第12問は、「借地借家法:賃貸」の問題です。基本的な条文知識を問う問題なので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。
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本問のレベルは「ふつう」です。
大半の受験生は、「点」にする問題です。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
本問は、「正しいもの」を選ぶ出題形式です。
問題文には、「3年間賃貸する」との指示があります。
解答に使う可能性があるので、読み落とさないようにしましょう。
なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。
選択肢1の「AがBに対し、甲建物の賃貸借契約の期間満了の1年前に更新をしない旨の通知をしていれば、AB間の賃貸借契約は期間満了によって当然に終了し、更新されない。」ですが、誤った記述です。
問題文の「3年間賃貸する」から、設問の舞台は、「定期借家権」であることがわかります。
んで、当該「定期借家権」ですが、契約終了の通知をしなくてはなりません。
賃貸人の場合、契約満了の1年前から6ヶ月前までの間に、通知をする必要があります。
加えて、当該通知には、「正当事由」が必要となります。
逆を言えば、正当事由がないと、契約が終了しないわけです。
んなもんで、選択肢の「当然に終了」が誤りとなります。
よって、選択肢は、「誤」となります。
参考:借地借家法 第二十六条・・・『建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。』
参考:借地借家法 第二十八条・・・ 『建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(略)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。』
選択肢2の「Aが甲建物の賃貸借契約の解約の申入れをした場合には申入れ日から3月で賃貸借契約が終了する旨を定めた特約は、Bがあらかじめ同意していれば、有効となる。」ですが、誤った記述です。
賃貸人からの定期借家権の終了は、解約申し入れの日から6月を経過して、終了と相なります。
参考:借地借家法 第27条第1項・・・『建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。』
んで、借地借家法では、賃借人に不利となる特約は無効です。
参考:借地借家法 第30条・・・『この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。』
法では6ヶ月なのに、特約で3ヶ月となっており、賃借人に不利なので、無効となります。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢3の「cが甲建物を適法に転借している場合、AB間の賃貸借契約が期間満了によって終了するときに、Cがその旨をBから聞かされていれば、AはCに対して、賃貸惜契約の期間満了による終了を対抗することができる。」ですが、誤った記述です。
選択肢は、いわゆる「建物賃貸借終了の場合における転借人の保護」です。
借地借家法の第三十四条には、『建物の転貸借がされている場合において、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、建物の賃貸人は、建物の転借人にその旨の通知をしなければ、その終了を建物の転借人に対抗することができない。』とあります。
んなもんで、賃貸人は、転借人にも通知をする必要があります。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢4の「AB間の賃貸借契約が借地借家法第条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めるものである場合、当該契約前にAがBに契約の更新がなく期間の満了により終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければ、契約の更新がない旨の約定は無効となる。」ですが、正しい記述です。
条文知識を問う問題です。
借地借家法の第三十八条の2項には…、
『前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。 』
…とあり、賃貸人に、説明義務を課しています。
んで、同法3項には…、
『建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。』
…とあります。
選択肢の場合では、説明がなされていないので、「契約の更新がない旨」は、無効と相なります。
よって、選択肢は、「正」となります。
「1」は「誤」です。
「2」は「誤」です。
「3」は「誤」です。
「4」は「正」です。
本問は、「正しいものはどれか?」ですので…
正解:4
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H29 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。
当該論点の勉強には、「宅建「借地借家法」の過去問リスト」を、活用ください。
宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。
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