第8問は、「判決文」の問題です。「賃貸借」がテーマとなっていますが、本問は、法律の知識を問うというよりかは、一種の国語(現代文)の問題です。落ち着いて判決文を読み、選択肢を吟味すれば、解答は導けるはずです。
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本問のレベルは「ふつう」です。
「判決文」問題は、「落ち着く」ことが大事です。
問題の傾向が“がらっ”と変わるため、気持ちが付いて来ない事が多いです。
うまく問題が解けないときは、一番最後に解くのも、一手です。
落ち着いて文章に当たれば、すんなり解けるので、何回もいいますが、落ち着きましょう。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
本問は、「誤っているもの」を選ぶ出題形式です。
なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。
判決文は、以下の…
『賃借人は、賃貸借契約が終了した場合には、賃借物件を原状に回復して賃貸人に返還する義務があるところ、賃貸借契約は、賃借人による賃借物件の使用とその対価としての賃料の支払を内容とするものであり、賃借物件の損耗の発生は、賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものである。それゆえ、建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化または価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。そうすると、建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、(中略)その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。』
…となっています。
選択肢1の「賃借物件を賃借人がどのように使用しても、賃借物件に発生する損耗による減価の回収は、賃貸人が全て賃料に含ませてその支払を受けることにより行っている。」ですが、誤った記述です。
国語の問題です。
「判決文」には、「賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化または価値の減少」については、賃料から回収せよ、と述べられています。
「どのように使用しても」とは、書かれていません。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢2の「通常損耗とは、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化または価値の減少を意味する。」ですが、正しい記述です。
国語の問題です。
判決文の文中で、そう指摘されています。
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢3の「賃借人が負担する通常損耗の範囲が賃貸借契約書に明記されておらず口頭での説明等もない場合に賃借人に通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになる。」ですが、正しい記述です。
国語の問題です。
判決文の文中で、そう指摘されています。
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢4の「賃貸借契約に賃借人が原状回復義務を負う旨が定められていても、それをもって、賃借人が賃料とは別に通常損耗の補修費を支払う義務があるとはいえない。」ですが、正しい記述です。
判決文の末尾には、「賃借人に同義務(通常損耗の補修費を支払う義務)が認められるためには、(略)その旨の特約(略)が明確に合意されていることが必要」と述べられています。
明確な合意が要ると述べられているので、明確な合意が認められない場合には、通常損耗の補修費を支払う義務が生じない、といった次第です。
よって、選択肢は、「正」となります。
「1」は「誤」です。
「2」は「正」です。
「3」は「正」です。
「4」は「正」です。
本問は、「誤っているものはどれか?」ですので…
正解:1
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H30 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。
当該論点の勉強には、「民法「判決文」の過去問リスト」を、活用ください。
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まだまだ問題が解き足らない方は…、
「管理業務主任者 民法一覧」の方も、活用ください。
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