宅地建物取引士の教材レビュー

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 宅建の教材は、初心者は「LEC」で、経験者は「住宅新報社」。始めて法律を勉強する人・非法学部出身の方は、最も初心者向けの「LEC」で一通り揃えるのが理想。再受験組・法学部出身・民法既学習者の方は、定番の「住宅新報社」で揃えます。テキストと過去問の学習が一通り終われば、予想問題集で仕上げや実力の穴埋めをします。

初学者向け・非法学部向けの宅建教材

 

 結論から言うと、宅建の初学者や非法学部出身の人に、いちばん推奨できる教材が「出る順宅建士テキスト&ウォーク問セット」です。

 大阪の大型本屋を3件をはしごしてきましたが、どの本屋でも取り扱われているのは言うまでもなく、そこそこ数が捌けていたので、(見る人は見てるな)と思ったものです。

 宅建を再受験するなら、わたしもLECを使います。

 本書は、法律のLECの“本気”を見た感じがします。一時は迷走していましたが、やはり、“法律の~”の冠詞は、伊達じゃないです。

LEC「出る順」テキストの利点

 結論から言うと、LEC「出る順」テキストは、極めて『独学向け』であり、全く未経験で知識ゼロから始める人でも安心して利用できる品質であり、数ある宅建のテキストのなかで、最も推薦できるものです。

 当該テキストの際立つメリットは…

『図や絵』が、最も多い。

初学者が、特に「わからない」に陥りやすい箇所(たとえば、法定地上権など)に、丁寧で細かい記述がある。

「ワンポイントアドバイス」がある。

コラム的な記事が豊富で飽きにくく、勉強の息抜きができる。

とっつきにくい法律用語や難しい漢字には、ルビが付いているのを個人的に高く評価。

 子供や姪が宅建を受けるなら、本テキストを推奨しますし、先も言ったように、わたしが再度宅建を受けるとしたらLECを使うでしょう。

 推す最大の理由は「①」です。

 『図や絵』があると、「実に考えやすくて」、「実に把握しやすい」のです。

 このことは、“長い文章が苦手な”初学者や法律の苦手な人にとって、最大のアドバンテージをもたらします。

 グダグダと述べられた記述は、『図や絵』があると頭にスッと入るし、逆に、『図や絵』をもとにして、長文理解の手がかりにすることができる、といった塩梅です。

 さらに、昨今の宅建には「事例問題」が多用されており、当事者の関係をいかに正確に捉えるかが解答のキーなのですが、この点でも、『図や絵』の多い本テキストが有用となっています。

 ぶっちゃけ言うと、『図や絵』があると、考えなくていいので楽なんですよね。テキストの記述を、頭の中で組み立て直す手間が要らないんで、楽なんです。

 まあ、こんな次第で、初学者や法律の苦手な人に、最も推薦できるテキストとなっています。

 蛇足ながら、そのほかの良さとしては…、

 「ペア(姉妹編)の過去問題集とセットなので、勉強しやすい。」

 「1単元・1項目ごとに、ミニ問題があるので、理解のチェックができる。」

 …こういう小さいところも、いいなと思った次第です。

 参考:出る順宅建-合格テキスト-1-権利関係

 参考:出る順宅建-合格テキスト-2-宅建業法

 参考:出る順宅建-合格テキスト-3-法令上の制限・税・その他

 なお、後述していますが、当該LECのテキストは、姉妹編である過去問題集とセットで使うのがセオリーとなっています。

 単体だと、どうしても挫折しやすいので、「出る順宅建士テキスト&ウォーク問セット」でまとめることを強く推奨します。

 反対に言うと、迷いがあるなら、1冊も買わないほうがいいです。

LEC「出る順」過去問題集の利点

 基本的な品質は、テキストに準じていて、高品質です。

 解説も過不足なく、詳細で十分です。

 各種の独学者向け工夫も、及第点です。

 問題ごとに、合格者と不合格者それぞれの正解率(パーセンテージ)が記載されているので、学習や復習時のいい指標となります。

 受かる人はこういう問題を正解するのか、とか、落ちる人はこの種の問題を落とすんだなー、とか、こういう問題はみんな間違ってるからやらなくていいな的なメリハリがつくので、精神的な疲労が減ります。独学では実に助かります。

 A5サイズで持ち運びやすく、電車等の通勤時に見直せるのも、個人的に評価が高いです。

 また、選択肢にテキスト該当箇所がある場合は、その旨がマークされているので、復習にも便利です。

 まあ、こんな次第で、LECのテキストを使うのなら、穏当に過去問題集も、LEC製となります。

 参考:出る順宅建-ウォーク問-過去問題集-権利関係

 参考:出る順宅建-ウォーク問-過去問題集-宅建業法

 参考:出る順宅建-ウォーク問-過去問題集-法令上の制限・税・その他

LECのデメリット-高コスト・冗長・相性

 ただし、デメリットもあります。

テキストで3冊、過去問題集で3冊と、冊数が多いため、お金がかかる。(試算すると他社の2倍強かかる。)

「法律的なこと」を学んだことがある人、たとえば、法学部出身者や行政書士等の資格試験などで既学習者には、記述が冗長で細かい。

無駄なこと(コラム、雑談的な記述)が嫌いな人は×。

 LECの「出る順」は、非常に品質がいいのですが、やはり、“コスト”がネックです。

 テキストが3冊になるのは、仕方がないといえば、仕方がないのです。市販教材の中で、最も『絵や図』が多いので、どうしてもページ数が多くなり、分冊化せざるを得ない、といった次第です。

 次に、初学者向けの本教材は、法律学習済みの人には余計な記述も多く、“冗長”です。後述する、シンプルな「住宅新報社」の教材を使うべきです。

 また、わたし個人は、コラム的な記事を、試験勉強の合間に読むのが好きですが、そうでない人は、“邪魔”に思うでしょう。

 教材と相性の問題は、切っても切れない関係があります。その辺りはしっかり見極めましょう。

 まあ、品質重視なら、LECで間違いないです。LECでだめなら、他もダメでしょう。

買い方の注意

 結論から言うと、真剣に合格したいなら、先に挙げたテキストと過去問の計6冊すべてを、まとめて買ってください。

 まず第1の注意事項は、テキストのみの購入は「厳禁」です。いくら初学者向けとはいえ、漢字でいっぱいの本を読むだけの試験勉強は、遠からず挫折します。

 一番多くていちばんダメな買い方は、最も挫折率の高い権利関係のテキストを、1冊だけ買うことです。断言しますが、絶対に読まなくなります。

 過去問題集と一緒に買って、テキストの読解に問題演習をはさむから、理解と記憶のノリがよくなって、続いていくのです。

 第2の注意は、「科目別にバラバラに買わない」です。

 つまり、権利関係のテキスト・過去問をまず買い、勉強して終わったら、次の宅建業法を買う、という塩梅です。これも挫折率が高いです。

 「宅建の独学」でも述べているのですが、宅建の効率的な進め方は、点のスグ取れる宅建業法と、実力が付きにくい権利関係を、同時並行で進めることになっています。

 権利関係のみの試験勉強だと、先述の通り、挫折率が高まります。宅建業法だけに掛かり切りになると権利関係の民法が致命的に遅れ、本試験に間に合わないリスクが高まります。

 また、難化の続く宅建は、テキストと過去問題集だけでは、厳しくなっています。

 テキストと過去問の消化がある程度終わったら、後述する、予想問題集に着手してください。

まとめ的なこと

 初学者・非法学部卒の人に「LEC」の「出る順」を推奨するのは、「はずれがない」という点です。

 細かなところまでしっかりと作り込まれていて、初学者の「わからない→挫折」リスクは、かなり減るかと思います。

 また、本書の最大の特徴ですが、市販されている教材の中で、最も「図や絵」が多いです。

 「事例問題」が増えている昨今、実力を養うのに最も適しています。また、図や表が多いと、考えなくてよいので、試験勉強の負担が軽くなります。

 値が張る点が欠点ですが、品質と価格は釣り合いが取れています。教材に「金を惜しんではいけない」のが独学の鉄則です。「ダメ教材で来年もう一回」がいちばんのコストです。

 ゼロから宅建の独学を考えている方には、「LEC」の「出る順」が最有力筆頭候補です。

テキスト参考

 参考:出る順宅建-合格テキスト-1-権利関係

 参考:出る順宅建-合格テキスト-2-宅建業法

 参考:出る順宅建-合格テキスト-3-法令上の制限・税・その他

過去問題集参考

 参考:出る順宅建-ウォーク問-過去問題集-権利関係

 参考:出る順宅建-ウォーク問-過去問題集-宅建業法

 参考:出る順宅建-ウォーク問-過去問題集-法令上の制限・税・その他

ひとまとめ

 参考:出る順宅建士テキスト&ウォーク問セット

再受験組・法学部出身・民法既学習者の宅建教材

    

 宅建とは、基本的に『民法』の試験です。

 というのも、他に試験科目や法令はあれども、結局は、民法の得点で“合格ラインに入るかは入らないかが”決まるからです。

 このため、民法が相応にわかっている、民法既学習者・再受験組・法学部出身の方は、簡潔・シンプルな教材ほど、短期間で合格レベルの実力を付けられます。

 推薦するのは、非常によくまとまっていて、過不足ない「住宅新報社」の教材です。

 テキストは、「パーフェクト宅建-基本書」で…、

 過去問は、「パーフェクト宅建過去問10年間」…です。

 住宅新報社は、宅建で定評のある出版社です。テキストは、簡潔でそつなくまとまっており、過去問は10年分もあってボリュームも満点で、解説も的確。

 試験傾向の説明は業界随一で、無駄がなく、「できる人」にとっては、試験の動行を掴むうえで、最上かと思います。

 わたし個人の感想を言うと、“ギリギリまで考えている”感じがして、好感を持っています。

 また、本テキストと過去問は、同一シリーズなので、セットの相性もいいです。

 とりわけ勧められるのは、「10年分の過去問」です。

 多くの過去問は、3年分や5年分なのですが、本書は、数少ない“10年分過去問”です。万全を期すなら「10年」です。

 当該過去問を、みっちりと仕上げておくと、見違えるほど実力が付きます。本書が、合格の第一歩です。

 なお、以前は、「TAC」の教材も推薦していましたが、いろんなシリーズがあって、正直、わけがわからないというのがホンネのところです。

 初心者は先述したLECで、経験者は当該住宅新報社でよいでしょう。

 また、難化の続く宅建は、テキストと過去問題集だけでは、厳しくなっています。

 テキストと過去問の消化がある程度終わったら、後述する、予想問題集に着手してください。

 参考:パーフェクト宅建-基本書

 参考:パーフェクト宅建過去問10年間

予想問題集や模試問題集について

 基本的に、まずは、テキストと過去問を制覇することを考えてください。

 こういうとアレですが、予想問題集や模試問題集は、“基本は、過去問の焼き直し”です。

 大元の過去問ができていないと、学習効果は激減します。過去問を仕上げてから、着手です。

 予想問題集では、「本試験に出た!」を売り物にするものもありますが、2~3問予想が当たったからといって、それだけで試験には受かりません。繰り返しますが、まず、「過去問の制覇」からです。

違うものを買えばいい

 買うべき予想問題集ですが、「使用しているテキスト・問題集・過去問とは、別の出版社にする」のがセオリーです。

 市販教材は、どうしても出版社ごとの個性やクセが強く出ます。それが本試験にそぐえば万々歳ですが、外れると痛いです。ですから、現在使用している教材の個性を和らげるために、他の出版社の予想問題集・模試問題集を使用する、といった次第です。

 “異なる切り口で問われると、知っているのに意外に解けない”ことを経験して、実力の穴や不足を埋めて行ってください。

推薦1

 コスパがいいのは、「平成29年版パーフェクト宅建直前予想模試」です。

 2回分+過去問精選問題1回の、合計「本試験3回分」の問題演習ができます。

 掲載されている問題は、オーソドックスなものが多く、過去問の復習になります。

 そして、価格が、他の問題集と比べて、3割以上安いので、“とりあえず”という形で選びやすいです。

 どれにしようか悩んでいるなら、最初の問題集としては、当該問題集がいいと思います。出版社も、ド定番の住宅新報社なので、損はないです。

推薦2

 次に、「2017年版出る順宅建士 直前大予想模試」です。4回分の問題で構成されています。

 おなじみLECの予想問題集ですが、当該問題集には、“でねーよっ!”と、さまぁ~ずの突っ込みの入るハイレベルな問題から、基礎・基本の問題まで掲載されています。

 ですから、(これは捨て問にするか)的な、本試験に近い問題演習が可能です。

 価格は、平均的な価格帯ですが、「4回分」もあるので、1回分あたりのコスパは高いです

 先述したように、テキスト等とは違う問題集のほうが「幅」が出るので、LEC以外のテキスト等を使っている方は、最有力候補にするとよいでしょう。もちろん、LEC使用中の方も、問題ありません。

 わたしなら、まず本書を買います。

推薦3

 最後は「2017本試験をあてる TAC直前予想 宅建士」です。3回分あります。

 本書はお馴染みTACの問題集です。本書の特徴は、「サービス旺盛」というところで、「試験情報が豊富」です。

 まとめポイントや、本試験の傾向、予想の根拠など、他の問題集では手薄になりがちな「情報」をみっちりと掲載しています。

 値段は他と比べて平均的な価格帯で、3回分しかないので、1回分当たりは割高ですが、「情報料」としてみれば、穏当な価格です。

 こういうタイプが好きな人、または、情報不足を痛感している方は、本書を選べばよいでしょう。

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