22問‐H28の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第22問は、「農地法」の問題です。相続、農地賃貸、許可の効果、4条許可といった選択肢で構成されています。選択肢の大半は、頻出事項なので、きちんと勉強した受験生なら、まず、正解できます。

22問‐農地法

 

 (クリックして拡大。)

難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 ほとんどの受験生は、1点とします。落とさないようにしましょう。

 本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。

解説

 本問は、「正しいもの」を選ぶ出題形式です。

 別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢1

 1の「相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者に対する特定遺贈により農地を取得する場合も、同項の許可を受ける必要はない。」ですが、誤った記述です。

 「相続」による権利取得は、法律行為によるものではないので、許可は不要です。(ただし、農業委員会に届出する必要があります。)

 選択肢後半の「特定遺贈」ですが、選択肢の場合、「相続人に該当しない者」となっているため、許可を要します。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 ところで、「遺贈」とは、遺言によって権利または負担を他人に与える単独行為です。

選択肢2

 2の「法第2条第3項の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社は、耕作目的で農地を借り入れることはできない。」ですが、誤った記述です。

 よく出る規定です。ガチで憶えておきましょう。

 農地所有適格法人でなければ、農地は取得できません。

 しかし、農業委員会の許可があれば、耕作目的で借りることはできます。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、当該農地の賃借権や使用貸借は、細かい規定があるので、テキストで確認しておきましょう。

選択肢3

 3の「法第3条第1項又は法第5条第1項の許可が必要な農地の売買について、これらの許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権の移転の効力は生じない。」ですが、正しい記述です。

 条文の3条7項には、「必要な許可を受けないでした行為は、その効力を生じない」とあります。

 つまり、「無効」といった寸法です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢4

 4の「農業者が、市街化調整区域内の耕作しておらず遊休化している自己の農地を、自己の住宅用地に転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれは、法第4条第1項の許可を受ける必要がない。」ですが、誤った記述です。

 ド定番の出題です。

 まず、チェックすべきは、「市街化調整区域内」のところです。

 ここが本当に狙われています。

 さて、設問の場合、「農地を農地以外のもの」にしようとしているので、4条許可の問題です。

 4条許可の例外に、つまり、許可が要らないものには、「“市街化区域内”にある農地を、あらかじめ農業委員会に届け出て、転用する場合」があります。

 “市街化区域内”にある農地なら、選択肢のいうやり方でもよかったのですが、選択肢には、「市街化調整区域内の(略)の農地」なので、間違いとなります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 まあ、「市街化区域」が、開発を優先する区域だと知っていれば、すんなり理解できるかと思われます。

 当該5条許可にも、同じような規定があり、「“市街化区域内”にある農地または採草放牧地について、あらかじめ農業委員会に届け出て、その権利を取得する場合」は、5条許可は必要ないです。

 しかし、「3条許可」には、当該市街化区域内うんぬんの規定は、「ない」ので、必ず、整理して憶えましょう。

 そのほか、「都市計画法:開発許可制度」の「開発許可を要しない」での「市街化区域以外の区域内において行なう開発行為で、農業・林業・漁業の用に供する一定の建築物、または、これらの業務を営む者の居住用建築物の建築の用に供する目的で行なわれるもの」とも、混同しないようにしましょう。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「誤」です。

 「3」は「正」です。

 「4」は「誤」です。

 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…

 正解:3

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 類似問題あります。テーマ別の問題演習は、「宅建「法令上の制限」の「農地法」の過去問リスト」を、活用ください。

独学向け教材

 宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。

 はじめて法律を学ぶ方は「宅建(初学者向け)」を、参考にしてください。

 んで、法学部卒等で、ある程度の素養のある人は、「宅建(経験者向け)」を、参考にしてください。

PDF過去問に一言

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 PDF過去問の演習には、「タブレット」が最も勝手がよくて、ストレスも少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、他の試験で使え、サブ機としても使えます。受験を機に「Fire HD」を検討するのは、損はないです。

宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

 「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。

 ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。

みんなとシェアする