第7問は、「賃貸借」と「使用者責任」を問う問題です。選択肢は、条文知識を問うものなのですが、1つだけ、判例を問うており、また、出題形式が「いくつあるか?」系なので、点数が取りにくい問題です。
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本問のレベルは「やや難」です。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
本問は、「正しいものはいくつあるか?」を問う出題形式です。
そのため、最終解答が出し難くなっています。
絞れる選択肢に尽力して、後は天に任せましょう。
過去問演習には、後述する「参考リンク」を活用ください。
選択肢アの「AはBに対し、甲建物の滅失した部分の割合に応じ、賃料の減額を請求することができる。」ですが、正しい記述です。
貸主は、借主が使用・収益できる義務を負っています。
選択肢の場合、第3者のDによって、甲建物が滅失しており、借主Aは、100%の使用・収益ができなくなっています。
たとえば、この建物が3階建てで、1階部分が丸ごと潰れたと、仮定してみてください。
こんな状態で、100%丸々の3階分の家賃を請求されたら、たまったもんじゃありませんね。
んなもんで、選択肢のいうように、賃料の減額を請求することができます。
参考:民法 第六百十一条・・・『賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる』
よって、選択肢は、「正」となります。
イの「Aは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合、Bとの賃貸借契約を解除することができる。」ですが、正しい記述です。
民法 第六百十一条の第2項には、『前項の場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる』とあります。
よって、Aは、契約の解除が可能です。
条文知識を問う問題ですが、常識的に考えても、判別できると思います。
第3者による損害で、契約が解除できないと、借主にとっては、理不尽です。
よって、選択肢は、「正」となります。
ウの「Cは、使用者責任に基づき、Bに対して本件事故から生じた損害を賠償した場合、Dに対して求償することができるが、その範囲が信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある。」ですが、正しい記述です。
使用者責任に基づいて、その損害を賠償した場合、C(事業主・会社)は、D(従業員・社員)に、求償ができます。
参考:第七百十五条・・・『ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う』
参考:第七百十五条三項・・・『前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない』
求償の範囲は、判例では、選択肢のいうように、「信義則上相当と認められる限度に制限される」場合があります。
判例知識なので、判別が厳しいですが、常識的に、深く考えなければ、何とか解答できるかと思います。
よって、選択肢は、「正」となります。
「ア」は「正」です。
「イ」は「正」です。
「ウ」は「正」です。
本問は、「正しいものはいくつあるか?」ですので…
正解:3
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
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