乙4の独学 後編‐勉強方法「法令」

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 「危険物取扱者 乙種4類(乙4)」の独学合格を目指す人に、「法令」の勉強方法を説述する。「法令」の傾向、「捨て問」にできる論点、コツ、試験勉強のヒントを挙げる。語呂合わせページへのリンクもある。

ひとくち乙4「法令」

 危険物取扱者の乙種4類(乙4)の「法令」ですが、ちゃんと、テキストと過去問を消化すれば、まったく問題はありません。

 「法令」を苦手とする人が多いでしょうが、実は一番“落ちない科目”です。

 勉強方法ですが、ある程度、確立されているので、本ページの「捨て問OK」や「コツ‐語呂合わせ・憶え方をフル活用」くらいを目を通せば、要領がつかめるかと思います。

 基本的に、「法令」は、「暗記と記憶」だけなので、やればやるほど、実力は伸び、成績は安定します。

 たとえば、例題には、下のような問題が挙げられています。

 

 一見すると難しそうですが、ある程度、実力が付けば、どうってことのないボーナス問題です。

 たとえ、仔犬や配偶者でも、相応の時間と労力を投入すれば、「法令」は、合格点を確保できます。

 反対に言えば、「法令」で落ちる人は、単に、勉強不足なだけです。

 んなもんで、「やればいいだけ」です。

その前に・・・教材前提

 本ページで言うテキスト・過去問は、 「チャレンジライセンス 新訂版」と「乙種4類 危険物取扱者試験」 を想定しています。

 文系・理系ともども、「一番やりやすい」との評を受けています。この2冊を念頭に、読み進めてください。

 なお、他の科目の勉強方法については、「勉強方法:物化」、「勉強方法:性消」を、参考願います。

 では、以下、本編に入ります。

インデックス

  1. 法令の文系・理系
  2. 法令の勉強方法を手短に
  3. 法令の傾向
  4. 「捨て問」OKはここだ!
  5. 『コツ』‐語呂合わせ・憶え方をフル活用
  6. 「法令」のヒント1‐問題演習優先
  7. 「法令」のヒント2‐ずっとやらない
  8. 「法令」のヒント3‐難問は無視
  9. 法律用語が苦手なら
  10. まとめ・・・先問題演習が楽

法令の文系・理系

 「法令」は、ぜんぶで「約40個」の論点があります。

 んなもんで、1日当たり3個の論点を潰すとすれば、「40/3」で、「14日くらい(2週間強)」で、「法令」が終わる勘定となります。(実際はもっと早く終わります。)

 「文系」の人なら、「法令」は、先の「2週間強」で、問題ありません。

 「文系」最大の敵は、「物化」なので、「法令」はざっくり済ませて、「物化」に時間と労力を割いてください。

 「文系」は、「物化」優先の方が、“絶対に”合格が近いです。

 対して、問題なのは、「理系」の人です。

 理系の人は、もしかすると、「2週間強」では、終わらないときがあります。

 「法令」は、数字や語句をひたすら憶えるだけなので、「理系」の人は、手間と時間をかなり食います。

 理系の人は、ひとまず、「危険物取扱者 乙種4類(乙4)の公式過去問+解説」で、「法令」を数問偵察して、「困難度(やばさ)」を把握してください。

 例題を見てみて、(こんなん、ふつうじゃない)といった感想なら、「法令」は、特に、意識する必要はないです。

 しかし、(なにこれ?こんなことやるの?!)的に、困惑してしまったなら、「法令」に、多めの時間を割きましょう。

 「理系」の人は、「法令」で足切りにかかって不合格となるケースが「大」です。

 「理系」の場合、「法令」が難所となるので、時間に余裕を見ておく(危機感を持っておく)のが賢明です。

法令の傾向

 「法令」の昨今の傾向からすると、定番論点・頻出論点だけに絞る勉強は、危険です。

 というのも、テキストの主要論点が満遍なく出題されているからです。

 また、公式の例題(過去問)でも、あまり出題実績のない「予防規定」や「監督処分」がちらほらと顔を出しています。

 参考:2問:予防規定

 参考:8問:許可の取消

 こんな次第で、優先する論点は、「ない」といった塩梅で、すべての論点を、見ておくことになります

 テキストを満遍なく読み込んで、主要な数字やキーワードを憶えていきましょう。

 また、過去問でも、一通りすべての論点を、つまり、あまり出題のない論点でも、問題演習をしておく必要があります。

「捨て問」OKはここだ!

 先に、「満遍なく勉強せよ」といいましたが、合格基準は「6割」なので、全部が全部を、完璧に仕上げる必要はないです。

 で、論点の中には、費用対効果の悪いものもあるので、本来ならやるべきですが、時間に余裕がないとか面倒とかなら、「捨て問」もOKです。

 んで、「捨て問」可能なところは…、

 ・消火設備

 ・警報設備

 ・危険物保安統括管理者

 …です。

 これら3つの論点は、手が回らないなら「捨て問」とします。

 テキストの該当ページには、「捨てる」と、メモしておくとよいでしょう。

 まずもって、「消火設備」と「警報設備」は、細々した規定が多く、難問率が高めです。

 たとえば、例題には、下のような問題が挙げられています。

 

 わたしは、消防設備士の免状がありますが、(アレレ?)となって、解けませんでした。

 「消防設備士」の合格者ですら、「???」となる「消火設備」と「警報設備」は、「捨て問」でよいでしょう。

 次に、「危険物保安統括管理者」ですが、巨大施設(石油タンクとか製油所とか)が対象なので、一般の危険物取扱者とは、そう縁がなく、本試験でもそんなに出ません。

 しかも、「危険物保安統括管理者」の資格要件に、危険物の免状がないため、殊更に、関係がないです。

 よって、「危険物保安統括管理者」も、捨ててOKです。

 なお、似たような論点に、「危険物保安監督者」や「危険物施設保安員」がありますが、これらは、絶対に捨ててはダメです!

 先の2つは、就任要件に危険物の免状が関係しており、試験問題にしやすく、また、“わたしたち”も、合格後に、なる可能性があるので、実に、よく問われます。

 しかも、「ひっかけ」問題の頻出地帯でもあるので、到底、捨てることのできない論点です。

 まとめると、「危険物保安統括管理者」は「捨て問」ですが、「危険物保安監督者」や「危険物施設保安員」は、絶対に捨ててはいけません。

法令の勉強方法を手短に

 「法令」の1個1個の論点は、ボリュームがそうありません。

 一概には言えませんが、論点1つ当たりは、だいたい4~5ページなので、「15~20分」くらいで、終わってしまいます。

 よって、通勤・通学時などの細切れ時間を、最大限に活用すべきです。

 また、ボリュームが少ないので、短期間・短時間で、数多く勉強すると、効率がいいです。

 たとえば、夜寝る前に、テキストを手にして、論点を1つ済ませるといった感じです。

 ちなみに、わたしは、通勤の電車中で、「法令」のほとんどを、済ませました。

 後述する「ヒント」でも述べていますが、長時間、「法令」のような暗記主体の勉強をすると、脳が腐るので、「短時間の勉強を数多く」をモットーに進めてみてください。

法令の『コツ』・・・語呂合わせ・憶え方をフルに活用

 法令の『コツ』ですが、端的に言うと、手前味噌ながら、ブログの「危険物・乙4‐法令の投稿記事」で、先に、試験に出るところやポイント、語呂合わせ・憶え方を、ざっと押える、といった寸法です。

 たとえば、頻出論点の「指定数量」ですが、「指定数量の伝説的憶え方」や「指定数量の計算のコツ」で解き方を憶えれば、公式過去問の「3問:指定数量と危険物当て」くらいは、スグに解けます。

 続く公式過去問の「4問:保安距離」も、「保安距離と保有空地は「語呂暗記」でセットで憶える」で、スンナリ解けるといった次第です。

 先のブログ記事は、わたしが受験生のときに愛用したものです。いまでも、「乙4の主要な語呂合わせのまとめ」などは、かなり有効かと思います。

 また、「まとめ」的な記事もあります。「「危険物・乙4‐法令:基準タグの投稿記事」の方も、のぞいて見てください。

 試験勉強序盤は、右も左も分からないでしょうが、上記記事を見ながら、(あー、ここが出るのね)とか、(ここは、こう憶えるんだ)的に、テキストの各論点をチェックしたり、語呂をメモっていってください。

 「楽」できるところは、「楽」をしましょう。

 んでは、「法令」の勉強を進める上での「ヒント」を、3つばかり見ていきましょう。

「法令」のヒント1‐問題演習優先

 第1のヒントですが、法令の『コツ』は、「問題演習」です。

 序盤・中盤にかけては、テキストを読むよりも、問題をたくさん解いてください。

 ぶっちゃけ、問題演習の方が、頭に残ります。

 また、バリバリ問題を解くことで、多くの論点を短時間で消化できます。

 テキストの精読は、ある程度、問題演習で力を付けてからにしてください。

 「先:問題演習、後:テキスト精読」の方が、効率がいいです。

「法令」のヒント2‐ずっとやらない

 次のヒントですが、『ずっとやらない』ようにしてください。

 法令は暗記事項が多いですが、覚える作業を何時間も続けても、頭がパンクするだけです。

 勉強のし過ぎで、勉強がイヤになって挫折してしまうと、元も子もありません。

 法令の勉強は、一時にドンとやるよりも、「細々とした短い時間で、数多く勉強する」のがコツです。

 通勤・通学時や、銀行等の待ち時間、もう夜のお勤めのない人は、就寝前に、1~2論点を消化して行くとよいでしょう。

 「法令」の論点は、長い勉強時間をかけずとも、細切れ時間で、多くの論点を済ますことができます。

「法令」のヒント3‐難問は無視

 本試験の「法令」では、おおむね2~3問は、難問や奇問の類が出題されます。

 公式過去問を例に取れば、「5問:消火設備」や「6問:屋内タンク貯蔵所」などは、誰もまともに解けないでしょう。

 本試験では、こういう問題に、拘泥してはいけません。

 合格者でも解けないので、ラッキーナンバーをマークして、他の問題に進みましょう。時間を無駄にしないようにしてください。

 「合格基準」は「6割正解(9問正解)」なので、2~3問解けなくても、まったく支障はありません。

法律用語が苦手なら

 ところで、「法令」ですが、基本的な法律用語に慣れていないために、余計に苦手にしている人が多いはずです。わたしもそうでした。

 そこで、「法律用語のコツ」に、「及び(および)」と「並びに(ならびに)」や、「または」と「もしくは」など、混同しやすい法律用語をまとめているので、参考してみてください。

 特に、読んでおいてほしいのが、「以下・以上・未満・超える」です。

 「含むか、含まないか」は、法令で頻出論点です。一度は目を通して、使い方をチェックです。

まとめ・・・先問題演習が楽

 「法令」ですが、法律の初学者からすると、凄く難しそうですが、実体たるや、単なる「暗記と記憶」です。

 試験勉強では、考えることなどほとんどなく、ただただ、法の規定と数字とを、憶えていくだけです。

 やることは全く難しくないので、気負わず臨んでください。

 さて、「法令」ですが、先に述べたように、「問題演習」を中心にやってみてください。

 テキストの練習問題と、過去問とを、「3回」も繰り返せば、かなり、実力が付きます。

 ある程度の実力が付いてから、テキストの精読に進んでください。

 テキストの精読を先にすると、どこを憶えたらいいかがわからないので、メンドウです。

 先述したように、「問題演習を先。テキストは後から」の方が効率的で、記憶のノリもいいと思います。

 なにより、『楽』です。

乙4のこまごました試験情報

 乙4に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「危険物取扱者 乙種4類:ブログ記事」をばご参考ください。

 合格体験記は、「乙種4類の合格体験記」です。

 また、乙4の求人数など、資格情報をまとめた「乙4:独学資格ガイド」も、併せて、お目汚しください。

 ビルメン資格に興味があるなら、「設備系資格優先順位」や「全くゼロからのビルメン資格」が役に立つかと思います。

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