ロートエキスは、「胃腸に作用する薬」の「胃腸鎮痛鎮痙薬」の「抗コリン成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「胃腸鎮痛鎮痙薬‐抗コリン成分」
「急な胃腸の痛みは、主として胃腸の過剰な動き(痙攣)によって生じる。」
「消化管の運動は副交感神経系の刺激によって亢進し、また、副交感神経系は胃液分泌の亢進にも働く。」
「そのため、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げることで、その働きを抑える成分(抗コリン成分)が、胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)を鎮めること(鎮痛鎮痙)のほか、胃酸過多や胸やけに対する効果も期待して用いられる。」
「胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される抗コリン成分としては、」
「メチルベナクチジウム臭化物、ブチルスコポラミン臭化物、メチルオクタトロピン臭化物、ジサイクロミン塩酸塩、オキシフェンサイクリミン塩酸塩、チキジウム臭化物等がある。」
「抗コリン作用を示すアルカロイドを豊富に含む生薬成分として、ロートエキスが用いられることも多い。」
「これらの成分が副交感神経系の働きを抑える作用は消化管に限定されないため、」
「散瞳による目のかすみや異常な眩しさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、便秘、排尿困難等の副作用が現れることがある。」
「重大な事故につながるおそれがあるため、抗コリン成分が配合された医薬品を使用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。」
「また、排尿困難の症状がある人、心臓病又は緑内障の診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがあり、使 用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。」
「高齢者では、排尿困難や緑内障の基礎疾患を持つ場合が多く、また、一般的に口渇や便秘の副作用が現れやすいので、使用する前にその適否を十分考慮し、使用 する場合にはそれらの初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされることが重要であ る。」
…と、相なります。
ご存じのように、「ロートエキス」は、「胃腸に作用する薬」の「胃腸鎮痛鎮痙薬」の「抗コリン成分」に登場します。
市販薬には、「 【第2類医薬品】キャベジンコーワα顆粒 28包 」などがあります。
当該成分は、最もよく出るド頻出成分です。
「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。
「新潟県 R5 第83問」といったヘンテコリンな出題もあります。
優先順位は、「とても、高い」です。
当該成分は…、
① ロートエキス ・・・副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えることにより、過剰な胃液の分泌を抑える。
② ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈)おそれがあるため、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある。
③ ロートエキスは、吸収された成分が母乳中に移行することはない。
④ 抗コリン作用を示すアルカロイドを豊富に含む生薬成分として、ロートエキスが用いられることも多い。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「ロートエキス ・・・副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えることにより、過剰な胃液の分泌を抑える」ですが、正しい記述です。
当該ロートエキスに限らず、「抗コリン成分」は、「副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑える」作用があります。
よって、①は、「○」となります。
②の「ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈)おそれがあるため、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある」ですが、正しい記述です。
「頻脈」は、当該ロートエキスの固有論点です。
絶対に押さえておくべきところです。
「適正使用」でも、出ます。「使用しない 女性系」を参考にしてください。
よって、②は、「○」となります。
なお、「頻脈」ですが、「ひっかけ」問題が出されることがあります。
ときどき、「ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が遅くなる(徐脈)おそれがある」などと、出題されます。
登録販売者試験の出題者は、こういう人を食った問題を繰り出してきます。
しっかり、問題文には目を通しましょう。
③の「ロートエキスは、吸収された成分が母乳中に移行することはない」ですが、一目で誤りとわかります。
先の例題②で見たように、ロートエキスには、「吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈)おそれ」があります。
よって、③は、「×」となります。
なお、「吸収された成分の一部が母乳中に移行」するのは、当該ロートエキスのほか、「メチルオクタトロピン臭化物」にもあります。これはあまり出ませんが、「副作用」が絡んでくるので、参考までに押えておきましょう。
④の「抗コリン作用を示すアルカロイドを豊富に含む生薬成分として、ロートエキスが用いられることも多い。」ですが、正しい記述です。
手引きには、そっくりそのままの記述があります。挙げると…、
「抗コリン作用を示すアルカロイドを豊富に含む生薬成分として、ロートエキスが用いられることも多い。」
…です。
よって、④は、「○」となります。
登録販売者試験は、近年「難化」傾向にあり、こういう記述まで、試験に出るようになっています。
テキストは、端折らず、丁寧に精読しておきましょう。
当該ロートエキスの「抗コリン成分」ですが、注意事項がたくさんあります。
手引きには…、
『散瞳による目のかすみや異常な眩まぶしさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、便秘、排尿困難等の副作用が現れることがある。』
『重大な事故につながるおそれがあるため、抗コリン成分が配合された医薬品を使用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。』
『また、排尿困難の症状がある人、心臓病又は緑内障の診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがあり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。』
『高齢者では、排尿困難や緑内障の基礎疾患を持つ場合が多く、また、一般的に口渇や便秘の副作用が現れやすいので、使用する前にその適否を十分考慮し、使用する場合にはそれらの初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされることが重要である。』
…とあります。
このあたりは、出題実績が多々あるので、押さえておくべきです。
試験用にまとめると…、
・ロートエキス‐運転操作しない‐眠気や目のかすみ、異常なまぶしさが生じるため。
・ロートエキス‐悪化の恐れがあるので医師等に相談する‐排尿困難の症状がある人、心臓病又は緑内障の診断を受けた人。
・ロートエキス‐高齢者‐口渇や便秘の副作用が現れやすい‐適否や使用は慎重に。
…です。
「運転操作しない」は、「適正使用」の論点でもあるので、ガチ暗記です。
排尿困難等の人が「医師等に相談」は、「東京都 R2 第71問」に出題されています。
「高齢者」も、頻出の「使用上の注意」の論点なので、押さえておくべきです。
先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。
「適正使用」にて、固有事項があるので、押さえておくべきです。
「ロートエキス」が配合された内服薬、外用痔疾用薬(坐薬、注入軟膏)ですが、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」となっています。
「理由」は、「乳児に頻脈を起こすおそれがあるため。(なお、授乳婦の乳汁分泌が抑制されることがある。)」です。
キーワードの「頻脈」と、副作用の「乳汁分泌抑制」は、ガチ暗記です。ド定番です。
「医薬品」でも問われる定番事項なので、キッチリと押えておきましょう。
参考:女性系
「ロートエキス」ですが、服用後は、「運転操作をしないこと」となっています。
出題実績のある論点なので、ガチで押えておきましょう。
参考:運転操作しない
「ロートエキス」ですが、「相談すること」がそこそこあります。
「心臓病」とかなのですが、あまりに数が多いです。
「適正使用」の「相談すること」は、最低限、先に見た「試験のポイント」のものだけ、つまり、排尿困難、心臓病、緑内障だけを憶えておきましょう。
他が出題されたら、諦めましょう。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「 【第2類医薬品】キャベジンコーワα顆粒 28包 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「胃腸に作用する薬」の「胃腸鎮痛鎮痙薬」の「抗コリン成分」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
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