第7問は、「請負契約」の問題です。選択肢のうち、1つは、条文知識を問うているので解けますが、残りの3つは、判例問題で構成されているため、確答が難しい問題です。
(クリックして拡大。)
本問のレベルは「難」です。
判例問題が多いため、確答できない選択肢ばかりです。
しかし、テキストレベルの選択肢もあります。
まず、テキストレベルの選択肢を確実に判別してください。
後は、選択肢をよく読んで、なんかへンだなーと思ったものを、丹念にチェックするのみです。
判例問題は、大概が、知識問題なので、知らないと解きようがありません。
本試験にて、本問のような判例問題に遭遇したら、「後回し」にして、他の問題に時間を割きましょう。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
本問は、「誤っているもの」を問う出題形式です。
問題文には、特に、これといった指示はありません。
なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。
選択肢1の「請負契約が請負人の責めに帰すべき事由によって中途で終了し、請負人が施工済みの部分に相当する報酬に限ってその支払を請求することができる場合、注文者が請負人に請求できるのは、注文者が残工事の施工に要した費用のうち、請負人の未施工部分に相当する請負代金額を超える額に限られる。」ですが、正しい記述です。
判例問題です。
“こういうもの”なので、このとおり、憶えるしかありません。
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢2の「請負契約が注文者の責めに帰すべき事由によって中途で終了した場合、請負人は、残債務を免れるとともに、注文者に請負代金全額を請求できるが、自己の債務を免れたことによる利益を注文者に償還しなければならない。」ですが、正しい記述です。
判例問題です。
“こういうもの”なので、このとおり、憶えるしかありません。
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢3の「請負契約の目的物に瑕疵がある場合、注文者は、請負人から瑕疵の修補に代わる損害の賠償を受けていなくとも、特別の事情がない限り、報酬全額を支払わなけれはならない。」ですが、誤った記述です。
判例問題です。
注文主は、請負契約の目的物に瑕疵がある場合、修補か損害賠償の請求ができるわけですが、ひとまず、「報酬を支払った後で」とは、条文に規定されていません。
参考:民法 第六百三十四条・・・『注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる』
選択肢の場合、信義則に反するなどの特別の事情がない限り、報酬の支払いを拒むことができます。
ところで、設問は判例問題のため、一見すると、お手上げのように見えますが、よくよく読めば、理不尽な内容です。
請負契約の目的物に瑕疵があるのに、注文主は、報酬全額を支払わねばならないとは、これいかに?といった次第です。
常識的に考えても、判別できるかと思います。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢4の「請負人が瑕担保責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることはできない。」ですが、正しい記述です。
基本的な条文知識を問う問題です。
民法 第六百四十条には、『請負人は、第六百三十四条又は第六百三十五条の規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができない。』と規定されています。
よって、選択肢は、「正」となります。
「1」は「正」です。
「2」は「正」です。
「3」は「誤」です。
「4」は「正」です。
本問は、「誤っているものはどれか?」ですので…
正解:3
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H29 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。
当該論点の勉強には、「民法「判例」の過去問リスト」を、活用ください。
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