29問‐H29の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第29問は、「監督処分」の問題です。細かい規定やひっかけなどがあり、正解するのは、困難です。解ける選択肢でギリギリまで絞ってから、後は、運を天に任せましょう。

29問‐監督処分

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは、「やや難」です。

 ひっかけがあったり、小難しい規定が問われていたり、重箱の隅を突くような罰則が問われていたりと、正解には、骨が折れるはずです。

 できる選択肢だけに尽力し、最終解答は、運を天に任せましょう。

 失点も、仕方のない問題です。

 まあ、復習だけは、しっかりしておきましょう。

 本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。

解説

 問題文には、別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢1

 1の「宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、マンション管理業に関し、不正又は著しく不当な行為をしたとして、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づき、国土交通大臣から業務の停止を命じられた。この場合、Aは、甲県知事から法に基づく指示処分を受けることがある。」ですが、誤った記述です。

 軽いひっかけです。

 選択肢の処分は、「マンション管理業」が対象です。

 宅建業とは関係がないので、甲県知事の処分はありません。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、仮に「宅建業」であった場合ですが、Aは甲県知事免許なので、甲県知事が処分します。

 国土交通大臣は、知事免許の業者に、処分できません。国土交通大臣は、大臣免許の業者にのみ、処分ができます。

 テキストで確認しておきましょう。

選択肢2

 2の「国土交通大臣は、宅地建物取引業者B(乙県知事免許)の事務所の所在地を確知できない場合、その旨を官報及び乙県の公報で公告し、その公告の日から30日を経過してもBから申出がないときは、Bの免許を取り消すことができる。」ですが、誤った記述です。

 先の選択肢で述べましたが、国土交通大臣は、知事免許の業者に、処分できません。国土交通大臣は、大臣免許の業者にのみ、処分ができます。

 この場合、乙県知事が処分します。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、「所在地を確知できない場合、(…略…)公告し、その公告の日から30日を経過しても(…略…)免許を取り消すことができる。」ですが、この規定は、「任意的取消処分」で、正しいです。ここも、チェックしておきましょう。特に、「30日」という数字と、「取り消すことができる(任意)」という表記とを。

選択肢3

 3の「国土交通大臣は、宅地建物取引業者C(国土交通大臣免許)に対し、法第35条の規定に基づく重要事項の説明を行わなかったことを理由に業務停止を命じた場合は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に通知しなければならない。」ですが、誤った記述です。

 難儀な選択肢です。出来なくても仕方ないでしょう。

 まず、選択肢のいう規定はありません。

 選択肢の場合、処分の前に、内閣総理大臣と協議する必要があります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 おそらく、この選択肢は、国土交通大臣が処分をした場合の都道府県知事への通知制度を、もじったものかと思われます。

 国土交通大臣は、指示・業務停止処分、免許取消処分をした場合、その業者の事務所の所在地を管轄する都道府県知事に、通知することになっています。

 当該通知・報告制度ですが、このほかに…、

 指示・業務停止処分をした都道府県知事は、遅滞なく、その旨を、大臣免許業者なら国土交通大臣へ報告し、知事免許ならその知事へ通知することになっています。

 再度、問われそうな論点なので、テキストの該当部分は、精読しておきましょう。

選択肢4

 4の「宅地建物取引業者D(丙県知事免許)は、法第72条第1項に基づく丙県職員による事務所への立入検査を拒んだ。この場合、Dは、50万円以下の罰金に処せられることがある。」ですが、正しい記述です。

 そのとおりの記述です。

 よって、選択肢は、「正」となります。

 なお、罰則規定ですが、ここまで押えるのは、困難です。

 最終解答は、他の選択肢の正誤から、導きましょう。

 なお、「罰則」については、「宅建業法の「罰則」の傾向と整理のまとめ‐宅建ノート」なども、参考ください。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「誤」です。

 「3」は「誤」です。

 「4」は「正」です。 p> 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…

 正解:4

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 当該年度の「宅建業法」だけ、問題演習をしたい人は、「H29 宅建業法一覧リスト」を、ご利用ください。

 類似問題あります。テーマ別の問題演習は、

 「宅建業法「監督処分」の過去問リスト」や、

 「宅建業法の「罰則」の過去問リスト」を、活用ください。

独学向け教材

 宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。

 はじめて法律を学ぶ方は「宅建(初学者向け)」を、参考にしてください。

 んで、法学部卒等で、ある程度の素養のある人は、「宅建(経験者向け)」を、参考にしてください。

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宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

 「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。

 ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。

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