トラネキサム酸‐登録販売者

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 トラネキサム酸は、「精神神経に作用する薬」の「風邪薬」の「抗炎症成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

インデックス

  1. おさらい‐手引き抜粋
  2. 傾向と対策、優先順位
  3. 過去問○×問題
  4. 解説
  5. 試験ポイント
  6. 他のページ

おさらい‐手引き抜粋

 復習用に、手引きを抜粋すると…、

 「炎症による腫れを和らげる成分(抗炎症成分)

 「鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的として、」

 「トラネキサム酸、グリチルリチン酸二カリウム等が配合されている場合がある。」

 「体内での起炎物質の産生を抑制することで炎症の発生を抑え、腫れを和らげる。」

 「ただし、凝固した血液を溶解されにくくする働きもあるため、血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)や血栓を起こすおそれのある人に使用する場合は、」

 「治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するなどの対応が必要である。」

 …と、相なります。

傾向と対策、優先順位

 ご存じのように、「トラネキサム酸」は、「風邪薬」の「抗炎症成分」として登場します。

 市販薬には、「ペラックT錠 36錠」や「ルルアタックEX」などがあります。

 当該成分ですが、かぜ薬では、そこそこの出題される成分です。

 「東京都 H28 第62問」や「」、「愛知県 R3 第24問」、「宮城県 R5 第22問」といった出題実績があります。

 「適正使用」の「医薬品的な問題」の論点もあります。

 優先順位は、「とても高い」です。

過去問○×問題

 トラネキサム酸は…、

 ① トラネキサム酸は、延髄の咳嗽中枢に作用して、咳を抑えることを目的とする成分である。

 ② トラネキサム酸は、「血栓のある人」が使用する場合、医師などに相談することが望ましい。

 ③ トラネキサム酸には、凝固した血液を溶解する働きがある。

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

 ③の正誤はこちらです。

解説

 先の○×問題の解説です。

 ①の「トラネキサム酸は、延髄の咳嗽中枢に作用して、咳を抑えることを目的とする成分である」ですが、誤った記述です。

 選択肢の説明は、「鎮咳成分」のものです。

 トラネキサム酸は、「抗炎症成分」です。

 よって、①は、「×」となります。

 なお、くだらない憶え方ですが、わたしは、「トラネキサム酸」の「トラ」を「タイガー」とかけて、タイガーマスクが「炎を消している=抗炎」姿を想像して憶えました。

②は重要論点

 ②の「トラネキサム酸は、「血栓のある人」が使用する場合、医師などに相談することが望ましい」ですが、正しい記述です。

 定番論点です。

 トラネキサム酸は、凝固した血液を融解され難くする働きがあります

 よって、血栓のある人や血栓を起こすおそれのある人は、事前に医師などに「相談すること」になってます。

 よって、②は、「○」となります。

 当該「血栓」は、トラネキサム酸の固有の論点なので、しっかり憶えておきましょう。

 先の市販薬のページにも、「相談すること」のところに、「血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)、血栓症を起こすおそれのある人」という記載を見出すことができます。チェックしておきましょう。

 なお、当該血栓ですが、「胃粘膜保護・修復成分」の「セトラキサート塩酸塩」にも、同様の「血栓」論点があります。併せて憶えておきましょう。

 ちなみに、「トラネキサム酸」と「セトラキサート塩酸塩」は、『トラ』繋がりで憶えると、効率がいいです。

③はおさらい

 ③の「トラネキサム酸には、凝固した血液を溶解する働きがある」ですが、誤った記述です。

 間違っているのは、「凝固した血液を溶解する働き」のところです。

 正しくは、「凝固した血液を溶解されにくくする働き」です。

 登録販売者試験によくある「ひっかけ」風問題です。

 先述したように、トラネキサム酸には、凝固した血液を溶解されにくくする働きがあります。

 本問のように、「“溶解する”働き」ではありません。問題文は、丁寧に読みましょう。

 よって、③は、「×」となります。

試験ポイント

 トラネキサム酸の「風邪薬」でのポイントを、おさらいのためにまとめておきます。

 トラネキサム酸は、「抗炎症成分」です。

 トラネキサム酸は、起炎物質の産生を抑制することにより、炎症の発生を抑え、腫れを和らげます。

 トラネキサム酸は、凝固した血液を溶解されにくくする働きがあります。

 よって、血栓のある人や血栓を起こすおそれのある人は、事前に医師などに相談することになってます。

 このあたりのことが頭に入っていれば、本試験では、だいたいの選択肢は判別できるはずです。

「適正使用」対策

 先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。

 「トラネキサム酸」ですが、「相談すること」だけに登場する成分です。

 「使用(服用)しない」には、登場しません。

 “こういう”のは、出題者が試験に出しやすいので、お友達の「セトラキサート塩酸塩」ともども、押えておきましょう。

 さて、当該成分が「相談すること」となるのは、「血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)、血栓症を起こすおそれのある人」です。

 「血栓」がらみなのは、当該トラネキサム酸とセトラキサート塩酸塩のみなので、「血栓・・・トラネキサム酸とセトラキサート塩酸塩」と、ガチ暗記しておきましょう。

 「理由」ですが、「生じた血栓が分解されにくくなるため」です。

 「医薬品」でも、「適正使用」でも、出るところです。押えておきましょう。

 参考:適正使用対策:相談‐基礎疾患3

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「ペラックT錠 36錠」や「ルルアタックEX」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「風邪薬」の他の「抗炎症成分」へのリンクです。

 トラネキサム酸

 グリチルリチン酸二カリウム

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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