登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の「皮膚に用いる薬」の総論的なことや、○×問題、頻出事項のまとめ。試験のポイントやコツなど。過去問も例題として挙げる。
第10節「皮膚に用いる薬」は、結論から言うと、臨機応変にやるところです。
当該「皮膚に用いる薬」は、都道府県によって、出題数に大きな違いがあります。
たとえば、旧大阪府試験では、少なくて「2問」、多くても「3~4問」くらいしか出ません。
しかし、東京や福岡では、最低でも「3問」が出題され、多いときだと、「5問」も出るときがあります。
このように、本節の出題は「約2~5問」と、かなりの『幅』のあるので、受験予定の都道府県の出題状況を把握することが重要です。
各都道府県の公式ページから、PDFの過去問をダウンロードしてきて、当該「皮膚に用いる薬」の出題数を確かめてください。
出題数が「多い」のなら、本腰を入れます。
出題数が「少ない」のなら、出るところやメイン成分のみやって、枝葉末節の成分は捨ててしまいます。
あまり出ないのに一生懸命にやる必要はありません。反対に、よく出るのなら、しっかり勉強しておくほうが点が稼げます。
当方の受験地は、あまり出ない大阪府だったので、当該「皮膚に用いる薬」は、あまり勉強しませんでした。試験前日になって、(アレレ、こんなんあった?)的な状態でしたが、それでも受かっております。
では、「医薬品」の第10節「皮膚に用いる薬」の各成分へのリンクです。
結論から言うと、時間のない人は、「使用上の注意」と「受診勧奨・常識問題」に尽力します。
当該2論点は、最も費用対効果が高いからです。
逆を言えば、「個々の成分」は、割が合わない、といった寸法です。
先の2つ「使用上の注意」と「受診勧奨・常識問題」は、憶えることが少ないので、ここだけやっておくだけで、「皮膚に用いる薬」のうち、最低「1点」を取ることができます。
対して、個々の成分は、そこそこに分量が多いので、時間と手間を食います。
試験まで時間がないなら、最悪は捨ててしまって、風邪薬などの頻出成分を消化するほうが、最終的な点は高くなるでしょう。
時間がないときは、「捨て問」といいましたが、できるだけやっておきたいのが、頻出成分の「殺菌消毒成分」「ステロイド性抗炎症成分」「非ステロイド性抗炎症成分」「毛髪・毛根薬」です。
これらをやっておけば、少なくとも「1~2点」は上乗せできるはずです。
特に、狙い目なのは、「毛髪・毛根薬」です。
おおむね「3回に1回」試験に出題される成分なのですが、手引きでの記述は、1~2ページくらいしかないです。
んなもんで、少ない手間ながら、「33%」の期待率で「1点」が狙えます。
正直、捨ててもよいのは、「抗菌成分」「抗真菌成分」「局所刺激成分」「角質軟化剤」などです。
「バシトラシン」とか「硫酸フラジオマイシン」などです。
マイナー成分のため、試験に出ることは出るのですが、そう毎回出るわけではないので、費用対効果は、良くないです。
時間に余裕がないなら、「捨て問」でも、仕方がないと言えます。
捨てた成分は、リビングで配偶者と2人きりになったときや、「メンドクサイ成分は、行きの電車の中でやる‐登録販売者」でも述べていますが、試験会場に行く電車の中などで消化するとよいでしょう。
時間に余裕のある人は、全部やりましょう。
本試験問題は、テキストを精読していれば取れるものばかりです。
合格の「保険」は、いくらあっても不足するものではありません。
当該「皮膚に用いる薬」は、「使用上の注意」が実によく出ます。
「患部を清浄にして使用する」と「入浴後に用いる」などがド頻出です。
患部が汚れていると、有効成分が浸透しません。また、入浴後だと、角質がやわらかくなって、有効成分が入りやすくなります。
試験では、「外皮用薬を適用する皮膚表面に皮脂が多く付着していると、有効成分の浸透性は高くなる」などと出ます。いうまでもなく、「×」です、
次いで、「剤形」別の注意がよく出ます。
塗り薬(軟膏剤、クリーム)は、直接手に取ると雑菌が入りやすいので、手の甲などに必要量を取ってから使用します。
試験には、先の文言が、そのまんまで出ています。
貼付剤(テープ剤、パップ剤)は、同じところに連続して貼ると、かぶれなどを生じやすくなります。
なお、パップ剤とは、パテックスとかサロンパスといった、湿布的なものです。
試験では、「貼付剤を同じ部位に連続して貼付すると、かぶれ等が生じやすくなる」などと出題されています。「○」ですね。
スプレー剤・エアゾール剤は、その強い刺激から、目の周辺や粘膜(口唇など)へは使用を避けます。凍傷を起こす可能性があるので、患部から十分に離して使用し、連続して噴きつけるのは3秒以内にするのが望ましくなっています。
試験では、「エアゾール剤は、至近距離から同じ部位に連続して噴霧することが望ましい」とか、「スプレー剤は、5秒以上、連続して噴霧することが望ましい」といった感じで出ています。両方とも、「×」です。
「使用上の注意」を目にする度に、チェックしておきましょう。
一度でも、水虫のお世話になった人はすぐわかりますが、そう出ない人は、以下のことをきっちり押さえておく必要があります。
じゅくじゅくと湿潤(しつじゅん)している水虫には、軟膏・クリームが適しています。
皮膚が厚くて角質化しているところは、液剤が適しています。
上記の薬剤の違いは、1問丸々で出題されたことがあるので、憶えておくべきです。選択肢の1つとしても、頻出です。
んで、次の頻出論点は、「湿疹と水虫の初期症状は似ていることが多く、湿疹か皮膚糸状菌による皮膚感染がはっきりしない場合は、症状の悪化を招くことがあるので、水虫薬の使用は不適切」です。
本試験では、「湿疹か皮膚糸状菌による皮膚感染かはっきりしない場合には、抗真菌成分が配合された医薬品が第一選択薬として使用される」などと出題されます。
はっきりしない場合は、抗真菌成分の入った水虫薬の使用は不適切です。よって、「×」です。
まず、よくある「○○日間使って症状の改善が見られないとき」から見ていきます。
水虫の薬は、「2週間」使っても改善しないときは、他の病気か真菌類が耐性を持ったと考えられます。
んで、水虫以外の外皮用薬(殺菌消毒薬や筋肉痛の薬、にきびの薬など)は、「5~6日」使用しても改善ないときは、医療機関を受診する、となっています。
「水虫薬(2週間)」と「水虫薬以外(5~6日)」で憶えるのが一番楽かと思います。
なお、頭皮・毛根用薬には、上記のような「○○日間使っても」は、ありませんでした。
殺菌消毒薬の使用は、出血が止まらないとき・出血が著しいとき・患部が広範囲のとき・ひどいやけどの場合は、事態を悪化させるおそれがあります。
よって、上記の状態の場合は、「受診勧奨」です。
次に、「低温火傷」は、表面上は軽そうでも、組織の深部が痛んでいるときがあるので、「受診勧奨」です。
殺菌消毒薬を連続使用すると、皮膚常在菌が少なくなって、かえって治癒しにくくなったり、状態を悪化させたりします。
出題例は、「殺菌消毒薬を連用すると、皮膚常在菌が活発になり、傷の治りがよくなる」とか、「患部が広範囲のときやひどいやけどには、速やかに殺菌消毒薬を使用する」などです。
当然、両方とも「×」です。
このあたりは、実によく出ます。テキストを精読しておきましょう。
抗炎症・鎮痒・鎮痛成分ですが、「慢性」がキーワードです。
慢性の湿疹や皮膚炎、症状が広範囲のときは、他の病気や疾患の可能性があるので、「受診勧奨」です。
試験では、「ヒドロコルチゾンは、慢性的な炎症の抑制や、痒みや発赤などの皮膚症状を抑える」といった感じで出題されています。当然「×」です。
アトピー性皮膚炎は、医師による専門の診断が必要であり、一般用医薬品では対処できません。
原因がはっきりしない痒みや痛みを、一般用医薬品で安易に緩和することは、不適切です。「受診勧奨」です。
著しい痛みや長引く痛み、脱臼や骨折が疑われる場合は、「受診勧奨」です。
「いぼ」については、「医薬品」のみが認められています。
「たこ」や「うおのめ」には、配合成分や濃度が一定の範囲のものは、「医薬部外品」として扱われます。
「いぼ」が広範囲に生じている場合や、外陰部や肛門周辺に生じた場合は、「受診勧奨」です。
上述の論点は、「福岡県 R3 第93問」や「広島県 R4 午後第31問」で、出題実績があります。
過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、テキストを精読しておきましょう。
患部が広範囲なときや患部の温潤やただれがひどいときは、「受診勧奨」です。
問題文を読んで、一般用医薬品では対処できそうにないときは、ほぼ「受診勧奨」です。
水虫薬を使ったことのある人なら、大丈夫ですが、そうでない人に述べ置きます。
水虫薬は刺激が強いので、目や目の周辺、粘膜(口唇)、陰のうや外陰部などに使用は避けます。
陰のうや外陰部は、角質層が薄いので、水虫の原因である白癬菌は、寄生しにくくなっています。それらの湿疹等は他の病気の可能性があります。
刺激成分により、強い痛みや刺激が現れるため、湿潤、ただれ、亀裂や外傷のひどい患部には使用を避けます。
化膿しているときは、抗菌成分を含んだ外用剤を使用するなどして、化膿が治まってから使用するのが望ましい、となっています。
患部が広範囲なときは、「受診勧奨」です。
水虫で苦しんだ人には、自明の理ですが、そうでない人は、実感がわかないと思います。テキストを精読しておきましょう。
「皮膚に用いる薬」が対象とする「症状」ですが、ときたま試験に出るので、注意が必要です。
テキストには…、
「うおのめ(鶏眼)は、角質の芯が真皮に食い込んでいるので、圧迫されると痛みを感じる。」
「たこ(胼胝‐べんち)は、芯がなく、通常痛みはない。」
「いぼ(疣贅‐ゆうぜい)は、小形の良性腫瘍で、ウイルス性と老人性に大別される。ウイルス性のものは1~2年で自然寛解することが多い。」
「にきび・吹き出物は、皮膚常在菌のにきび桿菌(アクネ菌)が毛穴で増殖することにより生じる。」
「面疔(めんちょう)は、黄色ブドウ球菌などの化膿菌が毛穴から侵入し、皮脂腺・汗腺のなかで増殖して生じた吹き出物が顔面に生じたもの。」
「とびひ(伝染性膿痂疹)は、虫刺されやあせも、掻き傷から化膿菌が侵入し、爛れや水泡が生じたもの。水泡が破れて分泌液が付着すると、他の部位や他の人の皮膚に広がることがある。小児に発症しやすい。」
「みずむしは、皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌が皮膚に寄生することに起きる疾患である。」
「水虫は部位によって呼び名が変る。」
「みずむし…指の間、足底」
「ぜにたむし…胴、四肢」
「いんきんたむし…内股」
「爪白癬…爪。難治性。全身的な治療が必要。」
「しらくも…頭部。小児に多い。」
…などが記載されています。
たまに、選択肢の1つとして、顔を見せるくらいですが、基本論点ではあるし、知っておいて損もないので、押えておきましょう。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
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