第28問は、おなじみの第3類の危険物で保護液にて貯蔵するものを問う問題です。際立った特徴があるため、本試験では頻出の論点です。基礎・基本ばかりですので、必ずできるようになっておきます。
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本問のレベルは「やさしい」です。
第3類の危険物が、「何性」の危険物なのかに思い至れば、解けます。
ところで、第3類危険物で、保護液で貯蔵するものは…、
「カリウム」と「ナトリウム」が「灯油」で…、
「黄りん」が「水」です。
保護液貯蔵する危険物をおさらいしておきましょう。
あと、選択肢5の解説を見ておいて下さい。
本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。
選択肢1の「昇華を防ぐため」ですが、誤った記述です。
そもそも、保護液貯蔵するカリウム、ナトリウム、黄りんは、昇華しません。(気体になったりしません。)
よって、選択肢1は、「誤り」となります。
なお、昇華とは、元素や化合物が液体を経ずに固体から気体、 または気体から固体へと相転移する現象です。
選択肢2の「水や空気との接触を防ぐため」ですが、正しい記述です。
保護液貯蔵するカリウムとナトリウムは、空気中の湿気に反応して自然発火してしまいます。
黄りんは、発火点が34~44度であり、常温で、空気と触れていると、自然発火してしまいます。
このように、保護液にて貯蔵する理由は、「水や空気との接触を防ぐため」となっています。
よって、選択肢2は、「正しい」となります。
選択肢3の「火気を避けるため」ですが、誤った記述です。
保護液には、ナトリウムやカリウムに用いる『灯油』があります。
保護液が灯油の場合、火気の危険を避けるどころか、逆に、火気の危険性が増してしまいます。
よって、選択肢3は、「誤り」となります。
選択肢4の「酸素の発生を防ぐため」ですが、第3類危険物は、水に触れるなどすると、「水素」が発生します。
よって、選択肢4は、「誤り」となります。
選択肢5の「引火点以下に保つため」ですが、そもそも、保護液にて貯蔵する危険物、つまり、カリウムやナトリウム、黄りんには、「引火点」がありません。
引火性の蒸気が放出されないからです。
んなもんで、選択肢5は、「誤り」となります。
ところで、第3類危険物には、引火点を有する危険物が2つあります。
それは、「トリクロロシラン」と「ジエチル亜鉛」です。
当該「トリクロロシラン」は、刺激臭のある無色の液体で、引火点が「-6~-28度」と、第4類危険物の特殊引火物並みに低い危険物となっています。
本試験では、特徴のある危険物が狙い打ちされるので、「トリクロロシラン」の名称と、その性質とをガチで覚えておきましょう。
次に、「ジエチル亜鉛」ですが、無色の液体で、「空気中で直ちに自然発火」します。これもよく出ます。併せて憶えておきましょう。
本問は、「正しいものはどれか?」の問題です。
「正しい」なのは、選択肢2です。
正解:2
本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。
通勤・通学中にどうぞ。
26問:燃焼性・・・基本問題。「やさしい」。
27問:消火方法・・・「やさしい」。
28問:保護液貯蔵・・・「やさしい」。基本問題。
29問:ナトリウム・・・「やさしい」。
30問:貯蔵方法・・・「やさしい」。
31問:黄りん・・・「やさしい」。
32問:リン化カルシウム・・・「やさしい」。解けなくはない。
33問:黄リン等共通性状・・・「やや難」。
34問:カリウム性状・・・「ふつう」。取れる問題。
35問:トリクロロシラン・・・「ふつう」。取れる問題。
「教材レビュー」にて詳細に述べていますが、読むのがメンドウな人は…、
テキストは、文系でも大丈夫な「 チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト 新訂版 」を…、
過去問は「 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者試験 令和6年版 」を…、
…利用します。
危険物取扱者試験は、難化傾向にあるので、「テキスト+過去問」の2冊体制で臨むのが最も無難です。
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危険物取扱者に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「危険物取扱者:ブログ記事」をばご参考ください。
試験科目個々の勉強方法は、「乙3の独学」をお読みください。
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