危険物取扱者 丙種の独学

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 危険物取扱者 丙種の独学に必要なことを最小限にまとめています。合格率、勉強方法、独学向け教材について。丙種の危険物の対象は「6個」だが、ガソリン・灯油・軽油・重油の4危険物がボリュームの大半を占める。丙種は「受かりやすい」が、勉強そのものは乙4レベルである。おまけに、「丙種よりも乙4」を併せて説述。

丙種の合格率と独学可否、合格基準

 結論から言うと、丙種は、独学でもじゅうぶんに取れます。

 試験そのものが受かりやすい“作り”のため、後述する勉強方法を採れば、穏当に試験には受かります。加えて、市販教材も充実しているので、独学で困ることはないはずです。

 また、文系でも、独学合格は可能です。

 ガチ文系のわたしは、まずは、丙種から勉強を始めました。んで、丙種と同時に乙種4類を受け、次いで、乙種全類→甲種と受けて、運よく、全部、独学で取れました。

 危険物取扱者は「理系資格」ですが、文系でもぜんぜんに取れる資格となっています。

 

 なお、合格率ですが、過去6年の平均は「49.6%」で、直近のH29は「50.7%」でした。なお、前々年のH28が「48.7%」だったので、わずかながら改善しています。多少でも、取りやすいうちに、挑戦するとよいでしょう。

 参考:危険物取扱者 丙種の合格率と挫折率

 ところで、独学向けの教材ですが、丙種は「チャレンジライセンス 丙種危険物取扱者テキスト 新訂版」を使えば、支障ありません。わたしは、これ1冊で合格できたので、セミナーや講習会等を受ける必要はありません。

 最後に、「難化」について、述べておきます。

 丙種は、乙種や甲種と比べると、言うほど難しくなっていません。

 まあ、例題(公式の過去問)のように、「9問:第4種消火設備」や「21問:軽油」といった難問も出ますが、目くらましみたいなものなので、「難化」を心配する必要はないです。おおむね、例年通りの出題です。

 こうした次第で、丙種は、市販のテキストを2~3回精読し、掲載問題を2~3回解いていれば、まず間違いなく、『合格』です。丙種は、『数』で受かるので、『回数』を目処にして、勉強してください。

 なお、念のために言っておきますが、「危険物」の試験だからといって、試験勉強や本試験で、ガソリンなどを取り扱うことはありません。

 本試験は「ペーパー試験」で、試験勉強は「紙の上」の作業なので、危ない作業は皆無です。なお、危険物取扱者は、地味に「総務系資格」です。事務系の人も、安心して挑戦してください。

「7月」に、申込可能な都道府県

 試験は、ぶっちゃけ、何とでもなります。やれば受かる試験です。

 (受けようかな)と悩んでいるなら、さっさと申し込んで、気持ちに踏ん切りをつけましょう。で、当月に申込可能な都道府県は…、

  北海道青森宮城

  茨城東京神奈川

  新潟石川(ギリギリ)、

  滋賀奈良

 …となっています。PDFの願書は、上記のリンク先のページで配布されています。

 なお、危険物取扱者試験は、“越境受験”が可能なので、近県に受けに行くことも可能です。

公式の過去問について

 試験主催者のWebサイトには、「例題:過去に出題された問題」が掲載されています。

 当該例題には、問題と解答はあるのですが、「解説」がありません。そこで、手前味噌ながら解説を付与しました。

 解説付きの全問を、「危険物取扱者 丙種の公式過去問+解説インデックス」に挙げているので、問題演習の数を稼いでください。

重要!‐受験手数料の改定について。

 平成30年の後期試験より、受験手数料が値上げされます。丙種は、2,700円から「\3,600円」に改定されています。

 申込みの際は、願書をよく読んで、改定後の「\3,600円」を振り込んでください。

絶対把握・合格基準

 重要な「合格基準」について、述べます。ここを間違えると不合格一直線なので、必ず頭に入れてください。

 丙種を含め、危険物取扱者試験の合格基準は、「試験科目ごと」に「それぞれ60%以上」の正解、となっています。

 丙種の試験科目は、「法令(10問)」「燃焼(5問)」「性消(10問)」の3科目です。で、合格するには、当該3科目個々に、6割の正解を出さねばなりません。

 つまり、法令では6問、燃焼では3問、性消では6問を、それぞれ正解していないと落ちる、ってな次第です。

 「総合得点の6割」ではないので、勘違いは厳禁です。

 たとえば、法令で10問で性消で10問正解したが、燃焼が1点だと不合格、ってな次第です。

 丙種では、試験科目すべてを満遍なく勉強して、3科目の個々で合格基準の6割を満たす必要があるので、注意してください。本当によく間違えるところです。

「カンタン」じゃなくて「受かりやすい」

 結論から言うと、丙種の学習内容は、ほぼ「乙種4類(乙4)」レベルであり、決して簡単な内容ではありません。

 それなのに、丙種の合格率が50%近くあるのは、試験そのものの作りが「受かりやすい」からです。

 試験形式は「4択」で、選択肢には、頻出・定番のものが多く、加えて、「考えたら知識ゼロでも点が取れる問題(常識問題)」が多数出題されるので、合格点の6割を確保しやすい、といった塩梅です。

ほぼ毎回同じもの

 まず、丙種試験では、毎回、繰り返し問われる問題(論点)が多いです。

 たとえば、「静電気」や「引火点・発火点」などですが、これらは、“変えられることなく、ほぼそのまんま”で出題されるので、ちょっとでも問題を解いていると、たちまち、選択肢の数個を判別できるようになります。

4択なので確率で正解

 そして、丙種試験は、「4択」試験です。

 1問につき、選択肢が4つしかないので、選択肢の1~2つをつぶせたら、後は「高確率」で、正解となります。こんな次第で、丙種は、“確率的に点数が取れる試験”となっています。

普通に考えればOKな問題

 加えて、「常識問題」の存在も大きいです。

 丙種には、少し頭を働かせば点の取れる「常識問題」が多く、当該常識問題で、点数の底上げが可能なのです。

 たとえば、「危険物を焼却処分するときは、一気に燃やせるように、風の強い日を選ぶ」とか、「重油が燃えると有毒ガスが発生する」、「動植物油脂は水と混じりあう」とかです。

 風の強い日に燃やすのはヤバイでしょってな次第ですし、重油の燃焼で有毒ガス発生なら重油ストーブや油焚きボイラーは危なくて使えねえじゃんってな塩梅で、油と水は混ざらないだろ!的な次第で、知識ゼロでも点の取れる問題がある、といった寸法です。

 丙種の本試験問題はかくの如しで、他の資格試験と比較しても、格段に、受かりやすい試験となっています。

 丙種の勉強内容は、レベル的には、「乙種4類」なのですが、こうした「受かりやすい作り」のため、高い合格率となっています。

ガチ文系でも大丈夫

 危険物取扱者の丙種は、理系資格ですが、数式や化学式、モル計算といった理系的な出題はありません。

 丙種は、基本、暗記と記憶の試験ですので、ガチ文系でも十分に取得できる資格です。

 当方、ガチ文系で理数系資格に強い苦手意識がありましたが、ふたを開けてみれば、100%で通っていたので、後述する教材を消化できていれば、丙種の独学に問題ありません。

 

独学向け教材

 使用教材の詳細については、「丙種のテキスト・問題集レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 「チャレンジライセンス 丙種危険物取扱者テキスト 新訂版」を使えばよいでしょう。

 当該テキストには問題も多々掲載されているので、本書1冊で十分です。安いし。

 ところで、クレカ嫌いでコンビニ支払いの人は、1~2%の割引きがある「Amazonギフト券(チャージタイプ)」を推薦します。クレカのキャッシュバックを享受できます。

勉強時間-1週間から1ヶ月

 丙種の合格だけを考えたらなら、「1週間」で合格圏に到達できます。

 強行軍の試験勉強がイヤなら、「2週間」を、あまり勉強時間が取れないなら、「3週間」を見ておけば、必要十分です。

 ただ、乙4取得を視野に入れているなら、「1ヶ月」くらいを見ておいて、じっくり取り組むのが賢明です。

 丙種で勉強する論点は、そっくりそのまま乙4でも問われるので、丙種でがんばっておくと、乙4のときにかなり楽ができます。

 「先憂後楽」が性に合う方は、時間を大目にとった丙種の試験勉強で、乙4の論点をつぶしておくとよいでしょう。

難易度

 合格だけを言えば、難易度は「低い」です。

 ただ、「低い」とはいえ、丙種の勉強内容が容易なわけではなく、「本試験の作り」が「受かりやすい」ので「難易度が低い」だけです。

 合格率は50%ですが、反対に言えば、半数は落ちているわけで、決して「NO勉強」で受かる試験ではありません。

 まあ、勉強すれば、まず受かります。そして、“多少は”勉強しておかないと、受かりません。丙種に落ちる人は、勉強してない人です。

勉強方法‐法令

 丙種の法令は「10問」出ます。

 ほとんどが「ゼロ」からの勉強になるので、丙種で一番“メンドウ”です。

 「法令」の第1のコツは、「一気にやらない、少しずつ」です。

 「法令」の、あの堅苦しい文章は、読めたものではありません。一気に読まず、時間を区切って、少しずつ、目を通していきます。だらっと読むくらいが丁度いいです。

 第2のコツは、「理解は、後回し」です。

 「法令」では、正直、何が書かれているのか、よくわからないことが多いです。わたしもそうでした。

 しかし、試験は、「暗記と記憶」さえできていれば、「点」は取れます。

 多少、内容が不明でも、“そのようなもの”として、覚えてしまってください。

 ところで、法律の初学者によくある「間違い」ですが、条文をまともに理解しようとしてはいけません。

 わたしたちは、弁護士を目指しているわけではありません。

 ある条文を“本気で”理解しようとすると、背後にある判例や規則まで押える羽目になります。膨大な手間を食うので、疲れるだけです。

 端的に言うと、そう書かれているものを、「憶えるだけ」が「法令」の勉強です。

 第3のコツは、「問題演習」です。

 ぶっちゃけ言うと、丙種の法令は、テキストを読む以上に、問題演習のほうが“点数が伸びます”。

 本試験では、同じような内容が、同じような形式で問われるので、そういう定番問題・頻出問題を解く方が確実に「点」になります。

 テキストを読んでも、苦痛ばかりなら、いっそのこと、問題ばかり解いてみてください。

 問題演習をみっちりやった後で、テキストに戻っても、支障ありません。

 最終的に、テキストを2~3回読んで、問題を2~3回繰り返しておけば、「法令」は、じゅうぶんに合格点を確保できるはずです。

 なお、法令では、ガチ暗記すべき数字や、憶えておくとよい語呂合わせがあります。「危険物・乙4‐法令タグの投稿記事」を参考に、通勤・通学時で消化してみてください。

 最後に、法令が苦手な人は、基本的な法律用語に慣れていないのが一因でもあるので、「法律用語のコツ-それは用語感覚」以下の法律用語に目を通しておきましょう。苦手意識はだいぶ改善します。

 「または」と「もしくは」や、「及び」と「並びに」などは、実に混乱するところです。

 そして、「以下・以上・未満・超える」です。一度は目を通して、使い方をチェックしておいてください。憶え違いをしていることが多々あります。「含むか、含まないか」は、頻出論点です。

勉強方法‐燃焼

 燃焼は「5問」出題されます。

 化学っぽい試験科目ですが、実体は「憶える」だけの「知識問題」です。

 法令同様、ざっとテキストに目を通したら、問題を解いていけばいいです。

 出題もシンプルだし、定番のものが多いので、じゅうぶん、点数は取れるはずです。

 なお、「燃焼」で勉強する事は、乙4や甲種、消防設備士でも、“そこそこ”問われる内容なので、今ここで力を入れておくと、後々、“かなり”助けられるでしょう。

 一寸先は闇、転ばぬ先の杖。

 (丙種で十分!)と思っていたら、乙4や甲種、消防設備士を受験する羽目に陥ることは多々あります。

 その際、(あー、昔こんなことやったなあ)と、言えるくらいには、勉強しておきましょう。

 ま、テキストを2~3回繰り返しておけば、「燃焼」は、合格圏です。

勉強方法‐性消

 結論から言うと、「性消」も、テキストを2~3回で、まず合格圏です。

 性消の出題は、「10問」です。

 性消は、主として「ガソリン」「灯油」「軽油」と「重油」をみっちり勉強しておきます。

 これらの、引火点や発火点、燃焼範囲、色は「超重要」で、ほぼ毎回、問われているので、ガチ暗記します。

 テキストには、先のガソリン等の一覧表があるはずなので、これをマルッと憶えてしまえば、ガッツリ点が取れます。

 まあ、性消は、何気に、面白い論点なので、試験勉強はそう苦ではないかと思います。

 当方、なぜドイツやソ連の戦車は燃えやすいガソリンエンジンなのか不思議に思っていましたが、ガソリンの引火点はマイナス40度であることを知り、極寒地帯ゆえのガソリンエンジンなのだなぁと、感慨深い思いをした次第です。

 なお、性消ではこの他に、シリンダー油やギア油の「第4石油類」や、アマニ油やゴマ油の「動植物油類」もありますが、これらは、ざっとでよいです。

 丙種は、先の「ガソリン」「灯油」「軽油」と「重油」を取り扱うための資格と言ってよく、これらの4つの危険物が、最も試験に問われます。

 これらの4つ以外は、実務上そう出番がないので、それ相応の問われ方だし、たとえ問われても、定番・頻出問題なので、そう難しくない、ってな次第です。

 試験勉強の比重は、「ガソリン」「灯油」「軽油」と「重油」に置いて、テキスト・問題集に当たってください。

まとめ

 うだうだと述べてきましたが、まとめです。

 端的に言うと、「丙種は、勉強すればまず受かる」です。

 で、「試験そのものが“受かりやすい”ので、多少、不勉強でも通る可能性が高い」ってな寸法です。

 先に紹介したテキスト「チャレンジライセンス 丙種危険物取扱者テキスト 新訂版」を、2~3周、繰り返せば、まず合格できます。

 試験科目は、理系っぽいですが、内容は「暗記と記憶」が大半。努力量が即、結果に現れるので、少しずつ論点を消化していけば、ガチ文系の方でも大丈夫です。

 丙種の独学次第は、ざっとこんな風です。

 ちゃんと準備をすれば、まず1回で通ります。お布施はほどほどに。

乙4に挑戦しよう

 丙種が受かったら、ぜひとも、“完全上位互換”の「乙種4類(乙4)」に挑戦してみてください。

 先述したように、丙種の学習内容は「乙4」レベルです。

 つまり、乙4の論点の多くは、丙種と被っています。つまり、丙種で「法令」や「性消」をまじめに勉強していれば、乙4での勉強負担がかなり減る、といった次第です。

 当方、丙種と乙4の勉強を並行していましたが、丙種でやることのほとんどが乙4に直結しているので、乙4の負担はそうありませんでした。特に、法令は見事なほどの“被り様”で、乙4では実に楽ができました。

 資格の価値は、絶対に、「乙4」のほうが高いです。(立合いの可否は、かなり大きいです。)

 丙種合格後は、記憶が新しいうちに、乙4まで取ってしまいましょう。

丙種か? 乙4か?

 最後に、「丙種」を受けるか「乙4」を受けるか迷っている方へ。

 資格の価値を考えるなら、「乙4」です。

 しかし、丙種も、「乙4の肩慣らし」的に、受けるのも捨て難い選択肢です。

 ちなみに、わたしは、丙種と乙4を同時受験しました。(午前:乙4、午後:丙種といった感じで受けました。)

 初の化学系資格への挑戦だったので、『保険』が欲しかったわけです。結果的に、丙種・乙4ともに受かりましたが、丙種を受けて損はなかったと思っています。

 というのも、先述したように、丙種の勉強は、多くが乙4と被っているので、乙4の負担がかなり減りました。(まあ、「物化」の化学式や燃焼式で白目を剥きましたが。)

 本試験まで、時間が取れないなら、「丙種」で、乙4の“肩慣らし”的に勉強するとよいでしょう。

 んで、時間が取れるようになったら、乙4に挑戦します。

 しかし、2~3ヶ月程度の時間が取れるなら、「乙4」です。

 基本的に、「乙4」は、「難化」しているとはいえ、きちんとテキストと過去問を消化すれば、独学合格できる資格です。

 参考:乙種4類の独学

 何度も言ってますが、丙種の勉強内容は、乙4とそう変わりません。乙4だからといって、極端に難しくなるわけではありません。

 多少不安があっても、直に、乙4に挑戦する方が、時間的・労力的・費用的にも、よいかと思います。

危険物取扱者のこまごましたもの

 危険物取扱者に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「危険物取扱者:ブログ記事」をばご参考ください。

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