第28問は、一種の総合問題で、雑多な選択肢で構成されていて、帳簿、勧誘、媒介契約、手付金といった論点で構成されています。選択肢のそれぞれは、基礎レベルですが、出題形式が難儀です。でも、取りたい問題です。
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本問のレベルは、「やや難」です。
解答形式が、「違反しないものはいくつあるか」のため、すべての選択肢を判別できないと、正解できません。
しかしながら、選択肢の1つ1つは、基礎的なものばかりで、多くの受験生は、「点」にするはずです。
こういう問題を取れると、ぐっと、合格は近づきます。テキストの精読と過去問演習を徹底してください。
まあでも、答えが少し嫌らしいので、失点は仕方がないかな、と思います。
本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。
アの「Aは、法第49条に規定されている業務に関する帳簿について、業務上知り得た秘密が含まれているため、帳簿の閉鎖後、遅滞なく、専門業者に委託して廃棄した。」ですが、誤った記述です。
基本問題です。
帳簿は、その閉鎖後、「5年間」は、保管しておかねばなりません。
免許の有効期間は「5年」ですが、更新の際、監督官庁は、何か疑いがあれば、帳簿を調査する必要があるため、当該帳簿の5年保管義務があるのだと思われます。
よって、選択肢は、「違反する」となります。
なお、自ら売主となる新築住宅に係る帳簿は、「10年」の保存義務があります。言うまでもなく、瑕疵担保責任の期間です。
2の「Aは、宅地の売却を希望するBと専任代理契約を締結した。Aは、Bの要望を踏まえ、当該代理契約に指定流通機構に登録しない旨の特約を付したため、その登録をしなかった。」ですが、誤った記述です。
「媒介契約」の規定は、「代理契約」にも、準用されています。
よって、特約があっても、取引物件を指定流通機構に登録する必要があります。
選択肢は、「違反する」となります。
ウの「Aの従業者Cは、投資用マンションの販売において、勧誘に先立ちAの名称を告げず、自己の氏名及び契約締結の勧誘が目的であることを告げたうえで勧誘を行ったが、相手方から関心がない旨の意思表示があったので、勧誘の継続を断念した。」ですが、誤った記述です。
業者名のAを、表示しなかったため、「不当な勧誘」に該当します。社名を言わないなんて、卑怯ですよね。
よって、選択肢は、「違反する」となります。
4の「Aは、自ら売主として新築マンションを分譲するに当たり、売買契約の締結に際して買主から手付を受領した。その後、当該契約の当事者の双方が契約の履行に着手する前に、Aは、手付を買主に返還して、契約を一方的に解除した。」ですが、誤った記述です。
Aは売主ですから、「手付倍返し」をしないとダメです。
よって、選択肢は、「違反する」となります。
なお、売主の手付倍返しですが、実際に支払う必要があります。「通知」だけではダメなので、注意してください。(買主は、もう支払っているので、手付を放棄する旨の「通知」だけでいいです。)
「ア」は「違反する」です。
「イ」は「違反する」です。
「ウ」は「違反する」です。
「エ」は「違反する」です。
本問は、「違反しないものはいくつあるか?」ですので…
正解:4
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
当該年度の「宅建業法」だけ、問題演習をしたい人は、「H29 宅建業法一覧リスト」を、ご利用ください。
類似問題あります。テーマ別の問題演習は…、
「宅建業法「勧誘」の過去問リスト」を、活用ください。
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