登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」に登場する「生薬」の試験対策ページ。本ページでは、「か」の付く生薬の「カンゾウ」について、見ていきます。当該生薬の傾向と対策、優先順位、語呂あわせや、頻出ポイントをまとめています。そのほか、過去問を「○×問題」形式で紹介したりしています。通勤・通学時のおさらい用に。独学者向け。
復習用に、手引きの説明文を、抜粋しておきます。
『カンゾウ(マメ科のGlycyrrhiza uralensisFischer 又はGlycyrrhiza glabra Linnéの根及びストロンで、ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)を基原とする生薬)が用いられることもある。』
『カンゾウは、小児の疳を適応症とする生薬製剤では主として健胃作用を期待して用いられる。』
『カンゾウについては、グリチルリチン酸による抗炎症作用のほか、気道粘膜からの分泌を促す等の作用も期待される。』
『カンゾウを大量に摂取するとグリチルリチン酸の大量摂取につながり、偽アルドステロン症を起こすおそれがある。』
『むくみ、心臓病、腎臓病又は高血圧のある人や高齢者では偽アルドステロン症を生じるリスクが高いため、それらの人に1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上の製品を使用する場合は、』
『治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談する等、事前にその適否を十分考慮するとともに、偽アルドステロン症の初期症状に常に留意する等、慎重に使用する必要がある。』
『また、どのような人が対象であっても、1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上となる製品は、長期連用を避ける。』
『なお、カンゾウは、かぜ薬や鎮咳去痰薬以外の医薬品にも配合されていることが少なくなく、また、甘味料として一般食品等にも広く用いられるため、』
『医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、摂取されるグリチルリチン酸の総量が継続して多くならないよう注意を促すことが重要である。』
…となっています。
どの記述も、試験によく出るので、このページを「お気に入り」に入れておいて、何回も読み込んでおきましょう。
なお、英語の基原は、憶えようがないので、捨てましょう。英検でも出ない単語です。
基原は、名称と同じ「カンゾウ」です。ここだけ憶えて楽しましょう。
「基原と名称が同じ生薬一覧」も、参考にしてください。
「カンゾウ」は、「医薬品」にて、実によく試験に出る生薬の1つです。
そして、「適正使用」の「医薬品的な問題」の出題もあります。
よって、優先順位は、「とても高い」です。
なお、当該成分が配合された市販薬には、「 【第2類医薬品】正露丸 100粒 」などがあります。
生薬の効能・効果が頭に入らないときは、実物の説明書きや成分表で、頭に入れていきましょう。
当該生薬は…、
① カンゾウは、小児の疳を適応症とする生薬製剤では主として健胃作用を期待して用いられる。
② グリチルリチン酸を含む生薬には、カンゾウがある。
③ カンゾウは、抗炎症作用のほか、気道粘膜からの粘液の分泌を促進す ることを目的として用いられる。
…といった感じに出題されています。
①の「カンゾウは、小児の疳を適応症とする生薬製剤では主として健胃作用を期待して用いられる」ですが、正しい記述です。
「カンゾウ」を勉強するに当たっては、本問のような「小児鎮静薬(小児の疳の薬)」の論点に、注意してください。
「カンゾウ」は、主に「抗炎症作用」が期待されます。
しかし、例外的に、「小児鎮静薬(小児の疳の薬)」では、「健胃作用」が期待されています。
原則:抗炎症で、例外:小児の健胃です。
「カンゾウ」は、疳の薬でよくよく出るので、よくよく頭に入れておきましょう。
こんな次第で、解答は、「○」と相なります。
なお、「名称‐基原‐効能」以外の記述がある生薬を、「登録販売者「その他の記載」のある生薬のまとめ」に、まとめています。余裕があれば、チェックしておきましょう。
②の「グリチルリチン酸を含む生薬には、カンゾウがある」ですが、正しい記述です。
カンゾウは、「グリチルリチン酸による抗炎症作用」が期待されています。
「カンゾウと言えば、グリチルリチン酸」で、「グリチルリチン酸と言えば、偽アルドステロン症」です。
こんな次第で、解答は、「○」と相なります。
③の「カンゾウは、抗炎症作用のほか、気道粘膜からの粘液の分泌を促進す ることを目的として用いられる。」ですが、正しい記述です。
本問は、「東京都 R5 第69問」の類題です。
先の過去問では、「抗炎症作用のほか、気道粘膜からの粘液の分泌を促進す ることを目的として用いられる」のところが出題されています。
当該カンゾウには、抗炎症作用のほか、「気道粘膜からの粘液の分泌を促進」もあるので、チェックしておきましょう。
こんな次第で、解答は、「○」と相なります。
「カンゾウ」ですが、グリチルリチン酸を含むため、副作用の「偽アスドステロン症」を起こすおそれがあります。
そのため、「カンゾウ」の「過剰摂取」や「長期連用」は避けなくてはいけません。
「適正使用」でも、出題されるので、ガチで押さえておきましょう。
加えて、「カンゾウ」は、薬のみならず、食べ物にも含まれています。
たとえば、せんべいやおかきなどに、『甘味料(ステビア・甘草(カンゾウ))』と配合されているときがあります。
ホント、注意して見ると、そこそこの食べ物で、「甘草(カンゾウ)」を目にします。たとえば、「カルビー かっぱえびせん」です。
こんな次第で、「カンゾウ」は摂取する機会が多いため、さらに先の副作用の偽アスドステロン症の危険性が高まる、ってな次第です。
「カンゾウ‐グリチルリチン酸‐偽アスドステロン症」は、ガチ暗記です。
んでは、以下に他のポイントを見ていきます。
「カンゾウ」ですが、「1g以上」という「数字」が登場します。
長ったらしいですが、手引きから抜粋すると…、
『むくみ、心臓病、腎臓病又は高血圧のある人や高齢者では偽アルドステロン症を生じるリスクが高いため、それらの人に1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上の製品を使用する場合は、』
『治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談する等、事前にその適否を十分考慮するとともに、偽アルドステロン症の初期症状に常に留意する等、慎重に使用する必要がある。』
『また、どのような人が対象であっても、1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上となる製品は、長期連用を避ける。』
…とあります。
「数字」は、常に狙われているので、押えるべきです。
くだらない憶え方としては、「1g以上は、“い”かんぞう」です。
「“い”かんぞう」の「い」は、「1g(“い”ちぐらむ)」の「い」です。
「かんぞう」部分は、まんまの「カンゾウ」です。
「1g以上は、“い”かんぞう」は、実にくだらないですが、30秒で、数字が頭に入ると思います。
「ひっかけ」で、『以上』のところが、『以下』『超』『未満』になったりする出題が見られます。
きっちり、「1g“以上”」と、意識して憶えてください。
「カンゾウ」ですが、「適正使用」では、「カンゾウ等のグリチルリチン酸を含む成分(1日用量がグリチルリチン酸として 40mg 以上、又はカンゾウとして1g以上を含有する場合)」として、登場します。
まずもって、「40mg」という数字がガチで出題されたので、押えておきましょう。
参考:奈良県 R5 第120問
当該「カンゾウ等のグリチルリチン酸を含む成分」は、「使用(服用)しない」の論点が多々あるので、警戒すべきです。
以下の「使用しない」の論点は、押さえておきましょう。
まず、「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」です。
カンゾウの入った薬には、先のような文言の注意書きがあります。
独特の表記なので、チェックだけしておきましょう。
「理由」は、「偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため」です。
副作用の「偽アルドステロン症」と絡んで出題されるので、理由も押えておきましょう。
参考:連用しない各種
次に、「長期連用しないこと」です。
カンゾウのド定番論点なので、押えておきましょう。
「理由」は、「偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため」です。
試験的に言うと、もはや、常識レベルです。
参考:長期連用しない1
「カンゾウ」の「相談すること」ですが、数が多いです。
挙げると…、
「高齢者」
「むくみ」
「高血圧」
「心臓病」
「腎臓病」
…となっています。
余裕がないなら捨てても構いませんが、「むくみ」と「高齢者」くらいは、押えておきましょう。
参考:相談すること 高齢者
暗記用に、空白問題を出しておきます。
カンゾウ --- 「○○○作用。小児の疳には○○作用」
すらっと出るようなら、OKです。アレレなら、下の全文を見つめてください。
「か」の付く生薬へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。
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