(かんりぎょうむ しゅにんしゃ)
管理業務主任者とは? ‐ マンションの管理人の資格ではない ‐ 管理業務主任者の需要 ‐ 難易度 ‐ 勉強について ‐ まとめ ‐ 資格メモ‐試験日程・費用など
管理業務主任者とは、求人数が平均で120件前後と、相応の求人数のある資格である。
ちなみに、同じ不動産系資格の宅建は、「平均1,300件強」の求人がある。さすがにSクラスの宅建には及ばない。
とはいえ、類似資格のマンション管理士の求人が、平均「13件」であることを鑑みれば、管理業務主任者はまったく捨てたものではないことがわかる。
求人先は、主としてマンション管理業者である。そのほか、建物管理を生業とするビル管理業や施設管理業等からの求人も見受けられる。加えて、自社物件の管理のために、建設会社や不動産会社からの求人もある。
ところで、管理業務主任者は、未経験可の求人が比較的多いほうである。4割は「未経験可」となっているので、管理業務主任者は、異業種からの転職に有利な資格と言えよう。
ハロワの求人では、年収は未経験でも200万~300万は確保されている。
ハローワーク平均求人数:132人(2018年8月調査)
当該資格の最新データは、「ハローワーク資格別求人数データ」にあります。
ところで、ハロワ登録資格の求人数1位~200位は…、
…を、参考ください。
よく勘違いされているのだが、管理業務主任者は、マンションの管理人になるための資格ではない。
一定の規模のマンション管理業を営む者に対して、法的に設置・確保が求められる資格である。いうなれば、「法人なり事業者」が必要とする資格であり、個人の身分を保証する資格ではない。この点、マンション管理士とは異なる。
まあ、強いて言うなら、マンションの管理人が当該管理業務主任者を持っていれば、会社側からすると、有資格者のキープ要員として扱われる可能性はある。雇用延長や求人確保等々の意味で、管理業務主任者が全く役には立たないとはいえないだろう。
蛇足だが、管理業務主任者の仕事は、マンションの管理人のと全くの別物である。
一口で言えば、『法的需要』である。
マンション管理業者は、管理業務主任者をして、『重要事項を説明させる』ことと、『管理業務の処理状況について管理組合に報告させること』とを、法律によって義務付けられている。マンション管理業者は、管理業務主任者に先の業務を、必ず、させないといけない。
当該法的義務を怠ると、マンション管理業者は、国からマンション管理業の許可を取消されたり罰金を科せられたりと、きつい罰則がある。業者にとっては死活問題である。
マンション管理業者は、課せられた義務を遂行しないといけないわけだが、管理業務主任者の有資格者がいないと、その義務を履行できない。こういう法的義務(法的需要)があるために、管理業務主任者は、相応に取得価値のある資格となっている。
ところで、本試験の頻出事項だが、「30管理組合につき、1人の管理業務主任者の設置」が義務付けている。
宅建の設置義務は、かつては「10人に1人」だったが、規制が強化され、現在では、「5人に1人」となっている。このことを鑑みても、管理業務主任者の規制がいつ強化されるかわからない。有資格者は相応に評価される、といっていい。少なくとも、「ないよりかはいい」。
端的に言うと、『民法』が試験科目にある資格は、例外なく難しくなるので、取りにくくなる。民法の学習に時間と根気が要るためである。
民法が試験科目にある管理業務主任者も例に漏れず、スグには取れない資格である。
とはいえ、反対に言うと、『民法』を知っているなら、試験の難所は終わっているので、かなり楽になるし、短期間の試験勉強で合格できてしまう。
管理業務主任者なんてカンタンだという人は、得てして、大学なり他の資格(おそらく宅建)なりで民法を学習済みであることが多い。
手前味噌で申し訳ないが、わたしは、宅建と行政書士の取得の際に民法を勉強していたので、管理業務主任者では、非常に楽ができた。簿記の資格もあったのでさらに楽ができた。ちなみに、1.5ヶ月合格である。
管理業務主任者の勉強時間は、当人のバックグラウンドが非常に物をいう資格であるので、惑わされないように注意すべきである。
なお、管理業務主任者の難易度は、宅建よりやさしいと言えなくもないが、クセのある科目もあるので、苦戦することになる。
とはいえ、きっちりテキストを読み込んで、過去問で頻出事項をおさえていけば、穏当に合格のできる資格であることは間違いない。仕事をしながらでも、家事・育児の真っ只中でも、両立は十分に可能である。
合格ラインは、おおむね6~7割である。合格率は、近年は20%強で推移している。
とても長くなるので、勉強方法等については、「管理業務主任者の独学」に、まとめている。
また、「管理業務主任者 合格体験記」も、参考にしてほしい。
得か損かを言うと、管理業務主任者は取っておいて損はない。資格の対象である「マンション」は、今後も「なくならない」からだ。
資格にも寿命がある。「マンションはなくならない」という事実は、管理業務主任者の取得を目指す十分な理由となる。
また、当該資格制度は、マンション管理を円滑に運ぶ上で、十分な存在理由がある。手のかかるマンション管理は、ふつうの管理組合だけでは手に負えるものではない。第3者の手(サービス)が必要であり、経済合理的な“実需”が業界にあるのは間違いない。
管理業務主任者は、資格制度自体がなくならないことに加え、今後も一定の法的需要が見込まれている。賃金・年収も業界の規模相応である。
このように、管理業務主任者は、有意義であり続けられる資格である。
ただ、管理業務主任者は、汎用性に欠ける資格ではある。先述したように、主にマンション管理業の求人が主であり、業務対象もマンション管理が主となる。管理業務主任者は、専門的な資格なのである。つまり、他に潰しが効かないのである。
取って損はないし、就職や転職に有利に働くことは間違いないが、老若男女・万人に勧められるわけではない。
逆を言うと、明確な意図と目的がないと、この資格は活かせられない。その専門・専属性から、「管理業務主任者」は、Bクラス資格とした。
管理業務主任者に関する、一般的事柄や試験日程・日時、取得に要する費用等を、以下にまとめました。
管理業務主任者は、「国家資格」であり、取得者には一定の評価がある。
管理業務主任者は「必置資格」であり、法的需要がある。(参考:必置資格とは?)
管理業務主任者は、一般には知られていない。「マンション管理業務主任者」と、よく間違われる。
二級ボイラー技士に、受験資格はない。誰でも受験できる。
管理業務主任者試験は、おおむね12月の第1日曜日に行われる。
受験の申し込みは、おおむね9月中で、「9/1~9/30」までである。
願書はPDFでダウンロードするが、大きな書店でも、冊子で配られている。
なお、本ページの作成時では、「マンション管理業協会」が試験主催ですが、一度は公式を見て、試験情報を確認しておいてください。
おおむね「15,000円強」を見ておけばいいでしょう。
適当かつ曖昧な内訳は、以下。
テキストは、2,500円前後。
過去問は、3,000円前後。
受験料は、8,900円(2015年度価格)。
総計で、「15,000円強」である。
使用教材の詳細については、「管理業務主任者の教材」を参考にしてください。
試験の難易度を一口で言うと、「難しくはない」である。
勉強しないと絶対に受からないが、きっちりテキストを読んで過去問をやれば、必ず受かる試験である。
合格率は、おおむね「20%台」が続いている。
管理業務主任者の勉強時間は、「3~6ヶ月」を見ておけば、知識ゼロからでも十分に合格点を確保できるように思われる。
勉強方法等については、「管理業務主任者の独学」まで。
管理業務主任者の合格体験記もあります。「管理業務主任者 合格体験記」を参考にしてみてください。使用教材についても書いてます。
そのほか、管理業務主任者に関するこまごましたこと、たとえば、「不動産3資格(宅建、管業、マン管)の違い」といった記事を、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。
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