独学資格ガイド

危険物取扱者:甲種

(きけんぶつとりあつかいしゃ:こうしゅ)

資格評価:2つ星

独学可否:独学合格可能。管理人取得済み。


さくいん

危険物取扱者:甲種とは?危険物取扱者=乙種4類甲種の特権甲種と乙種全類の違い受験資格あるなら甲種受験が安上がり勉強方法などまとめ資格メモ‐試験日程・費用など


危険物取扱者 甲種とは?

 危険物取扱者 甲種とは、求人数が「平均70件前後」の資格である。

 ちなみに、乙種は「1,400件前後」、丙種が「150件前後」の求人があるので、これら2つの上級資格とはいえ、求人が多いわけではない。

 なお、ハロワ登録資格のうち、求人数TOP200には、入っている。

 求人先には、医薬品製造、化学製品製造といった製造業に加えて、乙4の絡むガソリンスタントや運送・運搬業、ビルメンテナンス、設備・施設管理からの求人が多い。

 ときおり、大学や研究所からの求人も、わずかながら、出ているときがある。

 賃金は、危険物取扱者の最上級資格とはいえ乙4とそう変わらないが、甲種持ちは責任者・管理職的な立ち位置として迎えられるのが多いためか、その分、賃金も高くなる求人がときおり見受けられる。

 ハローワーク平均求人数:70人(2018年8月調査)

 当該資格の最新データは、「ハローワーク資格別求人数データ」にあります。

 ところで、ハロワ登録資格の求人数1位~200位は…、

 H30 資格求人数 TOP100

 H30 資格求人数 TOP101-200

 …を、参考ください。


危険物取扱者=乙種4類

 危険物取扱者には、甲乙丙の3つの種と、乙種には1から6までの類があるが、危険物取扱者とは、実質「乙種4類」と言ってもよい。

 端的に言うと、危険物取扱者の求人で求められているのは、実質的に、乙種4類だけという塩梅である。

 そのくらいに、乙種4類以外の登場は少なく、乙種2類と3類の求人がごく稀にあるが、年に1~2軒程度であり、危険物取扱者に関するほとんどの求人は乙種4類である。

 こうした需要動向は、乙種の全類が取り扱える甲種も同様で、求人票の資格欄は「甲種、または、乙種4類」と併記されており、直に「甲種のみ求む」と指定された求人はほとんどないのが実情で、研究所や大学等から、ごくまれに、甲種名指しの求人が散見されている。


甲種の特権

 甲種には、乙種や丙種にはない独自の「特権」があるが、決してすごいものではない。

 一口で言えば、「特権があることにはある」だけである。

 公式の「消防試験研究センター」を覗いてみても、「甲種を取ると、コレコレのメリットがあります!」という、積極的なPRは見られなかった。

 市販の教材を調べてみても、甲種独自の特権に触れているものはなく、“甲種取得者は即戦力として評価される”くらいのお手盛りな記述しかなかった。

 WIKIの記述をかいつまむと、甲種を取得すると、防火・防災に関係する講習義務が免除されたり、自衛官の任用資格になったりと、一般的ではない特権の存在が記されている。

 参考:危険物取扱者-Wikipedia

 このように、甲種を取ったからといって、特別な何かが得られるわけではないと考えて、穏当かと思われる。

 なお、かつては、甲種は、損害保険の代理店資格となったり、技術士の試験免除になったりしたようだが、今では廃止されているようだ。


甲種と乙種全類の違い

 「丙種」と「乙種」とでは、権限に大きな差があったが、「甲種」と「乙種」とはで、大きな違いはない。

 甲種を取得した場合、すべての危険物の取り扱いが可能になる。

 また、乙種でも、6つの類の免状をすべて取得すれば、同様に、すべての危険物を扱えるようになる。

 実務上、「甲種」と「乙種全類」とに、大差はない。

 しかし、甲種は『甲種』という独自の資格であり、乙種を全類取得したからといって、甲種に代わるものではない。

 「乙種全類」の免状と「甲種」のそれとは、交換できないわけである

 ただ、先述したように、甲種には、一般的ではないが、『特権』がある。当該特権は、「乙種全類」の免状があっても享受できない。

 違いといえばこのくらいであり、「甲種」と「乙種全類」の違いを、そう深く考えなくてもよいだろう。

 強いて違いを言えば、「本試験」の「物化」の難易度である。明らかに、甲種のほうが難しく、高校化学レベルとはいえ、文系だと卒倒する。


受験資格あるなら甲種受験が安上がり

 学歴や実務経験で受験資格を満たすなら、全危険物の免状がまとめて取れる甲種受験が絶対に合理的である。

 乙種の受験料は「4,500円」であるので、全類6つを取るには「27,000円」かかるが、甲種は「6,500円」で済む。75%オフである。

 しかし、多くの危険物の性質を憶えないといけないので、メンドクサイと思う方は、乙4のみの取得でも、就職や転職上で、大きな支障はないと思われる。

 なお、甲種の受験資格に、「乙種の1類または6類、2類または4類、3類、5類」の「4種類」があるが、個人的には、無理から甲種を受けなくてもよいように思う。

 乙種の4類以外の受験は、教材は使い回しができるし、試験科目は性消のみだから受かりやすいので、残りの2つの類に合格して、全種を扱えるようになった方が賢明かと思われる。

 わざわざ乙種を4つ取得して、そこから甲種を狙うのは、手間ひまを考えれば、言うほどの価値はないように思われる。

 まあでも、わたしは取ったのですが…。


勉強方法など

 甲種の勉強方法は、長くなったので、以下のページに…、

 甲種の独学(文系用)

 甲種の独学(理系用)

 …まとめている。

 なお、過去問については、「例題(公式過去問)+解説」を参考願いたい。


甲種まとめ

 危険物取扱者 甲種は、Cクラスとした。

 甲種自体、名指しで求められていないし、付与される特権も一般的なものではないからである。

 取得の積極的理由は、やはり、危険物全種の免状を一度の試験で取得できる点であり、乙種を全類受験する手間や時間、コストを踏まえれば、大幅に時間と労力をカットできる。

 受験資格があるなら、乙4よりも甲種で済ませた方が、あとあと“他の類を求められる可能性がある”のに備えて、取得しておくべきだろう。

 また、先述したように、防火や防災に関する何かしらの講習義務が免れたりするので、こうした理由からも、受験資格があるのなら、甲種に挑戦する意義はある。

 とはいえ、“別段、要らないよね”が実情なので、危険物取扱者の甲種は、「Cクラス」の資格とした。実需からすれば、「乙4」でじゅうぶんである。

危険物取扱者:甲種の資格メモ

 甲種に関する、一般的事柄や試験日程・日時、取得に要する費用等を、以下にまとめました。

甲種の一般事項

 甲種は、「国家資格」であり、取得者には一定の評価がある。

 甲種は「必置資格」であり、法的需要がある。(参考:必置資格とは?

 甲種は、一般には知られていないが、業界ではメジャーな資格である。

 甲種には、受験資格がある。誰でも受験できるわけではない。

甲種の試験日程・日時

 危険物取扱者試験は、都道府県ブロックで実施されるので、全国で統一された試験日等があるわけではない。

 ゆえに、本試験日は、都道府県ごとに異なり…、

 申込日も、都道府県ごとに異なるし…、

 願書の配布先も、都道府県ごとに異なることになる。

 公式を見て、試験日等を間違えないようする。

 ちなみに、願書の配布先で一番手ごろなのは、消防署である。自宅か勤務先の近くの消防署に取りに行けばよい。郵便で請求するのは切手代がもったいない。

 超蛇足だが、官公署的な建物の掲示板に、「危険物取扱者」や「消防設備士」の“試験のお知らせ”が貼られているのなら、当該建物で願書を入手できる可能性が高い。(公示しているので。)

 なお、本ページの作成時では、「消防試験研究センター」が試験主催ですが、一度は公式を見て、試験情報を確認しておいてください。

甲種のめやす取得費用

 一口で言うと、免状交付まで「15,000円前後」かかる。

 適当かつ曖昧な内訳は、以下。

 テキストは、おおむね3,000円前後。

 問題集も、おおむね3,000円前後。

 受験料は、6,500円。

 免状代が、2,800円(例年価格)。

 交通費や切手代などの雑費が2,000円。

 総計で、「15,000円前後」となる。

 教材価格参考:アマゾン-危険物取扱者:甲種

補足コンテンツ/関連リンク

 危険物取扱者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「危険物取扱者:ブログ記事」をばご参考ください。

 そのほか、「設備・メンテナンス資格の優先順位」とか、「全くゼロからの設備・メンテナンス資格スケジュール」も、参考になるかと思います。

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