危険物取扱者 甲種の独学(文系向け)‐勉強方法、合格率、勉強時間、難易度

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 危険物取扱者の甲種を、文系が独学受験する場合の勉強方法、注意事項のまとめ。文系甲種は、一口で言うと、「物化8割」。

ショートカット

 差し当たり、注意事項です。本ページは『文系向け』となっています。

 “理系”が文系の勉強をすると落ちます。理系の人は「甲種の独学(理系向け)」の方を、“必ず”参照ください。

 次に、文系の勉強方法や使用教材は、本ページ後段にある「甲種の勉強方法‐8対1対1」と「独学向け教材」を一読ください。

 例題の解説は、「甲種:過去問+解説」を参考ください。

 んでは、以下、本編に入ります。

文系甲種ひとくち

 

 結論から言うと、文系でも、甲種に独学合格できます。

 甲種の合格率は、例年『30%前半』を推移しており、後述する教材の内容をちゃんと消化すれば、独学で受かる試験です。

 なお、直近のH29の合格率は「37.3%」で、平均より高くなっています。ちなみに、前々年のH28は「33.5%」でした。

 参考:甲種合格率と挫折率

 ただ、文系の人は、文系向けの教材を使い、そして、文系の勉強方法を踏まないと、かなり危ういので注意が必要です。

 後述していますが、文系の甲種受験は、「物化8割」です。

 法令・性消は乙4に毛の生えた程度ですが、物化は、文系には「鬼門中の鬼門」となっています。

 しかも、『物化』は、年々、難化しており、高校化学レベルの内容とはいえ、卒倒します。

 解けるものは、文系でも解けます。たとえば、例題の「21問:全圧」などは、まだ対応可能です。

 しかし、「15問:燃焼」や「19問:純度」などになると、白目を剥くレベルであり、文系だとお手上げになるはずです。

 理想は、こういう問題も「解けるようになる」ことです。が、配偶者のように、そううまく、事は進みません。

 文系合格の肝は、「物化のやばさ」を、どれだけ“深く”認識しているか、です。

 「難問の2~3問は捨てるが、それ以外は全問取るくらいの勉強」を物化では執らないと、足切りで落ちます。「物化で6問取ることが、文系の最大の目標」です。

「11月」に、申込可能な都道府県

 試験は、ぶっちゃけ、何とでもなります。やれば受かる試験です。

 (受けようかな)と悩んでいるなら、さっさと申し込んで、気持ちに踏ん切りをつけましょう。で、当月に申込可能な都道府県は…、

  北海道岩手宮城山形

  茨城埼玉東京

  長野

  滋賀大阪兵庫

  高知

  佐賀

 …となっています。PDFの願書は、上記のリンク先のページで配布されています。

 なお、危険物取扱者試験は、“越境受験”が可能なので、近県に受けに行くことも可能です。

公式の過去問について

 試験主催者のWebサイトには、「例題:過去に出題された問題」が掲載されています。

 当該例題には、問題と解答はあるのですが、「解説」がありません。そこで、手前味噌ながら解説を付与しました。

 「危険物取扱者 甲種の公式過去問+解説インデックス」に全問を挙げているので、問題演習の数を稼いでください。

独学向け教材

 文系の甲種教材については「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 過去問は「甲種危険物取扱者試験」を…、

 そして、物化が超絶苦手な人は「甲種危険物受験の為の わかりやすい物理・化学 」を使ってください。

 基本的に、テキストと問題集は、乙種のを再利用します。

 

 おおむね、文系で甲種を受験する人は、わたしのように、受験資格が「4種類(※)」のはずです。テキストと問題集は、「お古」で十分です。わたしは、使い古しのテキストと問題集でざっくり復習し、ほいで、過去問を新たに買ったのですが、これで、9割取れてました。

 

 ところで、昔の教材を捨ててしまった人は、テキストには、ド定番の「わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験」を使います。問題集は、過去問で代用できるので要りません。

 なお、過去問の「甲種危険物取扱者試験」は、文系の必須教材ですので、必ず購入ください。

 ※ 受験資格の「4種類」とは、乙種の「1類または6類」「2類または4類」「3類」「5類」といった感じに、乙種を4つ持っていることを指します。

甲種の勉強方法‐8対1対1。

 まず、脳に刻んでください。文系にとって、甲種試験とは、物化の試験である、と。

 皆さんが、試験勉強で最優先すべきは、「物化」です。物化さえ、合格点の6割(10問中の6問)を取れたら合格できます。

 試験勉強の割合を言うと、「物化8割、性消1割、法令1割」です。

 「法令」は、ぶっちゃけ、乙4の焼き直しであり、文系なら、まったく問題ではありません。

 次に「性消」ですが、これも、問題ではありません。

 というのも、文系はおおむね「4種類」の受験資格で受けるので、「性消」の6つの類のうち、4つが既に終わっているからで、新たに勉強することは少なく、試験勉強の負担はそうありません。

 加えて、出題数の事情から、問題の難易度は、乙種より「やさしい(点が取りやすい)」ものになっており、乙種と同じような勉強をすれば、まず、合格点は確保できます。

 参考:甲種の性消は、乙種より点数が取りやすい

 こんな次第で、文系にとっては、「法令」と「性消」は、ほとんど問題ではない、といった塩梅です。

 ちなみに、わたしが受験したときは、性消・法令とも9割取れていたので、文系なら、乙種の勉強の延長で、じゅうぶん合格点は取れると思います。

地獄の物化

 さて、(なんだか文系でもいけそう)と考えた人を、奈落の底に落としたいと思います。

 甲種は、「法令」や「性消」の負担が少ない分、それだけ、「物化」がとんでもないことになっています。

 甲種の「物化」は、乙種のそれとは比較にならないほど、難しくなっており、先も述べたように、「文系は、物化が8割」です。

 断言しますが、法令と性消は、多少、勉強不足でも、足切りはギリギリ免れます。が、「物化」だけは、本腰を入れないと、絶対に落ちます。

物化の難易度は、高校化学

 甲種の物化の難易度は、おおむね「高校の化学」ですが、文系にとっては『鬼門』を超えて、『鬼ヶ島本島』と化しています。

 というのも、本試験の構成は、全10問うち、知識問題が約5~6問で、計算問題が約4~5問となっているからです。

 つまり、知識問題だけで合格点を確保するのは、かなり難しく、どうしても、化学式や燃焼式などの計算問題で点を取る必要があります。

 要は、「計算問題がダメなら、試験もダメ」です。

 文系は、試験勉強のソースの多くを、当該『計算問題』に割かねばならないことを、肝に銘じてください。

物化のスタートはここ

 物化は、先も述べたように、「知識問題」と「計算問題」の2つに大別できます。

 「知識問題」は、言うなれば「暗記と記憶」の問題なので、コツコツと、テキスト・過去問を消化していけばいいです。

 問題は、後者の「計算問題」なのですが、いきなり化学式等に手を付けるのも恐怖です。

 そこで、文系の人は、おおむねテキスト等の後方にある「有機化学の基礎(有機化合物の基礎)」から、手を付けます。

 ヒドロキシ基とかカルボキシ基とかケトン体といった有機化合物の基本がわかると、化学式等の意味も掴みやすくなります。

 また、最近の傾向では、問題文に“分子式が載っていないため”に、基本的な有機化合物の知識がないと、お手上げ状態となっています。

 例題参考:15問:燃焼

 最初は無理をせず、当該有機化合物の単元で、基礎を押さえることに勤しみましょう。有機化合物の内容が頭に入れば、化学反応、酸化還元反応、燃焼、pHといった、邪悪問題・四天王に、何とか歯が立つようになります。

同種・同系の問題を“絶対に”取る!

 物化の計算問題では、「化学反応式」「熱化学方程式」「酸化還元反応」「pH(水素イオン指数)」「ボイル・シャルルの法則」「ドルトン(分圧)の法則」などが出題されています。

 気が遠くなりそうですが、あきらめてはいけません。

 本試験では、確かに、未知の問題も出ます。しかし、問題のすべてが見たことのないものではないのです。

 本試験では、時に、しばしば、過去問の数字や語句を変えただけの、「同種・同系の問題」が出題されているのです。

 そう、解き方は“大きく”変わっていないため、過去問で解き方さえ押えていれば、穏当に正解できる、といった次第です。

 思い出してください。わたしたちは、すべての計算問題に正解する必要はないのです。

 「6問正解」が文系の目標です。知識問題で4問正解し、残る2問を、計算問題からもぎ取ればいいだけの話です。

 先に紹介した過去問の「甲種危険物取扱者試験」に出てくる計算問題は、極力、すべて解けるようになっておきましょう。そうすれば、計算問題から合否を制する“2点”を、捻出できるはずです。

物化の克服を最優先する

 甲種の物化は、こういった次第で、化学がド苦手な人は、つまり…、

 化学式が何を現しているのかわからない人…、

 元素記号すら定かでない人、「-OH…あだち充の新連載?」的な人…、

 常用対数の計算や、mol計算が???の人は…、

 化学の克服が、最重要課題となってきます。

 しかし、化学を勉強しないとダメとはいえ、いまさら、高校の化学の教科書を買って読むのもカッタルイです。

 そこで、先に紹介した「甲種危険物受験の為の わかりやすい物理・化学 」を使って、ゼロから勉強します。

 本書は、甲種の「物化」に絞って編まれており、非常によくまとまっています。高校化学の教科書を使うよりかは、はるかに効率がいいです。

 化学式や数式の解説も豊富で、資料もそろっているので、“ほぼゼロ”からでも、何とか勉強ができる1冊となっています。過去問を解く前の“橋渡し”として、かなり有用であります。

 とにかく、文系にとっては、「物化」の制覇こそが、甲種試験勉強です。化学がド苦手な人は、先の対策本で早め早めに、勉強してください。苦手だからと後手に回ると100%落ちます。

 ところで、化学的なことがやや大丈夫(多少は意味がわかる)なら、先の過去問「甲種危険物取扱者試験」をみっちり仕上げておけば、何とか合格点の6割は、確保できるはずです。

 本試験では、当該過去問の同種同類の問題が出るので、物化全体を「2~3回」、とりわけ、計算問題は「4~5回」やっておきましょう。

 計算問題のページには付箋を貼っておくと、ざくざく解けます。

 

 なお、先の「-OH」とはヒドロキシ基のことです。Oが主人公の名前(おっちょこちょい)、Hがヒロイン(幼馴染)で、「-」は、よく反発するけど互いに惹かれあっている風のニュアンスな、あだち充の新連載ではありません。

法令と性消‐まったりOK

 先述の「物化8割、性消1割、法令1割」のように、物化以外の科目には、時間や労力をそう割かなくて結構です。

 法令は、乙4の法令のほぼ焼き直しであり、新論点は十指に足りず、新たに勉強することは少しです。通勤・通学の際に、各論点をテキスト・過去問を“憶え直し”て、過去問を消化していけば、ほぼパーフェクトです。わたしは「93%」の正解率でした。

 なお、法令の暗記を楽にしたい人は、「危険物・乙4法令の投稿記事」をお目汚しください。乙4の内容ですが、甲種でもぜんぜん使えます。

 性消は、多くの人は、「6つの類のうち、4つ」しか勉強していないはずです。んなもんで、未学習の類から、手を付けて、勉強していきます。

 甲種だからといって、性消の傾向は変わりません。乙種のときと同じように、テキスト→問題集なり過去問で、問題演習をこなせばよいでしょう。

 こんな次第です。甲種の法令・性消は、ホント問題ではなく、乙4とちょっとばかし量が増えるくらいで、そう苦労することはないでしょう。

 だからこそ、余力はすべて、配偶者並みに厄介な「物化」に注がなくてはいけないのです。

勉強時間

 文系の人は、甲種の勉強に「3~4ヶ月」を見ておくとよいでしょう。

 内訳は…、

 法令は、「1週間~2週間」もあればOKです。

 性消は、未学習の類は「2週間」です。学習済みは「1週間」もあれば大丈夫でしょう。

 つまり、性消は、「未学習2つ×2週間」の「4週間」と、「既学習4つの1週間」の「4週間」を足した「8週間」を見ておきます。

 対して、物化は、「1~2ヶ月」を見ておきます。

 こんな次第で、「3~4ヶ月」くらい見ておけば、十分な試験勉強時間となりますが、結局は、「物化」の出来次第です。

 まったく「物化」がダメなら、長引きますし、サクサクできたなら、短くなります。

 加えて、「法令」「性消」も、合格点を確保するだけなら、もっと短時間で済みます。

 おおむね「3~4ヶ月」ですが、個人差もあるので、取り敢えずの目安にしてください。

 繰り返しますが、ホント、文系は「物化次第」です。

まとめ

 文系が甲種受験する際のまとめです。

 文系は、「物化」を最優先します。つまり、「法令」や「性消」は後回しです。物化ができないと、いくら当該2科目ができても意味がないからです。

 文系の人が落ちるのは、「物化」で合格点が取れないからで、反対に、「法令」や「性消」がダメで落ちている人はほとんどいないと思われます。徹底して「物化」です。

 物化がド苦手な人は、物化対策本で、少しずつ勉強してください。

 物化に耐性のある人は、テキスト・過去問等は、「有機化合物の基礎」から始めると、支障がないでしょう。

 教材は、テキスト・問題集は「お古」で、過去問は「甲種危険物取扱者試験」で、物化対策に「甲種危険物受験の為の わかりやすい物理・化学 」を利用します。

 なお、昔の教材を捨てた人は、ド定番のテキスト「わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験」を使います。問題集は過去問で代用できるので無用です。

 過去問は、物化をみっちり「2~3回」、特に計算問題は「4~5回」解きます。

 ここまでしておけば、合格点は確保できるはずです。

こまごましたもの

 甲種のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「危険物・甲種の投稿記事 」で、ヒマな時間を潰してください。

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