36問‐H28の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第36問は、「35条」の「重要事項の説明」の問題です。正直言って、厳しい問題です。というのも、「正しいものはいくつあるか?」という問題だからです。選択肢の全てを完答しなければならず、そのうえ、選択肢の1つがとても手ごわいです。その他の選択肢も、そこそこ難しいため、正解は厳しいです。できることは、基本事項をシッカリ復習するだけです。

36問‐35条問題

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「難」です。

 ほとんどの受験生は、選択肢のいくつかは判別できますが、完答はできないはずです。

 難しいものには拘泥せず、基本的な論点を、押えていってください。

 本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。

解説

 本問は、「正しいものがいくつあるか?」を問う出題です。

 そのため、選択肢のすべてを、正確に判別する必要があり、実に、シビアです。

 おおむね、こういう「正しいものがいくつあるか?」は、点にし難いです。

 本試験では、無理そうなら、「後回し」にするのが賢明です。ぜんぶ解いてから、じっくり取り組みましょう。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢ア

 選択肢アの「区分所有権の目的である建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が借地借家法第22条に規定する定期借地権の設定された土地の上に存するときは、当該定期借地権が登記されたものであるか否かにかかわらず、当該定期借地権の内容について説明しなければならない。」ですが、正しい記述です。

 論点が複数ある難しい選択肢なので、「パス」するのも一手です。

 まず、基本事項から見ていきましょう。

 「取引対象となっている宅地建物上に存する“登記された”権利の種類・内容、登記名義人等」は、重要事項の説明対象です。

 登記されていれば、説明対象となるわけですが、本問では、「当該定期借地権が登記されたものであるか否かにかかわらず、当該定期借地権の内容について説明しなければならない」とあります。

 つまり、選択肢の文言では、「登記されていなくても、説明しないといけない」という意味になっています。

 先の規定からすると、登記されていない場合、説明しなくてよいようになります。

 しかし、なのです。

 本問は、「区分所有権の目的である建物の売買」が対象です。

 この場合、宅建業法 35条1項6号 の「区分所有建物の国土交通省令等」の適用があります。

 

 先の画像にあるように、「区分所有建物」の「売買・交換」の場合、「敷地に関する権利の種類・内容」が重要事項の対象となっています。

 この規定には、登記うんぬんの文言がないので、登記の有無に関係なく説明することになります。

 よって、本問では、定期借地権が登記されていない場合でも、説明しなくてはならなくなる、ってな塩梅です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢イ

 選択肢イの「宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地が流通業務市街地の整備に関する法律第4条に規定する流通業務地区にあるときは、同法第5条第1項の規定による制限の概要について説明しなければならない。」ですが、正しい記述です。

 難しい選択肢です。

 本問は、要は、「都市計画法、建築基準法、その他の法令に基づく制限の概要」の問題です。

 これらの諸法の規制がかかるときは、重要事項の対象となります。

 選択肢のいう「流通業務市街地の整備に関する法律第4条に規定する流通業務地区」も、当該法令上の制限に含まれており、説明対象となります。

 選択肢は、「正」となります。

 まあ、このような内容は、テキストに記載されてないでしょうから、落としても仕方がないです。

選択肢ウ

 選択肢ウの「建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売買代金の額並びにその支払の時期及び方法について説明する義務はないが、売買代金以外に授受される金銭があるときは、当該金銭の額及び授受の目的について説明しなければならない。」ですが、正しい記述です。

 絶対に取りたい選択肢です。

 選択肢の言うように、「売買代金の額並びにその支払の時期及び方法」は、重要事項の説明対象ではありません。

 ただし、「売買代金以外に授受される金銭」の額と目的は、説明対象です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢エ

 選択肢エの「建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が建築工事の完了前であるときは、必要に応じ当該建物に係る図面を交付した上で、当該建築工事の完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造または仕上げ並びに設備の設置及び構造について説明しなければならない。」ですが、正しい記述です。

 取引が工事完了前の建物の場合、「完了時における形状・構造その他」は、重要事項の説明対象です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

 なお、本問は「建物」ですが、「宅地」の場合、説明すべき内容は、「形状、構造、宅地に接する道路の構造・幅員」となっています。

 これが出てもおかしくないので、テキストで確認しておきましょう。

答え

 「ア」は「正」です。

 「イ」は「正」です。

 「ウ」は「正」です。

 「エ」は「正」です。

 本問は、「正しいものはいくつあるか?」ですので…

 正解:4

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 当該年度の「宅建業法」だけ、問題演習をしたい人は、「H28 宅建業法一覧リスト」を、ご利用ください。

 類似問題あります。

 テーマ別の問題演習は、「宅建業法「35条(重要事項の説明)」の過去問リスト」や、

 「宅建「35条(重要事項の説明)」の「国土交通省令等で定める事項」の過去問リスト」を、活用ください。

独学向け教材

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宅建のこまごましたもの

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