宅建 不合格対策

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 宅建(宅地建物取引士)に落ちた人向けの再受験の手引き(不合格対策)。「やってはいけない」ことや「チェックポイント」を列挙し、不合格の原因調査を行う。また、再受験時の教材の買い替えや、科目別対策を述べる。本試験日前後の注意事項や、語呂合わせやまとめ等のリンクを併せて掲載している。

宅建に落ちたときに読むページ

 宅建ですが、現在では、「ちゃんと勉強しないと、まぐれでも受からない」試験に変貌しています。

 そのため、漫然とテキスト・過去問をやっているだけでは、合格は厳しいです。

 そこで、宅建に落ちた人を対象に、再受験に当たって必要となることを、以下に述べています。

 このページを元に、次こそは、リベンジを果たしてください。

 なお、独学全般については、メインページたる「宅建の独学」の方も、一読願います。

インデックス

  1. やってはいけない
  2. チェックポイント 原因調査
  3. 再受験の教材について
  4. 科目別対策‐民法
  5. 科目別対策‐権利関係
  6. 科目別対策‐法令上の制限
  7. 科目別対策‐宅建業法
  8. 科目別対策‐その他
  9. 本試験日の注意事項
  10. まとめ
  11. 勉強リンク一覧+こまごまリンク

 以上のように、このページは、“そこそこ”長いです。

 「お気に入り」に入れておいて、試験勉強の息抜きに、ぼちぼちと見てってください。

やってはいけない・べからず集

 メインページの「宅建の独学」にも述べていますが、追加的に、不合格になる「ダメ勉強」を見ていきます。

 まずもって、「あやふや・あいまい・中途半端な暗記」です。

 宅建では、あやふやでボンヤリした不確かな10の知識より、正確な1つの知識のほうが、絶対的に点数が取れます。

 形だけ憶えても、ダメです。

 「勉強したんだけど落ちた」という人は、1つ1つを、きっちり正確に憶えていない人が多いです。

 本試験では、受験生が混同しそうなところほど、よく出ます。

 たとえば、都市計画法の高度都市と高度利用都市や、借地借家法と賃貸借の比較問題です。

 後述していますが、語呂あわせなどを駆使して、正確に・確実に、1つ1つを憶えていきましょう。

 次に、「テキスト軽視の勉強」も落ちます。

 確かに、問題演習・過去問演習は、大事です。

 しかし、宅建では、テキストの精読も、劣らぬほど大事です。

 テキストをシッカリ読むことで、知識の整理、再確認、再記憶ができるという大きなメリットがあります。

 ある程度、問題演習が済んだなら、問題演習を少し控えて、腰を落ち着けて、テキストを紐解きましょう。

 テキスト精読は、急激に実力は付きませんが、確実に、少しずつ、薄皮が重なるように、確固たる実力を涵養できます。

 最後に、「完ぺき主義の勉強」です。

 宅建は「35点」を取る試験です。満点を目指す勉強など、無用有害です。

 全科目・全論点を完璧に仕上げる必要は無いです。

 徹底追及するにしても、ここはやっておくべきといった相当な理由がある場合に限ります。

 不安だからやったことは、ほとんどが徒労に終わります。

 徹底してやることも大事ですが、費用対効果と、試験傾向を無視してはいけません。

 たとえば、建築基準法の細かい論点(防火規制など)をやるのは、有意義です。建築基準法の1時間は、0.05点くらいの期待値があります。

 対して、都市計画法の細かい論点を追うのは、時間の無駄です。都市計画法は、1時間やっても0.005点以下の感じです。

 たとえば、宅建業法は、テキストの隅から隅まで読み込んでも損は無いですが、民法や不動産登記法だと、徒労に終わる可能性が『大』です。

 傾向や勉強法は、後述する「勉強リンク一覧+こまごまリンク」にまとめているので、どの科目に尽力すべきかに迷っているなら、参考にしてみてください。

チェックポイント 原因調査

 再勉強に際しては、不合格の原因調査が重要です。

 以下の3つのチェックポイントを調査し、『なぜ、自分は、不合格になったか』を、明らかにしましょう。

テキスト・過去問レベルを落としてないか?

 まずもって、受験年度の問題冊子を自己採点して、全問題の正誤を明らかにしましょう。

 そして、間違った問題の中に、テキスト・過去問をキッチリやっていれば、「取れる問題」がなかったかどうかを調べてください。

 宅建は、「1点」を争う試験です。

 もし、テキスト・過去問レベルの問題の失点があったのなら、その問題を落としたことで不合格になったと考えてください。

 再勉強は、テキスト精読・過去問演習を徹底して、今後、受験生なら誰もが取るような問題を落とさないよう、基礎・基本事項を徹底してください。

 端的に言うと、「合格者」とは、テキスト・過去問レベルの問題を、1問たりとも、落とさなかった人なのです。

 「合格者」とは、難問や奇問で点を取っているのではなく、“ふつう”の問題を確実に取っているだけなのです。

 繰り返しますが、今後の試験勉強は、『テキスト・過去問をキッチリやっていれば、「取れる問題」を、1問たりとも落とさない。』を、肝に銘じて臨んでください。

法改正やった?

 次に、「法改正を徹底したか?」を、チェックしてください。

 「法改正」ですが、本当によく出るようになっており、試験上、最重要論点といっていいです。

 その重要性たるや、35条書面・37条書面並みです。

 必ずやらなくてはいけません。全部やらなくてはいけません。

 建築基準法と宅建業法は、特に、やらないといけません。

 法改正事項は、1問のみならず、2~3問に渡るときもあり、対策を取ってないと、全滅します。

 お使いのテキストなり過去問なりの出版社から、法改正情報は入手できるので、配布されるようになったら、即断に入手して、改正事項を憶えていってください。

 なお、「法改正」ですが、「先入観」は厳禁です。

 手前勝手に、(こんなん出ないだろう)と判断してはいけません。

 全部が全部を、押さえるべきです。個人的な実感ですが、“意外なもの”ほど出ている感じがします。

 また、過年度の法改正も要注意です。

 法律の適用がこなれてきたためか、数年前の改正事項が、よく出題されています。

 テキストにて、「H○○年度改正」といったコメントがあったら、最大限の注意を払いましょう。

 特に、宅建業法。ふつうにH28度の法改正事項が、R1試験に出題されています。

民法勉強した?

 最後に、「民法を勉強したか?」を、チェックしてください。

 数字的に、民法で高得点(7点以上)が取れた人ほど、合格しています。

 宅建は、民法の出来で決まるといわれて久しいです。

 不合格になる理由の1つに、民法が間に合わなかったという人は、そこそこいます。

 自己採点で民法が3~4点だった人は、再勉強は、民法に対して、かなり大きな資源を割くべきです。(勉強方法は後述します。

再受験の教材について

 宅建ですが、最大級の受験者数があるためか、有象無象のダメ教材がたくさん売られています。

 独学向け教材は、「教材レビュー(初学者向け)」と「教材レビュー(経験者向け)」で述べているので、参考にしてみてください。

 あと、もし、模試問題集や予想問題集を使ってないなら、再勉強の際は、取り入れるようにしてください。問題演習の量が多いほうが、実力が絶対的に安定します。

 参考:宅建教材レビュー:予想問題集等

 さて、宅建には、ネタ系・攻略系の書籍が、これまた、多々あります。

 それらに手が延びそうになるでしょうが、ぶっちゃけいうと、あまり役に立たないです。

 こうしたものは、ほぼ合格圏にある人が、さらにもう2~3点底上げするための情報がほとんどで、実力が付いてない人を、合格させるだけのパワーはありません。

 別段、買うな・読むなとはいいませんが、テキスト・過去問とを、キッチリやり終えてから、手を伸ばしてください。

科目別対策‐民法

 最難関の「民法」から、科目別対策を見ていきましょう。

 「民法」ですが、送る言葉は「機械的」です。

 機械的に、過去問10年分を10回。予想問題集・過去問題集を10回繰り返します。

 「民法」は10問出題ですので、10*10で「100問」強を解くことになります。

 問題と答えと解説を憶えるくらいまで、「機械的」に問題演習をしていってください。

 下手にテキストで頭を悩ませないで、ただただ、過去問を解きまくります。実線の中から知識を押えていけばいいです。

 テキストは、解説の参照や、知識の確認程度に読めばいいです。

 問題演習で大事なことは、選択肢の1つごとに、理由を付すことです。

 そして、その理由が解説の解き方と同じかどうか、チェックします。

 有体に言えば、解説のように問題が解けているかどうかをチェックするわけです。

 もし、自分の付した理由と解説とが異なるなら、解説の解き方を憶えてください。

 下手に考えるよりも、解説のように考えるべきです。

 過去問演習を徹底すれば、最悪の全問不正解の0点には、絶対になりません。おおむね5点は、確実に取れるはずで、運がよければ、6~8点も狙えます。

 また、「民法の勉強方法」も、参考にしてみてください。

科目別対策‐残る権利関係

 「民法」以外の権利関係ですが、ごぞんじのように、「借地借家法」「不動産登記法」「区分所有法」があります。

 当該科目は、あまり癖がなかったり、「捨て問」だったりするので、以下のページを参考に、再勉強してみてください。

 各法の特長については…、

 ・借地借家法コメント

 ・区分所有法コメント

 ・不動産登記法コメント

 …を、参考願います。

 各々の勉強方法については、「民法以外の権利関係の勉強方法」を、一読願います。

科目別対策‐法令上の制限

 「法令上の制限」ですが、当該科目は傾向が明白なので、以下のページで傾向を掴んでから、再勉強をしてみてください。

 ・不動産登記法コメント

 ・都市計画法コメント

 ・建築基準法コメント

 ・農地法コメント

 ・国土利用計画法コメント

 ・宅地造成等規正法コメント

 ・土地区画整理法コメント

 ・税法コメント

 ・不動産鑑定評価等コメント

 また、勉強方法のページを元にやっていけば、全11問出題のうち、最も効率よく「7~8点」を確保できると思います。

科目別対策‐宅建業法

 最重要科目の「宅建業法」ですが、過去問演習とテキスト精読の2本立てでやっていきます。

 過去問は10年分を「5回」。テキスト精読も「5回」を目標にしてください。

 テキストは、全論点を読み、注釈まで目を通してください。

 「宅建業法」は、やればやるほど、点が伸びます。解けば解くほど、読めば読むほど、安定して点が取れるようになります。

 勉強不足だと不安になりますが、先の「5回」はこなしていれば、本試験時には、確固たる自信が付いているはずです。

 予想問題集や模試問題集は、「3回」はやっておくと、万全です。

 ちゃんとやっていれば、「宅建業法」は、最低でも、「14~15点」を、確保できます。

 「宅建業法コメント」や「宅建業法の勉強方法」なども参考に、再勉強に臨んでください。

科目別対策‐その他

 「その他」ですが、当該科目で落ちたという人は、少数だと思います。

 再勉強は、特徴と傾向とを押えて、取り組んでください。

 ・土地・建物コメント

 ・その他の勉強方法

本試験の注意事項

 本試験前・本試験当日の注意事項です。

 まずもって、「体調管理を徹底」してください。

 まだ暑さの残るときなので、本試験日までに、バテないようにしてください。

 根を詰めても、多寡が知れてます。体調が悪いなと思ったら、すぐさま床に就きましょう。

 また、体調管理の一環として、本試験の3週間前から、飲酒、暴飲暴食、過度のカフェイン摂取は、控えるようにすべきです。

 そして、「やるべきリスト」を、作成しておくことを勧めます。

 本試験当日の試験会場までの電車内や、着いてから試験が始まるまでは、結構、手持ち無沙汰です。

 漫然とテキストを読むのではなく、自分の弱点や不安箇所をケアできるように、やるべきことを、あらかじめ確定しておきましょう。

 直前期では、当該ヒマ時間用に、再確認したいこと、再チェックしたいこと、再記憶したいことをリスト化して、それを消化するようにしましょう。

 さて、本試験当日ですが、「トイレ確保 2~3箇所」です。

 宅建は、本当に受験生が多いです。当然、トイレも込みます。大丈夫と思っていても、いざトイレに行くとほぼ満室なので、トイレは、2~3箇所を確保しておくべきです。

 また、大きなお世話ですが、前もって、駅等のトイレで済ませておくのもよいかと思います。

 最後に、「前日に、全部の準備をする」です。

 寝る前に、受験票、筆記用具、スマホ、タオル、長袖、飲み物、甘い物(キャンデーやチョコレート、ビスケット、キャラメル、カリントウなど)、テキスト、過去問を、カバンや雑嚢に入れてから、就寝しましょう。

 試験当日に準備をすると、何かと忘れ物があります。

 本試験当日の忘れ物は、意外にメンタルに来るので、無駄な動揺を避ける意味でも、前日準備が効果的です。

まとめ

 以上、宅建の不合格対策を見てきました。

 まずもって、合格最大のキーは、「過去問」にあります。

 最低でも、過去10年分を「3回」は、繰り返しておきましょう。

 苦手な科目は、「機械的」に、「10回」は、繰り返しましょう。本試験で、1点拾えるチャンスが激増します。

 次に、テキストです。

 とりわけ、「宅建業法」は、何回も目を通してください。1つ1つを、シッカリ読むようにしてください。

 宅建業法では、あらゆる論点が出題されているので、テキスト精読が最も有効です。

 他の科目においても、昨今の本試験は、これまでに出ないところを狙う傾向がある科目は、ざっくりとでいいので、目を通しておくべきです。

 宅建は、かつてように、過去問だけでは受からない試験に変貌しています。

 テキストを読み込んで、知識の整理と再記憶とを図ってください。

 最後に、宅建試験は、やるべきことをやれば、受かる試験です。

 キーは、「回数」です。

 1回より2回、2回より3回、3回よりも5回です。

 「回数」こそ、実力のバロメーターです。

 繰り返す回数が増えるほど、合格は近づくので、「回数」を目安に、再受験に臨んでください。

勉強リンク一覧+こまごまリンク

 メイン科目の「宅建業法」のこまごましたページへのリンクは、以下の通りです。

 ・宅建:宅建業法の8種制限の語呂合わせ

 ・35条(重要事項の説明)と37条(37条書面)の重複事項の語呂合わせ

 ・35条「物件に関すること」の考え方

 ・35条「取引に関すること」の考え方

 ・37条(37条書面)の必要的記載事項の考え方

 ・37条(37条書面)の任意的記載事項の考え方

 まだ他にもありますが、「宅建ノート‐宅建業法」にまとめているので、参考願います。

法令上の制限

 「法令上の制限」の「農地法」等のノートは、以下の通りです。

 ・国土利用計画法ノート

 ・農地法ノート

 ・土地区画整理法ノート

 ・宅地造成等規制法ノート

その他

 「その他」は、これといった攻略法がなく、「宅地建物取引士の問題48「統計」の解答予想 」くらいです。

科目別勉強方法

 各科目の勉強方法については、以下のリンクを参考にしてください。

 ・民法の勉強方法

 ・民法以外の権利関係

 ・宅建業法の勉強方法

 ・法令上の制限の勉強方法

 ・その他の勉強方法

みんなとシェアする