胃腸に作用する薬の総論的なまとめ

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の「胃腸に作用する薬」の総論的なことや、○×問題、頻出事項のまとめ。試験のポイントやコツなど。過去問も例題として挙げる。

ひとくち「胃腸に作用する薬」

 第3節「胃腸に作用する薬」は、例年「3~5問」が出題されます。

 「胃腸薬」は、薬局やドラッグストアの主力商品であるため、実務においても、必要になる知識となります。

 また、こう言うとアレですが、身近な薬が多いので、大いに興味を持って勉強ができるところです。試験的にも、実務的にも、実用的にも有用なところなので、しっかり勉強して損はありません。

傾向について

 第3節「胃腸に作用する薬」は、5単元あり、「胃の薬」「腸の薬」「胃腸鎮痛鎮痙薬」「浣腸薬」「駆虫薬」などが登場します。

 本試験では、それぞれの単元から「1問」が出題される傾向があります。

 よって、費用対効果が高いのは、数ページしかない「胃腸鎮痛鎮痙薬」「浣腸薬」「駆虫薬」となります。

 極端に時間がないなら、ボリュームの多い「胃の薬」「腸の薬」は捨ててしまい、コスパのよい「胃腸鎮痛鎮痙薬」「浣腸薬」「駆虫薬」に専念します。

 これで、最低でも「1~2点」は確保できるはずです。

 しかし、先述したように、本節は有益なところなので、全単元を勉強する方がお得です。

よく出るところ

 「胃腸に作用する薬」でよく出るのは、個々の「成分」です。

 他の薬では、「薬の種類」とか「症状」、「受診勧奨」がよく出るのですが、本節では、あまり問われることはなく、ストレートに、個々の成分の作用や特徴が問われています。

 よって、テキストの配合成分のところは、精読を重ねておく必要があります。

あまり出ないところ

 先に述べたように、一番出るのは、「成分」の作用や特徴です。

 薬の種類や特徴とかはあまり出ません。ざっとテキストを読んでおけばよいところは、以下です。

 「胃の薬」には、「制酸薬」「健胃薬」「消化薬」「総合胃腸薬」があります。

 「腸の薬」には、「整腸薬」「止瀉薬(ししゃやく)」「瀉下薬(しゃげやく)」があります。

 このあたりは、ほとんど出ません。常識的なことなので、テキストをざっと読んでいれば、大丈夫です。

 しかし、「駆虫薬」は、よく出るので注意が必要ます。「駆虫薬は、腸管内の寄生虫を駆除する医薬品で、回虫と蟯虫を対象とする」が頻出です。

 本試験では、「一般用医薬品の駆虫薬は、腸管内に生息する虫体に作用するが、虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫(回虫の場合)には、駆虫作用が及ばない」とか、「一般用医薬品の駆虫薬は、回虫と蟯虫、条虫、吸虫、せん毛虫を駆虫する医薬品である」などと出ます。

 答えは、前者は、「腸管内に作用」なので「○」です。

 後者は「×」です。一般用医薬品の駆虫薬は、回虫と蟯虫のみを対象とします。

 「駆虫薬」の定義・対象は、しっかり押えておきましょう。

使用上の注意

 「胃腸に作用する薬」でも「使用上の注意」は、ド頻出論点です。

 しかし、当該「使用上の注意」は、個々の成分や薬ごとに問われることが多く、総合問題的な出題はほとんどありません。

 よって、個々の成分を勉強するときに、成分ごとの「使用上の注意」を、たとえば、「ビスマスを含む止瀉薬は長期連用すると、精神神経障害が起きた報告が海外であるので、1週間以上の継続使用を避ける」などを、押えていってください。

 なお、強いてよく出る「使用上の注意」を挙げるなら、「ヒマシ油と駆虫薬の併用はダメ」です。「ヒマシ油」と「駆虫薬」を併用すると、駆虫薬の成分が腸管内で吸収されやすくなるからです。これは、ときおり目にするので、個別的に押えておきましょう。

胃腸に作用する薬リンク

 では、「医薬品」の第3節「胃腸に作用する薬」の各成分へのリンクです。

胃腸の薬

 総論とかのまとめ

制酸成分

 炭酸水素ナトリウム(重曹)

 乾燥水酸化アルミニウムゲル

 ジヒドロキシアルミニウムモノアセート

 ケイ酸マグネシウム

 酸化マグネシウム

 炭酸マグネシウム

 合成ヒドロタルサイト

 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム

 沈降炭酸カルシウム

 リン酸水素カルシウム

 ボレイ(牡蠣)

健胃成分

 生薬(語呂合わせ)

 乾燥酵母,カルニチン

消化成分

 ジアスターゼ

 プロザイム

 ニューラーゼ

 リパーゼ

 セルラーゼ

 ビオジアスターゼ

 タカヂアスターゼ

利胆成分

 胆汁末

 動物胆

 ウルソデオキシコール酸

 デヒドロコール酸

粘膜保護・修復

 アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)

 アルジオキサ

 スクラルファート

 ゲファルナート

 ソファルコン

 テプレノン

 セトラキサート塩酸塩

 トロキシピド

 銅クロロフィリンカリウム

 銅クロロフィリンナトリウム

 メチルメチオニンスルホニウムクロライド

 アカメガシワ

炎症和らげる

 グリチルリチン酸二カリウム

 グリチルリチン酸ナトリウム

 グリチルリチン酸モノアンモニウム

消泡成分

 ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)

胃液分泌抑制成分

 ロートエキス

 ピレンゼピン塩酸塩

整腸成分

 ビフィズス菌

 アシドフィルス菌

 ラクトミン

 乳酸菌

 酪酸菌

 トリメブチンマレイン酸塩

止瀉成分

 次没食子酸ビスマス

 次硝酸ビスマス

 タンニン酸アルブミン

 ロペラミド塩酸塩

腸内殺菌成分

 ベルベリン塩化物

 タンニン酸ベルベリン

 アクリノール

 木クレオソート

吸着成分

 炭酸カルシウム

 沈降炭酸カルシウム

 乳酸カルシウム

 リン酸水素カルシウム

 天然ケイ酸アルミニウム

 ヒドロキシナフトエ酸アルミニウム

小腸刺激性瀉下成分

 ヒマシ油

大腸刺激性瀉下成分

 センノシド

 カサントラノール

 ビサコジル

 ピコスルファートナトリウム

無機塩類

 酸化マグネシウム

 水酸化マグネシウム

 硫酸マグネシウム

 硫酸ナトリウム

膨潤性瀉下成分

 カルメロースナトリウム

 カルメロースカルシウム

 プランタゴ・オバタ

その他

 ジオクチルソジウムスルホサクシネート

 マルツエキス

胃腸鎮痛鎮痙薬

 メチルベナクチジウム臭化物

 ブチルスコポラミン臭化物

 メチルオクタトロピン臭化物

 ジサイクロミン塩酸塩

 オキシフェンサイクリミン塩酸塩

 チキジウム塩酸塩

 ロートエキス

 パパベリン塩酸塩

 アミノ安息香酸エチル

 オキセサゼイン

浣腸薬

 グリセリン

 ソルビトール

 ビサコジル

 炭酸水素ナトリウム

駆虫薬

 サントニン

 カイニン酸

 ピペラジンリン酸塩

 パモ酸ピルビニウム

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '23年版 (2023年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

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