2問‐H29の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第2問は、「所有権」を問う問題です。取得時効、特約、強迫による取り消しなどが出題されています。基礎・基本的なものばかりなので、穏当に、選択肢は絞れるはずです。

2問‐所有権

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 大半の受験生は、「点」にする問題です。

 ぜひとも、点にしたい問題です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 本問は、「正しいもの」を選ぶ出題形式です。

 別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢1

 1の「Aの所有する甲土地をBが時効取得した場合、Bが甲土地の所有権を取得するのは、取得時効の完成時である。」ですが、誤った記述です。

 基本問題です。

 時効取得の場合は、その起算日に、遡ります。

 んなもんで、Bが土地を占有し始めたときに、取得します。

 参考:第百四十四条・・・『時効の効力は、その起算日にさかのぼる。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢2

 選択肢2の「Aを売主、Bを買主としてCの所有する乙建物の売買契約が締結された場合、BがAの無権利について善意無過失であれば、AB間で売買契約が成立した時点で、Bは乙建物の所有権を取得する。」ですが、誤った記述です。

 「即時取得」の規定です。

 民法の第百九十二条には、『取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する』とあります。

 当該規定は、「動産」が対象であって、「不動産」は対象外です。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢3

 選択肢3の「Aを売主、Bを買主として、丙土地の売買契約が締結され、代金の完済までは丙土地の所有権は移転しないとの特約が付された場合であっても、当該売買契約締結の時点で丙土地の所有権はBに移転する。」ですが、誤った記述です。

 第百七十六条には、『物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。』とあります。

 当該規定は、特約を含みます。

 んなもんで、特約どおり、代金完済時に、所有権が移転することになります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢4

 選択肢4の「AがBに丁土地を売却したが、AがBの強迫を理由に売買契約を取り消した場合、丁土地の所有権はAに復帰し、初めからBに移転しなかったことになる。」ですが、正しい記述です。

 強迫による意思表示は、取り消すことができ、取り消された場合、遡って、無効とされます。

 参考:第百二十一条・・・『取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。』

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「誤」です。

 「3」は「誤」です。

 「4」は「正」です。

 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…

 正解:4

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H29 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。

管理業務主任者の民法

 宅建と同じ不動産系資格に「管理業務主任者」があります。

 この試験にも、「民法」が出題されるのですが、どれも、基礎的なものなので、「カンタン」です。

 そのため、宅建の民法の基礎力養成や、問題演習数の確保に便利です。

 まだまだ問題が解き足らない方は…、

 「管理業務主任者 民法一覧」の方も、活用ください。

独学向け教材

 宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。

 はじめて法律を学ぶ方は「宅建(初学者向け)」を、参考にしてください。

 んで、法学部卒等で、ある程度の素養のある人は、「宅建(経験者向け)」を、参考にしてください。

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宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

 「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。

 ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。

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