独学資格ガイド

宅地建物取引士

(たくち・たてもの・とりひきし)

資格評価:5つ星

独学可否:独学合格は可能。管理人取得済み。


宅地建物取引士(通称:宅建。旧称:宅地建物取引主任者)とは?

 求人数は平均で1,200件前後と、求人需要はとても大きい。ちなみに辺縁不動産資格の管理業務主任者は平均100件、マンション管理士が平均15件の求人であることからすると、宅建は、「比較を絶した、比べようのない求人数」があるといえる。

 求人先で多いのは不動産会社で、次いで建築業・建設業である。不動産取引を伴う店舗開発を行う一般企業からの求人(不動産部門要員)もある。金融機関・金融業からの求人もある。また、宅建があれば、不動産業での独立・開業も可能となる。

 宅建があれば、不動産会社に就職・転職する際は、強烈にプラスに働く。まだまだ、宅建保有者は少ない。

 また、“主として”女性であれば、重要事項要員(※)+営業事務要員+来客対応要員の需要が多いので、普通の事務職等と比べれば、賃金の高い仕事に就くことができるし、就きやすい。

 宅建保有者であれば、多少の法律知識・法的素養があると評価されるので、社内での人事考課や評価にもプラスになる。少なくともマイナスにはならない。不動産業以外の就職・転職でも、宅建はマイナスではない。

 そして、宅建は、教養・知識としても、とても有益である。基礎的な民法が習得できるし、人生で最も高い買い物となる不動産関連の法知識を得ることができる。リーガルマインド(法的思考能力)まで身に付くなんて、大層なことは言わないが、少なくとも、「一般」の取引に関する怪しさや危険性には「鼻」が効くようになる。

 この意味で、法学部以外の出身者には、宅建の試験勉強は実に有効である。下手は法律資格を取るよりも、また、つまらない法律本を読むよりも、一も二もなく『宅建取得』のほうが、はるかに多くが身に付く。

 加えて、宅建で勉強したことは、他資格の取得に役に立つ。民法や建築基準法は、管理業務主任者等の不動産資格の試験勉強の際に大いに役に立つ。建築基準法の用途規制や不動産取引実務・価格決定、不動産にかかわる税金等は、ファイナンシャルプランニング技能士の試験問題で頻出であり、宅建を取得しておくと上記FP技能士の試験勉強が実に楽になる。ちなみにわたしはFP技能士2級が2週間で取れた。

 宅建の受験者層は、学生、サラリーマン、OL、主婦と多岐にわたるが、それだけの効能のある試験であるといえる。毎年20万人が受験するマンモス資格であることも肯首できる。

 後述するが、宅建の試験レベルは「過去問レベル+α」であり、市販の教材には独学向けの良質なものがあるので、仕事をしながらでも、家事・育児の真っ只中でも、両立は十分に可能である。

 宅建は、相応の勉強をしなくてはならないが、勉強すればまず合格できる試験レベルである。取得費用は総じて手ごろで、勉強期間も長期にはならない。求人数・求人機会の多さと、法的知識・教養の有用度からすると、費用対効果は実に高い資格といわざるを得ない。宅建は、老若男女にお勧めできる「Sクラス」の資格である。宅建を取っておいて、損になることはない。

(※)重要事項要員とは、宅地建物取引主任者が行わなくてはならない『重要事項』の説明する人のこと。事業者には、一定の重要事項を宅建主任者をして顧客に説明する「法律上の義務」が課せられている。だから、宅建には「需要」があるのである。当該法的義務がなかったなら、宅建はここまでの人気はなかったろう。

 ハローワーク平均求人数:1,224人 (2014/05/31)

 →最新データは、こちら

 →他の不動産資格の求人数は、こちら

宅地建物取引主任者の資格メモ

 宅建に関する、一般的事柄や試験日程・日時、取得に要する費用等を、以下にまとめました。

宅建の一般事項

 宅建は、「国家資格」であり、取得者には一定の評価がある。

 宅建は、必置資格であり、法的需要がある。(参考:必置資格とは?

 宅建は、一般によく知られている。面接で説明を省略できる。(かなり大きいです。マイナー資格をどれほど熱心に説明しても、知らない面接官は「フーン」です。)

 宅建は、受験資格がない。実に受けやすい。

宅建の試験日程・日時

 平成27年度の試験日は、『10月18日(日)』で、13時から15時までの2時間である。

 ちなみに、本試験日は、例年10月の第3日曜日となっている。

 不正の防止のためか、試験時間中の途中退出はできず、途中退出した場合は、棄権又は不正受験とみなし、採点しないとのことである。

 なお、公式の文言を見るにつけて「遅刻」はよいようである、が、実際は「わからない」ので、きちんと集合時間の12:30に席についておくべきである。

 申込み日は、郵送申込が「7月1日から31日」までで、ネット申込が「7月1日から15日」までとなっている。微妙に締切日が異なるので、要注意!

 願書配布は、例年7月1日から7月31日までの1ヶ月間である。

 大きな本屋なら、願書を置いていることが多い。教材のチェックを兼ねると賢い。なお、正確な配布先は「こちら」で確認のこと。

 本ページの作成時、「一般財団法人 不動産適正取引推進機構」が試験主催ですが、一度は公式を見て、試験情報を確認しておいてください。

宅建のめやす取得費用

 一口で言うと、「16,000円前後」である。が、本年度から「宅地建物取引士」と名称が変わり、難易度は高くなりそうなので、問題集を増やしておくのが安全である。

 テキストは、おおむね2,500円~3,000円前後。

 過去問も、おおむね2,500円~3,000円前後。

 受験料は、7,000円(H27年度価格)。交通費や切手代等の雑費を2,000円ほど見込んで…、

 総計は、「16,000円~17,000円強」という次第である。

 先述したように、おおむね2,000円前後の予想問題集や模試問題集を追加しておくのが無難である。

 参照:宅建教材レビュー

試験に関すること

 宅建の難易度を一口で言うなら、「簡単ではない」である。

 合格率は、おおむね15%~20%である。逆を言うなら、8割は落ちる試験である。

 勉強時間・勉強期間は、おおむね6ヶ月を見ておくと、余裕のある試験勉強となる。ちなみに、管理人は、運よく6ヶ月で合格できた。

試験科目

 公式には、主に7つが試験科目として挙げられていますが、試験勉強上の科目は、以下の「4つ」に分類されています。

 ・権利関係・・・15問

 ・宅建業法・・・16問

 ・法令上の制限・・・10問

 ・その他の法令・・・9問

 当該ページでは細かく述べれませんが、まあ、「大きくいって4つやるだけ」「メイン2つにサブ1つ、おまけが1つ」くらいに把握しておけばOKです。

 宅建の試験レベルは、おおむね「過去問レベル」ですので、しっかりと過去問演習を仕上げておけば、合格ラインに入ることが出来ます。

 また、宅建は、全くの未経験で、法的な知識がない「ゼロ」からでも、十分挑戦できて、合格のできる資格です。「やれば誰でも取れる」資格の典型例が宅建です。

 高卒だからとか、専門が違うからとか、出身学部が違うからとか、そういうのに関係なく挑戦できる資格であり、また、「がんばってみる価値」が十分にある資格です。

 試験勉強関係については、「補足コンテンツ」の方が充実しているので、そちらを参考にしてみてください。

女性向けかどうか?

 宅建は、女性に有用な資格です。

 個人的には、女性こそ、宅建を取るべきだと、強く思います。

 先述したように、営業事務に付属する形ですが、「重要事項の説明要員(書類交付・記名押印含む)」としての求人が多数あります。

 単純な事務職では、あまりいい条件でもないのに、うまく職に就けなかったりしますが、不動産事業者には、宅建者の設置義務があるので、当該「法的需要」から、「マッチすれば即決まる」的な実感があります。

 「来月末で宅建持ってる事務の子が辞めちゃうんだよねー」的な場合、未経験なんで結構ですとか、年齢がアレなんでいいですとか、“美し過ぎる”からだめです、などと言ってられないのが「法的需要」です。

 ところで、宅建があると資格手当がプラスされるので、単純な事務職と比較すれば、待遇のいい求人が多いように見受けられます。

 そして、正社員採用と並行して、パート採用も多いので、この点でも、生活に応じた仕事探しに有用であるかと思います。

 最後に、不動産業というのは、日本全国どこにでもあります。宅建業務は、法律で内容が決まっているので地域差がなく、どこでも同じです。宅建の有資格者で、加えて、事務の実務経験があれば、引越しや転勤等があっても、新天地でスンナリ職が決まります。

 人生の保険+実利の意味で、女性が宅建を取っておいて、決して損はありません。Sクラス資格です!

学生向けかどうか?

 宅建は、就職・転職に大きく資する反面、学業に負担にならない試験レベルであり、大いに取得が勧められる資格です。

 宅建は、「法律系資格」ですが、学部に関係なく取っておくべき資格です。

 というのも、宅建の試験勉強で得られる民法等の法知識は、今後の社会人生活においても、十分に有用であるからです。「ヘンな話」に鼻が効くんですよね。

 特に、理数系の学生に取得をお勧めしたいです。まったく専門と関係はないし、実験棟で忙しいのはわかりますが、学生時分に、「宅建」を1個でも取って、教養として法律知識を得ておくのは、全く損ではありません。

 逆を言うと、学生時分くらいしか、宅建を勉強できる時はない、てな寸法です。

 同様の理由から、法学部以外の学部の人にも、在学中に、「宅建」を取っておくことをお勧めします。

 宅建の合格には、そこそこの勉強量が必要となるので、結構、「お勉強」になるのです。

 法学部卒の代わりにはなりませんが、「宅建」1つあれば、以後、「法律アレルギー」に悩むことがなくなります!

男性向けかどうか?

 宅建は、主に男性が取得している資格です。

 不動産業への就職や転職を考えている人は、宅建は大きな力となります。書類選考で落ちることは激減するでしょう。

 いわずもがな、現に不動産関連の仕事をしておられる方は、評価に直結するかと思います。

 幹部候補・役員候補の方で、上に行きたい!という方は、宅建は絶対的に取っておくべきです。

宅建合格後のオススメ資格

 宅建の試験勉強で得たことは、他の資格の取得の際に役立ちます。つまり、少々ラクができたり、試験勉強の負担が和らぐって寸法です。

不動産系

 まずは、宅建の辺縁系である「マンション管理士」と「管理業務主任者」です。

 民法が被ってます。もちろん、個々に固有の論点(組合費は短期消滅債権など)がありますが、ほとんどは宅建の民法でカバーできます。

 宅建業法が1問くらい出ます。宅建を合格してたら余裕で得点できます。

 建築基準法の用途規制や道路規制、建ぺい率や容積率、都市計画法などが出題されており、宅建で勉強したことがそのままプラスになります。

 こんなところでしょうか。結構、「マンション管理士」や「管理業務主任者」の試験勉強が楽になるので、宅建に合格したら挑戦してみてください。

 なお、試験の難易度ですが、「マンション管理士」はコンサルタント系統なので難しめです。「管理業務主任者」は、宅建よりちょっとラクという感じがします。参考までに。

ファイナンシャルプランナー

 ファイナンシャルプランニング技能士には、「不動産」の科目があります。

 当該科目の勉強の際に、「法令上の制限」の建築基準法の用途規制や道路規制、建ぺい率や容積率や都市計画法、「税その他」の所得税や固定資産税の勉強が活きてきます。FPでの頻出問題です。

 税その他は、宅建では「捨て問」にされがちですが、ファイナンシャルプランニング技能士に興味がある方は、力を入れて勉強しておくと、FPの勉強時にラクができるでしょう。ちなみにわたしはFP技能士2級が2週間でした。

法律系

 宅建である程度、民法の勉強が済んでいると、「民法」が試験科目にある資格試験が、“そこそこ”楽になります。

 まず、行政書士です。宅建とダブルで取得する人が多いです。

 あとは、ビジネス実務法務などで、民法で勉強したことが活きると思います。

 なお、上級法律資格となると、ホントに宅建で勉強したことは「基礎的なこと」でしかないので、あまり「足し」にはなりませんが、「ない」よりは勉強が進むでしょう。いうなれば、基礎固めとして宅建を勉強するの「手」です。

宅建関連リンク

宅建の独学

宅建教材レビュー

民法の勉強方法

民法以外の権利関係

宅建業法の勉強方法

法令上の制限の勉強方法

税その他の勉強方法

記録的なもの

宅建独学合格体験記

宅地建物取引主任者の合格証書

補足コンテンツ/関連リンク

 宅建に関するこまごましたこと、たとえば、「不動産3資格(宅建、管業、マン管)の違い」といった記事を、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「宅建:ブログ記事」をばご参考ください。

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