登録販売者の「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の「漢方処方製剤」の「疳の薬」に登場する「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」の対策ページ。本ページでは、当該漢方処方製剤のポイントをまとめたり、「○×問題」を出したり、過去問を紹介したりしています。
基本問題です。
問1ですが、誤った記述です。
「小建中湯」の体力規定は、設問の言うように、「体力虚弱」となっています。
しかし、効能のところが間違っており、明らかに「かぜ」のものとなっています。
「小建中湯」は、「疳の薬」なので、この点から、判断できるかと思います。
ちなみに、設問の説明は、「桂枝湯」です。
参考:桂枝湯
問2は、正しい記述です。
設問の言うように、「小建中湯」には、「カンゾウ」が含まれています。
手引きには、当該カンゾウの摂り過ぎによる副作用に、注意喚起がなされています。
出題者からすると、手引きに個別記載のあるものは、実に問題にしやすいです。
「カンゾウ」の入っている漢方処方製剤は、数多くありますが、当該「小建中湯・・・カンゾウ」は、ピンポイントで押さえておくべきです。
問3は、正しい記述です。
設問の言うように、「小建中湯」は、「比較的長期間(1ヶ月位)」、服用されることがあります。
「疳の薬」も、体質改善に主眼があるので、長期で服用されることがあります。
問4は、誤った記述です。
「疳の薬」に限らず、漢方処方製剤は、“年齢の下限がなくとも”、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないことになっています。
「生後3ヶ月未満」は、禁忌に絡んでいることもあり、実によく出る数字です。ガチ暗記してください。
「小建中湯」ですが、「疳の薬」として、際立った出題率を誇ります。
「疳の薬」が出題されたら、当該小建中湯が出ないことはないので、他の薬を疎かにしていいので、「小建中湯」を優先すべきです。
また、「疳の薬」は、試験的には、「1つ」しかないので、出題者からしたら、“出しやすい”です。
試験戦術の点からも、押さえておくべきです。
なお、試験には出ませんし、手引きにも載ってませんが、「小建中湯」の「建中」とは、「胃腸の働きを盛んにする」という意味があります。
「小建中湯」は、市販されている漢方処方製剤があります。
テキストはもとより、ドラッグストア等で、実物を手にして、勉強しましょう。
amazon参考:小建中湯
楽天参考:小建中湯
「小建中湯」の「小」は、そのまんまですが、「そうきつくない」という意味です。
逆の「大」は、これまたそのまんまですが、「きつい」という意味となります。
「小建中湯」ですが、「小」なので、「一般用医薬品」です。
対して、「大建中湯」という漢方薬もあり、これは、「きつい」ことから、「医療用医薬品(医療用漢方製剤)」であることが多いです。
当該大建中湯が、試験問題で登場したことが県もあるので、「大」と「小」の意味を、頭の片隅に置いていてください。
まあ、「大建中湯」が選択肢に出たら、これは「医療用」のため、「一般用医薬品」としての漢方処方製剤を問う問題なら、即効で消去すればいい、ってな塩梅です。
参考:福岡県 R1 第84問
「小建中湯」の体力規定ですが、「体力虚弱」となっています。
「虚弱なケンちゃん」くらいの語呂で憶えるといいでしょう。
なお、「体力虚弱」は、試験上、最大の特徴なので、ガッチリ押えておきましょう。
参考:体力虚弱
「小建中湯」ですが、小児に対する禁忌があります。
手引きには…、
『乳幼児に使用される場合は体格の個人差から体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがある。』
『小建中湯は比較的長期間(1ヶ月位)服用することがあるので、特に留意される必要がある。』
…と、記載されており、特別の注意喚起が為されています。
ご存じのように、「カンゾウ・・・グリチルリチン酸・・・偽アルドステロン症」は、副作用のガチ論点です。
よって、当該小建中湯でも、出題可能性が高いです。
キッチリと押えておきましょう。
「小建中湯」のキーワードですが、これといった際立ったものがありません。
「小建中湯」が「疳の薬」とわかっていれば、効能の「小児虚弱体質、小児夜尿症、夜なき」などは押えられると思います。
「小建中湯」の構成生薬は、「カンゾウ」です。
基本的に、第1節の「精神神経に作用する薬」の漢方には、その大半にカンゾウが入っています。
よって、カンゾウ入りを個別で押えるのは、かなりの手間となります。
「逆」を言えば、「精神神経に作用する薬」の漢方で、カンゾウの入ってないものは、極めて少ないと言えます。
よって、「カンゾウの入ってない」ものを、語呂で押える方が効率的です。
んで、当該「カンゾウの入ってない」ですが、「構成生薬がない」ものと、「カンゾウがなく、ダイオウのみ入っている」ものの「2系統」があります。
まず、「構成生薬がない」の語呂ですが、呉茱萸湯と半夏厚朴湯には、構成生薬の「カンゾウ、マオウ、ダイオウ」が入っていません。
これを示す語呂は、「ご飯なし」です。
「ご」は、「“呉”茱萸湯」です。
「飯」は、「“半”夏厚朴湯」です。
「なし」は、「構成生薬がない」ことを意味します。
次に、「カンゾウがなく、ダイオウのみ入っている」ものですが、これは、「鎮静」と「疳の薬」の「柴胡加竜骨牡蛎湯」です。
語呂は、「大きなサイの骨」くらいに憶えましょう。
詳細ですが、「大きな」は「ダイオウ」の「大」で、「サイの骨」は、「“柴”胡加竜“骨”牡蛎湯」です。
このように、「精神神経に作用する薬」では、呉茱萸湯、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯は「カンゾウなし」で、これら3つ以外は、すべて「カンゾウ入り」と把握するってな塩梅です。
「小建中湯」は、先の「カンゾウの入ってない」語呂には登場しないので、「逆算」で、「カンゾウ入り」となります。
先の例題でも述べましたが、「小建中湯」は突出した出題率なので、構成生薬も、出る可能性が実に高いです。要チェックです。
「小建中湯」ですが、「稀な重篤な副作用」の記載が手引きにありません。
よって、「なし」です。
本試験にて、「小建中湯は、稀に肝機能障害が生じる」などとあれば、即断に「×」としましょう。
ちなみに、「鎮静」と「疳」の薬で、「稀な重篤な副作用」があるのは、「柴胡加竜骨牡蛎湯(肝機能障害・間質性肺炎)」のみです。
よって、「鎮静・疳のまれ重篤は、柴胡加竜骨牡蛎湯だけで、他はない」と、一括して憶えるといいでしょう。
「小建中湯」ですが、「比較的長期間(1ヶ月位)服用することがある」との記載があります。
出題実績あります。チェックしておきましょう。
なお、手引きには…、
『乳幼児に使用される場合は、体格の個人差から体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがある。』
『それに加え、小建中湯は比較的長期間(1ヶ月位)服用することがあるので、特に留意される必要がある。』
…という記載があります。
よって、「小建中湯」は、長期服用が可能ではあるが、手放しで摂取できるものではなく、“グリチルリチン酸の摂取量には注意する”、と憶えておきましょう。
「疳の薬」には、「抑肝散」「抑肝散加陳皮半夏」「柴胡加竜骨牡蛎湯」「桂枝加竜骨牡蛎湯」があります。
これら「抑肝散」「抑肝散加陳皮半夏」以下の漢方処方製剤ですが、これらも、「比較的長期間(1ヶ月位)服用することがある」ものです。
しかし、なのです。
先の4つは、「夜泣き」に使うときだけ、別個の数字規定があります。
手引きには…、
『小児の夜泣きに用いる場合』
『1週間位服用しても症状の改善がみられないときには、』
『いったん服用を中止して、専門家に相談する等、その漢方処方製剤の使用が適しているかどうか見直すなどの対応が必要である。』
…と、記載されています。
「抑肝散」「抑肝散加陳皮半夏」等を、「夜泣き」目的で用いる場合は、「1週間くらい」なので、整理して憶えましょう。
なお、「小建中湯」には、「夜泣き」の注意書きはありません。
「小建中湯」に限らず、漢方処方製剤一般について、禁忌の数字規定があります。
手引きには…、
『漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、』
『生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととなっている。』
…とあります。
当該「生後3ヶ月未満の乳児には使用しない」は、これまた、突出した出題率の論点なので、ガチで、「3ヶ月未満・・・漢方ダメ」と、暗記してください。
例題としては…、
「小建中湯は、3ヶ月未満の乳児に使用してもよい」とか…、
「抑肝散加陳皮半夏は、疳の薬なので、生後3ヶ月未満にも使用できる」等…、
…といった出題が予想されます。
「漢方薬」が「3文字」なので、「漢・方・薬は、“3”ヶ月ダメ」くらいに憶えてしまいましょう。
「小建中湯」の過去問演習用として、東京都等の問題をピックアップしました。
こういう出題があったので、チェックしておきましょう。
当該漢方の語呂をまとめておきます。チェック用に。
・虚弱なケンちゃん…体力虚弱。
・ご飯なし…カンゾウ・マオウ・ダイオウが入ってない。
・大きなサイの骨…ダイオウのみ。
なお、語呂合わせですが、「疳の薬 語呂 まとめ・解説」「疳の薬 語呂 逆引き」にまとめているので、こちらも活用してください。
『小建中湯』
『体力虚弱で疲労しやすく腹痛があり、血色がすぐれず、ときに動悸、手足のほてり、冷え、ねあせ、鼻血、頻尿及び多尿などを伴うものの小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜なきに適すとされる。』
『しかし、乳幼児に使用される場合は、体格の個人差から体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがある。』
『それに加え、小建中湯は比較的長期間(1ヶ月位)服用することがあるので、特に留意される必要がある。』
『構成生薬としてカンゾウを含む。』
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