グリセリンは、「胃腸に作用する薬」の「浣腸薬」に配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「浣腸薬」
「注入剤」
「グリセリン」
「配合成分としては、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、 排便を促す効果を期待して、」
「グリセリンやソルビトールが用いられる。」
「直腸内の浸透圧変化に伴って、使用時の体調によっては肛門部に熱感を生じることがある。」
「また、肛門から異物を注入する用法であることから、人によっては肛門部の不快感を生じることがある。」
「グリセリンが配合された浣腸薬では、排便時に血圧低下を生じて、立ちくらみの症状が現れるとの報告があり、」
「そうした症状は体力の衰えている高齢者や心臓に基礎疾患がある人で特に現れやすいため、高齢者又は心臓病の診断を受けた人では、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師等に相談がなされるべきである。」
「また、グリセリンが配合された浣腸薬が、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)を引き起こす、また、腎不全を起こすおそれがある。」
「痔出血の症状がある人では、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師等に相談がなされるべきである。」
…と、相なります。
ご存じのように、「グリセリン」は、「胃腸に作用する薬」の「浣腸薬」に登場します。
市販薬には、「 【第2類医薬品】アイデアル浣腸30 30g×10 ×5 」などがあります。
当該成分は、かなり試験に顔を出します。
「愛知県 R3 第31問」や「千葉県 R4 第75問」といった出題もあります。
「適正使用」の「医薬品的な問題」の論点もあります。
優先順位は、「かなり高い」です。
当該成分は…、
① グリセリンが配合された浣腸薬では、排便時に血圧低下を生じて、立ちくらみの症状が現れるとの報告がある。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「グリセリンが配合された浣腸薬では、排便時に血圧低下を生じて、立ちくらみの症状が現れるとの報告がある。」ですが、正しい記述です。
グリセリンには、「血圧低下」のおそれがあるので、注意しないといけない成分です。
ところで、わたしの個人的な体験ですが、ある朝、用を足した際に、あまりに大きいのが出てしまい、トイレを出た瞬間、くらくらしてへたり込んだことがありました。
浣腸薬を服用しなくても、大きなのが出るとくらっとするのだから、「浣腸薬」を使ったら、ことさら血圧が低下するだろうなー、と実感を持って当該副作用の記述に接したのでした。
よって、①は、「○」となります。
浣腸薬ですが、次に後述するように、「医師などに相談する」規定がそこそこあるので、要注意です。
当該「グリセリン」ですが、「医師などに相談する」がたくさんあります。
当該「医師などに相談する」は、いつ出題されてもおかしくないので、押さえておくべきです。
また、最近では、「適正使用」の「医薬品的な問題」の出題数が増加しているので、要チェックとなっています。
まず、「高齢者」です。
効果が強く出たり副作用が現れやすかったりするので、高齢者は使用前に「医師などに相談する」ことになっています。
次に、「心臓病の診断を受けた人」です。
先に見たように、グリセリンは「血圧低下」が現れるときがあります。急激な血圧低下が心臓病を悪化させるおそれがあります。
よって、心臓病の診断を受けた人は、「医師などに相談する」ことになっています。
そして、「痔出血の症状にある人」です。
傷口からグリセリンが腸管内に入って溶血を起こしたり、腎不全を起こすおそれがあったりします。
よって、痔出血の症状にある人は、「医師などに相談する」ことになっています。
余力があれば、必ず押えておきましょう。
「浣腸薬」では、個々の成分以上に、使用法や使用上の注意を問う総合問題の方が目立ちます。
本試験では…、
「便秘の場合に排便を促すことを目的として、直腸内に適用される医薬品である」とか…、
「便秘以外のときに直腸内容物の排除を目的として用いることは適当でない」とか…、
「便秘については、生活習慣の改善が図られることが重要であり、浣腸薬の使用は一時的なものにとどめるべきである」とか…、
「注入剤は、薬液を注入した後すぐに排便を試みると、薬液のみが排出されて効果が十分得ら れないことから、便意が強まるまでしばらく我慢する」とかが、実によく出題されています。
すべて「○」です。
浣腸薬は、便秘の場合に、排便を促すことを目的として、直腸内に適用される医薬品です。
また、浣腸薬は、効き目が低下するので、連用を避けます。
常識で考えればわかるものも多いですが、テキストの精読は必須です。
浣腸薬のそのほかの過去問としては…、
「繰り返し使用すると直腸の感受性が高まり効果が強くなる」とか…、
「半量等を使用した注入剤は、残量を冷所で保存すれば、感染のおそれもなく再利用することができる」とか…、
「乳幼児では、手軽に使用できる浣腸薬の使用が推奨されている」とかがあります。
すべて「×」です。
「浣腸薬」を連用すると、「慣れ」が生じて、効き目が弱まります。
次に、浣腸薬は、再利用できません。1回ごとに破棄します。
乳幼児への安易な浣腸薬の使用は避けます。また、妊婦は、流産や早産を誘発するおそれがあるので、浣腸薬の使用を避けます。
これらも、選択肢の1つとして、よくよく顔を出します。テキストは精読しておきましょう。
あまり出ませんが、配偶者のように、陰険な出題者が出しそうなので、念のため挙げておきます。
「注入剤」であるグリセリン・ソルビトールは、人肌程度に「温めておく」と、不快感が生じにくくなっています。
対して、「坐剤」のビサコジル・炭酸水素ナトリウムが、「やわらかい」ときは、「冷やして」から使用します。
定番の「逆問題」が予想されるので、たとえば、「グリセリンやソルビトールは、冷やして使用すると、不快感が生じない」などの問題が考えられます。「×」です。ひっかからないようにしましょう。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「 【第2類医薬品】アイデアル浣腸30 30g×10 ×5 」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「胃腸に作用する薬」の「浣腸薬」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
★みんなとシェアする