第2問は、「制限行為能力者」を問う問題です。成年擬制、保佐人、成年後見人、補助人の選択肢から構成されています。どれも、基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。
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本問のレベルは「ふつう」です。
大半の受験生は、「点」にする問題です。
本問は、ゼッタイに落としてはいけない問題です。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
本問は、「正しいもの」を選ぶ出題形式です。
別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。
選択肢1の「古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。」ですが、誤った記述です。
未成年は、法定代理人から許可されれば、「営業」が可能になります。
参考:民法第6条・・・『一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。』
つまり、先の未成年が1人で、法定代理人の同意なく、契約を結んだり決済したりできるわけです。
とはいえ、当該同意は、「営業」に対して行なわれたのですから、「営業」にのみ有効です。
選択肢では、「自己が居住するために建物を第三者から購入」とあり、「営業」と関係がありません。
よって、法定代理人は当該売買契約を取り消すことができます。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢2の「被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。」ですが、誤った記述です。
知識問題です。
前半の「被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要」は、正しいです。
間違っているのは、後半の「贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要」のところです。
後半の贈与の拒絶にも、保佐人の同意が必要となります。
参考:民法第13条1項7号・・・『七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。』
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢3の「成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれは足り、家庭裁判所の許可は不要である。」ですが、誤った記述です。
これも、知識問題です。テキストを精読していれば、取れたはずです。
選択肢の場合、家庭裁判所の許可が必要です。
参考:民法第859条3項・・・『成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない』
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢4の「被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。」ですが、正しい記述です。
条文知識です。
参考:民法第21条・・・『制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。』
まあ、本問のテーマの「制限行為能力者」ですが、これは、認識能力の衰えた「本人」を保護するための制度です。
しかし、設問では、当の制限行為能力者自身が、自分の意図で、他人を騙しているのですから、そういう人に、法の保護を与える必要はない、といえます。
こういう推測からも、判別できるように思います。
よって、選択肢は、「正」となります。
「1」は「誤」です。
「2」は「誤」です。
「3」は「誤」です。
「4」は「正」です。
本問は、「正しいものはどれか?」ですので…
正解:4
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
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