3問‐H30の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第3問は、「贈与」を問う問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

3問‐贈与

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 大半の受験生は、「点」にする問題です。

 本問は、落とせない問題です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 本問は、「誤っているもの」を選ぶ出題形式です。

 問題文に、「書面による贈与」とあるので、これを念頭に、選択肢に当たってください。

選択肢1

 選択肢1の「本件約定は、停止条件付贈与契約である。」ですが、正しい記述です。

 停止条件とは、「○○したら、○○する」です。

 設問の場合、「合格したら、建物あげる」なので、まさに、「停止条件」です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

 なお、「解除条件」とは、「○○しなかったら、○○する」です。

 言葉の意味を考えるほど、混乱するので、機械的に暗記するのが一番です。

選択肢2

 選択肢2の「本件約定の後、Aの放火により甲建物が滅失し、その後にBが本件試験に合格した場合、はBに対して損害賠償貢任を負う。」ですが、正しい記述です。

 民法 第百二十八条には、『条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。』とあります。

 まあ、条文知識がなくても、選択肢の場合、贈与者は、思いっきり相手方を害していますので、当然、賠償義務があります。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢3

 選択肢3の「Bは、本件試験に合格したときは、本件約定の時点にさかのぼって甲建物の所有権を取得する。」ですが、誤った記述です。

 停止条件付き契約の効果が生じるのは、条件が成立したときからです。

 さかのぼって、効果が生じるものではありません。

 参考:民法 第百二十七条・・・『停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、民法 第百二十七条の第3項には、『当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う』とあるので、特約等があれば、「さかのぼって」取得することも可能です。

 しかし、本問では、問題文に何の指示もないので、原則的な扱いとなります。これも出そうなので、チェックしておきましょう。

選択肢4

 選択肢4の「本件約定の時点でAに意思能力がなかった場合、Bは、本件試験に合格しても、本件約定に基づき甲建物の所有権を取得することはできない。」ですが、正しい記述です。

 Aには、意思能力がないのですから、契約そのものが無効となります。

 Bには酷ですが、贈与契約が無効なので、合格しても建物はもらえません。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「1」は「正」です。

 「2」は「正」です。

 「3」は「誤」です。

 「4」は「正」です。

 本問は、「誤っているものはどれか?」ですので…

 正解:3

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H30 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。

管理業務主任者の民法

 宅建と同じ不動産系資格に「管理業務主任者」があります。

 この試験にも、「民法」が出題されるのですが、どれも、基礎的なものなので、「カンタン」です。

 そのため、宅建の民法の基礎力養成や、問題演習数の確保に便利です。

 まだまだ問題が解き足らない方は…、

 「管理業務主任者 民法一覧」の方も、活用ください。

独学向け教材

 宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。

 はじめて法律を学ぶ方は「宅建(初学者向け)」を、参考にしてください。

 んで、法学部卒等で、ある程度の素養のある人は、「宅建(経験者向け)」を、参考にしてください。

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宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

 「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。

 ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。

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