11問‐H30の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第11問は、「借地借家法:借地権」の問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

11問‐借地借家法:借地権

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 大半の受験生は、「点」にする問題です。

 本問は、ゼッタイに落としてはいけない問題です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 本問は、「正しいもの」を選ぶ出題形式です。

 別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢1

 選択肢1の「本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。」ですが、誤った記述です。

 定番問題です。

 公正証書が必要なのは、「事業用定期借地権」のみです。

 設問の場合、問題文には、期限について記載がないので、「定期借地権」と断定できません。

 通常の借地権の場合なら、公正証書でなくても、有効です。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢2

 選択肢2の「本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。」ですが、正しい記述です。

 借地権の存続期間は、最低でも、「30年」です。

 参考:借地借家法 第三条・・・『借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。

 そして、第五条には、『借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。』とあります。

 建物があれば、更新請求できる、といった寸法です。

 「契約の更新請求をしない旨」は、借地権者にとって不利なので、選択肢のいうように、「無効」と相なります。

 参考:借地借家法 第九条・・・『この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢3

 選択肢3の「本件契約において借地権の存続期間を60年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は30年となる。」ですが、誤った記述です。

 借地借家法の第三条には、『借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。』とあるので、「60年」を設定することができます。

 別段、公正証書で行なう必要はありません。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 蛇足ですが、当該契約は、期間が50年以上なので、いわゆる「一般定期借地権」になる可能性もあるわけですが、「一般定期借地権」であっても、別に公正証書に拠る必要はなく、何らかの書面でOKとなっています。

 んで、公正証書が必要なのは、「事業用定期借地権」のみです。

選択肢4

 選択肢4の「Bは、甲土地につき借地権登記を備えなくても、Bと同姓でかつ同居している未成年の長男名義で保存登記をした建物を甲土地上に所有していれば、甲土地の所有者が替わっても、甲土地の新所有者に対し借地権を対抗することができる。」ですが、誤った記述です。

 判例問題です。

 確かに、借地借家法の第十条には、『借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。』とあります。

 しかし、設問の場合、Bではなくて、未成年の長男名義で保存登記をした建物なので、同一性がありません。よって、対抗はできないとされています。

 何回も出ている判例なので、確実にチェックしておきましょう。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「正」です。

 「3」は「誤」です。

 「4」は「誤」です。

 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…

 正解:2

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H30 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。

 当該論点の勉強には、「宅建「借地借家法」の過去問リスト」を、活用ください。

独学向け教材

 宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。

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