麦門冬湯‐漢方処方製剤対策

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

　登録販売者の「主な医薬品とその作用（通称：医薬品）」の「漢方処方製剤」の「かぜ」に登場する「麦門冬湯（ばくもんどうとう）」の対策ページ。本ページでは、当該漢方処方製剤のポイントをまとめたり、「○×問題」を出したり、過去問を紹介したりしています。

インデックス

○×問題

　基本問題です。

問１『麦門冬湯は、体力中等度をめやすとして、幅広く応用でき、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声、のどのつかえ感に適すとされる。』

正誤と解説はこちら。

解説 問１

　問１ですが、誤った記述です。

　登録販売者試験によくある「説明文の入れ替え問題」です。

　設問の説明文は、「半夏厚朴湯」のものです。

　「麦門冬湯」のは…、

　「体力中等度以下で、」

　「痰が切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるもののから咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声に適す。」です。

　症状のところので判別は無理でも、体力規定の「体力中等度をめやすとして、幅広く応用でき」で判断できます。

　「幅広く応用」できるものは、「半夏厚朴湯」くらいしかないからです。

　参考：「幅広く応用できる」と「広く応用できる」のまとめ

問２『麦門冬湯は、構成生薬として、カンゾウを含む。』

正誤と解説はこちら。

解説 問２

　問２は、正しい記述です。

　「麦門冬湯」ですが、「カンゾウ」が配合されています。

　出題実績のあるところなので、「麦門冬湯・・・カンゾウ」と、ピンポイントで押えておきましょう。語呂合わせは、後述。

問３『麦門冬湯は、稀に重篤な副作用として、肝機能障害と間質性肺炎が生じる。』

正誤と解説はこちら。

解説 問３

　問３は、正しい記述です。

　「麦門冬湯」の「まれ重篤副作用」は、「肝機能障害 間質性肺炎」です。語呂合わせは、後述。


試験傾向

　「麦門冬湯」ですが、手引きでは、「かぜ」と「鎮咳去痰」の２つの節に記載されています。

　２つの節にまたがる漢方処方製剤のため、“出題チャンスも２倍”というわけで、そこそこ試験に顔を出します。

　また、結構メジャーな薬なので、個別的に、力を入れてもよいかと思います。

　「麦門冬湯」は、市販されている漢方処方製剤があります。

　テキストはもとより、ドラッグストア等で、実物を手にして、勉強しましょう。

　amazon参考：麦門冬湯

　楽天参考：麦門冬湯

体力

　「麦門冬湯」の体力規定ですが、「体力中等度以下」となっています。

　さて、「かぜ」の漢方ですが、「体力中等度以下」なのは、当該麦門冬湯くらいです。

　くだらない語呂ですが、「門の下」くらいに憶えるといいでしょう。

　また、余裕があれば、「体力中等度“以下”」を、何度も見て、できる範囲で、押えていきましょう。

ダメな人

　「麦門冬湯」ですが…、

　・水様痰の多い人には不向き

　…とされています。

　麦門冬湯の「麦」と、水様痰の「水」をかけて、「麦水ダメ」くらいに憶えるといいでしょう。

キーワード

　「麦門冬湯」のキーワードは、先の「ダメな人」で見た「水様痰の多い人には不向き」です。

　また、ガチ暗記は無用ですが、「麦門冬湯」は、「から咳（乾いた咳）」や「長引く痰」に有効です。

　さて、「麦門冬湯」は、「から咳」に有効なのですが、「から咳」が出るのは、痰が出難いから咳が出ているわけで、水様痰だと、痰がよく出ている状態なので、症状に合わない、ってな次第です。

　出題実績のあるところなので、ここも、憶えてしまいましょう。

構成生薬

　「麦門冬湯」の構成生薬は、「カンゾウ」です。

　基本的に、第１節の「精神神経に作用する薬」の漢方には、その大半にカンゾウが入っています。

　よって、カンゾウ入りを個別で押えるのは、かなりの手間となります。

　「逆」を言えば、「精神神経に作用する薬」の漢方で、カンゾウの入ってないものは、極めて少ないと言えます。

　よって、「カンゾウの入ってない」ものを、語呂で押える方が効率的です。

　んで、当該「カンゾウの入ってない」ですが、「構成生薬がない」ものと、「カンゾウがなく、ダイオウのみ入っている」ものの「２系統」があります。

　まず、「構成生薬がない」の語呂ですが、呉茱萸湯と半夏厚朴湯には、構成生薬の「カンゾウ、マオウ、ダイオウ」が入っていません。

　これを示す語呂は、「ご飯なし」です。

　「ご」は、「“呉”茱萸湯」です。

　「飯」は、「“半”夏厚朴湯」です。

　「なし」は、「構成生薬がない」ことを意味します。

　次に、「カンゾウがなく、ダイオウのみ入っている」ものですが、これは、「鎮静」と「疳の薬」の「柴胡加竜骨牡蛎湯」です。

　語呂は、「大きなサイの骨」くらいに憶えましょう。

　詳細ですが、「大きな」は「ダイオウ」の「大」で、「サイの骨」は、「“柴”胡加竜“骨”牡蛎湯」です。

　このように、「精神神経に作用する薬」では、呉茱萸湯、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯は「カンゾウなし」で、これら３つ以外は、すべて「カンゾウ入り」と把握するってな塩梅です。

副作用

　「麦門冬湯」の「稀な重篤な副作用」は、「肝機能障害 間質性肺炎」です。

　「かぜ」の漢方では、「小柴胡湯」と「柴胡桂枝湯 」も、同じ組み合わせとなっています。

　くだらない語呂ですが、「最後の刑事がバカモンとカンカン」で押さえてしまいましょう。

　「最後」は、「小“柴胡”湯」です。

　「最後の刑事」は、「“柴胡桂枝”湯」です。

　「バカモン」は、「“麦門”冬湯」です。

　「カンカン」は、「“肝”機能障害と“間”質性肺炎」です。

数字対策

　「麦門冬湯」ですが、手引きには、「かぜの症状の緩和以外にも用いられる場合、比較的長期間（１ヶ月位）服用されることがある」とあります。

　先述しましたが、「麦門冬湯」は、「鎮咳去痰」の漢方でもあります。

　よって、咳等の「かぜの症状」以外の服用目的なら、「長期服用」されます。

　言うまでもないですが、「かぜの症状」に対して、１ヶ月も服用するのは、常識的にも、ダメだと判断できます。

過去問リスト

　「麦門冬湯」の過去問演習用として、東京都等の問題をピックアップしました。

　こういう出題があったので、チェックしておきましょう。

愛知県（中部ブロック２）

・R3 第37問

東京都

・近年なし。

関西広域連合

・近年なし。

福岡県

・R2 第67問

・R1 第82問

語呂合わせ一覧

　当該漢方の語呂をまとめておきます。チェック用に。

　・門の下…体力中等度以下。

　・ご飯なし…カンゾウ・マオウ・ダイオウが入ってない。

　・大きなサイの骨…ダイオウのみ。

　・最後の刑事がバカモンとカンカン…肝機能障害・間質性肺炎。

　なお、語呂合わせですが、「かぜ 語呂 まとめ・解説」「かぜ 語呂 逆引き」にまとめているので、こちらも活用してください。

チェック用：手引き抜粋

　『麦門冬湯』

　『麦門冬湯は、体力中等度以下で、痰が切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるもののから咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声に適すとされる。』

　『が、水様痰の多い人には不向きとされる。』

　『まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。』

　『構成生薬としてカンゾウを含む。』

こまごましたもの

　登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

　興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者：語呂合わせ」や「登録販売者：まとめ」、「登録販売者：憶え方」などをお目汚しください。

　そのほか、「登録販売者：医薬品」や「登録販売者：生薬」、「登録販売者：漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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