第11問は、「借地借家法:借地権」の問題です。判例問題や、定期借地権、建物買取請求権などが出題されています。判例問題で手を焼くかもですが、よくよく考えれば、解けると思います。判別できる選択肢から、攻めてください。まあ、復習だけはしておきましょう。
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本問のレベルは「ふつう」です。
実力のある受験生なら、点にする問題です。
こういう問題が解けるようなら、合格間近です。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
本問は、「正しいもの」を選ぶ出題形式です。
問題文には、「Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した」という指示があります。
解答に使用するので、チェックを入れておきましょう。
なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。
選択肢1の「Aが甲建物を所有していても、建物保存登記をAの子C名義で備えている場合には、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたDに対して、Aは借地権を対抗することができない。」ですが、正しい記述です。
判例問題です。
借地借家法の10条には、『借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。』とあります。
選択肢の場合、Aが建物を所有しているわけですが、登記は「C」名義となっています。
よって、Aは、条文の言う「土地の上に借地権者が登記されている建物を所有」していることにならないため、Dに対して、対抗できないと、解されています。
よって、選択肢は、「正」となります。
判例の使い回しに備えて、チェックだけ入れておきましょう。
選択肢2の「Aが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたEに対して、Aは借地権を対抗することができない。」ですが、誤った記述です。
判例では、選択肢のいうような、建物の同一性が否定されない多少の相違は、認められています。
よって、AはEに対抗できます。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢3の「AB間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。」ですが、誤った記述です。
選択肢が指すのは、「定期借地権」ですが、当該定期借地権とするには、期間が50年以上必要です。
問題の契約は、「30年」となっています。よって、定期借地権には該当せず、たとえ、公正証書で契約しようとも、選択肢のような特約を付すことができません。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢4の「Aが地代を支払わなかったことを理由としてBが乙土地の賃貸借契約を解除した場合、契約に特段の定めがないときは、Bは甲建物を時価で買い取らなければならない。」ですが、誤った記述です。
「建物買取請求権」の判例問題です。
借地借家法の13条には、『借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。』とあります。
しかしながら、判例では、選択肢のように、債務不履行で契約が解除されたときは、建物買取請求権が成立しない、となっています。
よって、選択肢は、「誤」となります。
まあ、常識的に考えて、地代を払わない者に、法の保護を与える必要はありませんね。
「1」は「正」です。
「2」は「誤」です。
「3」は「誤」です。
「4」は「誤」です。
本問は、「正しいものはどれか?」ですので…
正解:1
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H28 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。
当該論点の勉強には、「宅建「借地借家法」の過去問リスト」を、活用ください。
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