、「医薬品」のカタカナ成分の膨大さを思えば、「漢方処方製剤」まで、とても手が回らないからです。
登録販売者の試験勉強のスタートは、おおむね4月ですが、早い県だと9月には本試験があるため、試験勉強期間は、「5ヶ月」しかありません。
「漢方処方製剤」の1つ1つを、正面から勉強する時間的な余裕は、「ない」です。
あまりに「漢方処方製剤」に時間を割くと、他の科目・論点が疎かになって、逆に、不利益を被るくらいです。
「漢方処方製剤」については、徹底して、「試験」に特化した勉強をしてください。んで、合格後に、腰を落ち着けて、勉強しましょう。
以下に、費用対効果の高い勉強方法を述べていきます。参考にしてください。
なお、個々の「漢方処方製剤」の解説ページは、「漢方処方製剤一覧」です。通勤・通学時の細切れ時間に活用してください。
「漢方処方製剤」ですが、一概には言えませんが、「5~10問」くらい出題されます。
実際問題、フルマーク(満点)は、かなり厳しく、「4~5点取れたら万々歳」で、現実的には、「0点じゃなければOK・1~2点でも漢方処方製剤で取れたら十分」です。
重複・別名含めて「85個」もある漢方処方製剤は、「医薬品」でも、最も厳しい論点です。
「捨て問」前提で、勉強していってください。
最優先すべきは、「XIV 漢方処方製剤・生薬製剤」の…、
・大柴胡湯
…「5つ」の漢方処方製剤です。
どの県(どのブロック)の試験でも、例年「1問」は、出題されるところです。
ここで「1点」取れると、「0点」を回避できます。貴重な得点源です。
最低でも、上記「5つ」は、勉強しておきましょう。
本試験にて、出題される可能性が“とても”高いのところが、「かぜ」、「疳の薬」、「婦人薬」です。
泥縄に勉強するよりも、1点に近いものから勉強していきましょう。
該当する漢方処方製剤を挙げていくと、「かぜ」は…、
・葛根湯
・麻黄湯
・小柴胡湯
・小青竜湯
・桂枝湯
・香蘇散
・麦門冬湯
…です。
んで、「疳の薬」は、いろいろありますが、最も問われる…、
・小建中湯
…を、押えておきます。
んで、「婦人薬」ですが…、
・温経湯
・温清飲
・五積散
・四物湯
…です。
上記漢方処方製剤を勉強していれば、「1~3点」は、確実に確保できるかと思います。
とりあえずは、ここまでの勉強でOKです。
残りの漢方処方製剤は、カタカナ成分と生薬の仕上がり具合などを見つつ、やっていくといいでしょう。
漢方処方製剤の勉強ですが、重要なことを述べておきます。
テキストの「効能・効果」は、ざっくりでいいです。
たとえば、「乙字湯」は、『体力中等度以上で大便が硬く、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされる。』という効能・効果なわけですが、ここは、ざっくり読んでおけばいいです。
つまり、「ガチで憶えなくていい」です。
というのも、これまでの試験にて、効能・効果の記述が“深く”問われることは、滅多に「ない」ためです。
たとえば…、
一部が変えられた「“下痢”傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、“重度の脱肛に適す」とか…、
一部が消された「便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、“ ”、軽度の脱肛に適す」とか…、
…こういう出題は、“ほとんどない”のです。
試験問題の多くは、テキストの文言そのままが出ています。
よって、試験戦術的に、「効能・効果」は、ざっくり見ておけばいい・ガチで憶えなくていい、ってな次第です。
漢方処方製剤の勉強では、主として、「体力規定(虚実)」と、「構成生薬」と、「まれ重篤副作用」の「3点」を憶えていくことになります。
そして、固有事項やキーワードがあれば、それも、押えていくことになります。
これらが、本試験での、選択肢の判定ポイントに当たるからです。
たとえば、先に見た「乙字湯」ですが…、
『体力中等度以上で大便が硬く、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされる。』
『体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、悪心・嘔吐、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。』
『通常、構成生薬として、カンゾウ・ダイオウを含む。』
『まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られている。』
『短期間の使用に限られるものでないが、切れ痔、便秘に用いる場合には、5~6日間服用して症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるなどの対応が必要である。』
…という、記述が続きます。
試験勉強では、「体力中等度以上」と、「カンゾウ・ダイオウ」、「肝機能障害、間質性肺炎」のところを、憶えていくことになります。
あとは、キーワードの「大便が硬い」を、憶えるくらいです。
これらを憶えていれば、選択肢の判別が“かなり”しやすくなります。
たとえば、「乙字湯」を問うているのに、体力規定が「体力虚弱」だったり、構成生薬に「マオウ」が入っていたり、キーワードの「大便が硬い」がなかったりすれば、その時点で、「×」と判断できるってな次第です。
漢方処方製剤では、そう高度な出題はないので、上記3つを中心に憶えるってな次第です。
さて、残る、禁忌の「○○は不向き」や、数字の「5~6日間」も、試験に出ることには出ますが、正直、ここまでやるのは、よほどに余裕がないと無理です。
「捨て問」か、「後回し」としてください。
選択肢の判別が有利になるところに絞って、勉強しましょう。
「体力規定(虚実)」と、「構成生薬」と、「まれ重篤副作用」ですが、漢方処方製剤の全部を、押さえられるわけがありません。
以下に、選択肢の判別に直結する、ブログ記事を挙げておきます。
最低限度、以下のブログ記事を押さえておけば、プラス1~2点、取れる可能性が高くなります。
「体力規定(虚実)」は、以下の…、
・体力虚弱
…です。
これらだけで、そこそこ判別が可能となります。
次に、「まれ重篤な副作用」の論点ですが…、
…を、最低でも押えておきましょう。
意外に出ます。
最後に、「構成生薬」ですが…、
…くらいは、カンタンなので、押さえておきたいです。
上述するブログ記事で、漢方処方製剤の最低限度の勉強が可能かと思います。
漢方処方製剤の勉強は、先の「3点」を押えていくのですが、その薬にしかない「固有事項」は、選択肢判別の大きなキーとなります。
その「知識」だけで、即、選択肢が判別できるからです。
たとえば、「芍薬甘草湯」には、「心臓病の人は使用を避ける」といった禁忌があるのですが、当該「心臓病避ける」は、「芍薬甘草湯」にしか出てこないのです。
よって、たとえば、「“甘草湯”は、心臓病の基礎疾患のある人は、使用を避けるようになっている」などと出題されていたら、即断で、「×」にできるわけです。
こうした「固有事項」ですが、そこそこあります。
たとえば、「膀胱炎様症状(小柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯)」や「15歳未満の小児への使用は避ける必要がある(七物降下湯)」、「腸間膜静脈硬化症(加味逍遙散、辛夷清肺湯、黄連解毒湯)」などです。
こうしたものを…、
…に、ざっくりとまとめています。
選択肢の判別の大きな武器となります。チェックしておいてください。余裕があれば、憶えてしまってください。
漢方処方製剤の勉強ですが、「最初は、眺めるだけ」でいいです。
漢方処方製剤は、憶えることが本当に多いので、最初から憶えようとすると、配偶者並みに嫌気が差します。
慣れないうちは、「1日あたり15分程度」を割いて、“見て”行けばいいでしょう。
ある程度、名前が頭に入りだしたら、本格的に、憶えていきましょう。
重要な注意事項です。
厳に慎むべきは、「完ぺき主義」です。絶対ダメです。
正直、漢方処方製剤の個々の全記述・全文言なぞ、憶えられませんわ。
わたしの受験生当時ですが、漢方処方製剤は、本当に最低限度の勉強しかしてませんでした。それでも、受かってます。
完璧に仕上げようとすると、気が滅入って挫折したり、やる気が消失したりするので、ほどほどでやってください。
特に、勉強の始めたあたりが、本当に、キツイので、ゆっくりやってください。
ぶっちゃけ、漢方処方製剤が得意な人なんて、まず、いません。
最初の方で言いましたが、正直、漢方処方製剤は、「0点でなければOK」くらいの気持ちで臨んでください。
最後に、漢方処方製剤の勉強ですが、「自分・家族・友人・親族・身の回りの人」を想定すると、興が乗ります。
「自分」なら、持病の漢方処方製剤を見ていくと、そこそこ頭に残ります。
たとえば、口内炎ができやすい人は、「茵蔯蒿湯」を見ていく、ってな次第です。
「家族」なら、たとえば、配偶者なら、痔の薬を勉強して、買ってあげるといいかもです。「友人」以下も、同様です。
具体的な人を想定することで、憶えやすくなるので、試してみてください。
問題演習・過去問演習ですが、先に挙げた、XIV 漢方処方製剤・生薬製剤、かぜ、疳の薬(小建中湯)、婦人薬の問題は、積極的に解いていきましょう。
上記以外の問題ですが、基本は、「捨て問」でいいです。
ただ、「勉強方法2の2‐最低限度押さえる」で紹介したブログ記事で、解ける問題もあるので、そういう“できそうな問題・取れそうな問題・解けそうな問題”は、積極的に解いてください。
まあ、無理そうなら、パスでいいです。
最後に、「過去問演習」について、述べておきます。
過去問に出たことは、甘く見てはいけないです。
時間に余裕があれば、ですが、問いと答えを、丸暗記して、問題を解けるように、なっておいてください。
問題の「使い回し」がそこそこあるからです。
“なぜそうなるかわからん”くても、問いと答えの丸暗記してたら、1~2点を拾うことができます。
最終得点をもう2~3点底上げしたい人は、「問い答え丸憶え」で、凌いでください。
ところで、「過去問」ですが、「漢方処方製剤 過去問リスト」に、まとめているので、過去問演習の数が少ないと感じている方は、活用してください。
まれに、テキストには載ってない漢方処方製剤が出題されることがあります。
現在、確認できたものを…、
「登録販売者 手引きにない漢方処方製剤のまとめ‐大建中湯,五苓散」
…に、まとめています。
出題者の意図は、おそらくは、受験生を混乱させることかと思われます。
このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、目を通してください。
漢方処方製剤は、「適正使用」の「医薬品的な問題」にも、登場します。
余力があれば、以下の…、
…も、参考にしてください。
カタカナ成分や生薬、頻出の漢方処方製剤の勉強が終わっている人や、特別に漢方処方製剤を勉強したい人のみ、以下のハイレベルコンテンツを、活用してください。
論点ごとに整理した「横断学習」用のページです。
なお、「捨て問」前提の人は、ここまでやる必要はないです。
『しばり』の「体力(虚実)」については、以下のページを参考にしてください。
「構成生薬」のリンク集です。
「漢方処方製剤」の「副作用」については、以下のページも参考にしてください。
「漢方処方製剤」の「数字」を、ガチリスト化したのが…、
…です。
「漢方処方製剤」でも、ときどき、数字が問われることがあるので、上級者や数字が不安な人は、上記ページで対策を練ってください。
単元別に勉強したい人は、下のリンクを使用ください。
第1節:精神神経に作用する薬
第2節:呼吸器官に作用する薬
第3節:胃腸に作用する薬
第4節:心臓等の器官血液の作用薬
第5節:排泄部位に作用する薬
第6節:婦人薬
第7節:内服アレルギー用薬
第10節:皮膚に用いる薬
第11節:歯や口中に用いる薬
第13節:滋養強壮保健薬
第14節:漢方処方製剤・生薬製剤
なお、先述したように、個々の漢方処方製剤のぺージは、「漢方処方製剤 一覧」です。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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