「危険物取扱者 乙種4類(乙4)」の独学合格を目指す人に、「物化(基礎的な物理学および基礎的な化学)」の勉強方法を説述する。とりわけ、このページでは、「文系の人」に絞っている。「物化」のヒントやコツ、捨て問リストを掲載。
危険物取扱者の乙種4類(乙4)の「物化(基礎的な物理学および基礎的な化学)」ですが、当該「物化」の論点は、おおむね「15個」です。
本試験では、「高校化学」レベルの物理・化学の問題が出題されるほか、『危険物』を扱う試験らしく、燃焼や消火(消火器・消化剤)に関する出題があります。
本試験の出題数は「10問」で、「計算問題」系と、「知識問題」系に大別されます。
一概には言えませんが、「例題第18問:mol計算」といった計算問題が「2~4問」で、残りの「6~8問」が「例題第20問:消化剤」的な知識問題です。
当該「物化」は、文系と理系とで、事情がまったく異なります。
理系は遠足気分でOKですが、文系は捻り鉢巻で臨まねばなりません。
本ページで言うテキスト・過去問は、 「チャレンジライセンス 新訂版」と「乙種4類 危険物取扱者試験」 を想定しています。
文系・理系ともども、「一番やりやすい」との評を受けています。この2冊を念頭に、読み進めてください。
なお、他の科目の勉強方法については、「勉強方法:法令」、「勉強方法:性消」を、参考願います。
では、以下、本編に入ります。
理系の人は、まずは、「公式過去問(例題)‐物化」で、乙4の「物化」レベルを確かめてください。
(ぜんぜん余裕じゃない?)であれば、大丈夫です。
理系の人が「物化」で新しく学ぶのは、「消火・消火器・消火剤」くらいです。
これまで、理系の人が「物化」がダメで落ちたという話をほとんど聞きません。
よって、テキストや過去問で、「消火・消火器・消火剤」だけやって、他の科目に進んでください。
理系の人には、「法令」の方がヤバイはずです。
参考:勉強方法:法令
さて、問題は、文系の人です。
文系にとって、「物化」は、最難関科目となっており、鬼門中の鬼門です。
ぶっちゃけ、文系は、「物化」で、落ちます。
文系にとって、危険物試験とは、実質的に「物化」の試験です。
文系は、「物化」さえ、6問正解できたら、乙4に合格できます。
よって、文系は、「物化」に“あらゆる資源(時間・労力)を投入する”必要があります。
資源投入の比率としては、「物化」に「6割」を、「性消」と「法令」に「4割」のウエイトをかけましょう。
しつこいようですが、文系が落ちるのは、本当に「物化」なので、本腰を入れて臨んでください。
乙4試験では、都道府県ごとの、完全な過去問が公開されていません。(例題は公開されています。)
よって、以下に述べる「傾向」については、わたしの『憶測』が多分に入っているので、話半分でお願いします。
さて、本試験の「物化」ですが、「知識問題だけで、合格点の6割は、取らせない」“作為”を感じます。
ごぞんじのように、「物化」の出題は「10問」で、「6問」正解できれば、合格となります。
さて、この「10問」出題の構成は、知識問題が「6~8問」で、計算問題が「2~4問」となっています。
まず、知識問題「6~8問」ですが、このうち、「4~5問」は、基礎・基本的な問題だったり、やさしい系だったりで、穏当に、点が取れるのです。
しかし、残る「2~3問」は、新傾向問題だったり、難問だったりで、知識問題であっても、得点が覚束ないのです。
つまりは、知識問題で確実に取れるのは、「4~5点」という勘定となるのです。
従って、です。
文系であっても、計算問題で「1~2問」を正解しないと、合格基準に届かない、といった寸法です。
よって、文系は、受験に際しては、「計算問題ができないと落ちる。最低でも1問は、取る必要がある」と、想定しておくべきです。
危険物試験は、主催者が「都道府県」ごとのため、傾向に“幅”はあると思います。
知識問題が多い県もあるでしょうが、慎重に事を進めるなら、どの県で受験するにしても、最低「1問」は計算問題が取れるよう、勉強しておくべきだと考えます。
そもそも、危険物は、「理系」の資格です。やっぱり、計算問題からは、逃げられないのです。
端的に言うと、文系は、テキストと過去問の「物化」の「100%化」を、目指します。
言い換えれば、テキスト・過去問に出た問題は、1問たりとも落とさなくなるまで、繰り返す、といった寸法です。
まず、知識問題ですが、「暗記と記憶」で済むので、文系の人でも、大丈夫なはずです。
こういう問題が、典型的な知識問題です。
頭が痛くなりますが、要は、テキストにて、それぞれの定義を押さえるだけなので、文系でも、知識問題は、十分に得点圏にある、といえます。
また、知識問題では、語呂合わせなどが有効なものも多いです。
たとえば、「イオン化列」などは、語呂を暗記していれば、誰でも解けます。「公式過去問 第24問:金属のイオン化列」くらいの問題なら、文系でも、1点が取れるはずです。
「物化」の知識問題は、確かに、手に負えないものもありますが、多くは、攻略できます。
テキストと過去問とを、「3回」は、繰り返してください。
文系は、「物化」を「数」で攻略します。
文系にとって、最も頭が痛いのは、化学式や燃焼式といった“計算問題”です。
わたしもそうだったのですが、文系の人は“計算問題”に、手をジュウジュウと焼くはずです。
例題には…、
…といった問題が挙げられています。
本試験でも、同レベルの問題が出ると、踏んでおきましょう。
ぶっちゃけ言うと、過去問の計算問題は、答えを憶えるくらいに、繰り返します。
個人的には、計算問題だけ、「5回」は、やるべきです。
たとえ、理屈が理解できずとも、最悪、「解き方」と「答え」を暗記してください。
どうしてかというと、『過去問の使い回し』があるからです。
危険物試験では、過去問で出た問題が、少しだけ変えられて、出題されることが、多々あるのです。
運がよければ、そっくりそのままの問題に、遭遇することもあるくらい、「使い回し」が横行しています。
わたしは、甲種受験の際に、過去問とほぼ同じ計算問題に遭遇し、「物化」で貴重な1点を取れたことを、ここに記しておきたいと思います。その時は、合格を確信しました。
こんな次第で、過去問の計算問題を「5回以上」は繰り返して、たとえ、理解が伴わなくても、文系お得意の“暗記”で、解き方や答えを憶えておけば、実に実に、「1点」の可能性が上がる、ってな塩梅です。
先に挙げた過去問「乙種4類 危険物取扱者試験」は、毎年、版が改められるので、最新の計算問題を解くことができます。
当該過去問の計算問題を、何回も繰り返して、“憶えるくらい”になっておけば、格段に、合格が近づくはずです。
計算問題は、「5回以上」も解くのかと、億劫に思う文系の人もいるはずです。
しかし、「計算問題」だけなので、言うほど、時間を食いません。
やりやすくするには、「ポストイット(付箋)を挟んで、さっさとやる」です。
以下の画像は、乙4ではないですが、こんな感じに、ポストイットを挟んでおくと、即、着手できるので、明らかに、やる「数」が増えます。
最初のうちは、脂汗が流れますが、慣れてくれば、単に計算するだけなので、すぐに終わるようになります。
文系合格のキーは、「物化」の「計算問題」にある、と自分に発奮をかけて、がんばってください。
できるだけ、「100%」を目指したい「物化」ですが、文系の人にとっては、“どうにもチンプンカンプン”な論点も出てくるはずです。
何回か挑戦しても、「???」ならば、無理せず、「捨て問」にします。
「捨て問」は、「3つ」くらいなら、大丈夫です。
わたしの周りでは、「有機化合物」が全くダメという人が多かったです。
わたしは、どうにも「酸化還元反応」が「???」で、完全に捨てていました。
“どうにもならないもの”は、捨ててしまい、その分だけ、他の論点に労力と時間を割きましょう。こっちのほうが「点数可能性」が増えます。
言うまでもないですが、暗記で点が取れるようなところは、絶対に捨てないでください。
「物化」は、理系には無問題でも、文系には死活問題です。
文系は、「物化」に多くの時間と労力を割かねばなりません。
テキスト・過去問の知識問題は、「3回」は、繰り返しましょう。
計算問題は、「5回以上」は、やりましょう。
ここまでやっていれば、文系でも、一発で合格できます。
他の2科目はなんとでもなります。
文系は、「物化」を徹底攻略です。
乙4に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「危険物取扱者 乙種4類:ブログ記事」をばご参考ください。
合格体験記は、「乙種4類の合格体験記」です。
また、乙4の求人数など、資格情報をまとめた「乙4:独学資格ガイド」も、併せて、お目汚しください。
ビルメン資格に興味があるなら、「設備系資格優先順位」や「全くゼロからのビルメン資格」が役に立つかと思います。
★みんなとシェアする