6問‐H30の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第6問は、「法定地上権」の問題です。多数の判例問題で問題が構成されているため、完答は、かなり難しいです。できなくても仕方がないので、復習だけしておきましょう。本試験では、深追いしないでください。

6問‐法定地上権

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「難」です。

 難問です。

 本試験にて、この種の“お手上げ系”問題に遭遇したら、解けそうな選択肢にのみ尽力し、後は、天に任せて解答しましょう。

 んで、難問は、「後回し」推奨です。

 全部解き終えてから、ゆっくり時間をかけて考えましょう。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 本問は、「誤っているもの」を選ぶ出題形式です。

 別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢1

 選択肢1の「Aが乙建物の登記をA名義に移転する前に甲土地に抵当権を設定登記していた場合、甲上地の抵当権が実行されたとしても、乙建物のために法定地上権は成立しない。」ですが、誤った記述です。

 判例問題です。

 抵当権設定当時、建物が前所有者で登記されていて、土地所有者へ移転登記されていなくても、法定地上権は成立すると解されています。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 後々のために、選択肢の内容は押えておきましょう。

選択肢2

 選択肢2の「Aが乙建物を取り壊して更地にしてから甲土地に抵当権を設定登記し、その後にAが甲土地上に丙建物を建築していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、丙建物のために法定地上権は成立しない。」ですが、正しい記述です。

 この選択肢は、解けるレベルです。

 法定地上権は、抵当権設定時に、土地の上に建物がある事が要件です。

 選択肢のように、抵当権設定時に、建物がない場合は、法定地上権は成立しません。

 参考:民法 第三百八十八条・・・『“土地及びその上に存する建物”が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢3

 選択肢3の「Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を建築し、丙建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。」ですが、正しい記述です。

 判例問題です。

 選択肢の場合、特段の事情がない限り、新建物のための法定地上権は成立しない、と解されています。

 よって、選択肢は、「正」となります。

 「使い回し」に備えて、チェックだけはしておきましょう。

選択肢4

 選択肢4の「Aが甲土地に抵当権を設定登記した後、乙建物をDに譲渡した場合、甲土地の抵当権が実行されると、乙建物のために法定地上権が成立する。」ですが、正しい記述です。

 判例問題です。

 選択肢のように、抵当権設定当時、土地と建物が同一所有者であった場合、後に、その建物を譲渡しても、その建物のための法定地上権が成立する、と解されています。

 よって、選択肢は、「正」となります。

 復習だけはしておきましょう。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「正」です。

 「3」は「正」です。

 「4」は「正」です。

 本問は、「誤っているものはどれか?」ですので…

 正解:1

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H30 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。

 当該論点の勉強には、「民法「抵当権」の過去問リスト」や「民法「判例」の過去問リスト」を、活用ください。

管理業務主任者の民法

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 この試験にも、「民法」が出題されるのですが、どれも、基礎的なものなので、「カンタン」です。

 そのため、宅建の民法の基礎力養成や、問題演習数の確保に便利です。

 まだまだ問題が解き足らない方は…、

 「管理業務主任者 民法一覧」の方も、活用ください。

独学向け教材

 宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。

 はじめて法律を学ぶ方は「宅建(初学者向け)」を、参考にしてください。

 んで、法学部卒等で、ある程度の素養のある人は、「宅建(経験者向け)」を、参考にしてください。

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宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

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 ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。

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