グリチルリチン酸二カリウムは、「精神神経に作用する薬」の「風邪薬」の「抗炎症成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「炎症による腫れを和らげる成分(抗炎症成分)」
「鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的として、」
「トラネキサム酸、グリチルリチン酸二カリウム等が配合されている場合がある。」
「グリチルリチン酸二カリウムの作用本体であるグリチルリチン酸は、化学構造がステロイド性抗炎症成分に類似していることから、抗炎症作用を示すと考えられている。」
「グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがある。」
「むくみ、心臓病、腎臓病又は高血圧のある人や高齢者では偽アルドステロン症を生じるリスクが高いため、」
「それらの人に1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上の製品を使用する場合は、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談する等、事前にその適否を十分考慮するとともに、偽アルドステロン症の初期症状に常に留意する等、慎重に使用する必要がある。」
「また、どのような人が対象であっても、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品は長期連用を避ける(※1)。」
「なお、医薬品ではグリチルリチン酸としての1日摂取量が200mgを超えないよう用量が定められているが、かぜ薬以外の医薬品にも配合されていることが少なくなく、」
「また、グリチルリチン酸二カリウムは甘味料として一般食品や医薬部外品などにも広く用いら れている(※2)ため、医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、グリチルリチン酸の総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要がある。」
「グリチルリチン酸を含む生薬成分として、カンゾウが配合されている場合もある。」
…と、相なります。
当該成分ですが、「3)主な副作用、相互作用、受診勧奨」の【主な副作用】にも登場します。その記述ですが…、
「このほか配合成分によっては、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、偽アルドステロン症、腎障害、無菌性髄膜炎を生じることがある。」
…の「偽アルドステロン症」の「注記」に登場します。
その「注記」ですが…、
「偽アルドステロン症を生じることがある主な成分:グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、カンゾウ」
…となっています。
当該注記は、出題実績があるので、押さえておくべきです。
(※1)部分に、「注記」があります。その内容は…、
「かぜ薬、解熱鎮痛薬、アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)等では、グリチルリチン酸二カリウム等のグリチルリチン酸を含む成分が配合されているか否かによらず、長期連用は避けることとされている。」
…となっています。
出題実績のある「注記」なので、押えておきましょう。
(※2)部分に、「注記」があります。その内容は…、
「医薬品においても、添加物(甘味料)として配合されている場合がある(ただしその場合、薬効は期待できない)。」
…となっています。
当該注記は、目を通しておけばいいでしょう。
文中に生薬の「カンゾウ」が出ています。当該カンゾウについては、「カンゾウ」を、参考にしてください。
ご存じのように、「グリチルリチン酸二カリウム」は、「風邪薬」の「抗炎症成分」として登場します。
市販薬には、「鼻炎薬A「クニヒロ」 48錠」などがあります。
当該成分ですが、数字もあり、禁忌もあり、使用上の注意もありと、出題論点がてんこ盛りです。
他の薬でも問われる論点なので、かぜ薬でしっかり勉強しておけば、後々で、楽になります。
当該成分は、かぜ薬での出題は少ないですが、「宮城県 R5 第22問」といった出題例があります。
「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。
優先順位は、「とても高い」です。1つ1つを、しっかり頭に入れていきましょう。
グリチルリチン酸二カリウムは…、
① グリチルリチン酸二カリウム -------- 鼻粘膜の炎症を和らげる。
② グリチルリチン酸二カリウム -------- 副作用:散瞳、口渇。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「グリチルリチン酸二カリウム -------- 鼻粘膜の炎症を和らげる」ですが、正しい記述です。
ごぞんじのように、当該グリチルリチン酸二カリウムは、「抗炎症成分」です。
よって、①は、「○」となります。
「名称と成分名」の組み合わせは、登録販売者でド定番の問題です。
最低でも、“名前”だけは頭に入れておきましょう。格段に点が取れるようになります。
なお、くだらない憶え方ですが、“グリ”チ“ル”リチン酸の「グリ」と「ル」のところを、レストランの厨房の「グリル」と絡めて、「グリルの炎を消す=抗炎」ってな感じで、わたしは憶えました。個人的には、気に入っている憶え方です。
②の「グリチルリチン酸二カリウム -------- 副作用:散瞳、口渇」ですが、誤った記述です。
グリチルリチン酸二カリウムの副作用は、「偽アルドステロン症」です。
「グリチルリチン酸二カリウム」を大量に摂取することで生じる副作用は、「偽アルドステロン症」です。
よって、②は、「×」となります。
本当によく出る論点なので、「グリチルリチン酸二カリウム・・・偽アルドステロン症」とガチ暗記してください。
ついでに、「グリチルリチン酸・・・カンゾウ・・・偽アルドステロン症」も、ガチ暗記しておきましょう。
これだけで、1~2点取れます。
グリチルリチン酸二カリウムの「風邪薬」でのポイントを、おさらいのためにまとめておきます。
グリチルリチン酸二カリウムの「グリチルリチン」は、「ステロイド性抗炎症成分」に類似しています。
グリチルリチン酸二カリウムを大量に摂取することで生じる副作用は、「偽アルドステロン症」です。
よって、むくみ、心臓病、腎臓病、高血圧のある人、高齢者は、グリチルリチン酸類が40mgを越える製品を利用するときは、医師などに相談します。
どのような人も、グリチルリチン酸類が40mgを越える製品の長期連用を避けます。
当該40mgですが、「適正使用」の「奈良県 R5 第120問」で出題実績があります。(ついに出るようになったかという感じです。)
過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、押さえておくべきです。
なお、数字については、「医薬品の数字1」も、一読願います。
かぜ薬以外にも、グリチルリチン酸が配合されています。
医薬品以外にも、一般食品や医薬部外品に、甘味料として、グリチルリチン酸を含むものがあります。
amazon参考:かっぱえびせん
グリチルリチン酸を含む生薬に、「カンゾウ」があります。
このあたりのことが頭に入っていれば、本試験では、だいたいの選択肢は判別できるはずです。
先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。
「グリチルリチン酸」ですが、「使用(服用)しない」の論点が多々あり、最も警戒すべき成分となっています。
以下のすべては、押さえておきましょう。
まず、「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」です。
グリチルリチン酸の入った薬には、先のような文言の注意書きがあります。
固有の表記なので、チェックだけしておきましょう。
「理由」は、「偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため」です。
副作用の「偽アルドステロン症」と絡んで出題されるので、理由も押えておきましょう。
参考:連用しない各種
次に、「長期連用しないこと」です。
グリチルリチン酸のド定番論点なので、押えておきましょう。
「理由」は、「偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため」です。
試験的に言うと、もはや、常識レベルです。
参考:長期連用しない1
「グリチルリチン酸」の「相談すること」ですが、数が多いです。
挙げると…、
「高齢者」
「むくみ」
「高血圧」
「心臓病」
「腎臓病」
…となっています。
無理そうなら捨てても構いませんが、「高齢者」くらいは、押えておきましょう。
参考:高齢者
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「鼻炎薬A「クニヒロ」 48錠」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「風邪薬」の他の「抗炎症成分」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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