独学資格ガイド

1級FP技能士

(いっきゅう ふぁいなんしゃるぷらんにんぐ ぎのうし)

資格評価:2つ星

独学可否:独学合格可能。管理人取得済み。


1級FP技能士とは?

1級FP技能士とは、求人数が平均で3件前後と、求人がないのも同然の資格である。

ちなみに、2級FP技能士や3級FP技能士だと「10件前後」の求人がハロワに寄せられている。

敢えて言うと、級のグレードが上がると求人がなくなるわけだが、1級保有者の絶対数が少ないため、応じて求人も少ないのだろうと、解釈できる。(評価は差し控えたい。)

求人先企業は、不動産業や生命保険等の保険業、証券取引業、FP業である。時折、会計事務所や経理職の求人が散見される。

ちなみに、正式には「1級FP技能士」と表記してはならず、「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」などとしなくてはいけない。が、本ページ上では、見易さから「1級FP技能士」とする。


1級FP技能士試験の概要

1級FP技能士は、大きく分けて、「学科試験」と「実技試験」の2試験から構成されている。

それぞれは、1次試験と2次試験的な位置付けとなっていて、学科試験が受からないと、実技試験は受けられない。

学科試験は、「基礎編」と「応用編」の2部構成で、午前と午後にわかれて試験が行われる。

実技試験は、試験主催者によって内容が変わる。

金融財政事情研究会(きんざい)の実技試験は、口答試験である。受験料は「25,000円」である。

日本FP協会のそれは、ペーパー試験である。受験料は「20,000円」である。

難易度は、学科の「基礎編」が一番手強く、次いで、学科の「応用編」がキツイ。実技試験はおおむねやさしい。


1級FP技能士の合格率‐高低差アリ

合格率は、学科試験は極めて低い。そして、反対に、実技試験は極めて高くなっている。

学科試験の合格率は、おおむね「10%前半」で推移しており、2級や3級と比べて、格段に狭き門と化している。

また、最近になって、試験の傾向が変わったので、要注意である。

かつては、過去問をしっかりやっていればおおむね合格だったが、昨今では“超ギリギリ=60点取れるかどうか絶妙”となっている。

参考:1級FP技能士の学科試験、合格してました。

一方で、先述したように、実技試験の合格率は、かなり高い。

金融財政事情研究会(きんざい)の実技試験の合格率は、「約70~80%」である。

一方の日本FP協会のそれは、「90%超」である。

ちなみに、日本FP協会の平成23年9月の1級実技試験は、「98.6%」という高々合格率であった。

受験者数「656人」に合格者が「647人」と、落ちた人は『9人』しかいなかった。お腹が痛かったのだろう。

合格率からすると、「学科は難しく、実技は易しい」である。

もっと言うと、「学科が通れば、受かったも同然」である。


1級FP技能士はフリーコスト

端的に言うと、1級FP技能士を取得する意味は、追加コスト・事後コストなく、国家資格を名乗れるところにある。

国家資格を名乗るには、お金がかかる。

たとえば、行政書士試験や社労士試験に合格しても、名刺等に「○○士」との名称を打つなどして、「○○士」と名乗るには、お金がかかる。

上記士業だと、登録免許税や協会の入会費で、「20~30万円」もの費用がかかる。

そのほか、著名な宅建(宅地建物取引士)を名乗るには、実務経験がないと「5万円前後(登録実務講習に2万円前後に各都道府県別の証紙代を加えたもの)」の費用が、実務経験があっても37,000円(例年価格・大阪府価格)もの証紙代がかかる。

そのうえ、コストは毎年、または、周期的に発生する。協会に入れば年会費がかかるし、何年かに1回の講習を義務付けている資格が多い。

しかしながら、1級FP技能士には、何のコストもかからない。

まず、運転免許のような更新制度がない。

1級FP技能士には、自ら勉強する努力義務が課せられているが、『これ』といった講習の受講義務がない。

試験主催者が行う勉強会や講習会もあるが、受けたい人だけ受ければよいだけであり、受けなければならない“義務”ではない。

よって、講習の受講料といった事後コストは発生しない。

また、1級FP技能士には、FP技能士センターやFP技能士カードといった制度が設けられているが、加入義務や発行義務もない。

単に、センターに入りたい人やカードが欲しい人だけが利用するものであり、それらは1級FP技能士として行動するのに絶対条件ではない。

であるから、入会費や会員証の発行手数料といった追加コストは発生しないのである。

このように、1級FP技能士は、とことんフリーコストなのである。

もっと言えば、1級FP技能士は、『合格』しさえすれば、名刺の役職や職名の文言の、上なり下なり横なりに、「1級FP技能士」との名称をフリーコストで使うことができる、といった次第である。

やはり、『1級』の文言と『ファイナンシャルプランニング』という横文字タッグの載った名刺はインパクトがあり、他の名刺群と差別化されるであろう。誰しもお金に興味はある。(別段、2級や3級でも技能士の名称は使えるが、アレでアレなので。)

こうした次第で、1級FP技能士まで取れば、訴求力のある文言をフリーコストで使えるという塩梅であり、言うなれば、最終の実技試験の高額受験料は、一種の登録料・利用料の前払い的な性質を持ったものと考えれば、納得できる金額となる。

なお、同じFP資格として「AFP」や「CFP」があるが、当該資格は名称の維持費がかかるので注意である。


1級FP技能士のまとめ

1級FP技能士は、Cクラス資格とした。

というのも、1級FP技能士は求人が絶望的で、就職・転職目的で取るには全くの力不足であるからである。

求人目的なら、適切な資格はたくさんある。(参考:Sクラス資格Aクラス資格

また、1級FP技能士を取得したからと言って、何かしらの特権なり権原が付与されるわけではない。

先に見たように、1級FP技能士取得の具体的な意味は、国家資格である『1級FP技能士』の名称を、フリーコストで利用できるだけである。

金融機関にお勤めの方や証券生保損保等のリテール部門の方にとっては、『箔』が付くように思われる。

社内規定等々で1級の取得が推奨されていたり資格手当が付いたりするなら、率先して受ければよいが、大半の方にとっては、そういう幸運な状況ではない。

一般的には、1級FP技能士取得による多大な価値は見込めないし、学習時間や受験費用が引き合うとは思えない。ゆえに、Cクラス資格とした。

 ハローワーク平均求人数:4人(2015/11/15)

 →最新データは、こちらまで。

 →他のFP資格の求人数は、こちらまで。

 →簿記の求人数は、こちら。

1級FP技能士の資格メモ

 1級FP技能士に関する、一般的事柄や試験日程・日時、取得に要する費用等を、以下にまとめました。

1級FP技能士の一般事項

 1級FP技能士は、「国家資格」であるが、ただ“それ”だけである。

 1級FP技能士は、「名称独占資格」であり、名称を独占する資格でしかない。(参考:名称独占資格とは?

 1級FP技能士の知名度は、ややこしい。「FP」という一般名詞はよく知られているが、「1級FP技能士」の知名度は低い。

 1級FP技能士には、受験資格がある。

1級FP技能士の試験日程・日時

 試験の申込期間は、例年、本試験の「2~3ヶ月前」からである。

 学科試験は、例年、「9月上旬」「1月下旬」に行われる。

 学科試験の主催者は「金融財政事情研究会(きんざい)」だけなので注意である。

 また、1級の学科試験は、『年に2回しかない』ので注意である。

 実技試験は、学科試験合格後に受験する。

 実技試験の主催者は「金融財政事情研究会(きんざい)」と「日本FP協会」の2つがある。

 きんざいの実技は、例年「6月中旬」か「2月中旬」に行われる。

 つまり、きんざいの実技試験は年2回あるのである。

 対して、FP協会のそれは「9月中旬」の1回しかない。

 実技試験は主催者ごとに微妙に違うので、申し込みの際は注意である。

 願書の配布期間は、おおむね申込期間と同じである。

 なお、一度は「FP 1級 公式」などと検索をかけて公式を見て、試験情報を確認しておくべきである。

1級FP技能士のめやす取得費用

 一口で言うと、「4~5万」はかかる。

 「お金はかかる」と思っていた方が賢明である。故に、安易な受験は禁物である。

 取得費用のうち、一番お金がかかるのが「実務試験の受験料」で、きんざい試験で「25,000円」が、FP協会試験で「20,000円」もの支出となる。

 学科試験の受験料「8,900円」を含めて考えれば、かかるお金の半分は、受験料なのである。

 教材コストであるが、使用教材が本格版だと…

 テキストは、おおむね5,000円前後。

 過去問は、おおむね5,000円前後。

 サブテキストを2冊買ったとして、約10,000円。

 学科試験の受験料が8,900円(例年価格)。

 実技試験の受験料が20,000円(FP協会価格)。

 雑費は、2,000円(交通費や切手代、弁当代)

 総計で、「5万円」強の取得コストとなる。

 テキストや過去問には、簡易廉価版もあるが、試験の傾向は変わっているので、よほどのバックグラウンドがない限りは使用を控えた方が賢明である。

 地力もないのに安易に簡易版を使うと、本試験時は「濡れ場」で、冷や汗でシャツがびしょびしょになる

1級FP技能士の勉強時間および難易度

 学科試験は、最低でも「2~3ヶ月」は見ておいた方がよい。

 最近、試験の傾向が変わり、基礎編は、過去問の使い回しがかなり減っている。

 つまり、以前のように過去問だけをやっていたら受かるものではなくなっている。

 FPとしての地力が試されるので、不安があるなら、「半年以上の時間」を見て、苦手分野の勉強に手をつけておいた方が賢明である。

 正直言うと、過去の合格者の話は、昨今の傾向が続くなら、当てにならない。

 実技試験は、「1~2ヶ月」を見ておく。

 合格率からすると、実技試験は簡単なように見えるが、何気に主催者ごとに明白な傾向があるので、しっかりと対策を取っていないと、高額の受験料をどぶに捨てることになる。

補足コンテンツ/関連リンク

・FP技能士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「FP技能士:ブログ記事」をばご参考ください。

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