宅建の勉強時間‐民法ゼロ

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 宅地建物取引士(宅建)の勉強時間及び勉強期間について述べる。本ページは、「民法」を全く勉強したことがなくて、前提知識がゼロの「民法ゼロ人」が宅建合格に要する時間を述べる。加えて、宅建業法や法令上の制限、税法等のその他の科目の勉強時間についても、個別的に述べる。

民法ゼロの勉強時間

 端的に結論を言うと、「民法ゼロ人は、8~9ヶ月を見ておく」です。

 通常、宅建は「6ヶ月強」が勉強期間で、延べ勉強時間が「300~400時間」必要と言われていますが、おおむね、正しい数字です。

 しかし、わたしは、「民法ゼロなら、読書期間と休憩期間とで、プラス2~3ヶ月する」ように、勧めます。

 ちなみに、試験日は、例年「10月初旬」です。

 んなもんで、民法ゼロ人は、「1月または2月」から、宅建の試験勉強を始めることとなります。

 なお、既に、1~2月には、新年度の教材が販売されています。

 参考:宅建教材(初学者向け)

民法ゼロは、想像以上に大きい

 宅建の勉強時間は、「民法」の知識の有無で、大きく異なります。

 1~2ヶ月で受かった短期合格者の大半は、他の資格で民法を勉強していたか、法学部卒で民法の知識がある人です。わたしもそうでした。

 まずもって、「民法」は、できるようになるまで、時間がかかります。

 極端なことをいいます。

 「宅建業法」は、GWくらいの連休(7~10日前後)で、集中的に勉強すれば、すぐさま、12~16点くらい取れるようになります。

 「法令上の制限」の各法も、「その他の科目」の各単元も、土日祝で集中すれば、すぐさま、1点が取れるようになります。

 なぜなら、それらは「暗記と記憶」がモノを言うからで、短期間で何とかなってしまうのです。短期合格者がいるのも、このためです。

 しかしながら、「民法」だけは、そうはいきません。短期では、とても厳しく、長期戦を覚悟しなければなりません。

 よって、「民法」の未経験者なら、「民法」という難科目を制覇する時間を、できるだけ見込んでおく必要があります。そのための、「プラス2~3ヶ月」です。

プラス2~3ヶ月で、まず読書。

 民法は、最初が、本当にきついです。

 正直、初学者にとっては、どのテキストでも、しんどいはずです。

 民法の経験者でさえ、民法は、たいへんな気鬱となります。

 わたしは、民法がクソ嫌で、過去問を解く際は、必ず、一番最後にします。見たくないからです

 世の中、法律と相性のいい人ばかりではないです。

 よって、民法ゼロの人で、テキストの内容が頭に入っていかない、民法の勉強がぜんぜん続かない(1日やったら数日机に向かわなくなる)、少しもさっぱり要領を得ない、砂を噛む時間ばかり過ぎるといったようなら、『読書』から、民法にアプローチすべきです。

 参考図書は、「宅建教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒なら、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」や、「民法はおもしろい」を、まずは、読むことを勧めます。

 おそらく、最も読みやすいだろう参考図書ですら、読み通すのは苦労するはずです。

 しかし、テキストを嫌々読むのに比べれば、まだ、理解できること・わかってくることがあるので、読み続けられるはずです。

 読書でぼんやりとでも、民法の感触がつかめれば、民法の語彙が頭に残れば、テキストの四角四面の記述にも、耐えられるようになります。

 民法ゼロ者と、テキストの民法との間は、想像以上に、『距離』があります。配偶者ほどではないですが、決して無視できるものではありません。

 その『距離』は、読書で埋めるようにしてください。

 「プラス2~3ヶ月」のうちは、1~2ヶ月は、読書時間としましょう。

兎に角、テキスト「民法」を読み通す

 当該「プラス2~3ヶ月」のうちに、テキストの「民法」のところを、一通り、読み通します。

 先の「読書」の一環くらいに考えて、兎に角、最後まで、目を通してください。

 わからなくてもいいですし、何1つ、憶えてなくていいです。

 最後まで、「民法」を読み終えることが重要です。

 頭がフラフラするのが必定ですが、勉強の対象である「民法」が、どういうものなのかを、肌で測ってみてください。

 後々、全くゼロから勉強するよりも、最初と最後が見えているだけで、はるかに、「気楽」になるはずです。

プラス2~3ヶ月で、お休みも

 「民法」の勉強は、かなり、苦痛となります。

 よって、休息期間(中だるみ)を、前もって、見積もっておきます。

 民法のために「プラス2~3ヶ月」するのは、先の読書時間のほか、休息期間(中だるみ)に充てるためです。

 民法みたいなものを勉強していると、必ず、嫌になります。配偶者が“まだマシ”になるくらいです。

 「プラス2~3ヶ月」には、休息期間も含まれています。

 ずっとやっても、うまくいくわけではありません。

 民法ゼロ人は、民法から離れる時間を、勘定しておきます。

 こんな次第で、「プラス2~3ヶ月」も追加しておけば、最難関の「民法」に躓くことなく、本格的な試験勉強に入れるように思います。

民法のざっくり見積り

 さて、読書+休息時間の「プラス2~3ヶ月」以外で、どのくらいが民法の勉強時間かと言うと、「3~4ヶ月」は見ておきます。

 「宅建独学」でも述べていますが、民法は、他の科目と両立・並行して、少しずつ勉強していく必要があります。

 過去問が、まあまあ解けるようになるには、「3~4ヶ月」くらいが必要になるかと思います。

 もちろん、合格ラインには、もっと時間がかかりますが、「3~4ヶ月」も、勉強が継続できれば、おおむね、大丈夫でしょう。続けられたら、何とでもなります。

 ところで、経験者は語りますが、民法は、あるときから、急に、実力が伸びます。

 勉強して休んで、勉強して休んでを繰り返して、あるとき、“ぱあっ”と、“ピコーン”と、あーそういうことなんだ的な理解に到る、というのが実感とするところです。

 んなもんで、先の読書+休息時間の「プラス2~3ヶ月」と、当該「3~4ヶ月」を見ておけば、この期間内に、理解の『閃き』が起きると思います。

民法以外のざっくり見積り

 宅建には、ざっと「17個」の単元があります。

 以下、民法以外の勉強時間を挙げていきますが、「数字」は、柔軟に考えてください。

 机の前で本腰を入れないといけないのは、「民法」と「宅建業法」くらいです。

 当該2科目は、横断的・応用的な問題が多数出るので、細切れ時間だけでは、対応できないです。

 しかし、それ以外の科目は、ボリューム(分量・ページ数)が少なかったり、出題が定型的・定番的であったり、単なる知識問題であったりするのです。

 つまり、出先の勉強、通勤・通学時等の細切れ時間で、何とかなってしまいます。

 大まかな勉強は細切れ時間で済ませて、復習や過去問演習といった作業は、机の前といった風に、時間は、かなり「やりくり」ができます。

 以下の「数字」は、やりようによって、いくらでも短くなるので、参考程度に、見ていってください。

権利関係

借地借家法・・・約1.5週間。

 「借地借家法」は、基本は「暗記と記憶」。頻出論点を整理して憶えること。各要件と数字もド頻出。丁寧に。

区分所有法・・・約1週間。

 基本的なことしか出ない。言うほど、難しくない。出先・細切れ時間で対応。

不動産登記法・・・約1週間。

 基本は、「後回し」か「捨て問」だが、余裕があるなら、過去問レベルのことはやっておく。

 「不動産登記法 勉強方法」を参考をば。

法令上の制限

都市計画法・・・約2~3週間。

 理解もクソもない「暗記と記憶」が大半。ボリュームが大。計画的に、長期戦で。

建築基準法・・・約2~3週間。

 これまた、ボリュームがすごい。しかも、同じ「暗記と記憶」のみ。少しずつ、長期に消化するしかない。

宅地造成等規制法・・・約1週間。

 「暗記と記憶」だが、ボリュームが少ないので、やりやすい。細切れ時間で対応可能。

土地区画整理法・・・約1週間。

 ボリュームが少。やりやすい。出先の勉強で多くを消化できる。

国土利用計画法・・・約1週間。

 ボリュームが少。やりやすい。出先の勉強で多くを消化できる。

農地法・・・約1週間。

 ボリュームは中。内容が似たり寄ったりなので、整理して憶える。先の3法は、そこそこ早く終わるんで、その分を、農地法に充てるとよい。

宅建業法

宅建業法・・・約1~4ヶ月。

 やればやるほど、点が取れるので、大目の時間を割く。

 点が取れるようになるまで、やる。

その他

税法・・・約2~3週間くらい。

 数字の暗記が多い。時間に余裕がないなら捨てる。

不動産鑑定評価・地価公示法・・・約1週間。

 シッカリ勉強すれば、点が取れる。苦手なら、もう1週間ほど割いてもよい。

住宅金融支援機構・・・約1週間。

 取れるところ。苦手なら、先と同様、もう1週間を充てる。

景品表示法・・・約1週間。

 得点源となる。できないようなら、もっと時間を割くこと。

統計・・・「捨て問」。

 要予想問題集・模試問題集。

 時間がないなら、捨てる。余裕があるならなる。「統計 勉強方法」を参考をば。

土地・建物・・・約1週間。

 必ず取らないといけないところ。1週間もあれば、だいたいできるが、確実に点が取れるまで、テキストと過去問を繰り返す。

宅建のこまごましたもの

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