乙1公式過去問解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第32問は、塩素酸カリウムを問う問題です。塩素酸カリウムは第1類危険物の筆頭のため、つまり、一番要注意な危険物という塩梅で、本試験にてよく問われる危険物です。当該問題の選択肢は、塩素酸カリウムの基礎・基本事項なので、全部マルッと憶えておきます。そのほかの細かいところも、押さえておきます。受かる受験生なら、間違いなく取る問題です。

32問‐塩素酸カリウム

 

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難易度コメント+こたえ

 本問のレベルは「やさしい」です。

 テキストと過去問を繰り返していたら、穏当に解けるはずです。

 どの選択肢も判別できるようになっておきましょう。

 本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。

選択肢1

 選択肢1の「無色の結晶」うんぬんですが、まさにその通りです。

 塩素酸カリウムは、光沢のある無色の結晶です。

 従って、本選択肢は「○」です。

 ちなみに、第1類の危険物の多くは、「無色」です。

 時間に余裕のない人は、とりあえず「無色」と、憶えておくとよいでしょう。

 んで、余裕が生まれたら、有色の危険物を、たとえば、過酸化カリウム:オレンジ色の粉末とか、過マンガン酸カリウム:濃い赤紫色の結晶等々を、個別的に押さえていきます。

選択肢2

 選択肢2の「熱水によく溶け、冷水にはわずかに溶ける」云々ですが、この通りです。

 従って、本選択肢は「○」です。

 塩素酸カリウムの当該性質が問われるのは、「第1類危険物の多くは、水に溶ける」からです。

 しかし、当該塩素酸カリウムは、「熱水にはよく溶け、冷水わずかしか溶けない」となっており、「目立つ特徴」なので、試験問題にしやすい、といった次第です。

 出題者の意図を踏まえつつ、論点を押えていきましょう。

 なお、お友達の「臭素酸カリウム」も、同様に、「熱水によく溶け、冷水にはわずかに溶ける」です。併せて憶えましょう。

選択肢3

 選択肢3の「加熱すると約400度で分解」云々ですが、その通りです。

 温度の400度は憶えなくてもいいですが、塩素酸カリウムは、加熱すると、「塩化カリウム」と「過塩素酸カリウム」に分解し、さらに過熱すると、「酸素」と「塩化カリウム」に分解します。

 「過塩素酸カリウム」は、同じ1類にある危険物なので、併せて憶えると手間が省けます。

 従って、本選択肢は「○」です。

選択肢4

 選択肢4の「濃硫酸と接触すると爆発」うんぬんですが、そのとおりの危険性があります。

 塩素酸カリウムは、少量の強酸(濃硫酸、濃硝酸、濃塩酸)の添加で、爆発します。

 従って、本選択肢は「○」です。

 また、塩素酸カリウムに硫酸が混ざると、危険性の高い「二酸化塩素(ClO2)」が発生し、大変危険です。

 本選択肢の「塩素酸カリウムに硫酸」は、『混合危険(混ぜてはならない)』の問題でも出るので、必ず押さえておきます。

選択肢5

 選択肢5の「少量の硫黄を加えると爆発を起こしにくくなる」云々ですが、明白に誤りです。

 本選択肢は「×」で、本問の正解となります。

 つーか、塩素酸カリウムは、強い酸化剤なので、有機物、硫化物、りん、硫黄と混合してはいけない、なぜなら、わずかな加熱・衝撃で爆発するからと、テキストに記載されているはずです。

 本選択肢は、全く逆です。本選択肢のように、硫黄と混ぜると、逆に爆発してしまいます。ドリフの志村けんがやるくらいの「ボケ」です。

 なお、「硫黄」は、第2類の危険物です。

まとめ

 本問は、「誤っているものはどれか?」の問題です。

 「誤っているもの」は、圧倒的に、選択肢の5です。

 正解:5

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過去問その他の問題

 本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。

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乙種1類過去問

 インデックス

 26問:類別の性状・・・基本中の基本。「やさしい」。

 27問:1類の貯蔵取扱・・・「やさしい」。当然。

 28問:1類の消火方法・・・「ふつう」。

 29問:亜塩素酸ナトリウム・・・「ふつう」。基本問題。

 30問:過酸化ナトリウム・・・「ふつう」。

 31問:1類の性状・・・「やさしい」。絶対取れる。

 32問:塩素酸カリウム・・・「やさしい」。

 33問:硝酸アンモニウム・・・「やさしい」。取れる問題。

 34問:過酸化ナトリウム・・・「やさしい」。

 35問:亜塩素酸ナトリウム・・・「ふつう」。

乙1アーカイブ

 旧26問(H28):消火

 旧27問(H29):水消火

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 試験科目個々の勉強方法は、「乙1の独学」をお読みください。

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