第12問は、第12問は、「借地借家法:借家権」の問題です。条文知識を問う選択肢が多いですが、どれも定番の論点なので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。
(クリックして拡大。)
本問のレベルは「ふつう」です。
大半の受験生は、「点」にする問題です。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
本問は、「正しいもの」を選ぶ出題形式です。
問題文には、「Aが所有する甲建物をBが5年間賃借する」との指示があります。
(あー定期借家権かなー)と思いつつ、選択肢に当たっていきましょう。
なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。
選択肢1の「AB間の賃貸借契約が借地借家法第芻条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合には、5年経過をもって当然に、AはBに対して、期間満了による終了を対抗することかできる。」ですが、誤った記述です。
基本問題です。
賃貸人であるAは、期間の満了の一年前から六月前までの間に、契約の終了する旨を通知する必要があります。
参考:借地借家法 第38条4項・・・『第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(略)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。(略)』
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢2の「AB間の賃貸借契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合には、当該契約の期間中、Bから中途解約を申し入れることはできない。」ですが、誤った記述です。
定期借家権であっても、賃借人に特段の事由がある場合、解約が可能です。
借地借家法第8条の第5項には、『転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。(略)』とあります。
よって、選択肢は、「誤」となります。
なお、この規定が有効なのは、床面積が200平方メートル未満の建物に係るものに限ります。
当該規定は、借家人の保護なわけですが、床面積が200平方メートルを超える邸宅なりマンションなりを借りられる人なら、相応の経済状態にあるわけであり、そういう人には、途中解約という法の保護を与えなくてもよい、としているように思われます。
選択肢3の「AB間の賃貸借契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借でない場合、A及びBのいずれからも期間内に更新しない旨の通知又は条件変更しなければ更新しない旨の通知がなかったときは、当該賃貸借契約が更新され、その契約は期間の定めがないものとなる。」ですが、正しい記述です。
条文をそのまま問うている問題です。
借地借家法第26条には、『建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。』とあります。
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢4の「CがBから甲建物を適法に賃貸された転借人で、期間満了によってAB間及びBC間の賃貸借契約が終了する場合、Aの同意を得て甲建物に付加した造作について、BはAに対する買取請求権を有するが、CはAに対する買取請求権を有しない。」ですが、誤った記述です。
これまた、条文知識を問う問題です。
造作買取請求権は、借地借家法の第三十三条に規定されており、『建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。建物の賃貸人から買い受けた造作についても、同様とする。』とあります。
次いで、第2項には、『前項の規定は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了する場合における建物の転借人と賃貸人との間について準用する。』とあります。
選択肢の場合、適法な転貸借が成立しているので、転借人にも、造作買取請求権が発生します。
よって、選択肢は、「誤」となります。
「1」は「誤」です。
「2」は「誤」です。
「3」は「正」です。
「4」は「誤」です。
本問は、「正しいものはどれか?」ですので…
正解:3
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H30 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。
当該論点の勉強には、「宅建「借地借家法」の過去問リスト」を、活用ください。
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